真・恋姫無双 刀香譚 〜双天王記〜 第三・二話〜 |
私は性を関、名は羽。字を雲長という。
ただ、この名はもともと私のものではない。
今は亡き兄のものだ。
私が十歳のとき、賊に襲われたむらを守るため、兄は死んだ。
兄の最期を看取るとき、私は自身が持っていた、兄に対する感情に気づいた。
ああ、私はこの人が好きだったのだと。
兄としてではなく、一人の男性として。
けれどすべては遅かった。
「さよなら、あいしゃ。・・・僕の、かわいい妹・・・」
いとしい人は、自身の腕の中で冷たくなっていった。
「にいさま?!にいさま!!いやあああああああ!!!」
雨の降る中、物言わぬ屍となったその人に、私は生涯ではじめての、口付けを交わした。
そして、近くで両親のなきがらにすがり泣きじゃくる義妹をつれて、邑を出た。
それから五年後、私は自分の名を捨て、兄の名を名乗っていた。
義妹も成人し、張翼徳と名乗った。
旅から旅への日々。
そんななか、一人の男に出会った。
きらびやかな鎧を身につけた彼は、自分は漢王朝の末裔であると名乗り、賊に盗まれた宝剣を取り戻すのに協力して欲しいと言った。
私たちは彼を信じ、その賊がいるという邑を訪れた。
だが、私はそこで自分の未熟を思い知った。
劉備玄徳と名乗った男は、真っ赤な偽物で、本物は女性であった。
偽者は、本物の兄、劉北辰によってとらわれた。
私は罰を受けるつもりだった。
だまされたとはいえ、県令に剣を向けたのだから、極刑も当然だと思った。
だが、彼らは自分を許してくれた。
それどころか、家族のいない私たちと、義兄妹になってくれた。
だから私は心に誓った。
生涯をかけて、この人たちの剣となり、盾となることを。
それから暫くして、義姉の桃香さまから、実兄である一刀さまへの想いを、聞かされた。
しかし、自分も、いつの間にか、義兄である一刀さまを慕っていた。
「桃香さま、確かに実の兄を愛することは禁忌です。ですが、人の想いが理屈でないのもまた事実」
そう、想いは理屈ではない。
亡き兄の姿を、義兄に重ねたわけではない。
わたしは、義兄上が、心底好きだ。
だから、
「私も譲る気はありません」
そう、宣戦布告した。
それからは、政務や訓練の間を見ては、義兄上になんとか喜んでもらおうと、料理修行に励んだ。
そのときは、桃香さまも一緒に修行した。
どんなモノが出来ても、義兄上はすべて平らげてくれた。
まあ、その翌日は、確実に調子が悪そうであったが。
ひとつ、義兄上のことで思い知ったことがあった。
義兄上は、ともかく異常にもてる。
屋敷勤めの女官はもちろん、邑の若い娘からもだ。
義兄上がほかの女性と仲良く話しているのを見ると、どこからか、違う自分が出てきて、
義兄を追い掛け回してしまっている。
今日も今日とて、
「グオンノスエッズォウヌアシガーーーーーー!!」
「愛紗!!言葉が!!言葉がおかしい!!」
「ウオトヌアシグ、スヲゴニスワルェーーーーーーィ!!」
「と、桃香まで?!何語だよそれ!!た、たすけてーーーーー!!!」
桃香さまと私の二人で、義兄上を追いかける。
私は青龍偃月刀を、桃香さまは靖王伝家を、それぞれに振り回して。
三人で仲良く、追いかけっこをする毎日。
にいさま、愛紗は元気です。
これからも、私を見守ってください。
では、あの節操なしをとっちめてきます。
「ムァタン、ガーーーーーー!!!」
「何言ってるかわかんないってばーーーーー!!」
てわけで、ちょっと短いですが、拠点の其の二です。
ほんとーは、もっと長いのを書いていたんですが、
書いてる途中でなぜかリセットされました。
どこもへんなとこ触ってないのに。
リアルタイムで、考えながらの執筆だったので、記録等は何もなし。
も、全部書き直した結果がこれです。
苦し紛れのあいしゃごん降臨。
初めて書きましたが、オンドゥルはむずい。
原作者様には脱帽ですわ。
また次回から本編に戻る予定です。
鈴々ですか?
ねたが思い浮かばないいですよ、これが。
じっくり練っておきますので、それまでご勘弁を。
それでは、次回、本編第六話にて。
コメント等、お待ちいたしております。
説明 | ||
刀香譚の拠点です。 今回は愛紗編をお送りします。 ではどうぞ。 |
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コメント | ||
ここだと剣見てないはずなのにwww しかも桃香さんまでwww(はこざき(仮)) hokuhinさま、愛紗の料理はある意味名物www(狭乃 狼) ここの愛紗も料理下手なのか・・・今後の一刀の種馬ぶりに愛紗たちは苦労しそうだなw(hokuhin) はりまえさま、だからこの世界が生まれmげふっ、げふっ。(狭乃 狼) なぜ、アニメだけ一刀が出ない出ればかなりの確率で0000ではないか!?というわけで投稿乙。(どんな形であれでてほしかった。)(黄昏☆ハリマエ) 砂のお城さま、胃薬いります?www(狭乃 狼) 宗茂さま、さわらぬあいしゃごんに、ですよww(狭乃 狼) poyyさま、オンドゥル語、あんなんでよかったでしょうか?(狭乃 狼) 紫電さま、たしか無印のアニメがそんな設定だったな、と。そこからとりましたww。(狭乃 狼) リョウ流さま、喜んでいただけて何より^^。(狭乃 狼) さっき、あいしゃごんを見たけどめっちゃ怖かったぜ・・・(宗茂) オンドゥル語だwwwwwww(poyy) |
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