飛天の御使い〜第拾参幕〜
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はじめに

 

この作品の主人公はチート性能です。

 

キャラ崩壊、セリフ崩壊、世界観崩壊な部分があることも

 

あるとは思いますが、ご了承ください。

 

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北郷side

 

徐州に来てから2ヶ月が経った。その間、ここの内政に力を入れていた。無論、州牧としての能力は少しの経験しかない一刀は、内政関係は朱里に、軍略関係は詠に任せていた。で、当の一刀はと言うと武官組の鍛錬に付き合っていた。

 

「義叔父上、いきます!」

 

そう言うと、愛紗は得物を構え一刀に向ける。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ、はい!はい!はい!はい!」

 

愛紗は、青龍偃月刀による素早い刺突を繰り出すが、一刀はそれを紙一重で避けながら前進してくる。

 

「こんな刺突では懐まで容易くもぐられるぞ。」

 

そういうと一刀は唐竹を繰り出す。その剣撃に愛紗は得物を上段で構え防ごうとするが、次の瞬間

一刀の蹴りが愛紗の鳩尾でめりこんだ。その衝撃に愛紗は数メートル吹き飛ばされた。

 

「相手が刀を振りかぶったからといって剣撃が来るとは限らん。愛紗、お前は相手の動きを先読みするのに頼りすぎだ。予想外の行動にはついていけてない。お前の武器は小回りが利かないのだから、数ある刺突を繰り出すよりも、一撃の質を上げろ。」

 

そういうと一刀は刃を寝かせるように構え、立ち上がった愛紗に向かっていく。

 

「俺が刺突の手本を見せてやる。」

 

一刀の繰り出した刺突を横にかわす愛紗。しかし

 

「それで避けたつもりか!」

 

その刺突は寝かせたままの刃の利点によってすぐさま横薙ぎへと変化し愛紗を追撃する。繰り出された横薙ぎは愛紗の脇腹を直撃し、吹き飛ばしていく。

 

「ここまでだな。」

 

そういって一刀は刀を鞘に納める。愛紗は脇腹を押さえながら

 

「ありがとう・・・・ございました・・・・。」

 

苦しそうな表情でその場を後にする。その姿を見て一刀の前に歩み出てきたのは恋だった。

 

「・・・・・ご主人様、次は恋の番。」

 

恋は方天画戟を構える。と同時に一刀に向けて物凄い殺気をぶつけてくる。

 

「ふふ、覇気はいいな。かかってくるがいい。」

 

一刀が刀を払うと恋は、一直線に向かってきて方天画戟を振り下ろす。それを最小の動きでかわす

一刀だが、恋はその動きに体術も交えながら迫ってくる。振り下ろし、蹴り上げ、薙ぎ払い、裏拳、斬り上げ、回し蹴り、流れるような恋の攻撃を全てかわす一刀だが、恋も反撃の閑を与えない。一刀は間合いをあける為、後方へ跳躍して距離をとる。

 

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「さすが恋だ。この中では紛れもなく最強だな。ならば恋、この技をかわせるかな?」

 

一刀は真っ直ぐ恋に向かっていく。恋は、初撃を受け止めるため得物を構える。だが次の瞬間、恋の身体は宙を舞っていた。その様子を見ていた霞が恋に駆け寄る。

 

「恋、大丈夫か?」

 

霞は恋に尋ねると、恋は悔しそうに

 

「・・・・・剣閃がいっぱいで防げなかった・・・・。」

 

そう呟いた。そこへ一刀が近付いてくる。

 

「今の技は『九頭龍閃』といってね、九つの斬撃を一気に繰り出す技なんだ。だから、一つを受け止めようとしても、残りの斬撃を受けてしまうし、かわそうとしても突撃術だから避けられない。まぁ、この技を止めようと思ったら、その斬撃よりも素早く相手に斬り込む一撃が必要だね。」

 

そういうと一刀は刀を鞘に納める。そうこうしていると一刀を呼ぶ声が聞こえてきた。その声の先に視線を移すと、鈴々と舞華がいた。

 

「北郷様、朱里様と詠様がお呼びです。至急、玉座の間においでください。」

 

その言葉に急を要することだと察知した一刀は、愛紗や恋、霞とともに玉座の間へと向かう。

 

 

 

 

玉座の間に着くと、そこには朱里、詠、王允、一刃の姿があった。

 

「何か動きがあったのか?」

 

一刀の質問に朱里が答える。

 

「河北に放っていた細作の話では、袁家が幽州へ侵攻を開始したようです。」

「なるほど、敵はまず後顧の憂いの無くそうということか。敵軍の数は?」

「約5万とのことです。」

 

朱里の報告に一刀は思案する。

 

「さすがの白蓮殿も5万の敵軍となると、ちと苦しいだろうな。周辺の諸侯の様子はどうだ?」

 

「曹操は周辺諸国を併呑して、近いうちに西侵すると聞いているわ。孫権の方も揚州各地を併呑してその版図を拡大しているし、そう遠くない先に荊州へ侵攻するかもしれない。両国とも今は自国の版図拡大よりも内政の安定を図っているみたいだからこちらにちょっかい出すことはなさそうね。」

 

一刀の質問に詠が答える。それを聞いて一刀は判断を下す。

 

「周辺からの茶々がないのであれば、これを期に袁家と戦端を開くのもありだな。幽州まで拡大を許すと今後苦労することになりかねない。とりあえず白蓮殿の救援も兼ねて袁家に当たる。各自準備をしてくれ。」

 

「「「「「「「「御意」」」」」」」」

 

こうして北郷軍は準備を整え幽州侵攻中の袁家の軍の元へ向かった。

 

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公孫賛side

 

「白蓮さまぁ、どうしましょう・・・・・。」

 

関靖がいつになく弱気な表情になっている。無理もない。敵は宣戦布告もなしに突然やってきて国境の城を次々と陥落させてきている。率いているのは間違いなく袁紹ではないが、物凄く頭の切れる奴だろう。こちらの戦略は次々と打ち砕かれ、今は易京城に籠城して応戦しているのだ。だけどこの易京城には約10年分の兵糧を蓄えているから、長期戦になっても問題はない。後は相手との我慢比べなのだが、兵の士気が下がっているのが気になる。援軍のあてもないまま篭っていても本当に時間稼ぎにしかならない。そう思っていると城門のところから聞こえてくる轟音とともに駆け込んでくる兵。

 

「申し上げます。敵軍城門に取りつきました。破城槌によって城門が破られるのは時間の問題かと思われます。」

 

「すぐに破城槌に火矢を打ち込んで対処せよ。城門だけは破られるわけにはいかんぞ。」

 

そう檄を飛ばす白蓮だが、正直なところ絶望感でいっぱいだった。

 

(北郷殿にも言われていたのに、注意が足りなかった。まさかここまで一方的な展開になるとは思わなかったもんな・・・・。)

 

しかし、弱気な姿を味方の兵に見せるわけにはいかない。ブンブンと頭を振って前を見据え

 

「なんとしても耐えるぞ。」

 

そう鼓舞するのだった。そんな中、城壁で交戦していた兵が駆け込んでくる。

 

「公孫賛様、南方より砂塵を確認しました。数は約2万。」

 

その報に白蓮は顔を青くする。

 

「敵の増援か・・・・。」

 

絶望的な状況にそう呟く白蓮に兵は、

 

「いえ、旗印は金色の『十文字』の牙門旗を筆頭に『関』、『張』、『諸葛』、『賈』、紺碧の『張』旗、深紅の『呂』旗。徐州の北郷様の軍だと思われます。」

 

その報告は、絶望の中にあった公孫賛陣営に差し込んだ希望の光に見えた。兵たちはその報にみるみる士気を上げていく。無論、白蓮と関靖もそうだ。

 

「よし、篭城は終わりだ。北郷軍と連携して敵軍を叩くぞ。」

 

その檄に兵たちは「応」と答えた。

 

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北郷side

 

「かなり劣勢みたいだな。恋、霞。」

 

一刀は戦況を見ながら、恋や霞に指示を飛ばす。

 

「二人は騎馬隊3千を率いて先行し、敵軍攻城部隊を攻撃。攻城部隊攻略後、敵軍本隊を俺たちの部隊とで挟撃。一刃、愛紗、鈴々は俺と敵軍本隊を叩くぞ。朱里、詠は戦況を見ながら指示と後方から支援を頼む。」

 

そういうと一刀は先頭に立ち刀を構え、憤怒の表情で号令を飛ばす。

 

「聞けぃ!北郷の兵(つわもの)たちよ。敵は数こそ多いが、我等北郷の精鋭に比べれば恐るるに足らん。そして、連合の時に受けた屈辱を思い出せ!あろうことか我等が名師・諸葛孔明を人質にして己の欲望のため無益な戦いを強要し、罪もない董卓配下の者たちに深い悲しみを与える元凶となった者たちを、俺は絶対に許さない。それはここにいる北郷軍、そして元董卓軍の諸君らも同じだと思っている。その時の怒りを己が剣に込めよ。我等の魂魄を込めし剣は奴らへの断罪の一撃だ。盟友・公孫賛殿を助けるためにも各員奮励努力せよ。全軍抜刀っ!己が思いを胸に突撃せよ!!!」

 

力強い一刀の号令に北郷軍は勿論のこと、元董卓軍の兵士たちも心も震わせた。敵であった自分たちを受け入れ、自らの非を謝罪し、散っていった同胞たちの無念をともに共有し、怒りを理解してくれる。そんな一刀に対して、改めて忠誠を誓う。誇るべき君主のために、散っていった同胞たちのために・・・・。思いを剣に込めて走り出す。先行するは飛将軍・呂奉先と神速の将・張遼。

 

「張遼隊、攻城やっとる袁家の馬鹿どもに突っ込むで!連合戦で散っていった同胞たちの弔い合戦や。一人残らず根こそぎ・・・・シバキまわしたる。」

「あいつらのせいで、同胞(ともだち)いっぱい死んだ。だから・・・お前ら・・・死ね・・。」

 

二人の『鬼神』は次々と敵を蹴散らしていく。その通った場所には躯の道が出来ていた。

 

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「えぇい、まだ城門は開かんのか。」

 

攻城部隊を指揮している男が苛つきを隠さず部下に当たっていた。そんな男の下へ兵が血相を変えてやってきた。

 

「許攸様、後方より北郷軍の騎馬隊が物凄い勢いで迫ってきております。」

 

その報に許攸の顔色は真っ青になる。何故北郷軍がここにいるのかわからないが、あの屈強と謳われる北郷軍の騎馬隊が迫ってきているのだ。許攸は攻城部隊に対し、迎撃に行くよう指示を出し自分はその戦場から離れようと逃亡を画策する。しかしその時、易京城の城門が開かれる。そこには公孫賛の白馬部隊5千の姿が。

 

「いままでの鬱憤を晴らすぞ。関靖隊、我に続け!」

 

そういうと関靖率いる騎馬隊が許攸たちに襲い掛かる。その事態に困惑した許攸の兵たちは統率が取れないまま蹂躙されていった。許攸はなんとか脱出しようと試みたが、そこにいたのは張遼だった。

 

「おっさん、何処に逃げようとしとんねん。逃げられると思うたら大間違いやぞ。」

 

そうして許攸は張遼に討ち取られた。

 

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「高覧様、攻城に赴いていた許攸様の部隊が壊滅。許攸様は北郷軍の張遼に討ち取られました。」

「なんだと、北郷軍が何故ここにいるのだ。」

 

そんな高覧の怒声もむなしく伝令の兵が飛び込んでくる。

 

「高覧様、後方から北郷軍が・・・・・・、数は1万7千。旗は金色の『十文字』の牙門旗です。」

 

その報に兵たちは動揺するが、高覧はすぐさま

 

「うろたえるな、我らの兵数は敵兵の2倍もある。心配することはない。直ちに迎撃準備せよ。」

 

数の利においては我が軍が有利、そう思っていた高覧だったがすぐに改めさせられる。北郷軍の先陣をきるのは『闘神』とよばれる3将軍、一刃・関羽・張飛。さらにその後方に控えるは神の化身とまで噂される『北郷一刀』。この時点で敵軍に勝ち目などないのだ・・・・。高覧たちの本隊は、あっという間に殲滅されこの戦いは北郷軍の圧勝となった。

 

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天蓬side

 

「やれやれ、我々が着く前にやられてしまうとは・・・・。本当に役立たずな者たちですねぇ・・・。」

 

殲滅した袁家の軍勢を見ながらため息をつく天蓬。

 

「しかし、敵があれほどの『武』の持ち主とは面白い。心躍らされますなぁ・・・・。」

 

そう言うのは、袖口にダンダラ模様を白く染め抜いた浅葱色の羽織を着ている男たちだった。

 

「まぁ、あなたがた壬生狼にとってみれば強いものと戦うは由と思うのでしょうが、こちらとしては手勢を減らされて困っているところです。」

「なぁに、我らがその分働けばよいだけのこと。それは杞憂というものですよ。」

 

そういうとカラカラ笑う。そんな様子を見てため息をつくと

 

「とりあえず、??殿に報告に行かないといけませんね。」

 

その言葉に一同は踵を返し、居城へ戻っていくのだった。

 

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あとがき

 

群雄割拠編 北郷軍VS袁家です。

 

つくづく自分は表現力と文章力がないと思い知らされます。

 

もう少し勉強しないといけませんね。

 

拙い未熟な文章ですが、少しでも楽しんでもらえれば幸いです。

 

 

説明
恋姫†無双の二次創作です。
今回は北郷軍VS袁家です。
戦闘描写はやっぱり苦手です。
もっと上手く表現できるようになれればいいんですが。
拙い未熟な文章ですが、
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
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コメント
スターダストさん 悶々とさせてすいません。気長に物語を楽しんでいただければ・・・・・。頑張って続き書きます。(eni_meel)
色々言いたいけど・・・・これしかいえない・・・・続き待ってます(スターダスト)
クォーツさん コメントありがとうございます。何とか完結まで目指して頑張ります。(eni_meel)
今回から読み始めました。執筆お疲れ様です。るろ剣大好きなので比古を受け継ぐeni製一刀が最高です。北郷軍が最後に天下を取るのが楽しみです。是からも完結目指して頑張って下さい 次作期待(クォーツ)
砂のお城さん るろ剣的解釈でいくとそうですね。実際は違うという説もあるみたいですが・・・・。(eni_meel)
ラガンさん 牙突というよりは新撰組隊士の特徴である『平刺突』ですね。(eni_meel)
神龍白夜さん コメントありがとうございます。頑張ります。(eni_meel)
一刀師匠、地味に牙突使ってなかったか…(ラガン)
更新待ってます!!(リンドウ)
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恋姫 無印 アフター るろうに剣心 最遊記 オマージュ 

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