「八重桜の乙女達〜The Tales of Cherry blossom Fairys〜」 イントロダクション |
ここは人工島“Gアイランドシティ”にある乙女の園。
かつては杉並区成城にあったが統合歴0180年代に移転し現在に至る。
統合歴の現在に於いても存続し幼小中高大一貫教育で“最高の大和撫子”を世に送り出す学舎。
ここは“卯月学園”、八重桜の乙女達が集う園。
そして春四月、真新しい八重桜の制服に身を包んだ少女達が学園の門をくぐっていく。
そんな中に“高瀬 瑞希”はいた。
彼女は周囲の眼差しを一身に集めている。
そう、卯月に籍を置く者であれば誰もが知る“八重桜の姫”。
何を隠そう瑞希こそが八重桜の姫なのである。
学園の象徴である“八重桜”の名を冠する称号を持つ彼女が愈々高等部に入学して来たのだ。
高等部のみならず大学部や中等部からも大勢のギャラリーが瑞希の姿を一目見ようと大挙集まったのである。
これは正にちょっとしたアイドル並の人気と言えよう。
しかし、当の本人は期待と不安で緊張していた。
ふと空を見上げると桜の花瓣が風に舞う、恰も瑞希を励ますかのように。
そして瑞希は意を決し歩み出す、その表情に優雅な微笑みを湛えて。
「みなさん、ごきげんよう」
瑞希は集まっていたギャラリーに向かい挨拶する。
「ごきげんよう、姫様」
「ごきげんよう」
誰もが瑞希に対して敬意を持って挨拶を返す。
そんな中、ふと彼女が良く知る少女が瑞希の視界に入ってくる。
その少女は正に“紅薔薇”の様な気品と優雅さを湛え周囲の空気すら一変させる程の存在感を持つ。
有り体に言ってしまえば“女王”に相応しい品格とでも言えようか。
「瑞希、高等部入学おめでとう」
「環お姉様」
瑞希は嬉しそうにその少女“向坂 環”に向かい寄り添う。
彼女もまた“紅薔薇の御前様”の敬称を持つ。
環との関係は瑞希がまだ中等部の頃から始まっていた。
丁度幼い頃に懸かった“男性恐怖症”に怯えていた頃にまで遡る。
瑞希にとって環は憧れの存在であった。
そんな彼女が自分に対してとても親身に接してくれたのだ。
何時しか瑞希の中で環に対する感情が恋心に変化している事に気付く。
そして環も瑞希への感情が恋である事を自覚していた。
かくして、彼女たちは“義姉妹の契り”を交わし現在に至る。
何処となく“二人だけの世界”が形成されかかるが・・・。
「八重桜の姫様、そして新入生の皆さんご入学おめでとう!」
突如鳴り響く拡声器の声と炸裂する花火の轟音がその雰囲気を文字通り“ぶち壊した”。
「ったく人が折角良い雰囲気に浸っていたと言うのに・・・・・、“ミレイ”あんたって人は(怒)」
環の視線の先には不敵な表情で仁王立ちしている元凶がいた。
“ミレイ=アッシュフォード”、高等部の生徒会長である。
「環、貴女一人“だけ”が姫様を待ち侘びていた訳ではなくってよ(笑)」
ミレイは悪びれる事も無く環に言い放つ。
「あんたの場合騒げればいいんでしょうが、騒げれば」
環も半ば呆れつつ反論に出る。
「こんな美味しいシチュエーションを指銜えて見ているほど無粋じゃありませんことよ」
正に高笑いでもしそうな勢いでミレイは環にとって返す。
本日の主賓である筈の新入生達を置き去りにして生徒会長と副会長が何時もの様に平行線をひたすら爆走していく。
「あ、あの〜」
そんな状況下瑞希が口を開く。
「お気持ちは嬉しいのですがあまり派手過ぎるのは、みんなビックリしてますし・・・」
「あ〜らお気に召さなかったかしら。でも3年間ってあっという間よ、目一杯楽しまなきゃ」
ミレイは茶目っ気たっぷりに
「だからと言ってこれはやり過ぎでしょうに」
「二人とも、そろそろ始めないと」
そう言って現れたのは“久寿川ささら”もう一人の副会長である。
ささらの発言で我を取り戻したのか環とミレイは本来の役割を思い出す。
「そうね、じゃそろそろ始めましょうか」
環が悪戯っぽい笑みを浮かべつつミレイとささらに合図を送る。
それを受けるやミレイも気を取り直しマイクを取る。
そして・・・・・・・・・・。
「新入生の皆さんようこそ“卯月学園高等部”へ!!」
その言葉を合図に花吹雪が舞った。
それを見上げつつ瑞希は期待に胸ふくらませている自分に気付く。
色んな事がこれから彼女達に、そして自分に起こるであろう予感に。
『“あの人”にも届けたいな、この気持ち』
瑞希はここには居ない“彼”に思いを馳せるのだった。
“八重桜の乙女達〜The Tales of Cherry blossom Fairys〜”はじまります。
【卯月学園(元ネタ:下級生《校名のみ》)】
年号が明治の頃創設された幼、小、中、高、大一貫教育の女子校。
無論あの“リリアン女学園”とも並び称される程の名門校である。
統合歴の現在に於いても変わらず存続している(システムが見直され再評価されたためと思われる) 。
高等部の制服は“八重桜”の愛称で親しまれ高い人気を博す。
“GGG”とも密接な関係にあり学園のセキュリティーも彼等が担当している(これは“ある理由”に寄る物でいずれ語られる事でしょう) 。
校風は文武両道で社会参加に対しても積極的でありボランティア活動にも力を入れている。
部活動に於いても“ラクロス部”“剣道部”“テニス部”は全国的に名を知られた強豪校。
最高の“大和撫子”を送り出す事が学園の信条である。
後に卒業生達は“勇者の花嫁”と呼ばれる事となるがそれはまた別の話。
“聖鷹女学院(乙女はお姉様《ボク》に恋してる)”とは姉妹校の関係である。
一クラス32人、各学年6クラス(初等部から高等部まで。)
幼年部:うさぎくみ、ねこくみ、こいぬくみ、ぞうくみ、いるかくみ、ことりくみ
初等部:1組、2組、3組、4組、5組、6組
中等部:桜組、百合組、菊組、薔薇組、菖蒲組、蘭組
高等部:花組、星組、夢組、月組、宙(そら)組、雪組
大学部:教育学科、情報学科、経済学科、芸術学科、体育学科、音楽学科、歴史学科、人文学科 等他多数
学園行事 (中等部&高等部)
4月:入学式、新入生歓迎会
5月:体育祭
6月:遠足または社会見学
7月:夏休み(15日〜)
8月:6日登校日、平和集会
9月:1日始業式、修学旅行(中等部3年、高等部2年)
10月:文化祭、31日ハロウィンパーティ
11月:音楽祭
12月:24日クリスマスミサ、25日終業式、クリスマスパーティ
1月:11日始業式
2月:各部引継ぎ
3月:卒業式、終業式
部活動 (中等部&高等部)
体育会系
・テニス部
・ラクロス部
・剣道部
・空手部
・フットサル部
・バレーボール部
・バスケットボール部
・陸上部
・水泳部
・乗馬部
・ソフトボール部
・合気道部
・新体操部
・弓道部
・なぎなた部
文化会系
・天文部
・文芸部
・料理部
・新聞部
・放送部
・カラオケ部(非公式)
・美術部
・写真部
・吹奏楽部
・合唱部
・モダンアート部(別名アニメ部)
・情報技術部
・自動機械部
・茶道部
・華道部
・書道部
・演劇部
・園芸部
主要登場人物
高瀬 瑞希(こみっくパーティ):高等部1年夢組在籍、テニス部所属。 この物語における主人公であり“真・スーパーロボット大戦”におけるヒロイン。性格等は“真・スーパーロボット大戦設定その1”参照。
向坂 環(ToHeart2 ):3年夢組在籍、生徒会副会長。“紅薔薇御前”の敬称を持つ少女、瑞希にとっては敬愛する“お姉様(瑞希とは義姉妹の関係であり溺愛している)”性格は無論オフィシャルそのまんま。
芳賀 玲子(こみっくパーティ):高等部1年夢組在籍、空手部所属。“橘の王子”の敬称で呼ばれている少女。実の姉妹以上に仲睦まじく育てられた為か瑞希に対しては過剰なまでの愛情を注いでいる。ボーイッシュで気さくな性格であるが男性に対して過剰なまでに攻撃的、それ故か下級生や同級生を中心に熱狂的なファンを多数持つ。
久寿川ささら(ToHeart2 ):高等部3年星組在籍、生徒会副会長。あまり人を寄せ付けない厳格な性格。 それ故か彼女と環がいなければ生徒会はまともに機能しないというのが現状と言える。(生徒会長が“あの”人ですから・・・・・orz)しかし本当の彼女を知る一部の人たちからはイジられているようではある。
ミレイ=アッシュフォード(コードギアス):高等部3年月組在籍、生徒会長。 お祭り好きな性格でよくロクでもないイベントを考えては周囲を振り回す困ったちゃんでありながら面倒見の良いことから人望も厚く気風の良い姉御。 環とは大の親友であり良きライバルという関係。生徒会役員全員のスリーサイズを把握済み。(それどころか学園中の主要人物全員のスリーサイズを把握しているといううわさも)。人の秘密をやたらと知りたがるが口外しない主義。
藤乃静留(舞‐HiME):高等部2年夢組在籍、生徒会役員。 普段は常にあわてず騒がずがモットーの穏やかな性格ではあるがどんな難題でもたちどころに解決するヤリ手の顔を持つ。次期生徒会長の有力候補と目されている。
玖我なつき(舞‐HiME):高等部2年夢組在籍。 一見クールで大人びた印象を与えるがその実意外にも乙女チックな性格をしており少女漫画や下着、そしてロリータファッションをコレクションしている。 そのコレクションが“ナチュラル”なまでに似合ってしまう瑞希に対して時折羨望の眼差しを向けてしまう。
風見みずほ(おねがい☆ティーチャー):高等部教師英語担当、1年夢組担任。年齢の割には世間知らずな所がある。 口癖は「最優先事項よ!」 チョコレート菓子“ポッチー”が大好物。
エクセレン=ブロウニング(オリジナルジェネレーション):高等部教師、数学担当。 本来は冷静で知的な性格なのだが陽気で楽天的な面が強くその上自己アピールが激しくノリで喋る為周囲からはそう見られていない。 その性格と親しみやすさから生徒達に人気がある。士官学校時代に遭遇した“ある事故”が原因でPTパイロットを断念、教員資格を持っていた為軍を退役し教師となる。
ま〜りゃん先輩(ToHeart2):現在学園OB(専門学校生)
“最悪の先輩”もしくは“ゴッデス・オブ・卑怯”などの不名誉極まりない仇名が与えられているほどの“超”問題児。卒業したはずの現在でも時折学園内に出没し騒ぎを巻き起こす。エクセレンやミレイとは親しい関係であり卒業した今でもささらのことを気にかけている(少々疑わしい所もあるが)。
続きはまた次の機会に。
説明 | ||
自分の小説“真・スーパーロボット大戦”と世界観を共有した学園物です。 言わば“瑞希ルート”に位置するお話となる物です。 何時もの事ですが“オフィシャル原理主義者”や“原作信者”の方々にはお勧めできません。 |
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