恋姫無双〜愛しき人〜17
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 第十七章「虎牢関 前編」

 「虎牢関の先鋒はこの私、連合軍総大将の袁本初と袁公路がやりましてよ。お〜ほっほっほ」

 「どうぞご勝手に、私は後ろの方でのんびりしとくから」

 「お好きにしなさい」

 水関を華琳に全て取られた事が気に食わないかった袁紹が先方と右翼左翼とを袁紹、袁術軍がつき。中央に劉備と孫策、公孫賛軍が。後方を曹操軍と涼州軍が配置となった。

 「今日はここまでですわよ。華琳さん、名門袁家の力を見せてあげますわ。お〜ほっほっほ」

 「はいはい。がんばって」

 「むっき〜〜〜〜」

 袁紹を軽く足払った華琳は一刀と一緒に天幕を出た。

 「一刀はどう思う」

 「虎牢関を守っているのは恋と霞だろ。十中八九袁紹軍と袁術軍は破られて中央の軍まで行くと思うよ」

 「そう」

 「もし霞を仲間に入れたいのなら春蘭か椿を向かわせるべきだよ」

 「あら、どうして私が張遼を欲しいと思っているのと思ったのかしら」

 「始めてあった時から欲しそうな顔をしていただろ。まぁ、華琳の所には騎馬隊を操れる将がいないから欲しがるのはわかるけど」

 「わかっているじゃない。なら、どうやって張遼を捕まえるのも出来ているのでしょう」

 「まぁな。霞は強い者と戦いがっている。なら、強い武人と戦わせて説得させたらいい。本当は俺が行ったらいいのだけど。そうすると春蘭達が恋をあたらなければならない。それは危険すぎる。だから俺が恋を説得している間に霞を説得すればいい」

 「そう。なら張遼は春蘭にやらせましょう。彼女ならきっとやってくれるわ」

 「そうだな」

 二人だけの会議を終えて自分達の陣へ戻る華琳と一刀は、戻るとすぐに軍議を始めた。

 「という訳で。春蘭、あなたには張遼をあたってもらうわ。必ず張遼を説得させて私の所まで連れてきなさい」

 「はっ。必ず華琳様の下へ連れてきます」

 「一刀は呂布をあたりなさい」

 「了解」

 「以上よ」

 「解散」

 春蘭の締めの言葉を言って軍議は終了した。一刀はすぐさまに自分の天幕に戻った。天幕の中には一刀の部下の三軍師と椿がいた。

 「椿」

 「はっ」

 「今すぐこの手紙を持って、洛陽にいる董卓に渡して返事を貰って来てくれ」

 「わかりました、主」

 「頼む」

 椿は一刀から手書きを受け取ると、すぐさま洛陽に向かった。

 「稟、風、万里」

 「「はっ」」

 「なんですか、お兄さん」

 「明日、俺は恋と戦うから、その間の部隊の総指揮を稟が。風と万里はその補佐を頼む。

必要なら雫、焔耶、涼風を使ってもいい」

 「わかりました」

 「了解で〜〜す」

 「が、頑張ります」

 一刀は明日の戦の裏準備を進めていった。

 

 「詠ちゃん。華雄さんが死んだって本当なの?」

 「死んだかどうかは分からないけど、一騎打ちで負けたのは本当よ」

 「あぁ・・・。華雄さんは私のせいで」

 「別に月のせいじゃないは、華雄がボクの作戦を無視したのがいけないの」

 「うぅん。私が・・私がいけないの。洛陽に来なければ・・・」

 「月・・・」

 「お話中失礼するが、お主が董卓殿ですな」

 「「!?」」

 董卓と賈駆の前に椿が現れた。

 「誰。まさか月を殺しに来たの」

 賈駆は董卓の前に震えながら立った。自分と董卓には常に間者が守っているはずなのに今回は全員やられたと思ったから。

 「今回は我が主。北郷様より手紙を届けに来ました。どうか、お受け取りください」

 椿が出した手紙を賈駆が受け取り中身を読んでいった。

 「本当なの?」

 「詠ちゃん?」

 「ボクと月を助けるって本当なの?」

 賈駆が手紙に内容を椿に尋ねた。

 「主が手紙にそう書いてあるのでしたら、そうでしょう」

 「答えになってないじゃない」

 「仕方ありません。拙者は主から手紙を渡して、その返事を聞いてきてくれとしか言われて無いので」

 「そう。だったらこの話は」

 「受けます」

 「月!」

 「北郷さんは絶対に約束を守ってくれるのでしょう」

 「えぇ、我が主は約束を絶対に守ります」

 「なら、受けます。いいよね、詠ちゃん」

 「月が決めたのならボクは、異論は無いけど」

 「よかった」

 「では、主にもそうお伝えします」

 「ちょっと待ってください」

 椿が一刀の所に戻ろうとすると董卓が呼び止めた。

 「なんでしょう」

 「北郷さんの申し出は受けますが、条件があります」

 「その条件は?」

 「私に付いて来てくれた人達の中に故郷に帰りたい人もいると思います。ですので、その人達を涼州まで帰してください」

 「わかりました。その条件かならず主のもとへ届けましょう」

 「あんたの主って、魏の懐刀でしょう。そんな事独断でして大丈夫なの?」

 「主には、何か考えがあるのでしょう。それと華雄殿の事ですが、今は主の下で休養中です。明日の戦いには多分出ないと思いますが」

 「本当ですか?」

 「嘘を付いても意味がありません、これは事実です。それでは」

 椿は言い終わるとその場から消えた。

 「よかった。華雄さんが生きていて、本当によかった」

 董卓は嬉しくて涙が止まらなかった。

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 「主、今戻りました」

 深夜、椿が一刀の天幕に戻ってきた。椿の気配に気が付いた一刀は、すぐさま椿を招き入れた。

 「それで、董卓さんは何て言って来たの」

 「条件付で申し出を受けるそうです」

 「条件とは?」

 「董卓軍の中で故郷に帰りたい者を返してほしいだそうです」

 「わかった。その件は涼州の馬超さんにでも頼んでみるよ。他には」

 「以上です」

 「なら、今日は自分の天幕に戻って明日のために休んでくれ」

 「御意」

 椿は一刀の天幕を後にした。

 

 「つまり、あなたも一刀の下になるのね、華雄」

 「そうだ。私は北郷様の志に引かれた。だから私は北郷様の臣下になる」

 「わかったわ。でも、一刀は臣下という事は私の臣下でもあるは、それだけは覚えといて頂戴」

 「わかっている。だが、私はまだお前に真名を預ける気は無いぞ」

 「貴様。華琳様の家臣になるのに真名を預けんとは、どうゆう事だ」

 「黙りなさい、春蘭」

 「しかし、華琳様」

 「春蘭。あなたは私に二度も同じ事を言わせるつもりなの」

 「御意」

 「華雄。あなたが私を認めた時には、私に真名を預けてくれるのかしら?」

 「あぁ」

 「なら、私の真名もその時に預けましょう。華雄の件はこれでお終いよ。それで桂花、進軍の方はどうなっているの?」

 「はっ。両袁家の進軍が予定より遅れていますので、虎牢関に付くのは昼頃かと」

 「麗羽達もやってくれるわね。せっかく一刀が水関を半日で落としたと言うのに、全くの無駄じゃない」

 「まぁ、そのおかげで俺達は被害も無くここまでいるんだ、文句は言えないよ」

 「わかっているわよ。それより一刀、あなた私に報告しなければならない事があるじゃない」

 「・・・なぜ、わかった」

 「部下の気持ちもわからないほど私は莫迦じゃないわよ、一刀」

 「はぁ〜〜わかった、言うよ。俺は董卓を助けようと思う」

 「「「「!?」」」」

 「どうしてかしら?」

 「今回の連合は袁紹の腹いせが原因だ。どう見ても董卓は悪くない。それどころか、彼女は洛陽を平和にしようと頑張っている。そんな子を殺そうとするなんて俺には許せないからかな」

 「けど。もし董卓を助けた事がばれたら、今の連合はそのまま私達に向かって来るわよ」

 「だから彼女には表向きは死んでもらう。洛陽に火を放ち自害した事にする。そうすれば、怪しまれないし。それにもしかしたら彼女の領土の西涼が手に入るかもしれない」

 一刀はおまけみたいに言った一言が、華琳達が一番驚いた。

 「一刀。あなたって意外と策士よね。でも、それには董卓の了解した場合でしょう。そう簡単に了解するとは思わないけど」

 「それは昨日の内に椿を向かわせて、了解を得ているよ、条件付で」

 「え!」

 「なんと」

 「それで、条件とは?」

 「董卓軍の中で故郷に帰りたい者を帰して欲しいだと」

 「それをどうやって帰すの?」

 「涼州の錦馬超に頼んで、涼州に帰る時に一緒に連れてって貰うよ」

 「そう。そこまで考えているのなら、もう何も言わないわ」

 「ありがとう、華琳」

 「でもこれは一つ貸しよ、一刀」

 「わかった。それじゃ、俺は馬超さんに話をつけてくる」

 一刀と涼風は天幕を出た。

 「どう思う、桂花」

 「味方でいる事が幸いかと。敵でしたらこれ以上恐ろしい者はいないでしょう」

 「まったくね」

 「どうゆうことだ、秋蘭?」

 「一刀はすごいって事だよ、姉者」

 「当然だ。一刀は私に勝てる武人だぞ」

 「そうだな、姉者」

 「隊長は以外と自己中なの」

 「せやな。ここまで勝手にやっていたら自己中以外なんでもないな」

 「でも兄様の事ですから。皆の笑顔の為にやっているのでしょう」

 「そうだよ。兄ちゃん言っていたもん、笑顔が一番だって」

 「なら。今は洛陽の民を笑顔にするわよ」

 「「「「御意」」」」

 一刀のいない曹操軍の中で一刀の存在とこれからのことを再確認した華琳達であった。

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 一刀・焔耶・涼風は涼州軍の陣にいた。

 「すみません。馬超殿にお会いしたいのですが」

 「名前を聞いても宜しいでしょうか」

 「曹操軍筆頭将軍、北郷一刀です。こっちは部下の魏延と華雄です」

 「わかりました。少々お待ちください」

 一人の兵が馬超の天幕の方へ向かって、戻ってきた。

 「お待たせしました。馬超様がお会いになるそうです」

 戻ってきた兵の案内で、一つの天幕の前に来た。

 「馬超様。曹操殿の配下、北郷殿とその配下の魏延殿と華雄殿を連れてきました」

 「入ってくれ」

 「どうぞ」

 一刀達は天幕の中に入った。そこには馬超ともう一人女の子がいた。

 「突然の訪問にもかかわらずお会いしていただきありがとうございます。曹操軍筆頭将軍、北郷一刀です。こちらは部下の魏延と華雄。本日はより言ってお願いが合って来ました」

 「別にかまわんよ。それで願いとは?」

 「実は水関を攻め終えてから、捕虜となった董卓軍の中に故郷に帰りたい者がいまして。よろしければ涼州に帰る時に一緒に連れて行ってくれないでしょうか?」

 「・・いいぞ」

 「ちょっと、お姉さま。そんな簡単に決めていいの?」

 「別にいいだろ、蒲公英。元は涼州の民なんだから」

 「それはそうだけど」

 女の子は納得いってなさそうだが、馬超の決断で渋々納得した。

 「ありがとうございます。それでは俺達はこれで」

 「ちょっと待ってくれ」

 「なんですか?」

 「母様から北郷殿宛の伝言で{例の件、了解しました}だそうだ」

 「わかりました。俺からは、ありがとうごいます。彼らの事よろしくお願いしますとお伝えください」

 「わかった、しかと伝えるよ。それで、例の件ってなんだ?」

 「それは、蒲公英も気になるの」

 馬超と女の子が一刀を見つめた。

 「・・・俺は今回董卓さんを助ける」

 「「!?」」

 「それで、董卓さんの両親を馬騰さんに頼んで保護してもらったんだよ」

 「そんなこと」

 「できるよ。俺の優秀な部下達なら」

 「でもでも、それは大分先を読んでないとできないよ、そんなこと」

 「華琳の所に袁紹からの使者が来た日に涼州の馬騰さんに手紙を出したんだ。その返事がそれ」

 「ほへ〜〜〜」

 「さすが、天の御使いと言ったところだな」

 「ただ罪のない女の子を守ろうとしているだけだよ。それでは」

 一刀達は天幕を出た。

 「お姉さまどうだった。天の御使い様は」

 「さすが大陸中に名を轟かしている武人だと思ったよ、蒲公英。闘気を抑えているのに体中から感じられたのだから」

 「お姉さまが言うのだから間違いないね。だけど関羽は手合わせなんかしたんだろう?」

 「同じ武人として一度戦ってみたかったんじゃないか、それともただ頭に血が上っていただけか」

 「・・・お・お姉さまが真面目な事を言っている」

 「それはどうゆう事だ。蒲公英」

 「言った通りに意味だよ、お姉さま」

 「蒲公英」

 天幕から聞こえる声に外にいる兵達はクスクスと笑っていた。

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 「斗詩さん、猪々子さん。や〜〜て、おしまい」

 「七乃。得意の籠城攻撃を見せるのじゃ」

 「いくぜ、斗詩」

 「うん。文ちゃん」

 「は〜〜い。美羽様」

 袁紹、袁術の両軍が虎牢関に攻撃を始めた。

 「恋・・・出る」

 「出るって、どっちに行く気や、恋」

 「・・・あっち」

 「袁紹の方か、ならウチは袁術の方へ行くで」

 「(コクリ)」

 「恋殿。虎牢関はねねが守りますゆえに、思いっきり行ってください」

 「(コクリ)・・・行ってくる」

 恋は五百の兵を連れて袁紹軍の方へ突撃しに行った。同時に霞も袁術軍に突撃した。

 「文醜将軍。我が軍に突撃してくる部隊があります」

 「なんだと。それで旗は」

 「あれは、真紅の牙門旗。呂布です」

 「なんだと!!!」

 「う〜〜〜。大陸一・二の武将呂布奉先に太刀打ち出来るのって、曹操さん所の北郷さんぐらいだよ」

 「何言っているんだ、斗詩。大陸一・二の武将と戦えるんだぜ。これ以上の楽しみがいるかよ」

 「文ちゃんはこれがどう結う事かわかってないから、そんな事が言えるんだよ」

 「報告します。我が軍の前線部隊呂布によって崩壊しました」

 「げぇ」

 「う〜〜〜。やっぱり」

 「これは、後退も考えないといけないな」

 「責めて姫だけでも逃がさないとね」

 

 「放すのじゃ、七乃」

 「放しますよ。安全な所に行ったら」

 泣き叫ぶ袁術を抱き張勲は前線から後退した。

 「きぃぃぃぃぃぃ。そこのあなた」

 「はっ」

 「今すぐ華琳さんの所に行って、前線に行きなさいと伝えに行きなさい」

 「はっ」

 「「麗羽様〜〜〜」」

 「あら、斗詩さんに猪々子さん。どうしてここにいますの?」

 「そんなの決まっているじゃないですか、私と文ちゃんだけで呂布さんと止められる訳無いじゃないですか」

 「それでも、名門袁家の武将ですか」

 「そんな事より、早く曹操さんを呼んでくださいよ」

 「それでしたらもう呼んでいますわよ。それまでは劉備の軍にでも呂布に当てときなさい」

 「麗羽様。それは酷すぎませんか」

 「だまらっしゃい。早く命令を出しなさい」

 「うぅ〜〜。劉備さんごめんね」

              第十七章 完

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「第十七章終了。いやはいや、もうこんなにも来ました。時が流れるのってはやいですね〜〜」

「そうだな。ところで、俺の種馬スキルが高いってことが書いてあったが。どうゆうことだ」

「それは、お兄さんが稟ちゃんや華琳さんをイジメているからなのですよ」

「そんなことは「ないではないですよ」・・ですね」

「本当。いつか子供が出来るんじゃないかな」

「一刀様との子供・・・ぶぅ〜〜〜」

「おぉ〜〜〜。鼻血で虹ができた」

「もう、稟ちゃんたらほらトントンしますよ・・・トントン」

「ふがぁ」

「はぁ〜〜」

「どうした一刀?」

「これ・・」

「おぉぉぉぉ。一刀は鼻血でもいけるくちか」

「違う!!」

「一刀様が私の鼻血・・ぶぅ〜〜〜」

「「「はぁ〜〜〜」」」

「これ以上話したら稟が死ぬのでここまでとします。それでは皆さんまた会いましょう。BY]

「BY」

「バイ」

「私の赤い液と・・・一刀様の白い液が・・・・・・」

説明
とうとう連合軍は難攻不落といわれる虎牢関まで来た。虎牢関を守るのは霞と恋。連合はどうやってここを落とすのか
そして、一刀の計画はうまくいくのか
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コメント
ちょっと馬超の口調が固い気がしますが、お互い友好に進んでいるようで良かったです。こちらの稟は可愛いぞ・・・ラストのボケは置いといてw (深緑)
1pの下から18行目ほどの詠と月の会話で誤字が 詠「理論→異論」、月「よっかた→よかった」ではないでしょうか? あとちょ〜細かいことですが、どうゆう→どういうでは。 気分を害してしまったならごめんなさい・・・(よーぜふ)
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真・恋姫無双 袁紹 袁術 董卓   賈駆 一刀 華琳 

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