真・恋姫無双呉ルート(無印関羽エンド後)第二十四話 |
華雄を交えた軍議の最中、袁紹軍の使者がやってきて配置替えが行われた。
配置は、先鋒は曹操と袁紹の軍、中央は雪蓮の軍と劉表の軍と劉備の軍、後方は袁術とその他の諸侯であった。
ちなみに自分たちが先鋒でないのに雪蓮と祭さんは文句を言っていた。・・・このバトルマニアが・・・。
そういえば祭さんと六花さんは今までどこに行っていたんだろ?
祭さん曰く
「旧友の顔を見に行っていた」
って言ってたけど・・・。
まあそれは置いといて重要なのは今回の虎牢関攻略だ。
今回の戦もだいたい前の戦いと同じらしいのだが、あの呂布が出てくるためかなりきつそうとのことだ。
さらに前の戦いでも分かったことだが、まともに戦っている諸侯は俺達以外には曹操軍と劉備軍、あとは劉表軍ぐらいなものらしい。それ以外の諸侯はまともに戦おうともしない。
今回の戦でもそうではどうしようもない。
そこで俺は一つ案を出した。
俺達の軍の一部を囮に虎牢関から軍勢を引きずり出す。当然俺達の軍が前に出れば戦線は混乱するから敵がチャンスと思って出てくるだろう。
そこでわざと後退して追ってくる敵軍を袁術に押し付ける、という作戦である。
俺の案を聞いた雪蓮たちは目を見開いて驚いていたけど、いい策ということで採用された。
まあ袁術は大軍だからそう簡単には崩壊しないだろうけどもし袁術が討たれても別に問題ないからいいか!
・・・と言いたいところだが味方がやられたら印象が悪いということでかなりまずくなったら助けに行くということになった。まあ助けに行く前に死んだら運が悪かったとしかいいようがないけど。元々助ける義理はないし。
その後この作戦の概要を劉備達にも伝えて、ともに協力してもらうことになった。
さすがにこれを俺達だけでやるのはつらいしね。
そして今、俺達は虎牢関にいるわけだが、
「暇よね〜」
隣で雪蓮が言っているが実際暇ではある。
現在前方では袁紹軍と曹操軍が攻城戦を行っているわけなんだが、敵は城砦、それも難攻不落の虎牢関に立て篭もっているため無駄に犠牲を増やしているのが現状だ。
で、俺達は戦線がある程度混乱するのを待っている。そろそろだと思うんだけど・・・。
「・・・・頃合だな。雪蓮、作戦を開始するぞ」
「ようやくね、待ちくたびれたわ〜。
全軍前進!!これより我々は虎牢関に向かう!!」
雪蓮の号令の下、俺達は虎牢関に向けて前進を開始した。
曹操side
「華琳様!孫策軍がこちらに前進してきます!おそらくは戦場に乱入するつもりかと思われます!」
「何を考えているのだ孫策軍は!今乱入をしたら戦場がますます混乱するぞ!」
「・・・おそらく何か策があると見て間違いないわね、桂花」
「はい、混乱を招いてまで前線にでる、城の中に引きこもっている敵を引きずり出すのが狙いかと」
「ならば私達もそれに便乗させてもらおうかしら。敵が城門から出てきたら敗走するふりをして退却、春蘭、秋蘭、準備しておきなさい」
「はっ!」「御意・・・」
劉表side
「紅刃様!孫策軍、劉備軍共に前進を開始しました!」
「何・・・?」
「なんですって!?このような乱戦中に乱入したらさらに戦線が混乱しますわよ!?」
「このようなときに乱入・・・・。なるほど、孫策め、味な真似をする」
「紅刃様?」
「ふん、あの小娘め。おそらく敵を城から引きずり出すつもりよ。確かに効果的な一手ではあるな」
「なるほど、混乱している状態なら敵も出てくるでしょうし・・・」
「いずれにしろこれに乗らぬ手はない、白華、桜花、出陣をする準備をしておけ」
「はい・・・」「御意のままに・・・」
一刀side
俺達の前進に気付いたのか、なぜか曹操軍が俺達に道を空けるかのように動き出す。
こりゃばれたかな?
「冥琳、どうやら曹操に作戦、ばれているみたいだね」
「まあ完全にはばれてはいないだろうが、ある程度は予想できているのだろうな」
「やれやれ、さすが曹操、機転がいいな」
まあこの状況では好都合だけど。
それにこの世界の曹操が前の外史の華琳と同じならこの状況を上手く利用するだろうし。
しばらくすると、城門が開き、呂布、張遼の部隊が出てきた。
その瞬間、袁紹の軍勢が真っ二つに割れた。
比喩ではない。本当に真っ二つになったのである。
袁紹の軍勢の中央の人間が吹き飛んだのである。上半身のみ。
そしてその中を呂布は無人の野を行くがごとく駆け抜ける。
途中に立ちふさがろうとするのもいるが、ほとんど打ち合えずに吹き飛ばされる始末だ。
「・・・冥琳、あれ、釣れると思うか?」
「無茶を言うな・・・釣る前にこちらが敗走するか壊滅しかねん」
「でしょうね。私も呂布一人ならば止められるでしょうが、ここまで勢いづいている軍勢をとめるのはさすがに・・・」
俺は冥琳と愛紗とそんな話をしていた。というか愛紗、あの状態の呂布止められるのか。
すごいな。
「ふ〜ん、じゃあどうするの?冥琳」
「作戦変更だ、この勢いなら曲がることも容易ではなかろう。だから劉備軍にあたることもあるまい。だから・・・」
「袁術にあたる?」
「ご名答だ雪蓮。このまま放っておいても呂布の軍勢と袁術軍は交戦する。
作戦は完了だ」
おいおい、釣るまでもなかったじゃないか。勝手に呂布・張遼軍が突っ込んでくれるから。
「なら俺達はのんびり傍観か」
「ああ、まあ袁術軍が危なくなったら我々も救援に向かうがな」
まああの数だから簡単に崩壊はしないと思うけど。
さてその後なんだが呂布・張遼軍は袁術軍と激突した。
が、さすがは大軍だけあり、呂布・張遼軍の突撃は止まった。
しかしながら軍勢の勢いはいまだに止まっておらず段々危なくなってきた。
しかしそこで俺達と協力してくれる劉備軍、さらに城攻めから離脱してきた曹操軍の加勢によって、今度は呂布・張遼軍が段々と押され始めていた。
そして旗色悪しと見たのか、ついに呂布・張遼軍は退却を開始した。
「よし!関平!呂布の相手を頼む!出来ることなら生け捕りで頼むよ!」
「!?ご、ご主人様は!?」
「俺は張遼の相手をしてくる」
「な、なんですって!?」
俺の言葉に愛紗は驚いているようだった。
それはそうだろう。張遼は前の世界でも愛紗を追い詰めるほどの腕前だ。
この世界でも前の世界と同じ程度の腕前と見て間違いない。
前の俺なら間違いなく一撃で斬り殺されるだろう。でも・・・
「大丈夫だって。伊達に爺ちゃんと父さんの修行を受けていたわけじゃあないから」
「し、しかしそれでも「それに危険なら華雄に助けてもらうさ」・・・本当か華雄」
愛紗は疑わしげに華雄の方を見た。ちなみに華雄の真名を聞いたんだけど、華雄には真名は無いらしい。
「う、うむ。一応私も着いていくつもりだが・・・」
華雄の言葉を聞いた愛紗は納得したのかそれ以上俺に止めるよう言わなかった。まあまだ心配そうな顔してたけど。
「・・・分かりました。もう止めはしません。ですがご主人様」
「?何、関平」
「絶対に、絶対に生きて帰ってきてください!!私を、私を一人にしないでください」
そうさけんで愛紗が俺の胸に飛び込んでくる。俺はゆっくり愛紗を抱きしめると優しく囁いた。
「大丈夫だよ、愛紗。俺はこんなところで死ぬ気は無いよ。大好きな人を残して死ぬようなことは絶対にしないから」
俺の言葉を聞いた愛紗は顔を上げて俺を見てくる。その目は涙で潤んでいて、俺の顔をしっかりと見つめていた。俺は瞳を閉じて、愛紗の唇に・・・・。
「・・・・北郷殿、関平、せめてそういうことは戦の後にお願いできないかな」
突然の冥琳の声に俺達は反発した磁石のように素早く離れた。
隣を見ると、皆、顔を赤らめたり、呆れ返っていたり、面白そうに笑っていたりと様々な反応をしていた。それを見ていると段々自分のやっていたことが恥ずかしくなってきた。
おそらく愛紗も顔を真っ赤にしているだろう。
「あ〜全く熱いわね〜。うらやましいな〜」
「まあまあ言ってやるな雪蓮。あの二人は恋人同士なのだ、仕方が無い」
「ふっふ〜♪でもいつか必ず一刀寝取ってやるもんね〜♪」
待てえええええい!!!それ今言うことか!!!???
うお!?隣で愛紗が殺気を放ってる!!!???
これじゃあ張遼とやる前に死にかねねえ!!
「まあ冗談はここまでにして」
あ、なんだ。冗談だったのか。
「一刀、死なないでね。あなたは私達にとっても、孫呉にとっても必要な人間だから」
雪蓮は真剣な表情で俺を見つめてくる。
「ああ、まだやることが残っているのに、死ぬわけにはいかないよ。
大体、俺が居なくなったら冥琳の苦労が増えるじゃないか。主に雪蓮関連の」
「ひっど〜い!!なにそれ〜!!」
俺の言葉に雪蓮は頬を膨らまして抗議する。本当こんなところは小蓮そっくりだよな。
「それじゃあいこうか、華雄」
「承知した、主殿」
そして俺達は一部隊を率いて張遼軍に向かった。
まあ向かったと言っても向こうから勝手に来てくれたんだけどね。
「ん?なんやお前は?」
馬上の張遼、霞が俺に不審げに話しかける。それに対して俺は平然と答える。
「通りすがりの天の御使い、とでも言っておこうかな?」
「天の御使いやと?あの孫策んとこに来たっちゅう?」
「そうだ」
俺の言葉を聞いた張遼ははあ、と溜息を吐いた。
「なんだ?一体」
「ん?いやなあ・・・どうせなら天将の方とやりたかったと思うてな、天下無双やろ〜!!
武人として戦いたいと思うやないの〜」
「残念だけど、彼女はいま呂布と戦ってるよ」
「ええ〜!?呂布ちんうらやましいわ〜。代わってほしいで〜」
と、張遼は至極残念そうにしていた。やれやれ、バトルマニアぶりも相変わらずか・・・。
そう考えながら俺は腰に差していた刀「白光」を抜く。
「やれやれ、俺もそれなりにやる方だと思うんだけどな」
俺の言葉を聞いた張遼は残念そうな顔を消して獲物を見つけた獣のような笑みを浮かべた。
「ふふ・・・確かにあんたも中々できそうやな。おもしろい!!相手したるで!!
ちゃっちゃと片付けて帰らせてもらうわ!!」
そう叫んだ張遼は愛紗の偃月刀に似た武器を構えた。それを見た俺も白光を構える。
「いくぞ張遼、満足させてくれよ?」
「それはこっちの台詞や〜!!!!」
張遼が怒声と共に俺に斬りかかってきた。俺は白光を正眼に構えて迎え撃つ。
こうしてこの世界で俺にとって始めての一騎打ちの火蓋が切って落とされた。
あとがき
皆様、今回早めの投稿となりました。
なにしろ文章がすらすら浮かんだので・・・・。
さて、一刀の獲物の白光なのですが、爺ちゃんが知り合いの刀工に頼んで造ってもらったもので
ある程度の修行を終えた証として一刀に渡したものです。
ちなみに最後の一刀の台詞は、遊戯王5d,sの鬼柳京介の台詞です。
・・・遊戯王も結構好きなんで、自分。
次回、一刀vs霞、愛紗vs恋の戦いが始まります!一応一話で全部まとめるつもりです
が・・・。まあとにかくご期待ください。
説明 | ||
どうも、皆様。今回早めに出来上がったため以前よりはやめの更新となりました。 今回虎牢関の戦闘に入ります。ついでに一刀の見せ場もあります。 |
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コメント | ||
劉表が切れますね〜なんか端々で鋭い一言を述べて美味しい所を持って行ってる印象がw(深緑) 通りすがりの天の御遣い…、登場か。(これはガンバライドで出てくるディケイド激情態の台詞です)。次ぎやる連載物はディケイド激情態だから言わせましょうかな。(BLACK) |
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