レベル1なんてもういない 1−4
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「ウチは…っ」

 

やばい、このままだとラフォードの攻撃が来る。

僅かな空気の合間を縫ってそれはすごい速さでこちらに向かってくる。

何とかしようにも目でも追いきれていないのに手足は勿論ついてこれない。

 

冒険開始早々のPKでデッドエンドとは間抜けな話だ…

 

僅かに流れ動く空気と共に刃が襲い掛かる。

その瞬間に出来る事は今や目を閉じる事だけだ。

 

 

ガンッ ガンッ

 

ギィン!

 

 

……

 

「…!」

 

2つの懐かしいとも思える大きな音がしていた。

どうやらその音によってラフォードの攻撃を受け止めてくれたみたいだ

無事だった。

 

「はあぁ」

 

安心から腰を抜かしてその場に座り込んでしまった。

 

懐かしい音、これは好きな映画でよく耳にする音ではあるが実際の音を耳で感じるのは初めてかもしれない。

その音の正体は砂に落ちた物体、煙と臭い、そしてそれを持つものの右手にあるシルエットで納得できた。

 

銃…

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ここの世界に来てから今まで砂ばっかり見てきたから

こんなものが出回る文明があるとは意外だった。

と思っていたら周囲の男達は全員も腰が抜けたように座り込んでいる。

 

「ま、魔法使いだ」

 

「魔法使いだ…」

 

「なんでこんな所に魔法使いがいるんだよ…」

 

「逃げろ!」

 

その場で動ける男たちは皆、逃げ去ってしまった。

男はその銃を持った者一人になった。

取り残されたものは追いかけることもなくその場で立ち続けこちらの様子を見ている。

 

いや、ただの…

「ただの」というのも言い方に語弊があるが、ただの銃だろう。

人の生み出した技術の1つだ。

「魔法」とか人の科学を無視して「無」から生み出すような理論で言い表すのはおかしい。

 

やはり銃は世間には知れていないのか。

だとするとどこから持ち出してきたのやら。

 

とにかく今はその銃のお陰で助かった。

 

「魔法使い…」

 

構えを解いたラフォードまでその言葉を使い再び真剣になる。

 

「いや、魔法じゃないだろ。

 銃だよ。銃。

 今の時代アメリカじゃあ学生でも持ってるよ」

 

「その前にさ、葵

 ウチに攻撃するなんて聞いてないよ!

 完全にウチを狙ってきただろ」

 

「そんなことしてない」

 

否定された。

 

「絶対したよ!

 助かったからいいものの

 冒険開始数日で味方と思ってたやつにやられかけるとは思わなかったよ」

 

「そんなことしない」

 

ちょっぴりニュアンスを変えてきたが納得できない。

子供が食べかけのアイスを右手に持って食べてないと言っているように聞こえる。

 

「だってさっき間違いなくウチに…」

 

「アメリカではこんなもの持っていて当たり前と言ったのはそちらのお子様ですか」

 

話の腰を折る者がいた。

 

「なに?」

説明
正体不明の攻撃がこちらに向けられる、開始早々のピンチ、みたいな。
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