恋姫学園 ver1.00 〜第四部〜一章 |
第一部を一気に上げる予定だったのですが、内容が多くなりそうなので二つにわけてあげます。
恋姫†学園 ver1.00 第4部 第一章
様々な場所で様々な思惑が渦巻いた一日も終わりに近づき、会長に出された期限の放課後になった
生徒会室へとつながる通路を早足で歩いているのは黒髪に白い髪のコントラストがトレードマークの焔耶……
「チッ、あいつめまさか本当にあのバカの下僕になりはしないだろうな…」
どうやら焔耶は一刀が心配でいてもたっても居られなくなったらしい
「誰があいつの心配など、私はただ桃香様にお世話になっておられな……らな……」
顔を真っ赤にしながら更に歩くスピード上げていく焔耶
一見すれば一刀が心配なだけの可愛い焔耶だがその片手に鈍砕骨を持っているのだから可愛さが一転して恐怖さえ浮かんでくる光景だった
所変わってここも生徒会室へとつながる通路、焔耶よりも早いスピードで歩いて……走っているのは黒のロングストレートに蝶の眼帯がトレードマークの春蘭だった
「北郷め、まさか華琳様を裏切ってあのバカの下僕などにはならないだろうな」
どうやら春蘭は一刀が心配でいてもたっても……され?こんなことさっきもあったようなデジャヴかな?
「誰があいつの心配など、私はただ華琳様のお世話になっておられな……らな……」
顔を真っ赤に……やっぱりこれさっきもあったな……
「まったく…私をあんななことまでやらせておいて……ブツ…ブツ…」
そんな春蘭の片手には(ry
所変わって生徒会通路3
「はぁ〜どうしたもんかな」
一人悩みながら歩いているのは北郷一刀今まさに生徒会長との下僕騒ぎの決着をつけにいくところだった
「しかし、普通に断ったところであの会長が素直に承諾してくれるわけないしな…、どうしたもんかな〜」
タッタッタ……
「ん?あれは…副会長補佐の焔耶さん?」
猛スピードで近づいてくる焔耶
(いつ見ても凛々しいな焔耶さん、でもどうしてあんなに怖い顔してるんだろう?あれ、あの右手に持っているのは棍棒?何かのレプリカだよなでなきゃあんな重いもの女の子が持てるはずが…)
「おい北郷一刀!」
「ハイッ!?」
「お前今どこに行こうとしていた」
「どこってそれは生徒会し……」
一刀が言い終える前に焔耶の不機嫌な顔が更に不機嫌になり更に殺気も含みだしたので一刀はそれ以上言うことができなかった
「なぜ!生徒会室に行こうとしてたんだ!」
更に焔耶の殺気が膨れ上がる
「そ、それは。生徒会長に下僕の話でこと…」
その瞬間
ヒュンッ!
突然一刀の顔の数ミリ前を何かが高速で通り抜けた
ドゴッ!!
その次の瞬間には一刀の目の前の床に見事な穴があいていた…
「えっ…」
あまりのことに一刀は一瞬何が起こったのかわからなかったが、その穴の上に焔耶の鈍砕骨があるのを見た瞬間全てを理解した
(えっ!?まさか焔耶さんがあの鈍器を振り回したのか…でも振り下ろすのが見えなかったぞ!?何てスピードなんだ、いやその前にあの鈍器確実にレプリカとかじゃないぞ!それをあのスピードで振り回すなんて焔耶さんどれだけ力もちなんだ!?)
「北郷一刀!!」
「ハイッ!!」
焔耶のあまりの気迫に一刀は反論すらできなかった
「貴様桃香様にあれだけ世話になっておきながらよもや裏切るまいと思っていたが、まさかあのバカの下僕になるとは呆れたぞ!!それに私にもあんなこと……しかも口でま……」
桃香のことで怒りにきたのにいつのまにか自分のことまで口に出してしまっていた焔耶
「えっ?何で副会長の名前が?それに口って?」
「うっ、うるさいぞ!」
一刀に指摘されて自分の失言に気づいた焔耶は顔を真っ赤にしながら怒鳴った
「えっ!?いや俺が何をしたと……」
「うるさい、うるさい、うるさ〜い!!」
もはや手を付けられない子供を相手にしているような状態に一刀はただただ黙るしかなかった
「もうこうなったら…」
「…こうなったら?」
焔耶の殺気に遺伝子レベルで刻み込まれている自然の本能が一刀全力で逃げろと警告していた
一刀は無意識に右に体を傾けた…
ドゴッ!!
次の瞬間には一刀がいたところに穴が開いていた…
「ちょっ!いきなり何するんだよ」
「貴様っ!なぜ避ける」
「なぜ避けるって当たり前だろ!」
避けなければ一刀の体に穴が開いていたことだろう
「貴様っ!次こそ避けるなよ!!」
「いやだから!そんなもので殴られたら俺死んじゃうだろ!」
「ふん!そんなこと知ったことか。桃香様を裏切ったお前がどうなろうと知ったことか!」
「だから俺が何をしたんだよ!」
「貴様がそれを知る必要はない!」
(駄目だ完璧に焔耶さんキレてる、こうなったら)
一刀は焔耶を止めるためにタックルを焔耶に仕掛けた、しかし
「ふん、貴様ごときのタックルごときで私が止められると思ったか!」
(男子の本気のタックルを女子が止めるなんて嘘だろ!)
「ふんこれだけ近ければ今度ははずさないぞ!」
(やばい、次の攻撃がきたら本当に死んでしまう)
「だっ、誰か焔耶さんを止めてくれ〜」
「ふん私を止められるやつがいると思うのか!!」
焔耶が鈍砕骨を振り上げた瞬間一刀は人生初めての走馬灯を味わったらしい(一刀後日談)
「死ね〜」
(やられる!)
一刀が17年の短い人生に別れを告げた次の瞬間
「ここにいるぞ〜!」
「えっ!?」
「何っ!?」
「ここにいるぞ〜!」
「えっ!?」
「何っ!?」
ここにいるぞ〜!の掛け声とともに現れたのは活発そうなポニーテールが小さい体に印象的な蒲公英だった
「なぜ貴様がここにいる!」
焔耶の疑問ももっともだった、蒲公英は聖フランチェス学園の中等部の生徒だ。その生徒が高等部の生徒会通路にいるのだから疑問に思わない方がおかしいだろう
「なぜって、一刀先輩を助けるために決まってるじゃん」
「なぜ貴様がこいつを助ける必要がある」
(確かに、蒲公英とあまり会話したことないし、そもそもここ最近は顔を合わせたこともなかったのに。いや、それよりもどうやって焔耶さんの鈍器を止められたんだ!?あの小さな体のどこにあんな力が!)
そんな一刀の驚きをよそに二人の言い合いは熱を帯びていく
「まったく、あんた一年たってもその石頭は直らないんだね」
「私が石頭だと!」
蒲公英の発言に激怒する焔耶、しかし蒲公英の方はこの状況を楽しんでいるようだった
「そうだよ、一年間我慢したから少しは丸くなったと思ったらすぐにこれだもん。石頭って言われたって仕方ないじゃん」
「なんだと!私はただ桃香様のために行動しているだけだ!」
「だから、その桃香様のためってのが石頭なんだって。いいかげんその言い訳誰も信じてないよ」
「なっ!?」
蒲公英の指摘に焔耶は何も言い返せないらしく、その顔は少し赤みを帯びていた
「まったくあっちに居たときから何にも成長してないんだから焔耶は」
「っ」
「だいたいこっちに来て初めて先輩に会ったときだって、いきなり殴りかかろうとするし」
「…」
(殴りかかる?あぁ、一年の時に始めてあった時にいきなり「私のことを覚えているか?」なんて聞いてくるから素直「知らない」って答えたら「じゃあ、桃香様のことなら覚えているだろう!?」って聞かれたからこれまた「知らない」って答えたら思いっきり殴られそうになったんだよな。そういえばあの時他にもたくさん女の子がいたような?あれ、そういえば他にも殴りかかろうとした人がいたような…)
「それで一年時間おいて他のみんなはそれぞれちゃんと心の整理つけてるのにまだ桃香様桃香様じゃね〜」
「きっ…」
それまで蒲公英に言われ放題だった焔耶が反応を示した
「きっ?」
蒲公英は聞き直すが、その顔にはどこかこの後の展開を楽しみにしているような笑みが浮かんでいた
「貴様!!!!!!」
その蒲公英の笑みに遂に焔耶がぶちきれた瞬間
「北郷!!!!貴様!!!!!」
焔耶のものとは違った叫びが廊下に鳴り響いた
「北郷!!!!貴様!!!!!」
廊下に叫びが鳴り響いたかと思うと廊下の先から黒髪に蝶の眼帯をした女性が駆け足で近づいてきた
「春蘭」
「あれ、春蘭じゃん」
二人はそれぞれにその女性の名前を口に出した
(あっ!思い出した、春蘭さんだ!)
そう焔耶が一刀に殴りかかろうとしたときに一緒になって殴りかかろうとした人物がこの春蘭である
その内容は焔耶の時と一緒で
(春蘭「北郷、私を覚えているか?」
一刀「知りません」
春蘭「じゃあ華琳様のことなら覚えているだろう?」
一刀「知りません」
春蘭「北郷貴様!!」)
とこんな感じである、一応一刀は知りませんなりに返答はちゃんとしたのだが結果的には知らないことに春蘭がきれたのでその内容ははぶく
「北郷!貴様、あの袁家のバカの下僕になるそうだな!」
袁家のバカのこととは麗羽会長のことだろう
「いや、その話については」
一刀は下僕にならないということを説明しようとしたのだが
「貴様、よくも華琳様を裏切るようなことができたな!!」
春蘭は聞いてないようだ
そしてその右手には見事に刃物が
(えっ!?ちょっとこの流れまったく焔耶さんと一緒じゃ、っていうかそうなるとあの刃物本物だよな!?あんなもので切られたら死ぬ。俺をまっているのは死しかない!)
一刀は一瞬で反転して逃げ出そうとしたが
「貴様、よもや逃げる気ではないだろうな」
次の瞬間には春蘭に回り込まれていた
(そんな!焔耶さんといいこの学校にはなんでこんな運動神経のいい人がいるんだ)
「春蘭、そいつにとどめをさすのは私の仕事だ!横取りするな」
焔耶はまだ一刀に一撃叩き込むのを諦めていないらしい
「ふん、横取りされたくなければ自力でつかみとればいいだろう」
どうやら春蘭も一撃叩き込むのをやめる気はないらしい…
「ちょ、一刀先輩逃げて〜」
さすがに蒲公英も焔耶一人を止めるのに必死らしく春蘭を止めるまでの余裕はないらしい
(でもまてもこの流れなら蒲公英みたいに誰か助けに来てくれるんじゃ…)
一刀の頭にそんな甘い考えが浮かんだ瞬間
「危ないっ」
ゴンッ!
「っ!?」
一刀の頭に何かが飛んできて反動で一刀の体が後ろに下がった
ヒュン!
そして、一刀の体があったところを一筋の光が通り過ぎた
「ちっはずしたか」
光の正体は春蘭が放った一撃だった、そのあまりの早さに一筋の光が通り過ぎたかのような錯覚が起きたのである
「一刀先輩早く逃げて」
飛んできたものの正体の方は蒲公英の靴であった
「次ははずさんぞ!」
春蘭はすでに二撃目の体制に入っている春蘭
(えっ、ちょ、誰も助けにこないの!?嘘だろ)
春蘭の気迫に足が思うように動かない一刀
「北郷!!覚悟!!」
「誰でもいいから助けてくれ〜!!」
「ふん、誰が今の私を止められるものか」
「ごめん一刀先輩今の私には無理!」
(そんな!?)
そんな蒲公英の一言に一刀は絶望した
「死ね!!」
「死んだ〜〜〜」
北郷一刀が全てを諦めて目を閉じた瞬間
ギンッ!
「ここにいるぞ〜だったかしら、そこのオチビちゃんのセリフは?」
「曹操」
「華琳様っ!!!」
「ちょ、それ蒲公英のセリフ〜〜〜!!」
「えっ?」
一刀が目をあけると目の前には金髪ツイテの中学生の姿が……
「っ!」
ドゴッ!
「うぐっ」
自分を助けてくれた人にとどめの一撃を入れられる一刀だった……
「な、なんで…」
助けに来た人に蹴り飛ばされた一刀はもう意味がわからなかった
「なんでも何も、今不謹慎なことを考えたでしょ」
「えっ?」
一刀には見に覚えがないようだ
「えっ、じゃないわよ。私をこと中学生だと思ったでしょ」
「いや思いはしたけど口には…」
「出してはなかったわね」
「えっ?」
「でもということは考えていたのは本当なのね」
(だ、だまされた)
「あなたはすぐに顔にでるのよ」
その少女は無邪気な笑顔を浮かべた
思わず写真に収めときたくなるほどの綺麗な笑顔だった…
(あれ?そういえば春蘭さんは?)
余裕が生まれたので自分にとどめをさそうとしていた春蘭を探してみると
「すいませんでした華琳様、すいませんでした華琳様、すいませんでした華琳様、すいませんでした華琳さ……」
目に入ってきたのは今まで自分にとどめをさそうとしていた人物が土下座をして謝り続けている姿だった
「良いのよ春蘭、あなたは私をことを思って行動してくれたんでしょ?」
そういうと華琳は春蘭の顎を持ち上げた
「か、華琳様」
春蘭の顔は読者のご想像におまかせします
「はぁ〜良かった」
「ふん、あのまま切られていればよかったものを」
「とか何とか良いながら、春蘭が振り落とした瞬間力を抜いてご主人様を助けにいこうとしたくせに」
「なっ、そんなわけないだろ!」
その奥で焔耶と蒲公英が何か言っていたが、一刀の耳には入ってこなかった
そんな一刀の目は読者のご想像におまかせした春蘭の顔から目がはなせなかった
(春蘭さんあんな顔するんだ、可愛い…)
ギロッ!
「っ!!」
そんなことを考えた瞬間背中に悪寒が走りぬけた
(誰だ!?)
すぐに周りを見渡したが誰かがいるような気配はなかった
「どうしたの一刀?」
「い、いや何でも」
華琳に聞かれたが、何も見つけることができなかったので一刀は何もなかったようにこたえた
「そう、ならいいけど…」
そんな華琳は何がおもしろいのか笑みを浮かべていた
「それより華琳様!」
ちょっと空気になりかけていた春蘭が自己主張し始めた
「どうしたの春蘭?」
「この北郷は、ことにあろうにあの袁家のバカの下僕になろうとしているのですよ!ここは私の一太刀にて地獄に送ってやるのが妥当かと」
「な、なんで俺が地獄に送られなきゃいけないんだよ!」
「うるさい!華琳様を裏切ったんだ、地獄に落とすだけでもまだ生ぬるい」
「な、生ぬるいって」
地獄に落とすのが生ぬるいならそれ以上何があるんだよ…
「落ち着きなさい春蘭、確認はちゃんと取ったの?」
「それは先ほどこやつが」
「そう…」
春蘭の一言に今まで笑みを浮かべていた華琳の顔が…顔は変わりないがその背後には閻魔大王の幻影が見えるほどのだった
「ちょ、ちょっとまった。俺は下僕になるんて一言も言ってないぞ!!」
そのあまりの気迫に一刀はすぐに身の潔白を申し出た
「だそうよ春蘭」
「しかし」
「春蘭!」
「ひっ」
華琳の叱咤に春蘭は黙るしかなかった
「あなたが私をことをいつも一番に考えていてくれることは十二分に感じているわ、でもね私をことを思っていてくれているからといって何でもしていいわけではないのよ!そのことをしっかり考えなさい!!」
「しかし、華琳様」
「返事は!!」
「は、ハイ…」
春蘭はいたずらが見つかった子犬のようにしょぼんと肩を落とした
「まったく…これは後でおしおきね」
「っっっ」
その「おしおき」の一言に春蘭のご機嫌は鉛直上向きに急上昇した
「さてと、春蘭は良いとして。一刀」
「……」
「?一刀、聞いてるの?」
「えっ……き、聞いてますよ!?聞いてますとも」
「聞いてなかったわね」
「いや聞いて…」
「聞いてなかったのね」
「いやだから…」
「聞いてないのね」
「……ハイ」
「素直でよろしい」
春蘭の華琳に向けるまなざし(読者補正)に釘付けになっていたかずとはそれ以上言い返せなかった
「まったく、あなたはいつも問題の種になるのね」
「いや、俺にはそんな考えはないんだが」
「あら?自覚がないというの。それもまた罪も、これからは自覚を持ちなさい」
「えっ…」
「返事は?」
「はい」
すっかり調教された一刀だった
「で結局どうするのこの状況?」
そんな蒲公英の何気ない一言に
「そうだ春蘭はともかく私には一発殴らせろ!」
「なっ、それを言うなら私だってまだ納得はしてないぞ!」
またツンデレ暴れ虫暴れだした
「まったくあなたたちったら」
そんな二人に華琳もこれ以上止める気は起きないようだ
春蘭「とういうことで」
焔耶「北郷一刀」
春蘭&焔耶「一発殴らせろ!」
一刀「お前らもうただ俺を殴りたいだけだろ!!」
そうやってツンデレ暴れ虫が原因により廊下には騒音レベルの騒ぎが起きた
「北郷殴らせろ」
「そうだ殴らせろ」
「だから何でそんなに殴りたいんだよ、もう疑いははれただろう」
「「そんなことは関係ない!!」」
「ちょ助けてくれよ二人とも」
「そういわれたってね〜」
「ね〜」
「一刀先輩もう諦めるかないですよ」
「そうよ一刀、こんな美女に追い掛け回されてるんだからむしろ喜んで受け入れるべきだわ」
「いくら夢シチュエーションで俺が健全な高校男児だとしてもいつ強制三途の川行きチケットが切られるかわからない状況をうけいれられるか!!!」
「そこまでだ!!」
「「「「「えっ!?」」」」」
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恋姫学園、それだけ言えばわかってもらえると信じている。 | ||
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