「リトバス」あーちゃん先輩の女子寮放送局その4 |
「わふー。われながらナイスソングだったのです〜。」
「……」
「どうしたのですか。二木さん。顔が怖いのです。」
「……先輩。」
「へ?」
ブチッ。
「勝手にクドリャフカの歌を流した挙句、この有様は
何ですか!?あの子の言う「わふー」より音程が低い
ですし、あの子はカタカナ語を『ないすそんぐ』と
発音します!!何よりもあの子は、私のことを
『佳奈多さん』と呼びます!!」
「ごめん、ごめん。急な事情で能美さん来られなくな
ってね。前回すでに予告してあったものだから…。」
「ハァハァ…。」
「うう、そんな怖い顔で睨まないで…。」
「ハァハァ…分かりました。今回は許します。あとでクドリャフカにも謝っておいてくだ
さいね。」
「はぁい。」
「まったく…。」
「それにしても、かなちゃんは能美さんのことをよく知っているのね。」
「っ……。風紀委員でいろいろと話す機会も多かったですから。」
「そう……。さっきの『わふー』の発音についてはすごかったわね。正しくは『わふー』!
こんな感じ?」
「強すぎます。」
「こう?『わふ〜』。」
「まだまだ。かわいらしさが足りません。」
「難しいわね……。見本を見せてくれない?」
「難しい……確かにそうですね。分かりました。こう、息をお腹にためて、ゆっくりと息を
吐き出す形で……」
『わふ〜〜!!』
「……あの、先輩。今の私の『わふ〜〜!!』、やたらとエコーがかかっていませんでし
たか?」
「番組に寄せられたお手紙より
『私としては、女子ラジが盛り上がるために、もっとかなちゃんに頑張ってほしい
わけですヨ。例えば、2年生のクー公みたいに「わふー」と言ってみるとか。
ぜひともチャレンジ精神を見せてほしいですネ。』
今回の番組は、このお手紙の意見を参考に作らせていただきました。
いや〜かなちゃん、私も目からウロコだったよ。」
「へ!?」
「ちなみにペンネームは『イタズラ好きのハルちん』さん。」
「はっ、ははははははははははははははは。」
「実は、能美さんは隣の部屋に控えていて、さっきの歌も直接歌ってもらって……って私
の話聞いてる?」
「はははははははははははははははははは。」
「まぁ、まさかここまでうまくいくとは…。」
「あ・い・つ・め〜!!!!」
バタン!!
ダダダダダダダダダダ!
「えーと、こういう結果になるのをどう言うんだっけ。たしか恭介くんから借りたマンガ
では……。」
「そう!『計画通り!!』ってやつね!」
パタン。
「あの〜、部長さん。そろそろ入ってもいいでしょうか〜。」
その5に続く
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リトルバスターズ!シリーズの小説コンテスト応募作 連作その4 |
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