真・恋姫無双 刀香譚 〜双天王記〜 第十一話・前編 |
はじめに。
この外史の桃香はチート補正がかかってます。
なので、ちょっとばかり知力高いです。軍師並みとまではいきませんが。
桃香はあほの子じゃなきゃやだ!!
という人は、回れ右してください。
では、外史の扉を開きましょう・・・。
水関の戦いの少し前。
洛陽に入った一刀たちが見たものは、
活気にあふれ、栄える洛陽の街並みと、笑顔で往来を行きかう人々であった。
自分たちの判断が間違っていなかったことに安堵した一刀たちは、すぐに皇帝への謁見を申し入れた。
幸いにも謁見はすぐに行われ、一刀たちは皇帝劉弁から、労いと激励の言葉を頂いた。
まあ、劉弁がまだ幼さの残る少女であったことは、一刀たちにとって、少なからず衝撃を与えたが。
そして謁見がすんだ後、すぐに洛陽に残っていた董卓軍、および馬騰軍の諸将との軍議が行われた。
「水は捨てる?!何考えてんのよあんた!!」
いきり立って叫ぶ眼鏡の少女、董卓軍の軍師、賈駆文和。
「詠ちゃん、ちょっと落ち着いて」
「そうだぞ詠。まずは話を聞いてみてはどうだ」
隣に座る少女と、黒い装束の女性が、賈駆を諭す。
「・・・わかったわよ。で、どうして水関わざと明け渡す必要があるのよ、劉備玄徳?」
しぶしぶながら椅子に座りなおし、改めて桃香に問う賈駆。
「時間稼ぎ。それと、罠の蓋にするため」
笑顔で答える桃香。
「時間稼ぎ?罠の蓋?何のことだよ」
ポニーテールの少女が首をかしげる。
「作戦はこう。まず、水関の援軍として、お兄ちゃんと愛紗ちゃん、それと馬超さんと馬岱ちゃんに向かってもらいます」
「あたしと蒲公英も?」
ポニーテールの少女、馬超に頷く桃香。
「水関に着いたら、あっちにいる張遼さんたちと一緒に、俺たちは出来るだけ派手に、相手の目をひきつけ、時間を稼ぐ」
一刀が桃香に続いて策の説明をする。
「その間に、私たちは虎狼関にいる呂布さんたちに手伝ってもらって、水の兵糧をすべて、虎狼関に移します」
「出来るだけ派手に、か。そのために武将を六人も揃えるのだな」
「はい、大将軍閣下」
一刀が黒髪の女性、漢の大将軍、馬騰に答える。
「で、それがすんだら、全軍虎狼関に撤退するわけね?」
再び賈駆が桃香に声をかける。
「そう。向こうはおそらく、空き家になった水関に、糧食をすべて運び込むと思う。水を拠点に、虎狼関攻めを行うために」
「水源もついでに絶ってやれば、水もすべて運び込むしかないわけだ。そこを」
「足の速い騎馬隊を連中の後方に回して、水を再占拠する、か」
賈駆が最後をまとめる。
「しかしだ、一刀、桃香。向こうには華琳がいるぞ?私たちのことは良く知っているあいつが。もし、この策を読まれて関に大軍を配置されたらどうする?」
白蓮の心配ももっともだった。華琳―曹操孟徳は、神童と言われた天才である。
「・・・だから、ちゃんと手は打つつもりだよ。相国さま、帝にお願いして、これに印を押していただけないでしょうか?」
桃香が一枚の紙片を、賈駆の隣に座る少女、漢の相国・董卓仲頴に渡す。
それを見た董卓は。
「へう〜。劉備さん、頭良いです」
「なにが書いてあるのよ?・・・あんた、顔に似合わず、悪知恵が働くわね」
紙片を覗き込んだ賈駆が、呆れた顔で言う。
「あたしにも見せてくれよ。・・・なるほど。蒲公英並みの悪知恵だな、こりゃ」
「お姉さま、それどういう意味?」
あはははははははは。
和やかな笑い声が、部屋の中にこだました。
時間と場所は再び水関。
「は?あなたが水の守備を?」
「そうよ。水関への一番乗りはあたしらがもらったしな。後の功績はほかに譲ることにした」
曹操に答える孫堅。
「そういうことですから華琳さん?あなたがここの守りに着く提案は却下ですわ。第一、あなたのところは先の戦いでは何もしていないでしょう?虎狼関ではその汚名を挽回する機会をあげますわ」
早口でまくし立てる袁紹。
「・・・麗羽、汚名は挽回するものじゃないわよ。返上、するもの」
「う、うるさいですわね!ちょっとした間違いですわ!!ともかく!!虎狼関では私と美羽さんと一緒に、前曲を担当してもらいます!!良いですわね?!」
「・・・わかったわよ」
不服そうに答える曹操。
「なに?敵の後方からの急襲が心配なんでしょう?それとも、あたしでは不足とでも?」
そんな曹操に孫策が声をかける。
「そうは言わないけれど・・・」
「ならよろしいですわね?では、明日にも虎狼関に進撃を開始しますわよ」
そう言って部屋を出て行く袁紹。
それに続き、孫堅も部屋を出て行く。
残った曹操は、一人思考に入る。
(・・・参ったわね。まさか孫堅が自分から残ると言い出すなんて。確かに私の軍はまったくの無傷。断るわけにもいかないし・・・。まあ、いいわ。孫堅に敗れるようならそれまでの男だったということ。この曹孟徳の隣に立つ資格はないわ)
「・・・ふふ。一刀、私の期待、裏切らないでよね」
その頃、同じ水関内の別室にて。
「どうだったの?母様?」
「予定通りよ、雪蓮、冥琳、躑躅」
三人の女性に親指を立てて笑顔を向ける、孫堅。
「でも驚いたわよ。さっきの戦いから戻ってきた母様の懐から、これが出てきたときは」
雪蓮、と呼ばれた褐色の肌の女性、孫堅の長女、孫策が、一枚の紙片を手に言う。
「まあね。・・・しかしだ、これのおかげであたしたちは逆賊の汚名を着ずに済むということだ」
「そうですね。・・・ところで雪蓮、おまえ、例の蓮華さまの幼馴染とやり合ったそうだが」
「ええ。・・・あれは化け物ね。母様並みの実力者が他にいたのが信じられないわ」
「雪蓮よ。それはあたしも化け物だと、言いたいのかい?」
ギロリと、自分の娘をにらみつける孫堅。
「う。い、いえその〜、め〜り〜ん、たすけて〜」
眼鏡の女性に抱きつく孫策。
「・・・自分でまいた種だろうが。自分で何とかするんだな。・・・では文台さま」
「うむ。みな、その時にしっかりと備えておくように。よいな」
「「「は!!」」」
「それと、雪蓮はあとであたしと組み手五百本だ。・・・逃げるんじゃないよ?」
「いやあ〜!それだけは勘弁して〜〜〜〜!!」
夜は更け、そして、朝日が昇る。
戦いのときは刻一刻と迫っていた。
さまざまな思いを、それぞれの胸に秘めながら。
〜続く〜
説明 | ||
刀香譚、連日の投稿であります。 諸事情により前・後編に分けました。 ネタが出来てないとか、ソンナコトジャナイデスヨ? ではでは、逝ってみましょ〜。 |
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コメント | ||
胸は健在だけど魅力チートをパージして、代わりに智将になったんですね?(M.N.F.) 母の愛は深く厳しいんだなー、雪蓮が強くなる訳だ;(深緑) 確かに劉備は元の方の能力は高いからこれはこれで。(白ぴぃ) 劉備はもともと軍略に長けていたのでありですね(ブラックローズ) 紫電さま、お楽しみに、お待ちくださいませませ。(狭乃 狼) はりまえさま、結構厳しい愛ですがww(狭乃 狼) EBIさま、だから華琳がそう突っ込んでますが。(狭乃 狼) 孫堅の愛が伝わりました・・・・・・・・・(黄昏☆ハリマエ) 4/6ページ 汚名は返上するもの、名誉は挽回するものですよ。(EBI) nekoさま、恋は盲目^^。そーいうことです。(狭乃 狼) aoirannさま、それと同じくらい一刀もばk・・・げふげふっ。(狭乃 狼) 華琳さん一刀のこと気にしすぎて桃香に足元すくわれてませんか(neko) 孫堅さん500本てどんだけバケm・・・強いんですか(aoirann) hokuhinさま、厳しいのは雪蓮にだけです。蓮華とシャオにはめちゃくちゃ優しいお母さんです。特にシャオにはだだ甘^^。(狭乃 狼) 孫堅母さんはやはりスパルタなのか。雪蓮が嫌がるなんて・・・w(hokuhin) |
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