真恋姫無双〜ありえたかもしれない外史〜 番外編 第1話 任命×政務 
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この作品は原作のキャラの性格が変化したり時代背景が変わったりします。またオリジナルな展開などもいれようと思っています。

なので原作好きの方また特定のキャラが好きな方はスルーしてください。

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それは一刀が美羽達の所にしばらくたったことであった。一刀は朝早く七乃に呼び出され七乃の執務室を訪れた。ちなみに服は『天の御使い』であるのを隠すため聖フランチェスカの制服ではなく七乃が用意した服を着ている。

  「七乃さん……俺だけど……」

七乃「あっ!!一刀さ〜ん……ちょっと待ってもらえますか?」

  「ああ……わかった」

七乃は机の上にたくさんの書簡を抱えていて現在処理をしていた。一刀はとりあえず椅子に座り七乃が落ち着くのを待つ。

しばらくして仕事が落ち着いた七乃が一刀に向き合う。

七乃「お待たせしました〜」

  「いや……大丈夫だ……それよりもこれを……」

そう言って七乃にお茶を渡す一刀。七乃はそれを受け取り飲む。

七乃「ふぅ〜……ありがとうございます」

  「……いや……それより七乃さん俺に何か用事があるのか?」

七乃「ああ〜そうでした〜」

そう言ってポンと手を叩く七乃。そして、一刀に机の上に置いてある書簡を渡す。

  「ん?これがどうしたんだ?」

七乃「一刀さん、それを読めますか〜?」

  「……ああ……何とかな……これは城下やその周辺の街の……治安問題かな?」

一刀の言葉を聞き七乃は笑顔になる。

七乃「よかった〜字ももう読めますね〜。じゃあこれを全部一刀さんに任せますね〜」

そう言って七乃は机の上にあるたくさんの書簡を見る。

  「はっ?」

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七乃の言葉を聞き一刀は固まる。しかし、すぐさま復活する一刀。

  「いやいや……俺政治のこととかまったくわからないぞ」

七乃「別にかまいませんよ〜。何事も経験ですよ。」

  「しかし……」

なおも反論する一刀に七乃がズバッと言う。

七乃「あまり言いたくはありませんけど〜うちはただ飯食いを置くほどの余裕はありますけど〜一刀さんはそれでもいいのですか?」

  「うっ……」

七乃「私は別にいいんですけどね〜ただ飯食いでも……でも他の皆さんはそんな一刀さんを見てどう思うでしょうかね〜」

七乃の言葉を聞き沈黙する一刀。そんな一刀をニコニコと見つめる七乃。

  「……わかったよ。でも変なことになっても知らないからな?」

七乃「ありがとうございます〜。何かわからないことがあれば私や他の文官の人たちに聞いてくださいね〜。」

  「了解……じゃあとりあえず失礼するね……」

七乃「は〜い。一刀さんの執務室を用意しときますね〜」

部屋を出た一刀はため息をつく。

  「……できるのかただの学生である俺に…」

一刀は学校の成績は優秀な方であった。しかし、当たり前のことであるが政治に関わったことは全くないのである。

  「う〜ん……とりあえず書庫に行くか……何か参考になる本があるだろう……」

そう言って一刀は書庫に向かうのであった。後に袁術軍の政務の半分を担う文官・一刀はこうして生まれたのである。

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一刀が出ていった後、七乃は文官を呼んだ。

文官「何か用事でしょうか?張勲様」

七乃「明日から一刀さんも文官として働いてもらいますから〜よろしくお願いしますね」

文官「……あの得体の知れない男をですか?」

文官である男は眉を顰める。

七乃「そうですよ〜李圭さん」

李圭「ただでさえあいつらがいるのにあんな男を文官にして万が一があったときはどうするのですか……それにあの男にできるとは思えません……」

七乃「李圭さん……お願いします。」

李圭「しかし!!……ふぅ…わかりました」

七乃「ありがとうございます」

李圭の返事を聞いて満足した七乃は頭を下げる。

李圭「では失礼します…」

部屋を出ようとする李圭を七乃が呼び止める。

七乃「李圭さんはああ言ってますけど……一刀さんなら大丈夫ですよ」

そう言ってにっこりと笑う七乃であった。

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李圭が出て行った後、七乃は考え事をしていた。

七乃(……あの人達の横行も私一人で止めるのももう限界ですね…)

あの人達というのは美羽に蔓延る屑達のことである。李圭などの文官もいるがほとんどの上級文官にその息がかかっている。自分が幾度牽制してもその網を潜り抜けてくるのであった。美羽の名を使い自分たちの私腹を肥やすために好き勝手やっているので現在、美羽の治める州の美羽の評価はかなり悪いことになっている。

七乃(せめて……美羽様にはあの人達の手が及ばないようにしないと)

七乃「一刀さん……期待していますよ……」

不意に七乃の顔が変化する。その顔はいつもの笑顔ではなくとても真剣なものであった。

七乃「……そろそろ美羽様に会ってぎゅっと抱きしめないと……美羽様分が足りなくなって死んでしまいます〜」

そう言って席を立ち上がり部屋をあとにする七乃であった。

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翌日、一刀は自分にあてられた執務室に行った。

  「ここが俺の執務室……」

執務室はそこそこ広い部屋であった。一刀は早速椅子に座り机の上の書簡を広げて政務に取り掛かる。そこに誰かが執務室に入ってきた。

李圭「失礼する。北郷殿」

  「あっ……どうも」

李圭が入ってきたのを見て一刀は慌てて立ち上がり礼をする。

李圭「……何かわからなければ遠慮なく私達に言って下さい……では」

  「はい……」

一言告げると李圭はさっさと部屋を出て行く。そんな李圭を見て一刀はため息をつく。

  「わかってはいたけど好かれていないな……当然か」

一刀は『天の御使い』というのを隠しているので名目上は七乃が保護した正体不明の男となっている。そんな男が急に文官になり政務にかかわるのは文官にとっては不快なものである。実際、他の文官達もあまり一刀を好意的には見ていなかった。しかし、七乃の命令であるので仕方なく聞いている感じである。

  「……まあ……やるしかないな……とりあえずはこれから始めるかな……」

こうして一刀は文官としての一歩を踏み出した。

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後書き

番外編を書きました。AFを待っていた人は申し訳ございません。ここでの番外編とは〜ありえたかもしれない外史〜の本編で書くことなかったお話を書いていきます。番外編を読んで本編の裏ではこんなことがあったんだ〜と思ってくれると嬉しいです。

ではみなさんまた

 

設定

李圭(りけい) 袁術軍の文官。作者の実力不足で本編では出ることのなかった人。一刀が来る前から文官として頑張っている。文官としての地位も高く、七乃の信頼は厚い。数少ない七乃の味方。いきなり現れた一刀のことを良く思っていない。年齢は40代後半で妻と娘一人がいる。

容貌は髭をはやしたナイスミドルと思ってください。

 

説明
投稿です。生暖かく見守ってください。この作品は〜ありえたかもしれない外史〜の本編で描かれることのなかった部分を執筆しています。AFではありません。
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コメント
七乃は笑顔で凄い事をさらっと仰ってくれるな^^;まああの笑顔で期待されたら頑張らない訳にはいかんのが男の子だわなw(深緑)
ん?これいつの話?番外編といっても・・・いままでの一刀立場武官として良くなかったか?(ヒトヤ)
なるほどね〜・・・やっぱ怪物だな一刀; 髭を生やしたナイスミドル・・・声優はヒューズ中佐、ヒロシ、ホランドの人かな?(スターダスト)
タグ
真恋姫無双 美羽 七乃 一刀 

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