SHUFFLE!&リリカルストーリー 24 |
第二十四話 ゴールデンウィーク ユーノ一行編
ミッドチルダ都市部 -地球でのゴールデンウィークの初日- 正午
ユーノ一行はある公園の噴水の前にいた、ユーノがフェイト達にあわせたいという人物との待ち合わせである。
ちなみに青龍も珍しく出てきているしアルフも通常モード、何故かレンも人間モードだ
「ねぇユーノ、その人って誰なのか教えてほしいな」
フェイトの一言である。まあ誰と会うのか知らないのだから当然の反応かもしれないが
「ん?フェイトも知ってる子だよ……ほら、噂をすれば」
ユーノが目を向けた方向を見ると中学生くらいでオレンジの髪をツインテールにした少女が走ってきて目の前でとまる
「はぁはぁ…ごめん少し遅れた」
自分の目の前でとまった少女にフェイトは見覚えがあった。
自分が執務官試験の勉強で無限書庫を訪れていたとき、ある執務官の青年の背中に隠れるように連れられて来ていた少女。
そのあとなんだかんだで仲良くなって自分とユーノのことを『フェイト姉さん』『ユーノ兄さん』と呼んでくれた自分とユーノにとって妹のような少女。
二年前お兄さんに当たる -自分たちにとっても兄のような- その執務官 -ティーダさんという- が殉職した時にもわたし達の前以外では絶対に泣かなかった意地っ張りで強い少女。
その記憶の光景と今、自分の前にいる少女が完全にかさなりフェイトは満面の笑みを浮かべる
「ティア!久しぶりだね、元気だった?」
「久しぶりティアナ」
フェイトは嬉しそうにユーノは簡潔にでもやさしい声音で少女…ティアナ…に声をかける
「うん。久しぶり、フェイト姉さん、ユーノ兄さん」
ティアナはユーノとフェイトにそう返した後に後ろの方に目を向けると
「青龍さんとレンにアルフさんも久しぶりです。えっとエリオくんとキャロちゃんよね? はじめましてティアナ・ランスターです」
青龍とレン、アルフに軽く挨拶をした後、軽く笑いかけながらエリオとキャロに声をかける。ちなみにティアナは二人とは面識はなく、ユーノから写真なんかを見せてもらったことがある程度だ
「「え、えっと……」」
当然エリオとキャロの二人はティアナのことを全くかけらも知らないので、知らない(きれいな)おねいさんに話しかけられて少し困惑気味である
ユーノとフェイトの二人は二人の後ろに回ると
「ほらエリオ、キャロあいさつは?」
「あと自己紹介も…ね?」
二人にそう声をかけながら二人をティアナの前に押し出すとにこにこしながら二人の後ろに立った
「「は、はじめまして」」
「ええ、はじめまして」
ふたりの様子が微笑ましいのかティアナにこにこである
「え、えっとエリオ・モンディアルです」
「え、えっとキャロ・ル・ルシエです」
「ええ、よろしくね。エリオ、キャロ」
「ま、ということで僕の息子達です」
「わたしの娘達です」
ユーノとフェイトは二人の肩に手を置きティアナにそう告げる。するとティアナは二人の間に流れる空気の過去との違いに気がついたのか少し呆れた感じで
「やーっとくっついたんですね?ユーノ兄さんにフェイト姉さん」
青龍の方に顔を向けてそう問いかける
「ええ、そうですよ。やっとです」
「…(コクコク)」
すこしニヤニヤしながら言う青龍、コクコクうなずくレン
「…ぼくたちってそんなにわかりやすかったのかな?」
「うん、そうそう。なんかわたしとユーノ両方知ってる人に報告するたびにそんなふうに言われたよね?」
そんなふうに話す二人に向けて
「ええ、それはもうわかりやすかったですね」
「…(コクコク×4)」
「知らぬわ本人ばかりなりって感じだったしねぇ」
「…本気で言ってるの?ユーノ兄さん、フェイト姉さん」
「おとうさんとおかあさんはなかよしだよ。ね、エリオくん」
「うん、そうだよねキャロ」
バッサリと切る一同であった。
「でも、本当に久しぶりだねティア。半年ぶりくらいかな?」
「ボクの方は三カ月ぶりってとこかな」
「う〜ん、だいたいそれくらいになるわね、けどどうしたの?いきなり会いたい、だなんて」
その後、近くのファミレスに入ってからの会話である
「ごめんなさい、ティア。ワタシがティアの士官学校入りが決まったってことをうっかりユーノに話してしまったんです」
少し申し訳なさそうにしながら青龍が三人の会話に割って入るその顔は若干申し訳なさそうだ。
実はユーノ、ティアナの兄であるティーダさんが殉職してからなにかとにティアナのことを気にかけていて今回のことはティアナの方から青龍に隠しておいてほしいと言っていたのだ(フェイトについても同じことが言える)。
まあ過去の例をあげるとティアナが何気なく言った『遺跡に行ってみたいなぁ』というのをユーノが真に受けて本当に連れて行ったり(そこで青龍にであった)。
『無限書庫に自由に出入りできればいいのになぁ』といってしまったばっかりにいつの間にか無限書庫の司書(名前のみ登録)として名前が登録され自由に出入りできるようになっていたり(ちなみにこれについてはフェイトもあてはまる)。
ちなみにこれが一番大騒ぎだったのだがいつの間にか保護者がユーノになっていたりしたのもその一つである
「……て、いうことは」
すこし苦笑いしながらティアナ、とはいってもその顔は嬉しそうであるのだが
「うん、みんなで遊び倒そうかなって思ってね。で、ティアナからはなにかリクエストある?基本的になんでもいいけど」
「ん、そうね。だったら……」
「で、今に至る、まるっと」
「なにか不満でもあるの?ユーノ兄さん」
「いや、なんか最近こんな展開が多いなぁと、ね」
「たしかにそうだね。なんかシグナム達や土見君とも似たようなことがあったし」
ちなみにユーノとティアナは何故かバリアジャケットを着ていて訓練場のようなところにいる、ちなみにフェイトは二人の中間くらいに立っていた
「けど、遊ぼうと思ってたのに模擬戦とは思わなかったな」
「いいじゃない、久しぶりなんだし。それにしばらくは模擬戦なんてできる機会無いと思うし。それにユーノ兄さんでしょ?執務官を目指すなら士官学校ではミッド式での中距離戦闘を主体にして訓練するように言ったの。うっぷんが溜まりそうだから今日は全力で暴れたいの、ね?お願い」
「(いや、近接とかやらせたら反射だけで人を本気で殺しかねないから止めたんだけどなぁ。はぁ…ま、しょうがないか)わかったよ、ということでフェイト審判お願い」
「ん、了解だよ。さすがにちかくは危なそうだから少し上から見てることにするね」
ちなみにエリオやキャロ、青龍たちがいないのは一時間ほど別行動ということになったからである、ちなみにフェイトが子供たちと一緒に行かなかったのはたとえ自分の妹分のような少女でもユーノと二人っきりにするのが嫌だったというかわいらしい理由である
「ん、じゃあル−ルを確認するね。飛行魔法の使用はなしで基本的に陸戦を行う、それ以外は特になし。戦闘不能になるかわたしがもう無理だと思ったら終了、依存はある?」
「ないですよ、フェイト姉さん」
「ん、ぼくの方からもとくにないかな」
そういうとユーノは生太刀を手に持ち、ティアナは両手にナイフを持つ。
その様子を確認したフェイトは飛行魔法で10メートルくらい飛び上がると
「じゃ、模擬戦スタートだよ」
そう声をかけたのだった
「…!」
先に動いたのはティアナだった。その両手にはナイフが握られている、魔力を通して切れ味を上げることができるという特殊能力付きである、まぁこの模擬戦内では使われることはないだろうが。
ユーノに向かって走る速度は決して遅くはない、寧ろ普通の人間としてなら出せる限界の速度を少しとはいえ超えているように感じられる。
けれどもその速度は魔導士としては少し早い程度のレベルでありもちろんその程度の突撃ならユーノが反応できないはずがない
「っつ!!」
のだがユーノが本当にギリギリといった感じにティアナの片方のナイフを受け止める、だがティアナはそこを軸にするように回りながらユーノの懐に入り込みもう片方のナイフをたたきこもうとする
ユーノは避けようがないと思ったのか寧ろ自分の方からティアナに近づき差し出されていたナイフに生太刀の鞘をあてると力任せに振り抜いた
「っ、だぁ!」
体重の軽いティアナはユーノの力でも十分飛ばすことができたようで二人の間には10メートルほどの距離ができる
「ティ…、ティ、ティっ、ティアナ!?マジで死ぬかと思ったじゃないか、いまの!」
「う〜ん、そう言いながらちゃんと防いだじゃないユーノ兄さん。て、いうか兄さん、わたし全力だったんだけど?それにどれも峰打ちにするつもりだったんだから問題ないわよ」
ユーノが割と必死に力説するのにもティアナはどこ吹く風だ、ちなみに後半の台詞の際はジト目である。
実はユーノがティアナに中距離での戦闘を勧めたのはこれが原因だったりする。
ティアナの扱うこの戦闘術、実は暗殺術の類なのである、何故かは知らないのだがティアナも兄のティーダも体が覚えているとでもいえばいいのだろうか?物心ついたときには使えていたらしい。で、敵意をむけられると反射でその人物を『殺して』しまいそうになるのだ、実際ユーノやフェイトも模擬戦で殺されそうににあったこともあるため実感がこもっていたりする
「じゃユーノ兄さん続けるわよ」
「ちょまって、ティアナほんとに死ぬって」
「問答無用!」
そういってティアナはユーノに向かって駆け出す。その態勢は低く距離感がなかなかつかみづらい、これがユーノの反応が遅れた理由である。
ユーノの方はいつの間にか鞘の方に刀が戻っていて居合いの態勢に入っていた
「…孤閃」
素早い動作いよって振り抜くことによって生じた不可視の衝撃波がティアナに向かって直進する。
それを見たティアナは横へと避けるのではなく寧ろ斜め前に加速してそれを避け、ユーノに肉薄し…
キィンッ…
「っつ!」
ようとしてすでに鞘に戻されていた生太刀からの居合いの一撃により進行を阻まれる、しかしそれでもティアナは前に進むことをやめようとはしなかった。
居合いの一撃の威力を殺しきれなかったのか防いだナイフがティアナの手から離れるがそれでも今度こそユーノの懐にはいる
「っ、はぁ!!」
そしてその状態から四連の蹴戟、鳩尾に一発入れてユーノの体が折れた後に続けざまに三連の蹴りをたたきこむ
「もう、一発!」
そしてフィニッシュとばかりに顔をめがけて蹴りを入れる、しかし感じたのは腕でも蹴ったような手ごたえ
「…ストラグルバインド」
そんなつぶやきが聞こえたかと思うとティアナの手が足が体がバインドによって縛りあげられていく
「っつ!!いつの間に!!」
ティアナがバインドをすぐに破壊して目を前に向ければユーノは前にはいない
(しまった、後ろを取られた!)
そう思いその場から全力で離脱しようとする
「はい、チェックメイト」
が、現実とは無情なものかなティアナが後ろを向くとすがすがしいくらい完璧な笑顔を浮かべて生太刀を自分に向けるユーノが立っていた、後のティアナの談だが『笑顔がとても怖った』だそうである
「ん、勝負あり、ユーノの勝ちだね」
そしてそこに近づいてくるフェイトもユーノと同じように完璧な笑みを浮かべていたのだそうだ
「(がくがくぶるぶる)あ、あのユーノ兄さん、フェイト姉さん」
「「ん、どうかしたティアナ?」」
向けてくる二人の笑顔のなんと完璧なことか。それが一層ティアナの恐怖をあおる
「調子に乗ってすいませんでしたーーーーーーーーーーーーーー」
その笑顔が目に入った瞬間ティアナはそう叫びながら二人に向かって土下座していた、この後の光景はティアナの脳裏にトラウマとなって刻まれたらしい。
ちなみに一時間後、何があったとは言わないが訓練場から出てきたティアナは顔がやつれていて幽鬼のようだったらしい。
ちなみに次の日ティアナはこのことを全く覚えていなかったらしく、その日は朝から晩までユーノ一家は遊園地で遊び倒したのだった
そしてゴールデンウィークも後半に入っていく
ティアナこの日の教訓
兄だからといって調子に乗ってなんでもやっていいわけではない
ユーノの前でフェイトをフェイトの前でユーノを怪我でもさせようものなら自分が殺される
あとがき
グリム「お久しぶりです、一月半ぶりの投稿となりますグリムです。今回はゲストが居ますよ〜、ユーノくんの神獣の生ちゃんです」
生「皆様お久しぶりです。ご紹介にあずかりました、主様(ユーノ)の神獣の生でございます」
グリム「そういえば生ちゃんはなんか僕に質問があってきたんだったよね?どうしたの」
生「はい、少々疑問に思ったことがありまして。なぜ今回の話にわたしの出番はないのですか?前の話ではアルトやスターチスさんランさんなんかの出番はあったのに不公平だと思うのです」
グリム「(出すつもりだったけど忘れてたとはとても言えないよなぁ)ごめんね生ちゃん、次の話辺りには出す予定だから少しだけ我慢してもらえないかな?」
生「そうですか…グリムさまがちゃんと考えてくださっていてよかったです。なのは様たちに見られてはいけない設定のせいでかなり出番が制限されていますので困っていらしゃるのではないかと心配していましたが杞憂のようですね。これからもがんばって下さいませ」
グリム「い、生ちゃん(感動)。う、うん。ぼ、ぼくがんばるからね……」
生「ということで読者の皆様もグリム様の応援よろしくお願いいたします」
グリム「よろしくお願いします、そして読んでくれた皆さんに多大な感謝を」
生「では今回はこれでお開きとしましょうか」
グリム「そうだね生ちゃん」
グリム・生「「それではまた次回お会いしましょう」」
説明 | ||
久々の投稿です。 今回はゴールデンウィーク、ユーノ編です。 ユーノがフェイト達に会わせたいという人物は…… |
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コメント | ||
TETSUさんコメントありがとうございます。きっと物理的に被害がない分ユーノ達の方がOHANASHIもやさしいかとまあきっと傷の深さはそんなに変わりませんが(グリム) ティアナが出てきましたか…ツンツンした感がなくてフランクな感じだけどハッチャすぎっスwww結局は原作でのなのはに代わってスクライア夫妻にOHANASHIされましたが( ̄人 ̄)チーン(マテ(TETSU) |
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