真恋姫無双 萌将伝 『秘密の花園』
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<秘密の花園>

 

 

 

猛暑も過ぎ、穏やかないい天気であった。

非番の俺は曹家の従士達が食事を取る厨房で遅い朝食を食べていた。

 

俺こと、北郷一刀は現在、許の曹操、華琳の元で保護されている。

華琳達から尋問されありのまま話をしたら華琳は青い顔をして、家臣達に

俺に関する情報は一切口外してはならないと厳命を下した。

 

こうして、俺は華琳の元で軟禁生活を送るのかの考えていた。

しかし、華琳は働かざるもの喰うべからずという方針で、俺に曹家が代々と

発展させてきた城塞都市 許 の警備隊の隊長(正確には許の東城門司馬の屯長と言うらしい)

みたいなことをするようになった。

 

この仕事、治安維持の為 軽微な武装をするが現代人である俺には

キツイ肉体労働で最初は体中筋肉痛になり かなりバテたが次第に

この仕事にも慣れてきた。

 

そして今日は、この職に就いての初めての休日で、俺は惰眠を貪り遅い朝食を取っていたのであった。

 

 

 

                 「北郷さん、ご当主がお呼びです」

 

 

 

粥を食べ終え、油条という揚げパンを食べている最中に、華琳付きの侍女長が俺を呼びに来た。

侍女長自ら呼び出しにくるとは至急の用事らしい。

俺はモゴモゴと油条を咥えながら侍女長の後を追うように華琳の執務室に向かった。

 

「華琳、何のようだ?」

俺は華琳に一礼をして静々と退出する侍女長を尻目に華琳を見て驚いた。

いつも毅然とした容姿で仕事を精力的にこなす華琳が今日に限って机に頭を置いて伏せていた。

「一刀〜 あ〜てきとーに座ってー」

投げやりの様子で華琳は席に座るように言ってきた。

「どうした華琳?具合でも悪いのか?」

俺は華琳が具合でも悪いのか心配したが、

華琳は頭を上げることすら億劫な様子で机に伏せたままでいた。

「まったく頭が痛いわ……原因はコレよ」

華琳はあくまで頭を上げることがなく、机の上に置かれた一冊の紙の本を指差して言った。

 

この時代では、紙はそれほど普及されておらず、殆ど書簡としては木簡や竹簡が

主流で全部紙の本というのは大変高価で貴重品である。

 

「この本がいったい……」

華琳に質問をすると華琳は頭を上げず壁に備え付けられている椅子に座る少女を指差した。

大きなリボンの帯止めをし、綸巾(カキン)を戴いている一見、小動物を連想させるような

少女が座っていた。

                   

                    「えっ―と、貴女は?」

 

俺が質問すると、この少女は慌て自己紹介をした。

「あわわ、わっ、わた、私は荊州南郡襄陽県の水鏡女学院の書生 諸葛と申します」

 

                        諸 葛?

 

俺は三国志の孔明を連想したが、この世界の曹操でさえ女性なのだから、

あの孔明なら多分バン・キュ・ボーンで、

「オネーサンが遊んでア・ゲ・ル」と妖艶なオ・ト・ナの女性に違いないだろう。

 

再度 諸葛と名乗る少女を見た。

うん。

断じて、このようなチンチクリンのお子さまではないな。

 

 

 

 

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「華琳、この本と諸葛殿がどのような関係があるんだ?」

と聞くと机に伏せたままの華琳は一言 「説客」 と言い、

後の話はこの諸葛殿から聞け無言で諸葛殿を何度も指差した。

 

俺はどこをどうすれば華琳がこうなるんだとタメ息をつき、椅子にちょこんと座っている諸葛殿を見た。

「あの〜、貴方様はいったい?」

「ああ、失礼。俺の名は北郷。この許の警備を任されている……」

 

                         バン!!

 

俺が諸葛殿に自己紹介をしている途中に、華琳はいきなり机を叩き、

銀製の印章と身分を示す玉壁、一軸の巻物を乱暴に投げつけてきた。

 

「一刀。話はつけておいたわ。指示はその巻物に書いたから後は任せたわ」

華琳はそう言い放つとスタスタと部屋を出て行こうとした。

「おいチョット、華琳 どこの行くんだ?」

「寝る!!」

華琳はこれほど堂々とした職務放棄宣言をして部屋には俺と諸葛殿だけが残された。

 

俺は巻物を広げると達筆な文字で      

                     『任せた!!』

 

                             とデカデカしく書かれ、

ご丁寧に華琳の花印や刻印が押されていた。

 

印章は印章の形式については細かい規定があり、印の形式高い順から璽、章、印となり、

その材質は玉、金、銀、銅。印に結びつける紐の結び方や紐の色も定められている。

その為この世で最も高い権限をもつ玉璽を代表にその印を一目見ればすぐに地位が分かる

ようになっている。

 

ふむ、銀製の印章か。

 

この印章や玉壁を渡されたことから、強制的に華琳の下級家臣に命令することや曹家の私財

を一定額を明細なしで使用できる権限が俺に与えられたことを意味している。

 

 

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俺は頭を?き、困惑した表情の諸葛殿に言った。

「まったく、気分屋なんだから……諸葛殿、俺には話がわからないから順に話してくれないか?」

「ハイ!それには……まずその本を読んで頂いた方が早いと思います」

諸葛殿は机の上に置かれた桃色の表紙の本を指差した。

 

ふむ、見るからに高価な本だな、俺は何気なくその本をパラパラとめくった。

このとき、俺は本の挿絵に目が止まった。そして、俺は思わずそこに書かれている文章を読んだ。

 

 

 

        「…孟徳はその顔を思い出しながら、下着の上からなぞるだけで……

           

             夏候先輩の冷ややかな、あの目で見下ろされながら、

            

           声変わりしたての少年みたいな高々な声で……頭がぼうっとなって、

           

                                  ため息と一緒に……」

 

 

 

「はわわわっ!!! 

 

      北郷さんダメです! そのように声に出して読まないでください!!」

 

顔を鬼灯のように真ッ赤にし、諸葛殿は電光石火の如く俺から本を奪い取った。

 

「……えーっと……それ艶本?」

諸葛殿は首が折れるかのように頷き、艶本をあたかも危険物を取り扱うようにそっーと机の上に置いた。

そして、諸葛殿は落ち着きを取り戻し俺に淡々と語り始めた。

 

 

 

 

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そもそも、諸葛殿の住む襄陽には一つの大きな私塾があり。

諸葛殿が在籍している水鏡女学院では  最近、水鏡女学院を百合の学院だという流言

飛語が流され襄陽の民達の口にまで挙がるまでにエスカレートし、人々は水鏡女学院の

書生を奇異な目で見るようになった。

そして女学院の全生徒が総力をあげてこの元凶を調べたら、このような艶本が襄陽の人

々の目に留まる様になったからだ。

 

 

 

諸葛殿は次第に憤慨を顕わにして、一刻あまり俺には到底理解し難い言葉責めを受けていた。

 

 

             「あ―もう、たかが、艶本が出回っただけじゃないか……」

 

 

「何がたかがですか!! 

 この本の購入者層を調べると、ナント七割が十代後半の女の子なのです!! 

  これのお陰で変な幻想を抱え学院の門を叩く人まで出ているのです。

   このような不健全な思想は、もう一私塾の誹謗問題ではなく襄陽の、

        いえこの漢王朝の神聖な文化を侵害するまでに至っているのです」

 

 

俺は流石に疲れ果て、最早投げやりのような感じで諸葛殿に質問をした。

 

 

「で、この誹謗問題とウチ(曹家)とがどう関係してくるの?」

「これを見てください」

諸葛殿は机の上にあった艶本の裏表紙を捲り、そこに書かれている部分を指差した。

 

 

 

 

 

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                    版元 袁本初黄金出版集団

                    著者 陳宝

 

 

 

 

 

 

 

                     ……俺はこれを見た瞬間、ドッと疲れが出た。

                      まったくあそこのヒトたちはナニを考えているんだか……

 

話の内容自体は逆である点を除けば否定はできない。

しかし連中はコレを高尚な策と考えているようだが智謀の人と言われる

華琳にしてみれば、このような低レベルの策とも言えないような嫌がらせ

をされれば呆れて疲れ切るわけだ。

 

「つまり諸葛殿は華琳、曹操を水鏡女学院の書生にして水鏡女学院を叩きつつ

 曹操に対して悪い印象を与えるようにした一挙両得の情報戦を仕掛けてきたと言いたい訳ね……」

「ハイ!! そうです。

 むこうは圧倒的な資本を背景とした袁家です。

 その為、私たちは同じ被害を受けている曹家に援助をして頂きたいのです」

「しかし、資本で言えばウチと袁家では到底太刀打ちできないよ」

すると諸葛殿はスレンダーな胸をそらし絶対の自信を持って言った。

 

「勝算ならあります! 見てください。

 この著者は陳宝とふざけた偽名を使っていますが、

  この文の雄健さ、そしてやや繁雑感じは間違いなく

   袁家の家臣で稀代の百合姫と呼ばれる陳琳の作に違いありません!!

 

豪華な装飾本や広い販売網で戦っても持久戦となり圧倒的にこちらが不利になります。

そこで文化には文化で対抗すべきです。大衆は資本に頼ったまやかしの文化より心を打つ

真の文化に惹かれるものです。

そこで私達は曹家の家臣にいらっしゃる才女、蔡?(さいえん)さんに是非とも執筆を依頼したいのです」

 

俺は何故諸葛殿がここで蔡?さんの名前を知っていたのか首をかしげた。

蔡?さんは確か、幼少の頃から外国で何かの執筆活動をして、今は華琳の書記として働いている人だ。

そして蔡?さんはいつも俺を見て頬を赤くしている。

うむ、モテる男は辛いな〜♪

「では諸葛殿、蔡?さんならいつも書記室に篭っているからすぐ会えるから行きましょうか」

「ハイ!是非!!」

そう言って俺は諸葛殿を引き連れ書記室に向かった。

 

 

 

 

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                  その頃、袁家邸宅にある離れの亭

 

 

「オッーホホホホ、

 これであのチンチクリンの小娘に華麗に赤っ恥をかかせることができましたわね」

上座に座る麗羽の横でには斗詩、猪々子が並び、

下座には身体には不釣合なほど大きな帽子を被った少女と

袁家の家臣 『稀代の百合姫』と呼ばれる陳琳が並んで座っていた。

 

大きな帽子を被った少女 は弱々しい声で更にこれからすべき策を献策していた。

「……袁宗主、大羅馬(ローマ)の格言には政において民衆にはパンとサーカスを与えればよいと言われております。

 そして、先程の第一弾に続き続編を出せば、愚衆は政よりも面白おかしい話こそが人の心を掴むのです」

麗羽は宮中貴族から都の富豪にまで配った華琳を貶める為に創った艶本を見た。

「私としては、このようなゲズの書簡などどうでもいいのですけど、

 このような単純な手段であのチンチクリンの小娘を陥れることができるなら上策です。陳琳!」

麗羽に呼ばれ陳琳は一礼をした。

 

「更に続編を書き、あの小娘に都を歩けないようにしなさい。費用は気にする必要はありませんですわ」

「御意! この陳琳、一世一代の百合本を書き上げてみせます」

 

これを聞いた大きな帽子を被った少女は、朱里ちゃんやったよと内心安堵していた。

 

 

 

 

 

 

                     曹家邸宅 書記室

 

 

 

書記室に行くと案の定、蔡?さんは山と積まれた木簡に埋もれるように仕事をしていた。

「蔡?さん、お仕事中邪魔してごめん。チョットいいかな?」

俺が蔡?さんに話かけると蔡?さんはこちらを振り向き物凄く嬉しそうにこちらに来た。

「あら、何時も外回りの一刀君がここに来るとは、どんな御用なのかな?」

俺を見上げるように話すこの蔡?さんは、明るく人当たりも良いから若い兵達に人気があるんだ。

 

「ええ。華琳に命じられて今こちらのお客さんを……」

「筆下王の文姫先生!!」

突然、諸葛殿が話した途端、蔡?さんは一瞬固まったような感じになった。

あれ、確か蔡?さんの字は昭姫だったよな?

「かぁ、一刀君、コチラノ方ハ?」

蔡?さんは震えるような声を出して俺に質問してきた。

「ああ、こちらがそのお客さんの諸葛殿なんだ」

俺が諸葛殿を紹介すると諸葛殿はペコリと丁寧な挨拶をして、謎の呪文を唱えた。

 

                   「単一、一棒一穴、一夫一夫 」

 

次の瞬間、蔡?さんは諸葛殿の手を取り、物凄い速さで回廊の角に引っ張って行った。

「ちょっと、蔡?さん?」

どうしたのか俺は回廊の角に見に行こうとすると慌てたように蔡?さんから返事がきた。

 

「一刀君、チョットこの方と、と―――ても大切な話があるの。一刀君はそこでまっててネ―!!」

 

 

 

 

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年上のおねーさんのお願いを無下に断れない俺は、

   ここで待っていたが時々聞こえる会話に耳を傾けた。

 

 

 

             私はもうアノ世界から足を洗ったのよ。

           

           ふっふっ、

            先生、私達、いえ全国にいる同志から逃れることはできないのです……

           

                  ……そんな……

            

           一度この世界に入ったら最後、足を洗うことなど……

           

                   …………

 

           先生も、己の性(サガ)にお気づきでは? 

                    例えば先程の北郷さんを見る目なんか……

             

                  お願い!やめて!!

 

 

 

断片的に聞こえる話から、プライベートみたいなので俺はその場を離れ書記室で待っていた。

暫くすると、やつれた顔をした蔡?さんとそれとは対称的に笑みを浮かべた諸葛殿が入ってきた。

「……一刀君、この話はご当主からのご下命?」

「えっ、ああ一応華琳から渡された玉壁や銀印はありますけど」

俺は華琳から預かった玉壁や銀印を蔡?さんに見せると蔡?さんはガクッとうな垂れた。

 

                「……もう暫く、考えさせて……」

 

蔡?さんはうな垂れたまま、書記室の机に戻って行った。

「先生!! 私を初め多くの読者が先生の作品を待っているのです!私は諦めませんから!!」

 

 

 

 

 

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                      数日後、夕刻

 

 

 

俺が楽しみにしていた乞食鶏を食べている最中に諸葛殿は駆け込んできやがった。

 

「北郷さん!見てください!敵はもう既に次作を出してきました。

 こうしてはおれません早く先生に執筆を!」

 

箸で鶏肉を持つ俺の襟首を掴み揺さぶる諸葛殿。

乞食鶏……

……

「諸葛殿、

 俺の食事が終ったら再度蔡?さんのところ行くから、大人しく待って……」

「待てるものですか!見てください。敵は刻一刻と侵略してきているのです」

 

そう言って諸葛殿の指差している部分を読んだ。

 

「エッーとなになに…

  『華琳は乱暴に掴み、ほら欲しいのでしょと焦らす様に……』 」

 

「はわわわ、なぜ北郷さんはいつも音読するのですか!? 

      これはいいとして、直ぐにでも談判に行きましょう!」

 

俺と諸葛殿の騒ぎで厨房にいる他の兵士達から奇異の目で見られていた。

俺はため息をついて再度蔡?さんのもとに行くことにした。

 

                                     俺の乞食鶏……

 

 

 

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                 「イヤです。御免です。真っ平です」

 

 

 

予想したとおり蔡?さんは猛烈な反対をしていた。

「しかし、先生。これを見てください。

 先生が世の埋もれている間に今大衆にこのような俗本が横行しているのです」

そう言って、俺が音読しようとした書籍を手渡した。

これを見た蔡?さんはわなわなと震えていた。

 

「このようなものが横行しているなんて……

 しかし、私は今曹操様に仕えている身。昔のように自由に創作活動は……」

 

蔡?さんは何かの創作活動と華琳の忠誠とを天秤を掛けて迷っている様子だったので俺は一言いった。

「俺、華琳…曹操から

 蔡?さんに指示し活動資金も自由にしてよいと命令できる印をもらっているけど……」

 

                それを言った瞬間俺は背筋に寒気を覚えた。

 

                これを聞いた諸葛殿はニヤリと笑い、

              蔡?さんも今まで俺が見たことがない顔つきになっていた。

 

「わかりました諸葛さん、

 その依頼受けましょう。まあ一刀君が来たおかげで色々とネタもあるし、

 それに相手があの陳琳なら私も張り合いがあるわ」

「さすが先生です。これで愚衆に真の文化とは何かを見せ付けることができます!!」

 

俺はこの会話についていけず途方にくれていると、蔡?さんはいきなり俺の肩を万力のように掴んだ。

「あと、一刀君はここでの話は他言したら ダ ・ メ だゾ―!、

             話したら誰かに 呪われたり、 刺される からネ!」

 

 

蔡?さんの鬼のような気迫に俺はただひたすら頷くだけであった。

 

 

 

 

 

 

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                       一ヵ月後、

 

 

              「華琳いるか! 何も言わず俺に兵百万を貸してくれ!!」

 

               「何よ?行き成り部屋に入るなり藪から棒に」

 

「あの水鏡女学院をこの世から壊滅するんだ!!それのは赤壁以上の兵力が必要だ!!」

華琳は嘆息して、却下よと言ってきやがった。チキショウ、これでは俺の腹の虫が納まらない。

「華琳!! 何で蔡?さんが文姫という筆名で八百一本の有名作家だってことを俺に黙っていたんだ?」

 

           「あら、私はアナタに

                     『任せた!!』 

                              のよ。

 

その権限を与えたのだからそれをうまく使わなかったアナタが責任を負うものなのよ」

 

華琳は諸葛からこの話がきたときに一計を案じイタズラな顔をして俺の様子を楽しんでいやがったんだ。

「それより一刀、この蔡?の最新作のこれなんかとても面白いわよ〜

 

 

 

 

      『一刀、昼飯を一緒に食べよう。華佗の微笑みで一刀は思わず頷いてしまった。

         

          人道りのない木の木陰に来て…・…同じ過ちはしない。しかし華佗から離れて座る

        

       つもりが華佗に手を引っ張られ華佗の胸元に倒れこんだ。

 

          華佗は一刀の顎を少し押し上げ優しく司馬の唇を……

       

                     華佗は食事の前にオマエを食べたいと……』     」

 

 

                俺は華琳からその木簡を奪い取り叩き壊した。

俺は怒りに震え肩で息をしているといきなり扉が開き春蘭入ってきた。

「オイ北郷、オマエ女官達の話では衆道(ホモ)の気があるんだってな?」

華琳は大爆笑して椅子から転げ落ち、春蘭は状況がわからず呆然としていた。

 

 

 

 

                  そして俺は  断じて違う―――――!! 

 

                                 と絶叫した。

 

 

 

 

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                 その頃、襄陽の郊外にある丘、

 

朱里と雛里は蔡?の最新作を読んでいた。

 

 

         『   華佗「なんだ、寝るのか?」

             

            一刀「うん……気持ち悪いのと心地いいのと……」

               そこまでいって、一刀の擦り寄ってきた体温にくすっと笑みを漏らす。

            一刀「なに」

            華佗「いや、なんでも?」

   

           一刀は背後から包み込むようにして華佗に抱きかかえられた。           

  

                二人はゆっくりと眠りへと落ちていった。         』

 

 

 

「百合本が無くなり、朱里ちゃんが立てた駆虎呑狼の計が成功してよかったね」

「雛里ちゃんが袁紹さんに本を出すなら名前を曹操さんをすれば

 その名声は地に落ちると上手く説得できたからだよ」

「うぅん、袁紹さんという虎を駆り立てても、朱里ちゃんが曹操さんという狼を

 動かせなければ、稀代の八百一作家筆下王の蔡?さんに作品を書かせられないよ。

 その後、蔡?さんはどうなったの?」

 

「先生は、今は曹操さんのとこを辞めで洛陽で作家業に専念しているんだって」

「よかった〜 これから八百一の新作がドンドンでて、学院や巷の女の子達も読むようになるね」

「ふっふっ、この八百一の文化こそ広く大衆に浸透されるべき真の文化なのよ」

 

 

 

 

        これにて朱里による壮大な

 

             『漢民族 八百一補完計画(御家庭に一人一冊)』 

 

                                    が終了した!!

 

 

説明
夏と言ったらコミケ!そのような発想から恋姫†夏祭り用に再度加筆修正しました。

一応年齢制限2レベル(小説での限界値)ですのでこれぐらいならO.Kかな〜という程度に増量しました。
本編は、恋姫†夏祭り用ですので限定作品ではありません。多くの方が楽しんで頂けたら何よりです。

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コメント
>深緑様コメントありがとうございます。恋姫では薔薇系同人誌がありますが、百合系同人誌はないのですかね〜(thule)
一刀にはきつい世界だ^^;(深緑)
>かずなり様コメントありがとうございます。どれだけ女官達の声援に耐えられるかですかね(笑)(thule)
生きろ、一刀・・・・・(かずなり)
>ふもふも様誤字報告ありがとうございます。やべー打ち間違いをしていました。(thule)
>スターダスト様コメントありがとうございます。逆に一刀×卑弥呼等のハード系八百一をばら撒かれそうに・・・(thule)
>よーぜふ様コメントありがとうございます。こうなってしまうとかける言葉がないですね。(thule)
>jackry様いつもコメントを頂きまして大変ありがとうございます。一刀どうなるのでしょうか?(thule)
>だめぱんだ♪様コメントありがとうございます。ちょっとの判断が生死の境目!まさに乱世!(801の)(thule)
>shun様コメントありがとうございます。笑って戴けてなによりです。引きこもり投稿の外伝系はお笑い重視にしております。(thule)
>320i様コメントありがとうございます。一刀はつおい子だから女官のヒソヒソ声や黄色い応援にも耐えられるでしょうかww(thule)
>ねこじゃらし様コメントありがとうございます。ねこじゃらし様も夏祭り参加しませんか?(thule)
>ルーデル様コメントありがとうございます。プラグ建築士だからこのようなプラグも建つとwww(thule)
>ロンギヌス様コメントありがとうございます。そうですこれも全て夏の日差しが・・・(thule)
蓮華とはもしや麗羽のことで?(ふもふも)
一刀・・・・原子爆弾を送ってやるよ・・・や・っ・ち・ま・え!(スターダスト)
あ、えと・・・がんばれ一刀w(よーぜふ)
ひどいwwwwwww(だめぱんだ♪)
やべぇ、久しぶりに笑った(rababasukan)
一刀さんドンマイ(ねこじゃらし)
・・・・・一刀、同情に値する(ルーデル)
あぁ、そうか、皆バカなのか・・・(ロンギヌス)
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