東方仮面ライダーガタック 〜幻想の星〜 第15話
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士が香林堂へやってきた同刻。光写真館では移動を終え、入山は窓から外の様子を眺めていた。

入山「俺がいた場所とはまるで違うな・・・」

そこは彼のいた場所ではなかった。まさに昔へタイムスリップしたような里の様子、時代で例えるなら明治時代あたりだろうと思う。

ユウスケ達もその様子を見てみる。

ユウスケ「なんか・・・随分昔のとこに来ちゃったのかな?」

夏美「お爺ちゃん、今何日ですか?」

栄次郎に日付を聞いて答えを待った。すると、

栄次郎「えっと・・・今は7月2日だね」

ユウスケ「じゃあ、時間は今のままってことなのか!?それにしても何故こんな古いとこが・・・」

夏美「古いって言わないでください!」

ユウスケが発言した「古い」の言葉が夏美に怒らせる火種となってしまった。頭を下げながら誤るユウスケは放って、夏美は外へ出てみた。

ユウスケ「な、夏美ちゃんちょっと待ってよ!・・・入山さんはどうするんですか?」

入山「俺は暫くここで待っている。君は彼女と一緒にいてもらうよ」

ユウスケは頷き、夏美と同行のことで外へ出て行った。

 

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ユウスケ「ねぇ夏美ちゃん、この世界に士がいるとは分からないと思うんだけど・・・」

夏美「でも士君が朝から消えて、入山さんが別世界へ行ったというのならここしかないはずです!女のカンみたいなものですけど・・・」

ユウスケ「確かに女のカンは鋭いっていうけどねぇ・・・」

2人はため息をつきながら里を歩き回る。だがその時だった。

?「あの、すみません・・・」

ふと誰かに声を掛けられた2人は一斉に後ろへ振り向くと、そこには若い青年がいた。

青年「お2人とも・・・外来人なんですよね?」

ユウスケ「外、来、人?」

青年「言うなれば外の世界から来た人です。最近はよくこの世界へと外来人が来ることが多いんですよ。それに今は、とんでもない化け物が活動中のために俺と、この里の管理人が協力して外来人などを保護しているんです。見るからにはついさっきから来たばかりにも見えますけど・・・」

夏美「はい。私達はその・・・人を探しているんですけど・・・」

青年「人ですか・・・でしたら方法がありますよ。着いてきてください」

そう言われて2人は彼の後ろへと着いていく。

青年「自己紹介がまだでしたね。俺は城戸彰俊(きど あきとし)、警察の者さ」

ユウスケ「警察・・・城戸・・・あっ!夏美ちゃん、もしかしてこの人、入山さんが探してた・・・」

夏美「後輩の刑事・・・ひょっとして、貴方だったんですか!?」

城戸「はい。けど入山先輩がこの世界にいるんですか?」

2人はウンウンと立てに首を振った。

城戸「そうですか。けど、心配してたかもしれませんからどうだろうか・・・」

面目ないと思わんばかりに城戸は頭をかいていると、彼がある場所で立ち止まった。

夏美「なんですかここ?」

ユウスケ「寺子屋・・・なんかの店ですか?」

城戸「店じゃないですよ。現代でいう学校です」

どうも思えない2人だが、中へと入っていく城戸に招かれて2人も中へと入る。

城戸「慧音さん、ちょっといいですか?」

奥へ聞こえるように声を掛けると、その奥から女性がやってきた。長く白い髪に青のワンピースと帽子、昔の時代が染み付いた女性である。

女性「城戸か、何か様なのか?」

城戸「この2人が人を探しているんです。それで是非お願いしたいと」

その女性、慧音は城戸の後ろにいる夏美とユウスケを見るとすぐに判断した。この2人は外来人、それもさっき来たばかりの者だ。

慧音「分かった。それで、その探している人の名前は何なんだ?」

夏美「門矢 士です!トイカメラをいつも持っているのが特徴なんですけど」

慧音「門矢 士・・・少し待っててくれ、すぐ戻る」

再び慧音は奥へと戻っていく。

ユウスケ「あの、彰俊君。彼女は先生なんだよね?」

城戸「そうです。彼女は上白沢 慧音って言って、この寺子屋の教師にして人里の守護者。この世界の知識も持ってますし、何よりも彼女は歴史が見れるんです」

夏美「歴史・・・?」

城戸「この世界では、それぞれ能力を持った少女達が存在する世界とされているんです。その1人が彼女で、歴史を作る程度の能力使い・・・その一部を利用して過去を見るんです。そうすれば、何時どこでこの世界に来たのかもわかります」

ユウスケ「すっげぇ・・・そんな便利なものがあるなら士を楽に見つけられるかもな!」

確かにそうだ。彼女の能力で知れないものは殆ど無いという凄さにユウスケは感動していると、慧音がいさいさと戻ってきた。

慧音「彼の居場所が分かった。この先にある香林堂という場所に行けば彼に会える」

夏美「ほんとですか!?じゃあすぐに・・・」

慧音「里の外は危険の恐れがあるから、私がそこまで案内しよう」

そう言って城戸に顔を向け、彼もまたそれに答えるように頷いてこの場から去った。

慧音「さぁ行こう。香林堂はあの森、魔法の森の入り口辺りにある」

彼女を先頭に歩き始めた夏美とユウスケ。そんな彼女達が外へ向かっていたその時に女の子とすれ違う。

夏美「?」

ふと夏美は後ろを振り向くが、後ろには人込みが見えているだけで他に見えるものは無い。慧音はどうしたと夏美に顔を向く。

慧音「何か気になったことでもあるのか?」

夏美「いや、大丈夫です・・・」

気のせいだと思っていた夏美は気持ちを切り替え、里の外へと出て行った。その一方として人込みの中には紛れも無い漣の姿がある。

漣「申し訳ありません。けどこの世界に彼、琴芭英次がとうとう姿を見せました」

ブラック『そうか、彼がギル・モナークを倒した噂のキング・・・奴はとんでもない食わせ物な故、お前1人おろか、ギアで対抗しても無駄だろう』

漣「はぁ・・・そういえば、話で聞いたもう1人のキングは?」

ブラック『もう1人のキングは総首領様自らが向かっている。だが漣よ、ギアの回収は成功しても、キングの抹殺を成功してもそれだけではすまん。我々の目的はキングストーンを手に入れることだ』

漣「ええ。こちらの任務が完了次第にそちらに移ります」

ブラック『ああ。それとキングストーンの在り処は、天野川 星司という者が持っていると確認されているが、現在は行方知れずの様子だ。発見次第に奴を始末し、そちらの回収も行ってくれ』

漣「了解」

ブラック将軍との通信を終え、漣は今後の行動を考える。

漣(カイザとデルタは紅魔館に保管されているけど、そこにはキングが邪魔で通れない・・・なら、ファイズの元へ行くしかないか)

そう決めた漣は、直ちに守矢神社へ向かおうとしてその時だった。後ろから何かに抱きつかれ、漣は後ろに振り向く。

漣「・・・雫」

それはダークカブトに変身する雫だった。そう、漣の妹というのは彼女であるのだ。

雫「兄さん、何かしてました・・・?」

漣「将軍様に報告してたんだよ。とうとうキングがこの世界に来たらしい」

雫「そうなんだ・・・私も彼、星司を発見して回収を行おうとしてたんですけど、失敗しました・・・」

漣「星司?それって、将軍様が言ってたキングストーンを所有している・・・」

雫「彼はどこかへ逃げられましたけど、私のお人形を先輩さんが取ってきてくれたんです。兄さん、せっかくですから2人でどこかへ行きましょうよ・・・」

今度は腕に抱きつく雫だが、漣は困り顔で彼女に言う。

漣「僕はまだ任務中なんだ。しばらくできないけど、手伝ってくれるならいい・・・よね?」

雫「うん・・・」

漣「じゃあ決まり。早速ライダーギアの回収に「そういえば兄さん」

守矢神社へ出発しようとした漣の勢いは急ブレーキを掛けて停止した。

雫「実はさっき通りかかった人、サイガギアの反応が出てましたよ」

漣「サイガギアだって?」

サイガギアとは、仮面ライダーファイズで登場する3つのギアよりも上を行く強力なアイテム。別名で帝王のベルトと呼ばれており、サイガは天の帝王と名乗られているのだ。

漣「何処へ行ったかって分かる?」

雫「それよりもこの方法なら所有者を呼び出すことが出来ますよ」

そう言って雫は黒い球を取り出し、地面に置いた。

雫「それじゃあ作戦開始、ですね・・・」

 

 

里の外へ出て歩いている途中、夏美が慧音に問いかけた。

夏美「慧音さん、彰俊君からとんでもない化け物って聞いたんですけど、具体的にどんなものなんですか?」

慧音「その話しか。それは昨日のことになるんだが、突如人里に見たこともない妖怪が出現したんだ。見た感じでは虫の姿をしていたが、気迫がそこら中にいる妖怪とは違って、ああいうのを未知との遭遇というのか・・・私でも信じられないような化け物だったんだ」

ユウスケ「虫の姿・・・(どこかで聞いたことあるような・・・)」

何か引っかかる様子で思い出してみるユウスケ。すると慧音が立ち止まり、2人に顔を向ける。

慧音「着いたぞ、あれが香林堂だ」

ユウスケ「! 夏美ちゃん、あのバイクを見てよ!」

そう言ってユウスケと夏美が見つけたのは、士が乗っているマシンディケイダーだった。

夏美「あれって士君のバイク!じゃああの中に!」

早速入り口までやってくると同時に戸が開き、中から士が外へ出ようとしていたところを夏美は逃さなかった。

夏美「光秘伝、笑いのツボ!」

 

ブスッ!

 

士「くっ!?・・・ぷっ、あははははっははっ!!ナ、ナツミカン!!なんで、あはは、お前が、こんなとこに、いるんだ!?あはははははははっ!!」

見事に命中し、士は腹を抱えながら爆笑する。

夏美「今まで何処に行ってたんですか!朝からずっと心配してたんですよ!」

プンスカと膨れっ面でいる夏美と、ツボの効果で爆笑し続けている士とは別に、慧音とユウスケは士の元へ来る。

慧音(こうも一瞬で笑わせるとは・・・夏美という彼女、なかなかできる・・・)

彼女の得意技でもある頭突きと比べれば痛さは慧音が勝つとしても、これはこれで夏美のツボ押しが非常に強いと何故か感じていると、奥から別の男がやってきた。

井上である。

井上「士君、大丈夫か?」

士は息を切らしながら地面についていた。

慧音「夏美、彼が士なのだな?」

夏美「はい、この人が門矢 士君ですけど、見てのとおりに馬鹿なところもあるんです」

士「バ、バカって言い方はないだろ・・・」

夏美「! ダ・メ・な・の?」

親指を立てて士を脅す彼女はもはや鬼だ。見ていたユウスケもゾッとするが、この重い空気を何とかしようと士に話しかける。

ユウスケ「いやーでも士が無事でよかったんだしさ、写真館に戻るとしようよ」

士「そうだな・・・まだ昼飯食ってねぇし・・・」

ユウスケはすぐに帰ろうと、マシンディケイダーの横にあったバイクに乗る。が、

井上「おい、それは俺のバイクだ」

井上は降りろとユウスケに忠告する。

ユウスケ「え?これ、貴方のですか!?俺のバイクかと思ってつい・・・」

夏美「あ、ほんとだ。ユウスケのバイクとそっくり」

ユウスケの愛用するバイクはトライチェイサー2000というバイクであるが、井上はビートチェイサー2000。実はこの2台のバイクは形がそっくりそのままで、白がトライチェイサー、黒がビートチェイサーとなっているのだ。

士「因みにユウスケ、そのバイクの持ち主であるこいつはお前と同じクウガだ」

ユウスケ「ええっ!?マジ!?」

井上「?君も・・・クウガなのか?」

ユウスケ「はい!別世界のクウガに住む小野寺ユウスケって言うんです!よろしくお願いします!」

クウガ同士との出会いを果たしたユウスケは感激の余りに井上に近づいて握手をする。

井上「別世界のクウガ・・・良く分からんが、俺と同じ奴がいるとは驚いた。俺は井上、井上 隆次郎だ」

ユウスケ「井上さんですか・・・あの、良ければ写真館に来てくれませんか!?そこでいろいろとお話でも・・・」

井上「いいだろう。気が合いそうだしな」

この2人は今、友情で結ばれた。

士「ああ言うのを、暑苦しいっていうか・・・」

夏美「けど凄く仲が良さそうですから、いいんじゃないのでしょうか?」

士「かもな・・・さて、帰るか」

一同は人里へ戻ろうと動き始める。が、しかし、慧音の懐にザザッと雑音が鳴り出す。

ユウスケ「慧音さん、何か音がしてますよ?」

慧音「ああ、トランシーバーだ。連絡を取り合いながら活動しているからな・・・」

トランシーバーを取り出し、慧音は応答してみる。

慧音「慧音だ。どうかしたのか?」

城戸『すぐに戻ってきてくれ!人里に例の化け物が出現したんだ!』

それを聞いた一同は顔を変える。

慧音「なんだって!?住民はどうなんだ!?」

城戸『応戦より非難を優先しているから心配ない!だが数が半端なく、このままなら全滅だ!』

慧音「そんな、なんで急に・・・」

夏美「貸して下さい!・・・あの、お爺ちゃんや入山さんはどうなんですか!?」

城戸『今から彼の元へ向かうところです。必ず助けますので安心してください』

一方の城戸は通信を終え、まだ乗っている住民の避難を再開した。見つかりにくい場所へとはいえ、そこはとても狭い場所でありながら通るのも辛い。ようやく外へ出たときには化け物・・・ワームが大通りをゾロゾロと歩く光景が見えていた。

城戸「早く残りの人を何とかしなきゃ・・・」

辺りを見回していると、ワームの一部が城戸に襲い掛かってくる。城戸は回し蹴りで返り討ちにするが、ふとその方向の先にお年寄りの人を連れている男性を確認した。いや、あれは・・・

城戸「先輩!」

入山「! 城戸君・・・!?」

それは栄次郎を避難していた入山だった。

入山「城戸君、無事だったのか」

城戸「ええ、けど今は避難を・・・」

その時に城戸の後ろにワームがしがみ付き、城戸は予想もしない奇襲に驚いて抵抗する。

城戸「くっ、離せっ!!」

入山「たぁっ!!」

助けようと、入山は正拳でワームを城戸から離した。

城戸「この野郎、よくもやってくれたな・・・!」

堪忍袋の尾が切れた城戸はあるものを取り出す。見たからにはバイクのハンドル・・・だが、それはある刑事と同じあのベルトだ。腰に巻き、そして『A』のマークが描かれたメモリを取り出して起動させる。

城戸「変身!!」

 

≪AXEL≫

 

オーラに包まれ、仮面ライダーアクセルへと変身する。

城戸「さぁ、振り切るぜ!!!」

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ダークボールです。第15話は光写真館サイドでお送りしましたけど、慧音先生ってなんだか男気があるようなのでこんな口調に設定しています。

長編を書いている人ってそれぞれの行動を分けながらやっているのですから、今では忙しいったらありゃしません。実際にグループを大まかにまとめると・・・

 

・星司サイド・・・永遠亭から脱出し、現在行方知れず

・英次サイド・・・ミラーワールドでドラグレッダーと遭遇

・安里サイド・・・白玉楼で待機

・一樹サイド・・・博麗神社へ移動中

・御月サイド・・・守矢神社で待機

・士サイド・・・人里へ急行

・橘サイド・・・金居を探しに出発

・翔太郎サイド・・・幻想郷のどこかへ到着

 

お、多すぎる!これは自業自得なのだろうかと後悔しつつあります!だがそういうときこそ合流という秘儀があるので、それでまとめてサイドの数を減らそうと考えております。つまり誰が出会うかの楽しみが出るわけですので、この話を続けて呼んでいただければ嬉しいかと思います。

 

 

【ライダーデータ】

◇仮面ライダーアクセル

登場作品:仮面ライダーW

備考:入山の後輩刑事、城戸彰俊の変身するライダー。加速の記憶「アクセルメモリ」で俊敏な動きとパワフルな威力を持っているのが特徴。

専用武器のエンジンブレードにエンジンメモリをセットすればさらに攻撃力を増し、霧状攻撃の「スチーム」、光弾を発射する「ジェット」、刀身に電撃を纏わせる「エレクトリック」の能力を引き出すことができる。

必殺技はアクセルのマキシマムドライブによる「アクセルグランツァー」とエンジンのマキシマムドライブによる「エースラッシャー」。

説明
こちらは東方Projectと仮面ライダーシリーズのクロスオーバー作品です。こういった二次作品及び、ショッキングな暴力等にあまり慣れない方は戻るボタンを押してください。
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