if friend /02 |
ヒカルが気がついたのではない。
気がついたのは、コワれた相棒だった。
近づいた辺りからだろうが、しきりに山の方を仰いでいる。
相変わらずなにもいわずとも、何かに興味を抱くのは、あのふざけた印象すら残る決戦の夜から珍しくはない。
だから、どうせ急ぐ旅でもないしとヒカルはいつも可能な限りその「好奇心」に付き合う。
「いきたいのか?」
僅か、そのアンバランスな頭部が首肯を示した、ような気がした。
確かめるでもなく、先を言って見る。
人の目にも気づくそれ・・・光が、そしてその中にいる空に実を預けた少女の姿が見えたのは、山の中を大体5分も進んだ頃か。
「・・・・・かぐや姫、ってか感じじゃないけどな」
竹やぶでもないし、赤ん坊というわけでもない。
精々が小学生から中学生へ、というころか。
なぜにそんな御伽噺を連想したやら、自分でもわからない。
自問するまもなく、人の目線に気がついたかのように光が収束していく。
まるで役目を終えたかのようで、空虚にいた少女が大地へ・・・
「うわっっと!!」
良くも悪くも鍛えられた足が踏み込み、彼女が地面に着くことを回避する。
光の源であったか、それともそこが収束の地なのか。
彼女の胸元の紅い珠がゆわり、と最後の光と「浮く」という力を失っていく様をみて、某M崎アニメとか思い出したり。
「彼女?」
彼のようにしたくとも、おそらく抱きとめることは出来ないデザインの相棒に振り返り、腕の中の彼女を示して問うと、むしろ困ったように少しだけその首が傾いたように見えた。
「・・・・・・・」
なのはは、正直絶句していた。
「人間に匹敵するだけの知能が確認できるメダル」の使い方が、よりによって「玩具」として活用されている「この世界」にだ。
自分を見つけた経緯はいい。
彼女自身の相棒であるレイジング・ハートが緊急処置としてこのアークと呼ばれるロボットに念波でSOSをかけたと、当人?から聞いた。
何せ別の世界なら明らかにロストロギアクラスの代物だ。
何があっても驚くまいが、こんな代物の話を聞いたら、ミッドチルダの何人が目の色を変えるのが予感できた。
ヒカルと名乗った青年は、あくまでも穏やかになのはの矢次の質問に応じた。
中には(彼女の環境が影響するに大きい)子どもらしからぬ問いもあったが、ごまかしていたり投げやりはなかった。
だからわかったのは、この世界の基本的な文明レベル自体は自分の出身地である第97管理外世界に近いこと。
大きく異なるのは、アークと呼ばれる存在を筆頭とした、メダロット・・・メダルロボット、というのが正式な名称らしい・・・の存在。
しかもコンビニ売買。
ロボトル、というゲームのためのパーツは1000円前後から。
しかも火薬とか刃物とかふんだんに使われた、それらはナノマシンテクノロジーが使われ、事故修復が可能。
犯罪に使われないのかと言えば、一応それを取り締まる組織もあるという話だが・・・・
一応、を強調された。
「そういえば世界征服をしようとしてる奴らもいたけど・・・・
まだなにかやらかしてるのかな?」
なんて続いた冗談のような調子がめまいを誘った。
っていうか、なんなのだろう。この無茶苦茶な世界。
「・・・・・・こんな風にいうとアレなんでしょうけど・・・・・
いい人が多すぎるの・・・」
「そんな風に言われるとは思わなかったけど・・・・・・ありがとう、かな。
まぁそれでも色々あるんだけどね」
・・・・・・・・・・
考えてみれば凄い世界なんだけどなぁ
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謎のメダ×なのは話その2 | ||
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