真・恋姫†無双 十√ 21
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荊州

 

怒涛の如く押し寄せてくるであろう北郷軍から荊州を守る為に桃香達と千の兵は馬を駆ける、

目的地は荊州南部四郡が一つ長沙郡の城臨湘

そこに向かうには訳がある、その訳とは長沙郡太守の黄忠漢升に会う為である。

 

黄忠漢升、その弓は右に並ぶものがないほどの腕前、さらに民からの信頼も厚く慕われ、故劉表からの信頼も厚かった、

故劉表の長男劉埼を蔡瑁一派の手から保護し守っていた為か蔡瑁から疎まれ先の赤壁での行動を知らされる事はなかった、その後北郷軍の報復を恐れ蔡瑁一派を粛清した荊州ではあったが、北郷の怒りは消えず、おそらく報仇雪恨の想いで押し寄せてくるであろう事は誰の目にも明らかであった、北郷軍を恐れ混乱する荊州にあって黄忠は劉埼を立て荊州を纏めようとしたが病で劉埼は亡くなってしまう、その際劉埼は荊州を劉備に託す事を黄忠に告げる

 

黄忠自身劉備という人物の話は度々聞く事があった、反董卓連合においての活躍、数万の袁術軍から徐州を守った話、民からの信頼も厚いと聞く、しかし、本当にその人物に荊州を託しても良いものかと、同じ劉姓、漢の血筋という話だけではないかと、それでも劉埼の意思を受け継ぎ劉備と会う事を決める黄忠、しかしその内に秘めた心の中では”もし君主たる資格無き場合命を賭してそれを防ぐ”と

 

臨湘に向かう劉備軍にあってただ一人それを看破する人物、劉備軍の頭脳孔明こと朱里である、朱里は黄忠という人物の人となりを調べ、この人物を味方にできれば荊州の掌握も容易い、と考えていた、と同時に味方に出来なかった場合荊州を得る事が、天下三分の計が破綻する可能性も考えていた、すべては我が主劉備玄徳こと桃香次第、桃香が黄忠を説き伏せる事ができなければすべてが無に帰すのだ。

 

長沙郡に入る劉備軍、黄忠との連絡を密にし、臨湘へとたどり着く、そして城門の前に待つ人物黄忠と対する

 

 

「はじめまして、私この長沙郡を治める黄忠漢升と申します」

 

「あ、は、はじめましてっ、わ、わわ私は劉備玄徳と申します、よ、よろしくお願いひ(ガリッ!)ます!」

 

凛として構える黄忠に対してワタワタとうろたえさらに噛んでしまう桃香に朱里は「はわわわ〜…」と頭を抱えてしまうのであった

 

「中々楽しいお方ですわね」

 

「は、はは、すみません…、わ、私ってそそっかしくて…」

 

第一印象は最悪であったろう、しかし黄忠はそんな桃香を卑下する事なく本題に入っていく

 

「故劉埼様よりの書簡はそちらに届いているとは思います、劉埼様、そして劉表様は劉備様の事をたいそう気に入っておりました、数々の武勲、そして同じ劉姓であり、中山靖王劉勝の末裔だとか、徳に厚く民からも慕われるお方、そのような方にならば荊州を託しても良かろうと」

 

「そ、それは言いすぎです!私は愛紗ちゃんや鈴々ちゃんみたいに強くないですし、朱里ちゃんみたいに頭も良くないし、皆に助けられてばっかりで…」

 

桃香の真面目すぎるほどの答えに少し微笑む黄忠、しかし

 

(武に秀でてるようにも見えず、知においても聡明に見えず、さらに自らの力で難局を打開できるようには思えない)

 

黄忠は心の中でそう桃香を評する、この人物に荊州をまかせて良いものかと、そしてこの問いに納得できる答えが貰えなかった時、荊州の主となる事を諦めてもらおうと

 

「劉備様」

 

「はい?」

 

次の瞬間、黄忠は己が武器『颶鵬』を桃香の眼前に構える、愛紗が飛び出そうとするがそれを星が制す

 

「下手に動けば桃香様が危ない!」

 

その言葉に愛紗はギリッと歯軋り、確かに下手に黄忠を抑えようとすれば桃香に矢が放たれるかもしれないと、

 

桃香は黄忠の突然の行動に戸惑う、そして緊張がみなぎる中黄忠が話す

 

 

 

「劉備様は荊州を得て、何を目指されますか?」

 

 

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颶鵬を向けられた桃香は黄忠の問いに考え想う、そして決意を込めたように

 

「私は荊州の人達を守る為にここに来ました、そして荊州、いえこの国の人達が皆仲良く、

そして誰しもが笑顔で過ごせ平和に暮らせる世の中を作る事、それが私の理想です」

 

その言葉に黄忠はやはり失望を感じる、しかし桃香はさらに言葉を続ける

 

「でもそれを成すには、理想を語るだけじゃダメなんです、言葉だけじゃ誰もついてきてくれない、

でも理想を、言葉を無くしてもいけないと思うんです!」

 

「黄忠さん、私には何の力もありません、誰かを助けたいと言いながら自分の力で助けた事なんてない、いつも皆に頼って、助けてもらって、辛い思いをさせてばっかりでした、けどもうそんなのは嫌なんです、私自身が変わらないと何も助ける事ができないってわかったんです!」

 

「大切なものを救いたい、守りたい、その想いが募っていくのに何も出来ない事の辛さ、無力さを思い知りました、そのせいで私は今まで大切なものを沢山失ってきました」

 

「だから私は力がほしいんです、大切なものを守る力、そして大切な人に戦いをやめさせる力を」

 

「大切な人とは?」

 

 

「……かずと…北郷一刀さんです!」

 

 

桃香の言葉に黄忠は言葉がつまる、北郷一刀、今まさにその人物に荊州が攻め滅ぼされようとしているのにと、

もしやこの人物は北郷の手の者なのかと。

 

「貴方にとって北郷一刀とはどのような人物なのですか?」

 

「大好きな…、大好きな人です!、けど私は徐州の人達を危険に晒した事で嫌われてしまいました、一刀さんは民の事を誰よりも大切に考える人なのに私はその人達を危険にさらしてしまったから、平和で皆が笑顔で暮らせるような世にしたいって言っておきながら多くの人達から笑顔を奪ってしまったから…」

 

辛そうに語る桃香に黄忠が問う

 

「劉備様、貴方は北郷と戦う事ができるのですか?」

 

「私は、一刀さんに戦いをやめてほしいと思っています、これ以上戦う必要はないはずなんです!、でもきっと話を聞いてくれないと思います、あの人は大切なものを傷つけられたら決して許さない人ですから、だからきっと荊州を許さないと思います、それでも私は止めたい、これ以上一刀さんに戦ってほしくないから、これ以上悲しむ人を増やしてほしくないから!それを一刀さんに伝えたい!それでももし一刀さんが荊州に攻めてくるというなら…」

 

桃香は黄忠を見据え

 

 

「私は荊州を守る為に一刀さんと戦います、これ以上の戦いをやめてもらう為に!戦いの連鎖を断ち切る為にっ!

そしてこの国の人達が皆仲良く、誰しもが笑顔で過ごせるそんな国にする為に私は命を賭してこの国の人達の為に尽くします!」

 

その瞬間、周りの者達は桃香から発せられる気を感じる、武による制覇ではなく徳による国作り、”王道”

 

そしてそれを成す者

 

 

 

 

”王者”

 

 

 

 

桃香の決意に黄忠は想う、この人物は仁徳の王、乱世においては軽んじられる徳によって国を成そうとする王道を歩む者なのだと、桃香の心を感じた黄忠は颶鵬を下ろし拱手稽首し

 

「ご無礼の程お許しください、罰はいかようにもお受けいたします、我が名は黄忠、字を漢升、真名は紫苑、あなたに我が真名をお預けいたします、劉備玄徳様、荊州を、いえ、この国をお導きください」

 

紫苑は桃香に全てを託す、そんな紫苑をわたわたと慌てふためいて迎えるいつもの桃香、無事な桃香にほっとする星、鈴々、朱里、雛里、しかしただ一人愛紗だけは言葉を発する事ができずただただ何かを想うように桃香を見つめ続けていた

 

こうして荊州南部四郡が一つ長沙郡は桃香を荊州の主として纏め始める、しかしそれを良しと

しない他の三郡は長沙郡に対し攻撃を仕掛ける、それを察知した朱里と雛里はすぐさま対応する

 

 

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 桂陽郡へ向かう星と雛里

 

星は荊州南部四郡の一つ桂陽へと向かう、目的は桂陽にいる厳顔救援の為、厳顔は黄忠と同じく荊州では名の知れた武将、武において紫苑と同等とも言われていた、厳顔自身今の荊州では北郷には敵うまいと考えていた為、劉備軍との接触を計ろうと考えていた、しかしそれを桂陽郡太守趙範に気取られてしまう、趙範は兵を率い厳顔のいる城を包囲する、それを知った劉備軍は兵を率い厳顔救出に向かう、選ばれたのは星、軍師に雛里をつけ長沙軍の兵千を率い救援に向かう

 

星は雛里を抱え騎馬を駆ける、その心は今までとは違っていた

 

 

”ようやく私は王を得た!”

 

 

長い道程だった、一時は踏み潰される寸前だった、しかしそれを乗り越え我らの王は強くなりつつある、兵や領土において未だ北郷や孫呉には敵うまい、だが我等にはそれを補って余りある徳がある、星は沸きあがる感情を抑えきれないでいた、厳顔の城が見え始める、小さな小城を桂陽の兵士が包囲していた、数は一万はいよう、しかし今の星にとってはたいした数はない、そして抑えきれない感情が星を動かす、雛里は降りる事もできず「あわわわ」、星はそんな事もかまわず桂陽軍へ突撃する

 

「我が名は趙子龍、劉玄徳が槍!我等が天道を邪魔するものは我が槍龍牙の餌食になると知れい!」

 

突如現れた兵に桂陽軍は混乱する、そして星を中心として敵陣を突破していく

その様子を城より見つめる厳顔は「ほおっ」っと感嘆する、そして星率いる部隊が城までたどり着き長沙よりの増援と名乗ると開門し招き入れる

 

「我が名は趙子龍、我が主劉玄徳の命により厳顔殿救援に駆けつけに参った!」

 

厳顔は星の武に惹かれると共にこのような豪傑を配下とする劉玄徳という人物に興味を持つ、紫苑の書簡で半信半疑であった仁徳の王劉備玄徳という人物、仕えるに値する人物かと、星は気を失ってる雛里を城に残すと何と単騎で桂陽軍の大軍に突っ込んでいく、それを見た厳顔は

 

「凄まじい武人じゃのう、あのような者が王と定める劉玄徳という人物、興味が沸いてきおったわ、なあ焔耶!」

 

焔耶と呼ばれたのは厳顔の弟子魏延と言う、厳顔の言葉に

 

「はぁ…」

 

気のない返事、心の中では”どうせたいした人物ではあるまい、いかつく醜い男であろう”と

 

桂陽軍の大軍に突入した星は縦横無尽に暴れまわる、今まで溜め込んできた武を叩きつけるように、そして桂陽太守趙範を見つけると数合打ち合い趙範の武器を吹き飛ばし龍牙を趙範の頸にピタリと当て

 

「これ以上の戦いは無用!降れ、我が王の元へ!そして共にこの荊州を!いやこの国の為に力を尽くそうではないか!」

 

その言葉を聞き、星の気迫に威圧された趙範は降伏を決める、その後趙範を伴って城に戻ってきた星を見た厳顔は

 

 

「趙雲は全身肝っ玉のような奴じゃ」

 

 

 

と評した、その後桃香率いる本隊が厳顔の元にやってくる、

桃香を見た厳顔は桃香より発せられる王者の気を感じ拱手稽首し忠誠を誓う

 

「我が名は厳顔!我が魂と我が剣、共に劉備殿に捧ぐ!真名は桔梗、よろしく頼みますぞ我が主!」

 

「あ、そ、そそそんな、えと、こちらこそよろしくお願いします桔梗さんっ、あっ、わ、私の真名は桃香って言います」

 

そんな感じでうろたえる桃香に大声で楽しそうに笑う桔梗だった、さらに魏延はというと

 

 

ボーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー///////

 

桃香に見惚れていた

 

「え、えと、魏延さんだっけ?あの、どうか、貴方の力を私達に貸していただけますか?」

 

桃香の言葉に

 

「は、はいいいいいい!!!!!/////わ、私は魏延、真名は焔耶!りゅ、劉備様にお預けいたします!」

 

「くすっ♪ よろしくね焔耶ちゃん、私は桃香、私の真名も受け取ってもらえるかな?」

 

「は、はいいいいいい!!////」

 

と真っ赤になって承諾、その後桃香に生涯忠誠を誓うシモベとなり「寝所をお守りいたす!」とかの理由で桃香の寝所に度々潜り込むのだが、その話はまたいずれ

 

 

とにもかくにもこうして桂陽郡は桃香達に帰順する

 

 

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荊州南部四郡が一つ武陵太守の金旋は北郷軍への離反に賛同した者の一人であった、しかし北郷軍が軍を整え再び攻め込んでくるとの報を聞くやいなや、自己の安寧を求め一刀に取り入る為に恭順の意思を示す使者や書簡を送っていたが反応はなかった、そんな時降って沸いた劉備玄徳の話、北郷に反する劉備を討てば北郷もきっと我等を受け入れてくれるに違いないと画策した金旋はすぐさま劉備討伐の軍を発す、数は一万、一路長沙郡の城臨湘へと向かう

 

しかしそこへと向かう途上、川に架けられた橋に劉備軍の将がいるとの報告を受ける、臨湘に向かうにはその橋を渡るのが尤も近く、その為武陵軍は臨戦態勢を取る、しかし細作から報告されたその報告に唖然とする、そして失笑、その細作の報告してきた内容とは

 

 

「橋を守るはただ一人」

 

 

こんな所で無駄な時間を過ごしてる暇はないと進軍する一万の武陵軍、

そしてその橋の前でその将を視認する、その橋にいた小さな少女

 

 

「我が名は張飛翼徳!ここから先へは行かせないのだ!」

 

 

そんな鈴々に武陵軍の兵達は大笑い、子供に何ほどの事が出来ようかと、十騎ほどの騎馬が鈴々を排除しようと近づく、そんな武陵兵を一振りで吹き飛ばす鈴々、その様を見た武陵兵達は度肝を抜かれる

 

「鈴々は難しい事はわからないのだ、でも愛紗が言っていた”やくわり”、難しいのはお姉ちゃん達に任せてその代わり戦うのが鈴々の役割!鈴々は矛で役に立つのだ!どんな敵からも桃香お姉ちゃんを守ってあげるのだ!!」

 

数千の武陵兵が武器を構え鈴々に押し寄せる

 

「逃げるなら追わない、でもまだ桃香お姉ちゃんの所に行こうとするなら」

 

その瞬間鈴々から放たれる闘気!それはまさに圧倒的なまでの気、

 

「この燕人張飛の丈八蛇矛でみんな吹き飛ばしてやるのだ!」

 

鈴々の気に押されそれ以上近づけない武陵兵達

 

「え、ええい攻めよっ!きゃつはただ一人ぞっ!!!」

 

金旋は兵達に命令する、兵達は鈴々の闘気に気後れしながらも数で押し寄せる、しかし!

 

 

 

「鈴々は一人じゃないのだ」

 

 

 

「鈴々には桃香お姉ちゃんに愛紗に朱里に星に雛里、くるくる金髪に斗詩に猪々子、

それに夏口のお饅頭屋のおばちゃんにラーメン屋のおじちゃんに鈴々山賊団、他にも沢山沢山…」

 

「みんなみんな鈴々と一緒にいてくれるのだ!だから」

 

 

武陵の兵が攻め寄せる

 

 

「ひとりっきりじゃない鈴々は」

 

 

武陵兵の無数の槍が鈴々を襲う、しかしその槍が鈴々に届く事は無かった

 

 

 

 

どおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんんん!!!!

 

 

 

 

鈴々の一撃は武陵の兵を吹き飛ばす、地が割れ、土煙が巻き起こる、その中心にいる人物

 

 

 

 

 

 

”我が名は張飛翼徳”

 

 

 

 

 

 

 

「無敵なのだっ!!!」

 

 

 

その気に押された金旋の軍は結局進む事が出来ず城へと帰っていく、その後、武陵で反乱が起こり鞏志という将が金旋を討ち取り劉備軍へ帰順する、

 

 

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荊州南部四郡が一つ霊陵郡に向かう一軍、指揮するは愛紗、愛紗は蒼天を仰ぎ、想う

 

 

「私は不忠者だ…」

 

 

愛紗は頭を垂れ自分の今までの行動を思い浮かべる、私は今まで何をやってきたのだろうかと、盗賊退治などをしていた頃はそれに満足し、救世主のようになっていた、私は私の中でしか物を考えず、己の限界を勝手に決めていた、はるかな強大な敵と戦うことなど考えもしなかった、そんな矮小な自分を目覚めさせてくれたのは他ならぬ桃香様

 

桃香様は敵を知り、己を知り、尚、戦うことが出来るお方、

あの細い腕で剣を握り背に無力の民を庇い、百にも近い盗賊の前に立ちはだかっていたのがついこの間のように思える

 

あの方が私の武に理由をくれた、私や鈴々の居場所を作ってくれた、なのに私はあのお方に何もしてやれてはいない、桃香様に夢を託しながらその夢の為に力を尽くしてはいないではないか!

 

そのせいで桃香様は傷つき苦しみ悲しまれた、全ては私の力が足りぬ為!

 

「だがもう我が主を悲しませるような事はするものかっ!これからは私が桃香様の為に尽くす番!」

 

そう言うと愛紗は配下の兵を残し単騎で霊陵の城へ向かう、

愛紗を視認した霊陵の兵は何事かと愛紗を見る、そんな兵に愛紗は

 

 

「我が名は関雲長!荊州の主となった劉玄徳が一の臣!霊陵の方々に願いあって参った!

今は荊州が一つになる時、共に手を取りこの荊州を、いやこの国の為に尽くそうではないかっ!」

 

愛紗の言葉に兵達は何事か相談する、少しして門は開かれ兵が現れる、しかしそれは愛紗を包囲する為の兵、数百という兵があっという間に愛紗を包囲する、指揮官らしき兵の一人が愛紗に

 

「我等は劉玄徳なる者を荊州の主とは認めてはおらぬ!霊陵が欲しくば力づくで取ってみせよ!」

 

兵達は武器を構える、ただ一人愛紗に向け、そんな様子をみた愛紗は

 

「わからぬのかっ!今は蝸牛角上に争っている時ではないのだぞっ!お主たちの為にも、そして民の為にも!」

 

必死に語る愛紗、しかし霊陵の兵達は武器を下ろそうとはしない

 

「ならば、仕方あるまい」

 

そう言うと愛紗は己が武器青龍偃月刀を構える

 

その刹那愛紗から発せられる闘気、それは今までの愛紗からは考えられないほどの気

その気に圧せられる霊陵の兵達、そして次の瞬間

 

 

 

 

 

 

一閃!

 

 

 

 

 

 

霊陵の兵達には何が起こったかわからなかった、愛紗が青龍偃月刀を構えなおす、

次の瞬間愛紗を囲っていた兵達の無数の槍が綺麗に切断される

 

「次は槍だけではすまさぬぞ」

 

その言葉に、切断された武器をみつめ兵達はたじろぐ

 

「闘うのなら覚悟せよ、今の我が武、我が心には一片の曇りも無い」

 

 

 

”愛紗ちゃん♪”

 

 

 

「今の私は」

 

 

 

 

 

 

 

 

     

      武

 

      神

 

      降

 

      臨

 

      !

       

 

 

 

 

 

 

 

「呂布より強いぞ」

 

 

 

 

愛紗の圧倒的な威圧感

 

それを感じた霊陵の兵達は武器を捨て次々と降伏をしていく、そして太守劉度もこれ以上の抵抗は無意味と判断し桃香へ帰順する

 

 

ただ一人で万の敵陣を駆け抜け敵大将を捕らえた趙子龍

ただ一人で万の敵兵を追いやった張翼徳

ただ一人で城を無血開城せしめた関雲長

 

ある者は恐怖し、ある者は驚愕した、しかし多くはその武勇に惚れこみ、その者達が王と崇める劉備玄徳という人物に興味を持ち始める、さらに荊州に名の知れ渡っている黄忠、厳顔といった者達も劉備軍に帰順した事を知ると今まで様子を見ていた荊州の豪族や有力者達はこぞって桃香の下へ訪れ次々と帰順していく、こうして桃香達はたいした被害も出さず荊州南部四郡を平定する事に成功する

 

そこからは伏龍鳳雛と言われる朱里、雛里の独壇場

荊州にいる有能な人材を次々と登用していく、元々人材の宝庫とまで言われた荊州である、人心掌握、荊州防備とやる事はいくらでもあったが瞬く間にそれを成し遂げていく

 

 

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楊州 建業

 

玉座の間に入ってくる人物たち、孫権こと蓮華、甘寧こと思春、陸遜こと穏である、

その三人の姿をみた孫策こと雪蓮は走り出し蓮華に抱きつく

 

「ああ、蓮華、蓮華!無事でよかった!ほんとに、無事で!」

 

「ね、姉様?////」

 

あまり雪蓮にこういう事をされた事のない蓮華は照れまくる、しかし真面目に

 

「姉様にお話があります、急な撤退命令は姉様が出されたと聞きました、

よければその理由をお聞かせ願えないでしょうか?」

 

蓮華達は予州、徐州攻略の為、まず合肥に立てこもっている北郷軍に対し攻撃をしていた、守る兵は五千ほど、呉軍は四万と優勢、しかし撤退命令を受けこの戦いを放棄し一路建業へと帰還したのだ、蓮華の問いに雪蓮は顔を曇らせる、そんな雪蓮を見かねて冥琳が一刀とのやりとりを話す、その話を聞き終えた蓮華が

 

「姉様、まさか姉様は今後私を戦場へ連れて行かないなどとは申しませんよね」

 

その言葉にうつむく雪蓮、そんな雪蓮に蓮華は

 

「姉様、孫家の人間は常に先陣に立ち、兵達の先頭を走るものです!その勇敢さがあるからこそ民衆は孫家を支持し力を貸してくれます、その家訓をお忘れなのではないですか!」

 

蓮華の言葉に「はっ!」とする、自分は何を恐れていたのだろうと、確かに蓮華を失うのは何よりも恐ろしい、だがそれ以上に孫呉というものをしょって立って行く以上それは乗り越えねばならぬものではないかと

 

「そうね、蓮華の言う通りだわ、一刀の覇気に気後れしたのかしら、私らしくないわね」

 

そう言って気合を入れなおしいつもの凛々しく小覇王と呼ばれた孫策伯符へと戻る雪蓮、そして蓮華をみつめ

”蓮華も王の器なのだ、この子もいずれ私や一刀と同じ所に起つだろう”と心高ぶらせていた、そして

 

「穏、ゴメンね、貴方の立てた策をぶち壊してしまって」

 

「いいえ〜、それに合肥の戦いは行き詰っていて、後退する時期を模索していましたから、なので雪蓮様の命令はまさに僥倖でした、それがなければ蓮華様は退くことなどせず無理に攻撃して被害が増えてたかもしれませんし〜」

 

と、そんな穏の言葉に蓮華がワタワタとし、雪蓮は

 

「あら、そうだったの、な〜んだ、悪いと思ってたけどそれ聞いて安心したわ〜♪」

 

と、なんか開き直って蓮華を突付いていじめ始める、そんな仲のいい姉妹の様子を無視し、

冥琳は穏に合肥の戦いについて聞く、穏は

 

「合肥はまさに金城鉄壁でした、攻めども攻めどもびくともせず、被害だけが増えるような状況」

 

「合肥を守るは神速張遼、退かずの楽進、からくり屋李典、そして十面埋伏程仲徳だったか」

 

そう言うと何やら考えこむ冥琳達に雪蓮が言葉をかける

 

「なぁに、大軍師周瑜ともあろう者がもうあきらめるつもり?」

 

その言葉に冥琳は微笑み

 

「まさか、強敵に心躍っているだけだ」

 

その言葉に雪蓮は微笑む、こうでなくてはと、そして

 

「冥琳、北郷の軍を退け我が呉が大陸に覇を唱える為の策は揃っている?」

 

「無論だ!今まで周公謹を放っておいたこと後悔させるほどにな!我等はこの大陸で尤も強く、

尤も天下に名を轟かせる国だ!」

 

「けど北郷の国は強大です、今のままではどうやっても太刀打ちできない、どうするのですか?」

 

蓮華の問いに冥琳は答える

 

「荊州を獲る、主無き今の混乱した荊州なれば獲るのは容易い!そしてさらに益州!、楊、荊、益この三つを手中に収めれば北郷と天下を二分するほどに匹敵するだろう、その後に北郷と雌雄を決し勝利する!」

 

その策やよし!雪蓮はそう決めるとすぐさま行動を起こす為号令を発す、そこにいた面々もそれに従い行動を始めだす、しかし、そんな時荊州の主に桃香がなり、荊州南部四郡を手中に収めた事を知る、その報告は呉の誰しもが驚愕するものであった、劉備軍はわずかに千ほどの兵しかいなかったはず、その劉備軍が瞬く間に荊州を掌握したなどとありえない話だと、戸惑い混乱する冥琳達、しかしただ一人雪蓮だけは想う

 

出会ったのは反董卓連合、あの時は理想のみで動いていた世間知らずのお嬢様という印象だった、しかしその後に何があったのだろう、聞いた話では一刀との間で戦端が開かれようとしていたとも聞いた

 

 

「劉備…」

 

 

 

新たなる強敵の存在を予感する雪蓮は何故か心踊り、興奮を隠せなかった。

 

 

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荊州南部四郡が桃香達に掌握された報告は一刀達の元にも届く、玉座の間でその報告を聞いた北郷軍の面々、そして桂花、風、稟、詠の四軍師すらその報告には驚愕する、しかしただ一人北郷一刀だけは

 

「そうか、やっぱりな」

 

と、まるでそれが成される事を知っていたかのような反応をする、

そんな様子を見た軍師達は一刀に問う、そしてそれに一刀は答える

 

「劉備が荊州を獲る可能性はあると思ってた、ただ彼女が出会った時のように理想だけを語ってるだけの少女のままならそれはないとも思っていた」

 

「劉備が変わったって言うの?」

 

「どうだろう、劉備自身が変わったのか、それとも周りが変わったのか、

いずれにせよ今までの劉備軍とは思わない方がいい」

 

「そうですね〜、細作の報告では関羽、張飛、趙雲の三人に加え黄忠、厳顔という荊州でも名のある将が加わったとか、文官でも有能な人材を登用しているそうです」

 

「(五虎将のうち四人を手に入れたか…)、とにかく南征の計画を練り直した方がいいと思う、それと、劉備軍はおそらくこの後益州を手に入れると思う、今後の戦いにそれを盛り込んでいてくれ」

 

一刀の言葉に四軍師は同意する、劉備軍のいない荊州なら5万もいれば制圧できたかもしれない、しかし今の荊州は劉備を中心とした強国となっている、さらに益州を得たなら戦いは苦しいものになるだろうと

 

皆が出て行き、一人になった一刀は想う

 

 

(きっと君は強くなったんだろうな…)

 

 

目に浮かぶのは優しき少女

 

 

 

 

その後、一刀の言った通り、劉備軍は益州に入る、劉璋の圧制に苦しんでいた人々が劉備に助けを求めてきたのだ、荊州を電光石火の如く纏め上げた手腕と関羽、張飛、趙雲といった猛将達の活躍が知れ渡っていた為である、益州に入った劉備軍三万は抵抗らしい抵抗もなく成都までたどり着き劉璋の圧制から民達を救う事に成功する、後に桃香達は成都を拠点とし

 

 

『蜀』を手に入れる

 

 

 

一方雪蓮達は桃香達がいなくなり手薄になった荊州北部の江夏郡を制圧する、その後は北郷軍に対する防備を固め

着々と軍備を整えつつあった

 

 

 

『呉』は決戦の時を待っていた

 

 

 

そして北郷軍、荊州北部の南陽郡、南郡を手に入れ、いつでも南征の準備ができるよう徴兵と調練を繰り返していた、

さらに拠点を許から河北の?へと移し磐石の態勢を整えつつあった

 

そして、一刀は皆の前に立ち

 

「国号を魏とする!」

 

 

 

『魏』を名乗る

 

 

 

こうして一刀の魏、雪蓮の呉、桃香の蜀の三国が揃いぶむ

 

 

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?

 

?城の中庭の草むらで座っている一刀、その隣にはぐっすりと眠った恋と音々音とセキト

そんな様子を優しげに見つめる一刀、平和だ…、そう想う一刀も草むらに横たわり目をつむる、しかしいずれくるであろう雪蓮、桃香との戦いの事を考える一刀

 

(なでなで)

 

一刀の頭を撫でる感触、目を開けるといつの間にか一刀の横にぴったりと体をつけている風さん

 

「風…、仕事中じゃなかったのか?」

 

「風は一流ですからお仕事はもうすませちゃったのですよ〜、今は稟ちゃんが風の分も頑張ってる所です♪」

 

「それただ単に稟に仕事押し付けただけじゃん!はぁ…まったく、後でちゃんと稟にお礼しとけよ」

 

「お礼はおにーさんにおまかせします〜稟ちゃんもその方がいいでしょうし〜♪」

 

そんなやりとり、いつものやりとり、平和で、静かな時が流れる、しかし風が少し真面目になって一刀に尋ねる

 

「おにーさんにお聞きしたい事があります」

 

「ん、何?」

 

「おにーさんが孫策さんとお会いした時に”自分はこの世界の人間じゃない”と言ったそうですね、

その事をお聞きしたいのです〜」

 

風は孫策と一刀が会った時の会話をその時一刀と共にいた兵士の数人から聞いたのだった、支離滅裂なものもあったがただ一言『自分はこの世界の人間じゃない』だけは共通していた、そしてさらに春蘭にそれを問い詰める、春蘭はその事をあまり語らなかったが風のあまり見ない真面目な顔につい話してしまう

 

「春蘭は聞かない事まで話したんじゃないか?」

 

「はい、春蘭ちゃんはおにーさんが星の落ちた所に寝ていた所から、その後陳留で過ごした事も楽しく話してくれました〜」

 

「そっか」

 

一刀は自分を助け、そして面倒を見てくれた曹嵩さんとの約束で自分の知っている三国志の知識は話さないと決めていた、しかし曹操でなく北郷一刀として生きる事を決めた一刀は風に自分の世界の事、そして自分の知っている三国志の三国鼎立までの話をする、それを静かに聞いていた風は

 

「それでは、その三国志という物語と同じようにこの国は今三国鼎立したのですね〜」

 

「まぁ色々違ってる事もあるけどね、恋や雪蓮、そして月が生きてるし、赤壁で孫劉連合は組まれなかったみたいだし」

 

そんな話をしてると風が少し真面目に問う

 

「お聞きしたいのです、その曹操というお方は大陸制覇を成し遂げたのですか?」

 

「……いや、志半ばで死んだ、そして曹操の子達も結局大陸制覇はできなかった」

 

「そうですか…」

 

「大丈夫、俺は必ずこの大陸を制覇して、きっと平和な国にしてみせるから」

 

その言葉に風は黙ってしまう、静かな時間、そして一刀は疲れからか眠りにつく、

それを確認したかのように風は一刀の頭を優しく撫で

 

「おにーさん、孟子にこういう言葉があるんですよ」

 

 

 

 

『天に順う者は存し、天に逆らう者は亡ぶ』

 

 

 

 

寂しげな表情をする風、一刀を見つめ

 

 

「おにーさん…」

 

 

-9ページ-

 

 

 

 

 

                        消えないでくださいね……

 

 

 

 

 

 

-10ページ-

 

 

あとがきのようなもの

 

話の都合上黄忠、厳顔、魏延さんを荊州の将にしました、まぁ三国志じゃ厳顔さんだけ蜀の将だったし違和感ないかなと

という訳でなんとかかんとか三国鼎立!長かった〜

 

この後はしばらくは拠点のようなものをやってこうと思ってます

 

(この後のページ、前回の続きからの流れで覇王一刀さんが北郷軍の皆と再会する部分なんですが、なんかギャグっぽくなって本編に入れづらかったもの、でもせっかく書いたし結構気に入ってるのでおまけな感じで後書きの後に付随しました、暇があったら読んでやってください)

 

 

改めてのありがとうございます・その2

 

おかげさまでなんとか第二部完までこれました、

なんか書くのが遅くて全然更新できなかったのに多くの方々に応援していただき感謝です。

 

この十√は第一部は恋姫の流れ、第二部は三国志の流れで進めてみました、

第三部は自分なりの流れで進めてこの物語を終わらせられればと思ってます。

 

 

第二部やってて思ったのは、やっぱ桃香さんは書くの難しいなぁと

まぁ自分的には赤壁を経て一刀さんを覇王に、桃香さんを王者にするのはずっと決めてたんでそれができてホッとはしてますが元々無印からこの十√考えたもので蜀の面々は大好きなんです、アニメもいい感じだし、蜀では星が一番でしたが最近では焔耶が妙に気に入ってます

 

魏軍に関しては一刀さんが覇王になった事で色々と心情が変化していってるという感じにしてみました返信コメでも書いてるのですが魏の面々て華琳様の覇気のようなものに惹かれてるってのがあるんじゃないかと思ったものでまぁだからといって一刀さんのキャラを壊すような事のないようにとは思ってます、ち●こじゃない一刀さんは一刀さんじゃないですし

 

なんだかんだで改めて恋姫っておもしろいなぁと、三国志好きなんで色々な出来事を恋姫に当てはめていくのがほんと楽しいです、萌将伝終わったら一応恋姫関係は終わりそうな感じなので少し寂しい感じはしますが(PSPは持ってないので夢想伝は買うか迷ってる所)

 

今後も更新を続けていこうかと思ってますが、今までちょっと長めに書いてたのを少し短くして早めに投稿できるようにしようかなとも思ってます、今までの半分、4〜6Pくらいで、まぁ今後の流れで考えていきますが。

 

 

最後に

こんな未熟な小説をいつも読んでいただきありがとうございます

遅筆&リアルが忙しいとかでやっぱ更新遅いかもしれませんが

完結目指して頑張りますので見かけましたら読んでやってください。

 

 

kaz

 

 

-11ページ-

 

21の1ページ目に入れる予定だったものです

 

 

江陵

 

荊州軍を蹴散らし、雪蓮達と別れた一刀達は秋蘭達の待つ江陵へと入城する、待っていた秋蘭達は一刀達の姿を見ると無事なのが嬉しくなって駆け寄ってくる、いつもならここで一刀に抱きついたりとかのリアクションがあるのだが…

 

「は、はう…に、にいちゃん/////(ドキドキ)、な、何これ?なんかドキドキするよぅ、流琉、ボク何か変だよぅ〜///」

「た、多分それって…///(ドキドキ)、あう…、私も胸のドキドキが止まらない…兄様…///」

「ほ、北郷様、あ、あの沙和、沙和はそ、その/////(ドキドキ)」

 

季衣、流琉、沙和の三人は一刀の雰囲気が違う事に気付くとなんかもうメロメロになってしまう

特に季衣、流琉さんは今まで兄のように慕っていたのだが、この時を境に一刀さんを男として意識するようになっていってしまう、女になった瞬間かっ!、しかしそんな事にまったく気付かない鈍感一刀さんは三人に優しく

 

「三人とも疲れはもう取れたかい?けどまだ無理しちゃだめだよ(キラッ!=☆)」

 

「「「は、はいいいっ!!!!/////(ドキドキドキドキ)」」」

 

続いて秋蘭が一刀に歩み寄る、初めて会った時からずっと一緒に過ごしてきた少年、だがその想いは面倒のかかる弟に対するものに近かったかもしれなかった、しかし今その前にいる一刀を見て

 

「北郷…なのか?」

 

「何言ってんだよ秋蘭、変な事言うなよ、俺は俺だよ、何も変わってないさ(キラッ!=☆)」

 

いつもどおりの一刀なのに何か違う、そんな一刀に少し戸惑いながらも、頬を染め胸が熱くなるのを感じる秋蘭だった、

 

「そういや桂花は?見えないけど…、もしかして病気とかになってたりしないよな?」

 

心配する一刀に秋蘭は「大丈夫」と言うとほっとする一刀、ちなみに桂花さんは一刀の姿を見た途端に抱かれながら号泣した事を思い出し顔が真っ赤になって恥ずかしくて出るに出れなくなって物陰から覗いてたりという状態だった

 

 

江陵で休みを取った一刀さん達は兵の再編などの為に一旦許に帰還する、そして許に帰ってくるとそこには各地から帰還した皆が待っていた、合肥で呉軍と激戦をしてきた風、霞、凪、真桜、河北平定をしてきた稟、そして許を守り続けた留守番の月、皆は一刀を見てやはり対応に困ったりした

 

「月、留守番ご苦労さん、色々迷惑かけたね、でももう大丈夫だから(キラッ!=☆)」

 

「へ、へうぅ〜////、ご、ご主人様もご無事でよかったです(ぽーーっ///)」

 

一刀に頭を撫でられ真っ赤になってぽーーっとして倒れそうになる月を駆け寄って支える詠さん、その時月に電流走るっ!!!

(ドキドキ)詠の鼓動を感じた月は”もしかして詠ちゃんもご主人様の事を!!”  ざわっ…

 

「稟お疲れ様、よく河北を守ってくれたね、ありがとう(キラッ!=☆)」

 

「は、ははははいいい!!!////あ、その、あ、あり、ありありがとうございます!!/////」ぶううーーーーー!!

 

妄想もしてないのに一刀に中てられて鼻血で倒れてしまった、そんな稟を優しく抱き上げ看病する一刀さんにまたも鼻血を…(以下ループ)

 

「真桜、凪、二人とも無事でよかった、呉の侵攻からよく合肥を守ってくれたね、ありがとう(キラッ!=☆)」

 

「は、はいなっ!////」

「(ぼーーーーーーーーーーーーーーー)///////」

 

「霞も大変だったろ、怪我とかしてないか?(キラッ!=☆)」

 

「え!?/// い、いやまぁそりゃ大変やったけど…、べ、別に怪我とかしてへんよ、けど頑張ってんからご、ご褒美みたいのん欲しいなぁ〜」

 

なんかモジモジとおねだりする霞に一刀は笑いながら、良いお酒を探しておいてあげるよ、と優しく言うのだが、霞の心の中では

 

(アホッ!ご褒美ゆうたら一刀との…ごにょごにょ…やん////)とか考えていた.そんな中一刀をちょいちょいとつつく人物、風さんだ

 

「おにーさんおにーさん、少し屈んでもらえませんか?」

 

「ん?いいけど」

 

そう言うと風の言う通り屈む一刀さん、すると風さんは

 

 

 ちゅっ

 

 

唇と唇を重ねる、その瞬間その場が凍りつく! 一刀さんも戸惑う中、風さんはにこやかに

 

「風は頑張ったのですよ〜、ですからこのくらいのご褒美はしてもいいですよね〜、くふっ♪」

 

と、さらに抱きつき、顔をすりすり、まるで一刀さんは自分のものだと言わんばかりの行動をする、一刀もしょうがないなぁとまんざらでもない様子で風を優しく抱きしめて頭を撫でてあげたり、風さんは”満足です〜♪”とご満悦、が、それがいけなかった!ふと何かを感じ周りを見る一刀さん、そこに見えたものは…

 

 

ぐるるるるるる… ふーっ!ふーっ!

 

 

野獣の群れと化した皆の姿であった、その後血みどろの一刀争奪戦が行われたのは言うまでもない

 

ちゃんちゃん

説明
第二部完


 おもえば遠くへきたもんだ
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コメント
>>惣三様 自分は蜀が大好きなのでどうしても贔屓目に書いちゃいますねwここの一刀さんは覇王になった瞬間になんというかちん○チートになっちゃいましたw(kaz)
蜀がいい感じで、一刀がいろいろすごいですねぇ。(惣三)
>>readman様 あ、あれ?桃香さんは・・w(kaz)
一刀素敵!(readman )
>>紗詞様 ご指摘ありがとうございます、修正しておきました(kaz)
3p「わが名は趙子竜!!」竜ではなく龍ですよ(紗詞)
>>翠湖様 まぁ蜀を放置してたら劉璋が国力差考えず魏や呉と無謀な戦争したりとかしてたんじゃないかと、恋姫では暗君らしいですから(kaz)
あと、よくある平和団体と一緒で、人が集まりすぎたから、理想を実現するのが自分たちでなければいけなくなって、組織を維持大きくするほうが目的になっている。 実際は益の統治は褒められたものではないけど、当時としては酷くもなかった。正史からは、そう読めますし。(翠湖)
実際は支配したことによる、さらなる富国強兵で、実際の生活は・・・・・。魏との国力差は、人口で資料によるけど5−8倍、文化、経済、流通などを考えると(国内基盤も)それに3−4倍が実際の国力比ですかね? 強引に取らないほうが、人々は平和だったり。(翠湖)
>>kitarou様 自分の中では桃香さんが王になる事で物語が動くと考えていました、桃香、一刀、雪蓮の三王の物語、魏、呉、蜀の三国の物語、上手く纏められればと思っていますがなんか難しいかもとかw(kaz)
ついに、桃香 沼池の中から天に飛び出た!これで天下三分計成立。 これからの展開、どうなるか楽しみです。(kitarou)
>>浅井とざし様 蜀の将好きなもんで見せ場を作ってみました、朱里とかにも計略使わせたかったり、今後はしばらく馬鹿な小ネタやりますので本編はしばらくお待ちくださいw(kaz)
五虎将が格好よかったですwそして続きを楽しみにしています。(浅井とざし)
>>やくもけい様 ぶっちゃけますと献帝に華琳て真名をつけた感じで出そうとか考えてましたwけど話が真面目になってきたんでやめました、今後も華琳様(の名のオリキャラも)を出す予定はないです、ここではあくまで一刀さんが曹操ですので。(kaz)
今更ですが、華琳様的なキャラ(外見は同じで内面は筆者オリジナル)を出す予定はあるんでしょうか? (やくもけい)
>>hedorock様 いやいやいや、ぴこーんは華雄さんと白蓮さんだけが出せる音ですのでwてかあれ出したらもう何が何やらですからw(kaz)
>>ルーデル様 まぁ元々五虎将はアリエナイ人達ですからw恋姫ではあんまそれがなかった気がしますね、鈴々くらいかな見せ場あったの、まぁ最後のはご想像におまかせしますw(kaz)
>>ptx様 いつも遅くてすみません! まぁ大体の筋道はもう考えてるんですが上手く書けるかなぁという感じです、なんとか完結できるように頑張ります!(kaz)
消えないでくださいねってセリフの後に「ぴこーん!」が入らないってことは・・・ゴクリ(bal)
五虎将はスペックが桁違いww最後のセリフは某蛇に充てられた言葉ですなw(ルーデル)
更新待ってました!たぶんここから先は難しい展開になっていくのかなと思います。なので楽しみにしています。次回も頑張ってください!(ptx)
>>samuraizero様 魏の面々も一刀さんに惹かれ始めてますしね、皆には幸せになってほしいとは思っています(kaz)
>>景様 風さん以外に言わせる適任者が思いつかなかったんですよねぇ、まぁこの先どうなっていくかは…頑張ります!(kaz)
>>神龍白夜様 ようやくここまで来れたという感じですね、ほんとは蓮華さんも成長させたいんですが雪蓮さん死なせたくなかったもので、三国の王の物語ももう少しで終りかな、でもしばらくは拠点を楽しむ予定ですw(kaz)
一刀消えないでくれ!お前がいなくなったら皆はどうするつもりだ!(samuraizero)
風の言葉に泣きそうな俺がいる。これからの展開が楽しみです。 一刀消えないでくれ。(景)
成長した桃香、そして覇王となった一刀・・・・どうなっていくのかが楽しみですww(リンドウ)
>>よーぜふ様 あうあう、なので本編には使えなかったんですよぉwキラッ=☆はやりすぎたなぁと、でも結構気に入っちゃったもので消せなくてwまぁ本編を楽しんでいただければと(kaz)
なんだ?これは・・・ 己が信念を貫くために、一回り強くなった桃香他周り、かっこようなったなぁとおもいつつ、原作でもここまで強さを出すことができていれば、と 思った矢先に…(キラッ!=☆)ってなんだぁぁ!!(よーぜふ)
>>an様 ありがとうございます! でも次からしばらくは息抜きというかやりたかった拠点ものを書く予定なのでwシリアスより楽しい方がやっぱ好きなもんで(kaz)
>>Ocean様 ようやく三国鼎立できました、蜀√だったらここで終わってもいいかもしれませんねw三国の志の物語、そんな感じにできればなと思ってます、風さんは書くのがほんと楽しいですw(kaz)
>>kougai様 桃香さんはようやく王になって一刀さんと同じ位置に立てました、今後は王という立場で、でも…という感じに色々考えてます、まぁ変わるかもしれませんがw(kaz)
>>heinkel様 桃香さんについてはまぁ色々考えてます、上手くそれが伝わるかなぁとか心配ですが、あんま伏線張りすぎると回収できないかもとか最近思い始めてますw(kaz)
>>村主様 ありがとうございます!まぁ無茶しないように頑張って書いてみます、劉備さん達は他√だとすぐ蜀制圧して何かかすめとった感じであんま良いイメージないので何の為に蜀が必要かといった理由づけを考えて行動させて見ました、風さんには今後色々活躍してもらおうかなとかw(kaz)
やばい・・・・続きが楽しみすぎるw(an)
遂に三国成立か……蜀は荊州を手に入れ、桃花も覚悟を決め、呉は地盤を安定させているから、これからはどんな戦いが起こるのか楽しみにしています。個人的に最後の風の言葉が切なすぎる。おまけでは、風、ナイス(Ocean)
一刀と桃香の関係はこの後どうなるのか・・・・。めちゃくちゃたのしみだ・・・・。(kougai)
戦いを止めさせるために戦う、理想にこの矛盾を孕んでこれからどう桃香は戦うのかなぁ・・・。あと一刀君・・・まさかね・・・。(heinkel)
蜀メンバーが本気モードになりましたかw確かにこうしないと今後は真っ先に呑まれかねないですし そして風が言った孟子の言葉・・・願いが切実で、さてどういった流れになるか リアルが忙しいとの事ですがあせらずゆっくりと書き上げてくださいませ、いつまでも待ってますのでw(村主7)
>>闇羽様 まぁここの一刀さんは華琳様ポジションも兼ねていますのでもう種馬トランザムモードといった感じですwまぁいつもの一刀さん的な部分も出していきます、なんか腹立つしw(kaz)
>>リョウ流様 個人的に蜀は好きなんですよ、キャラが難しいので動かしにくいですがなんとか皆に見せ場を作れたかなと、桃香さんはまだまだ成長途中です(胸以外)、三国志らしく三国の恋姫達をもっと魅力的に書けるよう頑張っていきます(kaz)
>>貴様 ありがとうございますー、そう言っていただけるとほんと書いてよかったと思えます、しばらくは拠点の楽しい感じのものをやる予定ですので見かけたら読んでやってください(kaz)
>>ジョージ様 ようやくですね、ほんと長かった、もっと早く更新できてればw今後については色々考えてますがとりあえずは拠点で楽しむ予定ですw結末は実は何種類も考えててどれにするかを今後の流れで決める予定です(kaz)
>>うたまる様 ありがとうございます!まぁここでの風さんは華琳様ポジションみたいな部分もありますので、しかし風さんは書くのがほんと楽しいですw(kaz)
>>hokuhin様 まぁ今後どうなるか、という感じでしょうか、今までも色々ネタ振りしてるんですがそれがどう結実するかというのを上手くやれたらなと思ってます、問題は更新できるかどうかでしょうか…(kaz)
>>むんす様 ありがとうございます! 自分なりに恋姫を三国志に当てはめていってる感じで書いてます、恋姫キャラは皆魅力的なのでそれを壊さないように気をつけてますが難しいです(kaz)
なにこの超絶誑し男w  お前なんか皆に襲われて枯れてしまえw(闇羽)
待ってましたー とてもおもしろかったです。続きを楽しみにまってます(貴)
いよいよ三国建国ですかぁ・・・・ここからが見物ですね。果たして魏√のように一刀はやはり消えてしまうのか、それとも史実外史も全て覆すのか・・・・楽しみにしております!!(峠崎丈二)
更新お疲れさまです。 最後風が美味しい所を持っていきましたね。 続きを楽しみにしています(うたまる)
更新お疲れ様です。ここの一刀も消失してしまうのか、是からも楽しみにしてます。(hokuhin)
より三国志に近い恋姫な感じがして私は好きです。(むんす)
>>kurei様 ありがとうございます!一応この後の真面目な話はもう大体考えてるので(書くのに時間かかりますが…)しばらくは楽しい感じのを書こうかなと思ってます、シリアス長かったもので…、真面目になったらちょい暗くなるかもしれないので(kaz)
>>あさぎ様 華琳様がいたらこの辺の役目をさせられるんですが、ここでは一刀さんを包み込めるような子は風さんだけかなと思ったもので、まぁ風さん好きなんで贔屓目で書いてるかもw(kaz)
第2部完お疲れ様です。原作では終盤戦であった赤壁が三国のスタートになったことで今後の動きは全く予想が出来ません!一刀の覇道、桃香の成長の行方、孫呉の動きなど楽しみ所が一杯です!オマケの話は有りだとおもいますw拠点も期待です!(kurei)
>>夜の荒鷲様 まぁキラッ=☆はなんかやりすぎた感じがありましたか、でもなんかついやっちゃったらハマっちゃってwもう使いませんのでご安心をw(kaz)
>>かもくん様 魏√の流れなのでここはどうしても必要でした、孟子の方が許子将の予言よりはわかりやすいかなと、今後についてはどうなるかは内緒で(kaz)
>>moki68k様 まぁここから一気にまくしていくのでこのくらいの種馬さんじゃないときついのでw蜀武将の潜在能力は桁違いですからね、それが覚醒したという感じでしょうか、まぁ物語後半に突入したのでちょいはしょりました(kaz)
>>ほわちゃーなマリア様 HAHAHA!何言ってるんですか、覇王になったち●こさんの種馬力は53万ですよ!まぁちょっとやりすぎた感はありますが、でも恋姫本編の後編あたりはこのくらいのメロメロさだった気がするんですが(kaz)
風可愛いですよね!!彼女の積極的な姿勢に心奪われましたww(あさぎ)
>>はりまえ様 ん、ラストの一刀ってどれだろ?語尾なんか変でしたでしょうか?(kaz)
キラッ☆とウザ一刀(笑) そして風にときめいた!!(夜の荒鷲)
一刀消えるなよ〜〜(かもくん)
>>ヒトヤ様 その辺はファンタジーという事で、まぁ気で吹き飛ばした、という風に感じていただければ、というかそういう風に書いといた方がわかりやすいかな(kaz)
>>Tomy様 ご指摘ありがとうございます、修正しておきました!なんで間違えたんだろう…(kaz)
>>cena様 桃香さんはようやく王らしくなってきたかなと、まぁそこまでは色々ありましたが恋姫の流れをあんま壊したくなかったもので、今後はまぁ色々あります、とだけ(kaz)
これはひどい種馬覇気w しかし、一気に蜀が強くなった印象ですね。将の数ではやっぱり魏に軍配ですけど(moki68k)
>>mighty様 どうもありがとうございます!皆様の応援のいおかげでなんとかここまでこれました、あとは完結にむけて頑張るだけです、あんま更新できないかもしれませんが見かけたら読んでやってください(kaz)
>>poyy様 なんか武力とか全然ないくせに覇王にした皆メロメロになっちゃいました、まずったかなぁw今の所メロメロになってないのは陳宮さんだけでしょうかw(kaz)
い、イヤーー!!ラストの一刀、こんなの一刀じゃない(何っ!?by一刀)何かに覚醒したのか、スーパー種馬人になっているwww(ほわちゃーなマリア)
>>たこまろ様 どうもありがとうございますー、リアルはもうダメですね、ほんともうきつすぎてwこっちは一段落したのでこれからのんびりうやってこうかと思ってます(kaz)
ラストの一刀語尾マジでありそうでuza!(黄昏☆ハリマエ)
騎馬10騎を蛇矛で一振りで吹き飛ばすって、どんだけ長いんだ?リアルに考えると吹き飛ばせるとしても蛇矛の長さで物理的に無理があるよな〜(ヒトヤ)
4Pで、なぜに、鈴々が北郷軍の武将?劉備軍では?(Tomy)
第2部執筆お疲れ様です。拠点のイチャイチャ期待してます(mighty)
覇王一刀恐るべし。(poyy)
更新おつかれさまです。リアルもこちらの方も頑張ってください応援しています。(たこまろ)
タグ
真・恋姫†無双 北郷一刀 桃香 雪蓮    

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