真・恋姫無双呉ルート外伝「俺と愛紗の夏休み」第二章 |
「・・・なあ、愛紗」
「・・・はい、ご主人様」
「俺達・・・ここで死ぬのかな・・・」
「さすがに・・・・死ぬことは・・・・・・・・有りそうですね・・・今の状況で「ぬりゃあああ!!!お主らああ!!!いつまで寝ておるのじゃああああ!!!」・・・!ご主人様!お逃げください!!」
「ん?ぬがああああああああ!!!」
「ご、ご主人様あああああああ!!!」
愛紗の声がしたと思った瞬間、爺ちゃんに吹き飛ばされて、俺は空を舞っていた。
俺達は朝飯が終わるや否や、爺ちゃんと父さんの修行を受けていた。
父さんからは主に北郷流の技を一通り、爺ちゃんからは稽古を主にやってもらっていた。
んだけど・・・・
この修行が地獄だった・・・・。
父さんとの稽古はまだいいんだ。技の型の反復とかそういうのだから。
・・・問題は爺ちゃんとの稽古だ・・・。
爺ちゃんの稽古は0.0002%稽古、つまり爺ちゃん自身の力を0・0002%に抑えてやる稽古なんだけど、今回は愛紗が加わっているから・・・・
「れ、0・2%って・・・・し、死ぬわ・・・・」
そう、今は愛紗も加わっていることと、俺の実力も上がっていることを前提に0.2%に跳ね上げているのだ。
この稽古なんだが爺ちゃんが合格って言ったら終了なんだけど、
はっきり言おう、無理だ!!
どうやって合格しろっつうんだよ!!ていうか0.2%ってほとんど愛紗の実力だろ!!俺のはせいぜい0.0001〜2%ほどだろ!!
その愛紗も歯が立たずにぶっ倒れているぞ!!死んでないだろうな・・・。何か心配になってきたよ、俺。
あれ・・・俺・・・何か・・・意識、が・・・・・・。
「・・・・ん?」
あれ、目が覚めたら天井が見える・・・。
おかしいな、確か俺は爺ちゃんと庭で稽古してたはずじゃあ・・・。
「起きましたか、兄さん」
隣から声が聞こえたので横を向くと、そこには一菜が心配そうな顔で座っていた。
「一菜・・・、俺、一体・・・」
「お爺様の強烈な一撃を受けて意識を無くしておられたのです。
幸い、命に別状は無いとのことですが・・・・」
「そっか・・・。やれやれまた不合格か・・・。あれ?一菜はここで何してたの?」
「兄さんが心配でしたから私が看病をしていたのです」
俺の質問に一菜は顔を少し赤らめながら答えた。
看病か、何か世話になっちゃったな。
「そっか、ありがとな、一菜」
「!?あ、当たり前です!兄さんは私のただ一人の兄なのですよ!?」
俺の言葉に一菜は顔をさらに赤くして大声を出す。
なるほど、照れているのか。
一菜は昔から素直じゃあなかったからな。
そんなことを考えながら俺は一菜の頭を撫でてやる。
「に、兄さん!!も、もう子供では無いのですよ!?」
一菜はさらに慌てて俺に抗議する。それに対して俺は思わず笑ってしまった。
一菜side
はう〜!!兄さんに撫で撫でしてもらっちゃいました〜!!!
ああ・・・この頭に触れる手の感触・・・、もう堪りません〜!!
あ!兄さんの手の感触が・・・。ああ、もうしばらく味わっていたかったのに・・・。
くううう〜!!だからこの性格は嫌なんです!もう自己嫌悪に陥っちゃいますよ!!
なんで私はもっと素直な性格になれないんでしょう!?
そうすれば愛紗なんて・・・・。
「な、なあ一菜。なにぶつぶつ独り言言ってるんだ?少し怖いぞ?」
はう!?聞かれてしまいました!ああ・・・兄さんが少し引いていらっしゃる・・・。
とりあえず猫をかぶって、と・・・。
「何でもありませんよ、兄さん。ところで何か飲みたいものとかありますか?」
「ん?ああ、麦茶貰えるかな?」
「麦茶ですね?分かりました、すぐに淹れてきます」
兄さんの注文を聞いて私は部屋の外に出て、襖を閉める。そして台所に向けて駆け出す。
なにせ兄さんが私に頼んでくれたのだ!スピーディーに、必ず実行しなければ!!
「これで兄さんは愛紗よりも私の事を・・・くくくくく」
私は走りながらほくそ笑む。そして台所に着くと、さっそく冷蔵庫から麦茶の入った瓶を取り出し、食器棚から取り出したコップに注ぎいれる。
それにしても、あの愛紗め・・・。よくも私の兄さんを誑かしてくれましたね・・・。
大体兄さんも兄さんです!あんな女のどこがいいと・・・。
まさか胸ですか!胸がいいのですか!!
兄さんはそんなに巨乳がいいのですか〜!!
ええええ確かに私はそこまで大きくありませんとも!!
でもでも私だって寄せてあげれば・・・・ん?
「ってコップから溢れてる〜!!!」
その後私は零れた麦茶の掃除で大幅な時間を無駄にしたのである。
うう〜!!おのれ愛紗〜!!
一刀side
一菜が麦茶を取りに行っている間、少々暇になってきたので近くにある本棚にある本でも読もうかと思って俺は布団から起き上がろうとした、時
「おお一刀よ!もう起きれるようになったか!さすがわしの孫じゃのう!!」
「ご、ご主人様!!だ、大丈夫ですか!?お、お怪我は!?」
突然爺ちゃんと愛紗が入ってきた。爺ちゃんはどこか嬉しそうに、愛紗はいかにも心配そうな顔をしていた。ていうか愛紗、またご主人様って・・・。
「ああ、爺ちゃん、おかげさまでな、というかいきなり0.2%は無理だっての。
あと愛紗、ご主人様は止めて、ご主人様は」
俺の言葉を聴いた愛紗は顔を赤らめた。
「うう・・・すみません・・・」
「フォッフォッフォ、まあいいではないか、わしは気にしておらんぞ」
愛紗が俺の事をご主人様と呼んだことに対して爺ちゃんは特に気にしていないようだ。
・・・何でだ?
「ふむ、しかし確かにお前に0.2%は無理じゃろうな。よし、それなら今度は0.02%で「せめて0.002%にしろ!死ぬわボケ!!」・・・なんじゃつまらんのお」
俺のつっこみに爺ちゃんがつまらなそうに反応する。
ふざけんなこの爺!!俺を殺すつもりか!!いくら技の実践だからってもう少し手え抜けや!!爺ちゃんが本気出したら俺達蒸発するんだぞ!?
「まあよいわ。とりあえず今日の修行はこれくらいにしといてやろう。今日はゆっくり休むとよい」
「・・・ああ、そうさせてもらうよ」
俺はそう言って再び布団に寝転んだ。と、愛紗がこっちに近づいてきた。
「一刀様、なにか飲み物はいかがでしょうか?」
「ん?ああ、確か一菜が麦茶を取りに行ってるけど」
その事を聞いた愛紗は少し残念そうな顔をした。その隣では爺ちゃんがなにやら面白いものを見つけたかのような笑みを浮かべていた。
「フォッフォッフォ、一刀よ、もてる男とはつらいのう」
はあ?どういうこっちゃ。
「フォッフォッフォ、まあいずれ分かるわい。わしは巻き込まれんよう退散しようかのう?」
そういって爺ちゃんは部屋から出て行ってしまった。
何が言いたかったんだ?爺ちゃんは。
俺は首を傾げながら爺ちゃんの言葉について考えていた。
その意味について嫌というほど思い知るのは、一菜が部屋に戻ってきたときであった。
一菜が俺と一緒に愛紗が居るのをみた瞬間、自分が俺の面倒を見るから出て行けと言ったんだ。それに対して愛紗も自分が看病すると主張、一気に口論に発展した。
「・・・・爺ちゃん、爺ちゃんの言葉、ようやく分かった気がするよ」
愛紗と一菜の口論を横目に見ながら、俺はぼそりと呟いた。
・・・頼むから寝かせてくれ。
おれは心のなかでそう呟いた。
あとがき
皆さんこんにちは、呉ルート外伝、更新いたしました!
今回の作品では一刀と愛紗の修行風景、そして一菜の心情が描かれています。
一菜はいつもは鉄面皮ですが、心の中では一刀にでれでれ、と言うキャラです。
ついでに言うなら一刀が誰かと一緒に居ると(女性限定)鉄面皮が嫉妬の余りはがれる
ことがあります。ついでに胸はそこまで大きくない(かといって小さいほどではない)
為、巨乳に対して強いコンプレックスを持っています。
ちなみに爺ちゃんは若い頃、一刀を上回る数の女性遍歴を重ねていました。
ただ、妻ができてからはぱったり止めてしまったとか。
まあ設定はこんな所です。それでは次回もよろしくお願いします〜。
説明 | ||
外伝第二章更新です!今回は爺ちゃんとの修行編、・・・と言っても最初だけですが。まあいいか。萌将伝に愛紗のイベント無いなら、俺が書いて満足するしかねえ!! |
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コメント | ||
てか・・・妹は義理?それとも正規?・・・後者だったら兄が妹に萌える事は・・・ないない;(スターダスト) あー、一刀も大概だが爺ちゃんって一体どんだけ?;愉快な一族だなw(深緑) 俺もこんな妹ほしいな(VVV計画の被験者) どっかの無敵超人ですか!?(弐異吐) ・・・・・お面持ってるのかな?ww(2828) 100%の力でお相手出来るとしたらどのくらいなんだ?(BLACK) なんだ、ただの無敵超人か…(ptx) この爺人間か!?ww(ルーデル) いいなあ、こんな妹がほしいわ。(ZERO&ファルサ) この爺ちゃん、どこぞの長老か?(ユウ) 爺さん、オルフェノクなんじゃなかろーか…;(FALANDIA) 一菜が桂花の転生体にみえ(ry(たすく@蒼き新星) うらやましいぞこんちくしょうめ そして俺も読んで満足させてもらいますぞー!(よーぜふ) 一刀羨ましいぞ!!(poyy) 月姫のアーパーとナイチチの口論を思い出した今日この頃。(黄昏☆ハリマエ) |
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