リトルバスターズ短編 その2
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僕がその変なものを見つけたのは午前の授業を終えて

真人と一緒に学食へ向かっている途中だった。

「あれ?」

廊下を歩いているとふと、目に付くものがあった。

それには他のものよりすごく人の目を引く何かがあり

僕はそれに釣られた。

「ん?どうした理樹?」

真人が僕に声をかけるが僕はそれに夢中だった。

それの形は丸々とした赤いボタンである。

その大きさは少し謙虚なのか大して大きいボタンでは

ない。

人差し指ぐらいの大きさだ。

そのボタンの下側には綺麗な紙でこう綴られていた。

”誰も押さないで下さい”

何だろう?押さないで下さいって妙に押したくなる。

これも人間の心理なのか?

それともただ僕がそういう人間なのか?

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見つめているとどうしてもそのボタンを押したいと思ってしまった。

ゴクリと唾を飲み込み僕はゆっくりとボタンの場所へ右手を伸ばす。

「理樹……っ!!」

しかし、その行為は大きな声によって遮られた。

発信源は真人……である。

真人は真剣な表情で僕を見つめている。

まさか……真人は僕の行為を止めてくれたのか?

僕は真人に感謝しようと口を開こうとしたが先に真人が言う。

「それは俺が押すっ!!」

その言葉と共に真人は僕を押し退けボタンへ手を伸ばす。

「え……えぇっ!!」

あまりの事態に僕は真人を止めることが出来なかった。

ポチッ

とまるでアニメのような音を出してボタンは押された。

それと共に消えていく押したいという気持ち。

なんていうか、他人に押されてしまったら押したくなくなる。

いわゆる萎えたというやつである。

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しかし、問題はまだ残っている。

押されたボタンである。押されたのにボタンは何の反応も示さない。

特に音が鳴ったり爆発したりはたまたタライが落ちたりという変化はない。

なんだという失望感と共に安心感。

僕の頭ではボタンを押せば爆発したり音が鳴ったりタライが落ちたりということを想像

していたためボタンを押して何も無いということは軽くショックだ。

真人も同じように感じたのかさっさと学食へ向き直った。

 

それを見たのも偶然だった。

いつものように野球をするため部室を訪れると恭介がいた。

「おっ来たか、理樹。」

恭介は僕が来るなり椅子から立ち上がると軽くストレッチをする。

「それじゃ、練習するか。」

恭介がそう言って部室を出ようと僕に背中を見せたとき、それは見えた。

首元にこびりついた丸い円盤状の物体。

ボタンである。ボタンとは言っても衣服につける奴ではない。

押しボタンである。しかも、赤い色。ご丁寧に紙まで添えられている。

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紙には”誰も押さないで下さい”と廊下にあったものと酷似している。

僕は妙にそのボタンが押したくなった。

廊下の時は真人に取られたためむずむずしていたのだ。

僕は恭介に気づかれないようそっと腕を動かしそのボタンを押してみた……。

ポチッ

説明
リトルバスターズの短編コンテスト用です。
つくづく自分はギャグが苦手だな〜と思います。
あと、一つは出しますがその後は案が浮かべば書きます。
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