真・恋姫無双 〜古の存在〜 第二話「北郷、三姉妹と出会う」
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決意を新たにした数日後・・・

 

 

俺は爺ちゃんの書庫の整理をしていた。

 

書庫といっても単なる物置でしかないのだが、昔から爺ちゃんは書庫と言っては譲らなかった。

 

「妙なところで頑固だったよなぁ、爺ちゃん。」

 

俺がそんな風に思っていると、

 

「ん?何だこの鏡・・・」

 

青銅で出来た古い鏡が出てきた。

 

かなり昔の物みたいであちこち錆びれているが、やはり銅鏡みたいだ。

 

「せっかくだし、磨いてみようか。」

 

俺は持っていた手拭いで鏡を拭いてみた。

 

だが、拭いても拭いても鏡は真っ黒のままだった。

 

「・・・どうなってるんだ?この鏡。」

 

俺は溜息をつきながら銅鏡を廃棄処分用の箱に投げた。

 

『ガシャン!!』

 

「へ?」

 

当たり所が悪かったのか、割れてしまったみたいだった。

 

・・・あーめんどくさくなってしまった。

 

「・・・ハァ、やっちまったな・・・。」

 

仕方なく俺は箱を覗いてみた。

 

やはり見事に割れてしまっていた。

 

ここまで見事に割れてしまうと修復は無理そうだ。

 

「仕方ないか。後で分けるとしよう。」

 

俺は立ち上がると、再び書庫の整理を始めた。

 

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その日の夜。

 

俺は『紅蓮』と『蒼天』の手入れをしていた。

 

(前から思ってたけど、この剣の柄って繋げるような感じ何だよな・・・)

 

『紅蓮』と『蒼天』の柄は何故か不自然な形をしている。

 

始めは握りやすいような形なのだろうと思っていたが、最近になってそれも違うと感じ始めてい

た。

 

(まぁ、追々分かるか。)

 

俺がそんな風に考えていると、虫の鳴き声が消えているのに気が付いた。

 

考え事に集中していたせいで気付かなかったが、辺りはシンと静まり返っている。

 

(いつもはこんな事なんて一度も無かった・・・。なんだ?この胸騒ぎは?)

 

俺は紅蓮と蒼天を腰に差した後、妙な感じがする書庫の方へと向かった。

 

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(・・・アレは?)

 

書庫に着くと、そこには奇妙な気配が漂っていた。

 

それを放っているのは、あの箱の中からだった。

 

(もしかして、あの銅鏡に関係があるのか?)

 

俺は慎重に箱を開いていった。

 

そこには、昼には何も見えなかった鏡が不気味に渦を巻いているのが映っていた。

 

(何だこの鏡は!?)

 

そしてその欠片を拾おうとしたとき、

 

「っう!!」

 

猛烈な光が俺を包んだ・・・

 

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「ねぇ、アニキ。コイツの刀とても高く売れそうですぜ?」

 

 

「ああ、確かに。それにこの服。見たことも無いな。こいつもかなり値が張りそうだ・・・」

 

「ア、アニキ。さっさとしないと誰か来ちまうよぉ。」

 

「わーかった、分かった。それじゃ、デク。起こしてやんな。」

 

・・・さっきから五月蝿いな。

 

「へい、承知しましたぜ。・・・おい!!お前起きろ!!」

 

ったくこっちはまだ眠り足りないんだぞ・・・?

 

「起きろって言ってるのが分からねぇのか!?」

 

「あーもー五月蝿いな。もう少し寝かせろよ・・・」

 

「コイツ・・・ッ!!」

 

「どけ、デク。こういうのはな、少し痛い目に遭わないといけねぇんだ・・・よ!!」

 

次の瞬間俺は腹を蹴られていた。

 

「ッグ!!」

 

力を抜いていたから諸に衝撃が来てしまって、息が整えられなかった。

 

「起きたか?小僧。ったく手間かけさせやがって。」

 

「さっすがアニキ!!やりますねぇ!!」

 

「アニキ、すげぇー」

 

チビっこいヤツとデブとヒョロ男がなにやら騒いでいるが、どうやら追撃はしてこないみたいだ。

 

「〜ッ痛。あんたら何物だよ・・・」

 

痛む腹を押さえながら俺は聞いてみた。

 

「俺達の事を知らないだと?俺達は泣く子も黙る黄巾族だぞ?」

 

黄巾族?確かに頭には黄色いスカーフが巻かれているが・・・

 

「あんたらもしかしてコスプレしてんのか?」

 

「ああ?なんだそりゃあ?」

 

・・・此方の話を理解してないみたいだな。

 

「それじゃあ質問を変えよう。ここは一体どこなんだ?」

 

「お前そんなことも知らないのかよ。」

 

ヒョロ男は俺に向けて侮蔑の目線を寄こしてきた。

 

「ここはだなぁ、五台山のが見える幽州啄郡と呼ばれるところだ。分かったか?」

 

幽州と言えば、あの劉備、関羽、張飛が兄弟の契りを交わしたと言われる、桃源郷がある場所じゃなかったっけ?

 

「さ〜て、そろそろお前が持っているもん全部置いていってもらおうか。ええ?」

 

ヒョロ男はニヤニヤしながら此方に剣を向けた。

 

「抵抗するなら、ちょっとばかし痛い目に遭ってもらうけどなぁ?」

 

気付けば小さいヤツとデブも俺を取り囲んでいた。

 

・・・とりあえず、今はこいつ等を何とかするか。

 

俺は無言のまま『紅蓮』と『蒼天』を引き抜いた。

 

「俺達とやる気か、小僧?いい度胸してるじゃねぇか。」

 

相変わらず腹が立ってくるニヤけ面を向けてくる。

 

「・・・弱いヤツほどよくしゃべるって、聞いたこと無いのかよ?」

 

「んだとテメェ!!いい気になってんじゃねぇぞ!!」

 

俺の言葉がよほどムカついたらしい。

 

ヒョロ男達は一斉に襲い掛かってきた。

 

俺はすばやく三人を見た。

 

(数は3、それぞれ中型の両刃方の剣を持っている・・・なら、コレが一番いいか。)

 

俺は今の状況でもっとも有利な構えを取った。

 

「・・・二刀流、竜巻!!」

 

二刀流竜巻とは複数の敵に囲まれたとき、又は周りから攻撃されたときに使う技だ。

 

二本の剣を持ちながらその場で高速に回転して風を起こし、敵の攻撃を跳ね返すことが出来る。

 

一見単純そうだが、実際やるとなると難しい。本来ならば風は起きないが一刀が行うと、あたかも

本当に竜巻が起きたかの様な風が起きるので、こう呼ぶようになった。

 

俺が剣を収めた後、そこには何が起きたか分からず呆然と立ち尽くしている三人の黄巾族がいた。

 

「・・・一体何が起きたんだ・・・?」

 

ヒョロ男はさっきまで自分が握っていた剣がどこにいったのか分からないみたいだった。

 

「ああ、あんた等の剣ならほら?」

 

俺は上を指差した。

 

釣られて三人組も上を見た瞬間、

 

『ドスッ』

 

 

という音と共に剣が三人組の顔を掠めながら地面に突き刺さった。

 

『ヒ、ヒィ〜〜〜〜〜』

 

と三人組みは全く同時に尻餅をついたかと思うと、剣を拾い、一目散に逃げていった。

 

「・・・なんだったんだろう?あの人たちは・・・」

 

俺は首を傾げながら呟いた。

 

「さーてっと、何かおかしなことになったなぁ。」

 

俺は空を見上げた。

 

どこまでも透き通っているような青空。

 

薄く広がっている真っ白な雲。

 

どれも俺が山の中では見たことの無い景色だった。

 

(ん?あそこから何か気配を感じるな・・・)

 

さっきのやつ等の仲間か何かだろうか?

 

「そこの岩陰に隠れてるヤツ。誰だ?」

 

俺は体をそこに向けながら言った。

 

すると、予想もしていなかったのが出てきた。

 

「流石は『天の御遣い』殿。我等のことも気付いておいででしたか。」

 

「すごいのだーお兄ちゃん」

 

「どうも始めまして」

 

三人の女の子がそこから出てきたんだ・・・

説明
第二話目です。
更新速度は三日にしようかなって思ってます。
まぁこの小説以外にも書いているので、もしかしたら遅れるかもしれませんが・・・
あっ、もし見たいと思う方がいれば、コメントなどでお知らせください。次回にでもURL乗っけるんで。
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コメント
まずは三姉妹との出会いですか。今後展開に期待です。(深緑)
蜀か(zendoukou)
蜀√ですか?(西湘カモメ)
あれw三姉妹がでてこなかったw(スーシャン)
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