ウサギさん都子の逆襲! |
「ふぅ〜〜……部活が休みだと、やることがないな?」
センター街であくびをかみ殺しながら、禅は大またで歩いていた。
今日は珍しく部活がお休みで、ものすごい暇を持てましていた。
サッカー以外にこれといった特技も趣味もない。
監督からは練習のしすぎは身体によくないという理由で休みの日は休むことを徹底されている。
そのため、部活に青春を掲げている青年にとって、休みとは本当の意味で暇であった。
「ふぁ〜〜……」
また、あくびをかみ殺すと背中からかわいらしい少女の声がかけられた。
「あれ、立川くん……君もこんなところでお買い物?」
「ん……星川さん? なんで、こんなところに?」
笑顔で手を振る去年まクラスメートだった星川真希の姿を認めると禅はペコリと頭を下げ、首をかしげた。
「うん。休日で暇だから、ウィンドウショッピング……というよりも、お金がないから、冷やかしだけどね、えへへ?」
かわいらしく笑う真希に禅もクスッとし、腕時計の長針と短針を確かめた。
「どぅ、これから、昼食を取らない? 奢るよ?」
「え、いいの!? じゃあ、すっご〜〜く高いもの奢ってもらっちゃおうかな?」
「そ、それはちょっと……」
「な〜〜んてね? 冗談冗談? 食べる前に軽く適当に歩いてジャンクフードを食べよう?」
「うん。じゃあ、それで決まり……行こうか?」
「うん!」
その日の夜。
「うぅ……」
妙な息苦しさが部屋全体を覆っていた。
この悪夢のような威圧感は覚えがあった。
かなり懐かしいが、ある種の会館に似たこの恐怖感、これはあの方が光臨されたのでは。
禅は恐る恐る布団から起き上がり、目を開けた。
「いけないんだ〜〜……私以外の女の子とデートしちゃ? セニョォォォォル!?」
「うわぁぁ……ウサギさん……じゃなく、都子?」
クスクス笑いながら、バニーガールの姿をした、なぜか二頭身の都子に禅は目をパチパチさせ、首をひねらせた。
「寂しくって死んじゃうよ……」
声はいつも通りのウサギさんの声だ。
だが、二頭身とバニーガール以外は全て都子そのものだった。
「なに、ボ〜〜〜としてるんだよ? お仕置きが必要かよ、セニュォォォ……ムグッ!?」
「なんだよ、これ!? 可愛すぎるだろう!? おいおい!? 誘ってるのか!? なんか、すっごく、いい!?」
「むぐぐ……!?」
思いっきり抱きつかれ、息苦しそうに暴れるウサギさん都子に禅は感情が弾けたように彼女の頬に頬擦りし、しまいにはベッドに押し倒し、強く抱きしめた。
「うぅ……今回だけは許してやるぜ、セニョール」
顔を赤くし、目を瞑るウサギさん都子に禅も恍惚とした笑顔で目を瞑り、寝入った。
その日の朝。
「起きて……? ねぇ、起きないといたずらしちゃうよ?」
ユサユサと優しく身体を揺らされ、禅は少し寝ぼけた顔で目を開けた。
「あれ……ウサギさん、なんで、ベッドから出てるの? ダメだよ?」
「え……ワッ!?」
ベッドに押し倒され、強引にキスされると都子は慌てて禅から離れ、何事かと胸をドキドキさせた。
「か、完璧に寝惚けてる……でも」
唇をス〜〜と撫で、都子は恥ずかしそうに禅の部屋から出て行った。
「ち、遅刻しても知らないから!?」
脱兎の如く逃げていく都子に禅は未だにウサギさんとイチャイチャした夢を見ながら、幸せそうに笑っていた。
余談だが、その日、禅は一日中、眠っていたため、学校に行けず。無断欠席してしまった。
だが、本人曰く後悔はしてないらしい。
後に彼は友人Mにこう語った。
「SDバニーっていいよね」
っと……
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以前投稿したイラストに小説を加えてみました。雰囲気だけでも、どうぞ…… | ||
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あなたの心に昇竜拳!!(スーサン) | ||
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