『舞い踊る季節の中で』 第71話 |
真・恋姫無双 二次創作小説 明命√
『 舞い踊る季節の中で 』 -寿春城編-
第71話 〜 雪に埋もれし華は、一時の平穏を過ごさんとするも、火中に飛び込む 〜
(はじめに)
キャラ崩壊や、セリフ間違いや、設定の違い、誤字脱字があると思いますが、温かい目で読んで下さると助
かります。
この話の一刀はチート性能です。 オリキャラがあります。 どうぞよろしくお願いします。
北郷一刀:
姓 :北郷 名 :一刀 字 :なし 真名:なし(敢えて言うなら"一刀")
武器:鉄扇(二つの鉄扇には、それぞれ"虚空"、"無風"と書かれている) & 普通の扇
:鋼線(特殊繊維製)と対刃手袋
得意:家事全般、舞踊(裏舞踊含む)、意匠を凝らした服の制作、天使の微笑み(本人は無自覚)
気配り(乙女心以外)、超鈍感(乙女心に対してのみ)
神の手のマッサージ(若い女性には危険です)、メイクアップアーティスト並みの化粧技術
(今後順次公開)
雪蓮視点:
「あ〜〜っ、やっと終わった。 冥琳今日はもう終わりよね?」
机上の書簡・竹簡の山全てが無くなり、私は大きく伸びをしながら、
最期の山を受け取りに来た冥琳に尋ねる。
「この後、街の有力者の代表と、同じく長老との謁見が残っている、と言いたい所だが……」
冥琳は、そこで頭が痛そうなそぶりを見せた後、苦笑を浮かべながら、
「一昨日前、仕事を放りだして、一緒に酒を飲んでおったのだろう?
今更堅苦しく会った所で、お互い白々しくなると言うもの、なら残りは事務的な話だ。
翡翠を補助に、亞莎にでもやらせてみるさ」
等と、嬉しい事を言ってくれる。
「視察なり、何なり、やる事は幾らでもあるが……、
それこそ、勝手に彼方此方視察して回っている雪蓮には、今更と言うもの」
「と言う事は、今日はもう自由なのね」
「あぁ、街に出かけるなり勝手にしろ。
言っておくが、北郷はこの後、此方の仕事を手伝って貰う予定があるから、連れ出して貰っては困る」
「ぶーーっ、冥琳の意地悪、 でも良いわ、それならそれで、廻りたい場所もあるしね」
せっかく、この街のお爺ちゃん達に、この街の面白そうな場所や、お店を幾つか聞き出したから、一緒に廻ろうと思ったのに、冥琳とお仕事じゃ、流石に連れ出す訳には行かないわ。
なら、今日はせっかく冥琳公認のお休みなんだから、皆の様子を見がてら、この街の様子を、もう少し知るのも悪くないわね。
「はーい、穏、亞莎お仕事頑張ってる?」
「……あっ、雪蓮様、はい大変ですが、毎日多くの事が学べて、とても楽しくやっています」
「ええ、そうなんですよ〜。 亞莎ちゃん、物凄く頑張り屋さんなんですよぉ〜。
そう言う訳で、私も負けていられないので、勉強するために、書庫の・」
「駄〜目」
亞莎の頑張りを讃えるようにして、ちゃっかり自分の欲望を満たそうとする穏の企みを、私は最後まで聞かずに駄目出しを出す。
「えぇぇ、そんな酷いですよ。 私だって頑張って勉強したいと思っているのに、亞莎ちゃんばかり書庫・」
「亞莎を引き合いに出さないの、この娘はまだまだ覚える事があるんだし、当然の事でしょ。
だいたい穏、冥琳から聞いたわよ。 貴女あの書庫の本、ほとんど暗記している物ばかりと言うじゃない。
冥琳からも口煩く言われているから、私の一存では許可できないわ。 それに、そんな事ばかりやってい
るから、いまだ一刀に真名で呼ばれないのよ」
「うっ……それを言ったら雪蓮様だ・」
「穏、私が、な・に・か・し・ら?」
「な・何でもありません…くすん」
私の、冷たい笑みに、穏は言いかけた事を止める。
そんな事、貴女に言われなくても、十分に分かっているわ。
私はそんな事、百も承知で一刀と向かい合っているの。
でも、貴女の場合は違うでしょ。
姑息な事などせず、真っ直ぐに一刀と向かい合えば、貴女なら、すぐに真名を許されるわ。
まぁ、出遅れたことが、逆に考えすぎる事となり、深みに填まった今の状態なのでしょうけど、こればかりは、穏のためにも、自分で気が付いて貰わないといけないわね。
それに、
「貴女の妙な癖さえなくなれば、冥琳だって、すぐに書庫への出入り禁止を解いてくれるわよ。
くれぐれも、兵達の前で、特に一刀の前であんな醜態晒さないようにね」
「うぅぅっ、分かってはいるんですけど、こればかりは……」
書庫へ入るための希望が断たれて項垂れる穏を放っておいて、亞莎に一言二言頑張るように言葉を交わして、二人の仕事の邪魔にならない様に、早々に部屋を後にする。
「模型で上手く行ったからと言って、実物で同じように上手く行くとは限りません。
大きくなればなる程、加わる力以外にも自重や強度の問題等、多くの問題が出て来るとも書いてあります。
いきなり実用しても、多くの問題を残したままでは、意味がありません。
ここは、時間とお金が掛かっても、書いてある通り、小さな物から始めて行くべきです」
「ですが、これに書いてある程の能力があるのならば、すぐにでも・」
「何を揉めているのかしら?」
「雪蓮様」「「「そ・孫策様」」」
私の掛け声に、議論に熱中になっていた翡翠と数人の文官と技術者が、議論を止めて振り向く。
部屋を見渡せば、長机の上に、議論の対象となった物の模型が鎮座していた。
「ふーん、これが一刀の言っていた水車の模型ね。
成程、こうして小さな形にする事で、未知の物でも、分かりやすくなるわね」
私は、話は聞いていたものの初めて見る形に、だけど水の代わりに手で水車を動かして見て、成程と思う仕掛けに驚き、天の技術の一端に感心する。
水の流れる力で、水車をを回転させるだけではなく、上下運動や様々な動きに変わるのが良く分かるわ。
これが、一刀の居た天の国で、大昔に出来ていたと言うんだから、驚きよね。
実際、水車の概念はこの世界にもあるけど、此処まで効率の良いものではないし、とても脆弱な作りで、態々普及させる物ではないわ。 でもこの水車の模型は見るからに違うし、多くの事に利用できそうだわ。
それに、水車を水の流れる力を、他のものに置き換えるだけではなく、
水を水面より高い所に、効率よく汲み上げる事も出来ると言うんだから、それだけでも農家にとっては、夢のような話よね。 確かに、これだけの事が出来るのなら、今みたいに揉めるのも分かるわ。
でも、
「翡翠は、これの実用は早いと言うのよね」
「はい、これは一刀君も同意見です」
「理由を分かりやすく説明してくれるかしら」
そして、翡翠の優しく丁寧な説明を聞くのだけど、はっきり言って、技術的な事なんて半分も分からないわ。
でも、なんとなく言いたい事は分かった。
「つまり急ぎすぎるのは、良くないと言う訳ね」
「一言で纏めれば、そう言う事になります」
私の言葉に翡翠は、少し困ったような顔をするけど、
そんな間違えた捉え方をしているつもりはないわ
「ようは、小さな子供に弓矢を持たせるなと言う事でしょ」
「少し違いますが、そう考えて貰っても間違いではありません」
「「「な゛っ」」」
私の言葉に、翡翠は苦笑しながら、そして文官達は、自分達が小さな子供扱いされたと思い憤慨しだす。
でも、
「貴方達だろうと、何も知らない民であろうと、天の知識と技術の前には、大差は無いって事よ。
それが如何に危険な物かを知らずに、広めるのは、小さな子供に弓矢を与えて遊ばせるのと変わらないわ。
そして、その結果は見るまでも無い事、逆に危険な物を広げたとして、此方が窮地に立たされかねないわ」
「はい、一刀君も大きな力を扱えば扱う程、便利な道具であればあるほど、危険が大きく、歯車が狂えば被
害も大きくなると、 そして、まずはどんな危険があるかを、十分知る必要があると言っていました」
私の言葉の後に、翡翠が補足するように説明してくる。
そして、その言葉に、私は王として、民を守り導く者としての決断をする。
「決まりね。 無為に民を傷つけるような道具を、広める訳にはいかないわ。
道具の進歩は大切だけど、民の命はもっと大切よ。 翡翠、当初の計画通りに進めなさい。
でも、民の苦労を少しでも早く軽くもしたいわ。 問題の少ないと判断できたものから、順次広めていって
頂戴。 そうすれば、便利さと同時に、危険に対しても学べるはずよ」
私の決断に、文官と技術者は、黙って頷く。
この人達とて、自分達の事ばかり考えて翡翠に反対していた訳ではない。
民のためと言う気持ちがあったからこそ、翡翠相手に、此処まで食い下がったのでしょうしね。
翡翠も上役として、命令とか使える筈なのに、こう言う所は、相手に納得して貰うために時間と労力を惜しまないのよね。
翡翠のそう言う所を気に入っているし、多くの人間がそんな翡翠の政治の在り方を慕っているとは言え、全部が全部、そんな事やっていたら、自分の時間なんて取れやしないし、体を壊しかねないわ。
翡翠には悪いけど、適当な所で、王命として決着を付けさせてもらうわ。
私は、とりあえず、少しでも不満を残さないためにも、そんな文官達と、模型を作った技術者をそれなりに、褒めてから部屋を後にする。
そして、ぶらぶらと彼方此方に声を掛けてから庭に出ると
「だから、いくら気合つけたかって、むやみに突っ込んでも駄目や、
蓮ちゃんの攻撃は、まだまだ点や、もっと点と点を繋がな、其処を突かれたらおしまいやっ、
こんなふうになっ!」
「くっ!!」
蓮華の剣が、霞の飛龍偃月刀に弾かれ、地面に叩き付けられる。
その事実に、悔しげにしながらも、今の試合で言われた事を、もう一度自分に言い聞かすように、目を瞑り大きく息を吐いた後、剣を再び拾い。
「もう一度願おう」
「ええけど、はっきり言ってええか?」
「霞、貴女はもう私達の仲間よ。 そんな貴女が、私に何を遠慮する必要があると言うの」
蓮華の言葉を、霞は嬉しそうな顔をした後、先程以上の武人の顔になり、
「雪蓮の真似するのは、止めた方がええで」
「な゛っ」
「蓮ちゃんが、雪蓮の真似しとる限り、蓮ちゃんはこれ以上伸びる事あらへん。
多少技術が上がった所で、それでお終いや」
「確かに私は姉様には遠く及ばないかもしれないっ。 だからと言って・」
「そう言う事言っているんやあらへん。 はっきり言って、蓮ちゃんには、雪蓮のような才能はあらへん。
あれは雪蓮だけが持つ、言わば天武の様なものや、真似しようとした所で誰も真似でけへん」
霞の言葉に、蓮華は最初こそ、睨みつけていたけど、霞の真摯な瞳と言葉に、それが本当に蓮華のためと思っている事に気が付き、今度は心底悔しげに涙を堪えている様な顔をする。
……霞、悪いわね。 本当は、それは私が言わなければいけない事だと言うのに……、
「別に、武の才能そのものが無いと言うとる訳やあらへん。
ただ、ああ言う勘に任せた所のある戦い方は、蓮ちゃんには合わへんと言うとるだけや、
蓮ちゃんには、蓮ちゃんに合った戦い方があると言うとるだけや」
「だが、私は姉様・」
「蓮華、それまでよ」
「ね・姉様っ、……見ておられたのですか」
蓮華の諦めきれない言葉を、私の言葉が遮る。
「蓮華が、私の後姿を追ってくれるのは嬉しいわ。 でも、貴女は私と違う王を目指しなさい」
「姉様、またそのような馬鹿な事を」
「何度だって言うわよ。 私だって何時までも生きていられるとは限らないわ。
蓮華には蓮華しかない才能があるの。 蓮華の王としての才能は、私より上の筈よ。
だから、私なんかの後を追って、その才能を潰さないで欲しいわ」
「私には、そのような才など・」
「それとも、私の真似をして、仕事を抜け出してばかりいる王になりたいの?」
「自覚しているのならば、少しは自重してくださいっ!」
私の言葉に、蓮華が呆れたように怒ってくる。
まったく本当に生真面目なんだから、……でも、
「そう言う差よ。 蓮華は私みたいに振る舞えないわ。
なら、貴女は貴女の大切にしている想いを胸に、自分なりの王を目指しなさい。
誰かの後を追っていては、何時まで経っても追いつけないし、追い抜く事なんて出来ないわよ」
私はそこで、その話は終わりとばかりに打ち切る。
後は、貴女次第よ蓮華。 これでもまだ私の影を追うようなら、自分の足で立つのではなく、誰かの真似をする事しかできないと言うのであれば、貴女に王としての資格は無いわ。
その時は、それなりの覚悟をしておきなさい。
私は、蓮華との話を止め、先程から気になっている事を聞くために、霞に向き合う。
「ところで、明命は何であんなところで、一人暗くなっているの?」
私の視線の先、裏庭の木に向かって、一人地面に座り込みながら、指で地面にひたすら猫の絵を描いている明命を見ながら、霞に聞いてみたんだけど。
「なんや、念願かなって、今朝から一刀に鍛錬つけて貰える様になったらしいんだけど……」
口を濁しながら言う霞だけど、内容を聞く限り、良い話だと思うんだけど。
明命は、一刀に鍛錬つけて貰える事を願っていたし、それをして貰えたと言うのなら、一刀がまた一つ成長したと言う証でもある訳だもの。
それが、何故あんな感じに?
「何でも、まず最初に徹底的に、自分の実力を思い知らされたみたいやで」
……まぁ、自分の実力が、まだまだ、と言う事を知る事は、決して悪い事ではないわ。
でも、一刀には敵わないと知っている以上、あそこまで落ち込むなんて明命らしくないわよね。
「しかも、ついでに袁術達に教えている技の見本を見せる言うて、
無手で、しかも打ち合うんやのうて、捕縛され続けたそうや」
………あぁー、確かにそれは私でも落ち込むかも……、
いくら敵わないと分かっていても、本気で向かって行ったと言うのに、無手で、しかも、技の見本にされ続けたとあっては、幾らなんでも将としての誇りが傷つくわよね。
「結局、掠りもせんかったそうや」
「……一刀、結構容赦ないわね」
「うちも意外や思ったわ」
思春の時は、それなりに形になっていたと聞いていたけど、
………それはそれで、一刀なりに手を抜いていた訳ではないと思うけど、……思春が聞いたら、いったいどう反応するかしら?
「何時までも落ち込んでいられませんっ!
一刀さんは、私用の鍛錬方法を考えてくれると言ったんです。
なら、今は一刀さんを信じて、一刀さんに着いて行くだけですっ!」
「あっ、立ち直ったで」
「そうね」
勢いの良い声と共に立ち上がった明命は、
一人何かウンウン頷きながら、見ていて気持ちよいくらい、すっきりした顔をして、
「お猫様の もふもふ にたっぷり癒されてから、一刀さんに注意された事を踏まえて、鍛錬するのみです」
あんな状態でも私に気がついていたらしく、振り向いて私に元気よく挨拶をしてから、塀の向こうへと消える。
「・・・・・・もふもふって、いったいあの娘、何処まで猫探しに行くつもりなの?」
「街やろうな、たしか昼からの街の巡回の当番だったはずや」
あぁ、そう言う事ね。
それにしても、元々巡回と言った所で、実際は警備の兵が足りている以上、将自らの街への警邏なんて、兵や民に見せつけるためと、半ば息抜きを兼ねていると言うのに、………相変わらず生真面目な娘よね。
そんな明命を優しい気持ちで見送りながら、
「どう、うちにはもう慣れた?」
「おかげさまで、呼び寄せた残りの部下も、気侭にさせてもろうてる。 それに、家族も増えたしな」
「そうね。 もう簡単に死ねやしないわよ」
「そのつもりや」
霞の前以上に力強い笑みに、私は霞が、本当に孫呉の一員になってくれた事に嬉しさを感じながら、
今度、ゆっくり飲む約束をして別れた。
「おじいちゃん美味しかった。 お金此処置いておくね」
王である私からは貰えないと言うお店のお爺ちゃんに、美味しい料理を御馳走してくれた正当な報酬だからと、私は感謝の気持ちを込めて、何時もどおりお金を払ってお店を出る。
前の街ではすでに馴染みの風景だけど、この街の人間には、驚くべき事らしいわね。
さてと、少し遅めのお昼ごはんも食べたし、市を覗いてから、その辺りを"ぶらっ"として見ようかな、もしかしたら面白いものを見つけれるかもしれないし、
「……と、つい半刻前は思っていたんだけどね。……前言取り消したくなったわ」
私の前方の方、其処には、派手な侍女服らしきものを着た袁術と張勲が居た。
二人は取り分け此方に気付いているという感じではなく、どうやら夕食の材料とかを買い物に来ただけらしいけど、………いったい、どう言う神経しているのよ?
まだ、戦が終わったばかりだと言うのに、二人っきりで街になんて出て、街の人間に殺してくれって言っているようなものじゃない。
そう思っていたのだけど、擦れ違う人達も、店の人達も、顔を引きつらせながらも、普通(?)に応対している。
そっか、あの一刀の紋が小さく入った服のせいね。
きっと一刀が用意したのでしょうけど、確かにあれなら、二人から刺激しない限り、普通の人達は手出しできないわね。………よほどの阿呆か、そんな事など気にしない人間以外はね。
二人も、特に馬鹿な事をする気は無いみたいだけど、街の人間の冷たい視線に、袁術は随分と居心地悪そうね。でもこうやって見ていると、まるで年の離れた仲の良い姉妹みたいね。 袁術がもう少し小さければ、親子でも通用したかもしれないわよね。
それにしても袁術ったら、街を自由に歩けるのが嬉しいのか、興味津々ね。
その癖して、冷たい恨みの籠った視線に見つめられては、ビクビク震えて、まるで子猫か栗鼠ね。
こうなんか、喜びそうな事を餌に、苛じり倒してみたくなるわ。
「って、何考えてるのよ。
せっかくの休みを、あの娘達を観察して終わりなんて、もったいない事したくないわ」
そう、さっきまで考えていた事を振り払う様に首を振る。
どこか適当な茶館にでも入ろうかしら?
そう思っていたら、袁術の足下に、毬が転がって行き、袁術はそれに気が付くなり、拾って持ち主であろう子供達の前に持って行く。
「受け取るのじゃ」
「………っ」
子供達の一番年上らしい子供は、目の前の人物が袁術と分かったのか、袁術からひったくるかのように毬を受け取るなり、何も言わず、子供故に心のままに恨めし気な目で袁術を睨み付ける。
他の子供達も目の前の人物がどういった人物か気が付いたらしく、ひそひそと小さな声で、教え合いながら同じ様に、袁術を睨み付けて行く。
中には、地面に落ちた石を拾おうとした子もいたけど、先程の一番年上の子がそれを止める。
そうね、それが正解よ。 未来を担う貴方達は、恨むより、もっと大切な事を覚えて欲しい。
そんな醜い感情は、私の代で終わりにしなければいけないわ。
「わ・妾はもう行くのじゃ、邪魔したのじゃ……」
恨みの籠った子供達の目に、袁術は悲しげな、だけどそれを一生懸命我慢している顔で、子供達にそう言って、元の場所に戻って行く…………って、張勲いないじゃないっ!
もしかして、袁術が離れている事に気が付かずに、次の店に行っちゃったの!?
「七乃っ? 何処じゃ? 七乃ーーーっ」
袁術は、張勲と離ればなれになった事に気が付き、慌てて張勲を呼ぶけど、張勲は一向に姿を見せず。
いったい、張勲はどこまで行ったと言うのよ。
「…妾は、…妾は、どうやって帰れば良いのじゃ……」
袁術は今の自分が置かれた状況に、半泣きでそう呟くのだけど、
もしかして、あの娘、迷子なの?
つづく
あとがき みたいなもの
こんにちは、うたまるです。
第71話 〜 雪に埋もれし華は、一時の平穏を過ごさんとするも、火中に飛び込む 〜
を此処にお送りしました。
すみません、今回一刀出番無しです(w
前二話との同じテーマなのですが、同じような事は書きたくは無いので、少し色々アレンジして二話構成(予定)で執筆してみました。
ちなみに、この時の一刀君、明命に対してやり過ぎたと自己嫌悪でウジウジしている所を、冥琳に うっとおしいと お説教を喰らっています(w まぁこの話は今は置いておきましょう。
さて、次回はこの話の続きで、美羽と雪蓮の二人の視線で描いて行きます。。
サブタイトルは、某有名GAMEのパクリで行く予定ですのでお楽しみに、
では、頑張って書きますので、どうか最期までお付き合いの程、お願いいたします。
おまけ:
小蓮「あれっ、シャオは?
呉に咲く美しき一輪の花こと、孫尚香を出さないなんて、作者何とか言いなさいよっ!」
思春「………せめてもの慈悲だ。 全身の皮を剥ぐのと、指先から少しずつ斬り落としてゆくのと、
どちらが好きな方を選ばせてやろう」
祭 「まて、その前に儂が壁にでも縫い付けてやろう。
天の国では、この時期、昆虫採集と言って、虫を針で張り付けるそうじゃからのぉ」
説明 | ||
『真・恋姫無双』明命√の二次創作のSSです。 戦後処理で忙しい真っただ中、雪蓮は、ふと空いた時間を、 城内を見て回る。 そこで雪蓮が見たものとは……、 拙い文ですが、面白いと思ってくれた方、一言でもコメントをいただけたら僥倖です。 ※登場人物の口調が可笑しい所が在る事を御了承ください。 |
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コメント | ||
祭とシャオの存在。 完全に忘れてました。。。 そして美羽の運命は?(qisheng) 三人が出てないことに気がつかなかった(ほいほい) 七乃が美羽を見失う……?それこそ有り得ない現象……という事はこれは……?そして小蓮達は……まあ、その内良い事がありますよw(フェイト) 深緑様、美海と七乃は何処まで行ってもマイペースですからねぇ♪ お三方には出番が・・・・・・・・・あったかな?(汗(うたまる) 色々頑張っている美羽や己の道を突き進んでハァハァしてる七乃、すっかり皆に馴染んできた霞達、こういう日常は良いですね^^ 最後のお三方はきっと次回以降に豪華版で出演依頼をなされるから、何卒うたまるさんの助命をw(深緑) 盛り塩様、……珍しいのかな?この設定? 何はともあれ、これからも応援よろしくお願いいたします(うたまる) ジョージ様、ふふふふっ甘いですぞジョージ様、私がそれだけで終わるわけないではありませんか♪(うたまる) 瓜月様、はじめまして、だらだらと妄想を垂れ流していますが、私にとって愛着のある外史です。 これからもこの外史を応援していただければ幸いです(うたまる) 1話から全部読ませていただきました。ちょっと珍しい設定の一刀の今後の活躍に期待しています。(盛り塩) ありゃ、これは二人が仲良くなるフラグかな?七乃は恐らく遠くから見守って(+輝いた目と荒い息)んだろうが・・・・はてさて、どうなることやら。最後の三人は・・・・御愁傷様です。(峠崎丈二) アルアジフ 様、すでに、七乃はこの外史では、七乃は私の手を離れ、皆様に変態認定されているようですねぇ(w (うたまる) potyapotya様、翡翠ですらからかう人ですよ? 自重するかどうか・・・・・・(汗(うたまる) 七乃jは遠くで'`ァ('∀`) '`ァしながら美羽を見てるんだろうなぁww(アルアジフ) 七乃自重ww(potyapotya) dasa様、54話で雪蓮が述べていたように、二人の名前と顔は庶民にも有名です。 理由は、何かの時は二人に押し付けるつもりでいた、あの老人達が原因です。 その辺りは次回多少なりとも振れていますので、お待ち下さい。(うたまる) 血染めの黒猫様、さすがに、二人が街の人間に、今認められる事は無理としか言えないでしょうね。 ですが、きっと何か良い事もあると思います(うたまる) 闇羽様、呼ぶ人間(?)が死んでたら呼べませんって(w(うたまる) ヒトヤ様、実はそうなんでうよぉー、あとがきの後のおまけですので、気が付かない人も多いかなぁと思ってはいました(うたまる) ろけっと様、祭さんならきっと、見逃す代わりに付け届けを要求するかと思います(汗(うたまる) suisei様、ありがとうございます。 頑張って逃げ切ってみせます(うたまる) 七乃絶対わざとなきますが、美羽と七乃が早く町の人達に認めてもらって欲しいですね。そして、うたまるさん御愁傷さまです。(血染めの黒猫) えーと…葬式には呼んでね?(ぇ(闇羽) そうか、最後のは作者のことか!てっきり一刀のことかとW(ヒトヤ) 祭さんに苛められるとか最高じゃないですか(ろけっと) うたまるさん逃げてーーーーーー!!(suisei) jackry様、そこはやはり『残念な人』か『可笑しな人』じゃないと(ぉw(うたまる) hokuhin様、実は祭と小蓮と亞莎も居ますが、後の二人は、出て来たばかりですので仕方ありません。 でも亞莎は実はすでに呼ばれている設定にするつもりではいます。 祭は、まぁこの外史では接点が少ないため、今までそういうイベントが書けませんでした(汗(うたまる) poyy様、さすがに、これ以上一度にあれだけ濃いキャラを出すのは限界が(汗 (うたまる) 320i様、さすがにフルメンバーを一話で登場させるのはきついです(汗。 主人公すら出ていないし(w(うたまる) samidare様、はい頑張って逃げ切って次回の作品を書いて見せます(うたまる) say様、七乃がすでに桂花並みの可笑しな人認定を皆様がすでにしているような気が(w(うたまる) ヒトヤ様、 あとがきの次の項に、もう一つおまけがあるんですよぉ(w(うたまる) hallei様、奴は帰ってくる。 きっと次回の更新までには、この暑さで、どろどろに腐敗していようが帰ってくるでしょう(ぉw(うたまる) 紫電様、はい、いつも霞の言葉遣いには悩まされます。 もう京弁も広島弁も大阪弁も訳が分からない状態です(TT-TT)(うたまる) nanashi様、やはり皆様、そう思われてしまいますねぇ (´・ω・` ) (うたまる) tomato様、貴方の涙は忘れません(w(うたまる) シュレディンガーの猫様、あれって、殺したところであっさり死ぬような生物(?)でしたっけ?(ぉw(うたまる) はりまえ様、まだ、捕まってもいませんよぉ(w(うたまる) リョウ流様、・・・・・・・・・・・ぽっ(ぉ(うたまる) ねねね様、雪蓮の日常、サボるにしても、ただ遊んでいる訳なさそうですよねぇ(うたまる) future様、まだ死んでませんって(w(うたまる) 砂のお城様、もはやそう言うものが無意識に出るほど、と言うのが、やはりこの人をどこかおかしい人にジャンル分けされる故なんでしょうね(w(うたまる) よーぜふ様、ハァハァって、既に変●者ですねぇ(汗 この外史における皆さんの七乃の認識はそうなんですねぇ(w(うたまる) アボリア様、御指摘ありがとうございます。 加筆修正いたしました(うたまる) GLIDE様、ふふふっ、実際どうなんでしょうね。次回をお待ちください。(うたまる) 大すけ様、コメント有難うございます。 (うたまる) そういえば一刀に真名を呼ばれないのか、雪蓮と穏・・・ 他は呼ばれていたっけ?(hokuhin) 思春・祭・小蓮がまるで普通の人みたいな扱い…。(poyy) うたまるさん・・・・・頑張ってね(samidare) 七乃さーん、困った美羽を見てハァハァ言うのは、ほどほどにしましょーねwww(狭乃 狼) ↓の人達はうたまるさんの成仏を祈ってるようですが、あれ?今回そう言わせるような文面ありましたっけ・・・(ヒトヤ) うたまるさん・・・貴方の事は忘れない(`・ω・´)>(hallei) 美羽至上主義の七乃が美羽を置いて先行くはずないから、本当にやばくなるまで美羽観察し続ける気だろ(nanashi) うたまる様・・・(T人T)(tomato) うたまるさん・・・・成仏してくださいね(汗)(シュレディンガーの猫) うたまるさん・・・・・・・・成仏してください・・・・・・・(合掌)(黄昏☆ハリマエ) 雪蓮の日常、いいですねー…ほんとにこういう行動してそうで。…あ、腸(ハラワタ)は私が縫付けますね。ウフフフフ(ぇ(ねねね) あ、うたまるさんが・・・・・・・・・・・・・・・・・・ご冥福をお祈りします。(future) 思春こわw そして七乃さん?絶対物陰でハァハァしてますよね?w(よーぜふ) 七乃さん確信犯っぽいですねw ……あれ、祭さんも……?(アボリア) 七乃絶対影から見てるよww(GLIDE) 思春さーん!www(大ちゃん) |
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