「・・・・・・・」

少女は「それ」の前で足を止めた。

「それ」は少女に注意するでもなく、沈黙の中、ただ佇んでいる。

詳しいものがいれば驚愕する「中庭」の一角、ひらりひらりと舞う蝶が彼らの間を暢気に飛んでいく。

「・・・・・」

「・・・・・・・・・」

果たして沈黙は、突然崩れる。

「あれ？長門、さん？」

「・・・・・」

そして彼女は掛けられた声に振り返る。

「それ」の持ち主が、少し困ったような顔でそこに立っていた。

「アークに、なにか」

「"メタビー"と話をしていた」

「え？」

「それだけ」

じゃぁと彼女はそこから立ち去る。

自分が爆弾を放り出したという自覚もなく。

緩く吹く風の中、彼は相棒の頭部をこつりと小突く。

「こら、美少女には話すとか…

何様だよ、お前」

あくまでも穏やかに。

どこか悲しげに。

相棒の中に…知られていないはずの名を知っていた"ともだち"がいることを示唆されたことに戸惑いながら。

普段は大人しく部屋にいるのに、ちょっとしたなにかで外を出歩く。

ひとりでいるメダロットなんて珍しくないのだけれど、相棒の場合は実は酷く珍しいのだけれど……

「そういえば」

「わっ？！ながとさ」

「勝手に出かけられると、心配だとメタビーが言っていた」

「え？」

「では。先輩をよろしく」

誰のことだと聞く前に、言いたいことを言い切った彼女は姿を部屋へと消していく。

なんだか人を混乱させるだけの為みたいなものいいに、彼はため息をつこうとし…

ふと、気がついた。

そういえば。

相棒が外に出ているのは、いつも自分が慌てて出かける時、その帰りじゃなかったか、と。

・・・・・・・・・・・

もうね、正直メダはヒカルにいちゃんへいほーですよ。

広い目で色々見た結果のネタです。宇宙人つながり。

それにしてもまたアニメと原作のネタがダブったなぁ

（宇宙人→漫画・ゲーム設定／"アーク"→アニメ）