いもうと達!〜その4〜
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 ある場所にて三人のいもうと達による、会議が行われていた。

 

「こうして三人分の話が終わった事で、思う事が一つあるのよね」

「なんや? 思う事って」

「変なところあった?」

 彩の言葉に香織、小夜子の二人が怪訝な表情で質問をする。

「実際問題、私とお姉ちゃんの話だけでよくない?」

 とんでもない爆弾発言をしれっとする彩。

 ここで彼女の言う通りにしてしまうと、この物語のコンセプトが崩れてしまいますよ。

「なに言ってるん!? そんなのいいわけないやろ!」

「そうだよ。わたしと初音お姉ちゃんだけでいいんだよ」

「いや、小夜子も自重して!」

 非常に危ないやり取りをしている三人とは別の場所で、三人の姉が何やら会議をしていた。

 

 

「今度、あたし達とその妹達で一緒に旅行に行かない?」

「旅行かぁ……」

「行かない」

 菜々の提案に微妙な反応をする二人。

「いやいや環さんや。そんな即答で拒否をしなくてもいいじゃない」

「お菓子……美味しい」

 菜々のツッコミを完全スル―して、ぽりぽりとお菓子を食べる環。

「お菓子は確かに美味しいけど、今はそんな話をしてるわけじゃないのよ。今は旅行の話なのよ!」

「うん。確かにお菓子は美味しいよね」

「ちょっ、初音〜」

 相変わらずのペースで、話が全然進まない。

 それでも、めげずに菜々は話を続ける。

「それぞれの親睦を深めるのもいいと思うのよ」

「まぁ、仲が良くなるのはいい事だよね」

「でしょ!」

「……」

 少しずつ乗り気になっている初音と違って、環は恐ろしいほど冷めている。

 ただお菓子が美味しいから無視をしているのか、本気で興味が無いのか……

「環。あんた本気で嫌なの? 旅行でゆっくりと羽を伸ばすのもいいと思うわよ」

 常に羽を伸ばしっぱなしのような気がしないでもないが、執拗に旅行に誘う。

 一緒に旅行に行きたいという思いもあるが、後々の事を考えると必要なのである。作者的に。

 

「……彩が」

「彩ちゃん? 環が行くなら彩ちゃんも喜んでついてくると思うわよ」

 喜ぶどころか、一番張り切って付いてきそうだ。

「違う。彩が大人しくするなら行ってもいい」

「……あー」

 環の条件に空を見上げる菜々。

 彩を大人しくさせる。どう考えても無理な要求だが、一緒に旅行に行くには呑まなくてはいけない。

「な、なんとかしてみるわ」

 渇いた笑いを浮かべながら要求を呑む。

 内心、彩を止めるのは不可能だと思いつつもそれを表情に出さずに旅行への音頭をとる。

「じゃ、じゃあ旅行に行こー♪」

「おー♪」

「……おー」

 無理やりテンションをあげる菜々。

 この会議の終了にて旅行は始まります。

 

説明
ただの閑話休題です。
そして、今更ながらキャラ紹介を。
 彩(妹)――環(姉)
 香織(妹)――菜々(姉)
 小夜子(妹)――初音(姉)です。
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百合 いもうと  閑話休題 

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