報告して!!
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「ふ〜。やっと今日の政務が終わった」

 

「ご主人様〜。お疲れ〜。私もやっと終わったよ〜」

 

執務室で桃香と一刀で今日の分の仕事が終わって話していた。

 

「でも今日は思ったより早く終わったな」

 

「そうだね〜。まだ夕食までには時間あるよね〜。…そうだ早く仕事が終わったことだし市にいこ 〜。ご主人様〜」

 

「市か〜。確かに最近行ってないな」

 

「そうなんだ〜。だったら新しいお店紹介するから一緒にいこ〜」

 

「でも行くなら愛紗と一緒がいいな」

 

「そんなこと言わないでたまには一緒に行こうよ〜」

 

「分かった。でも愛紗が心配するのも可哀想だから一言声をかけて行くよ」

 

「そんなのしなくていいから一緒にいこ〜」

 

「おいおい。そんなにひっぱらなくても…」

 

桃香は一刀の腕を引っ張り市へと向かった。

 

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(今日の政務はあまりなかったはず)

 

(政務が終わった頃に迎えに行ってどっかいこうかな)

 

(それでいろいろお世話したいな〜)

 

(よし早く新兵の訓練を終わらせて一刀様を迎えに行こう)

 

愛紗は訓練中そんなことを考えていた。

 

「者ども早く陣形を変形させろ!!」

 

この日の愛紗はいつもの3割増しで気合が入っていた。

 

「こんなに遅いと敵軍に攻撃されるぞ!」

 

「この程度で疲れていたらすぐやられるぞ!」

 

そんな檄が飛びながら数刻が過ぎた頃

 

「だらしがないな。今日の訓練はこれまで」

 

愛紗の訓練は激しさを増し新兵たちには到底ついてこれずやむなく訓練は終了した。

 

(早く訓練が終わったな…一刀様待ってて下さいね。すぐ迎えに行きますから)

 

青龍偃月刀をしまった後そんなことを考えながら執務室に向かった。

 

「愛紗です。一刀様、本日の仕事終わりましたか?」

 

ノックをしながら執務室を開けるとそこには一刀がいなかった。

 

(もしかして政務をさぼったのでは…)

 

そんなことを思いながら周りを見るとそうではないことが分かった。

 

(政務は終わっているか。もしかして自室に戻られたのか?もう。終わったら会いに来てって言っ

てるのに)

 

そんなことを思いながら部屋を出るとそこで女官たちの話を耳にした。

 

「御遣い様も大変だよね」

 

「そうだよね。本当は関羽様の所に行きたいのに」

 

「ホント。劉備様も大胆というより強制的に行かせたみたいな所もあったけどね」

 

「劉備様も甘えたいんだと思うけどね」

 

「でも、このこと関羽様にばれたら…「ほほ〜」」

 

「関羽様」

 

「私にばれたらどうなるのですかな?」

 

「い〜え。別に〜」

 

「一刀様と桃香様がどうしたのですか?」

 

(もしかしてあの女狐、一刀様をたぶらかしたのでは?)

 

表面上では繕っているが心の中で少し黒いところが漏れ始めた愛紗の雰囲気に女官たちは委縮してしまい

 

「一刀様は桃香様に連れられて市に行きました」

 

と答えてしまった。

 

「そうか。スマナカッタナ」

 

(一刀様…なぜ一言も言ってくださらなかったのですか?なぜほかの女狐と一緒なの)

 

愛紗は恋の部屋に行きセキトを借りに行った。

 

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「恋居ルカ」

 

「…?」

 

「スマナイガセキトヲ借リタイノダガ」

 

「……!!」

 

「イイヨナ」

 

「うん」

 

「恩ニ着ル」

 

そう言って立ち去った後その日恋は大好きな夕食もとらず部屋の隅で震え続けていた。

 

 

セキトを借りた愛紗は早速市に向かった。

 

「セキト。一刀様ヲ探シテクレ。コノ匂イガ一刀様ノ匂イダ」

 

そう言って取り出したのはいつも一刀が着ているTシャツだった。

 

なぜ持っているかというと愛紗は一刀が大好きで一刀の使った物は全て収集する癖があるのだ。

 

付き合ってからは少なくなったがそれでも服などは収集していた。

 

「ワン」

 

セキトは服の匂いを嗅いだ後すぐ動き出した。

 

愛紗もその後をついて行った。

 

そしたらあるお店でセキトは止まった。

 

そのお店は新しく甘味処『琴子』だった。

 

野点みたいに外で抹茶と和菓子を楽しむスタイルのお店だった。

 

その席で一刀と桃香がお茶を楽しんでいた。

 

その姿を見た愛紗はいつの間にか青龍偃月刀を握りしめていた。

 

(あの女狐め…私の一刀様とあんなにイチャついて)

 

(そんなに大きな胸がいいんですか)

 

(許せない…私がいるのに他の女狐と一緒にいるなんて許せない)

 

(許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない)

 

(絶対に許せない…誰にも渡さない…私だけの一刀様)

 

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「ご主人様此処が噂のお店だよ」

 

市に引っ張り出された一刀はもう諦めたのか桃香に腕組みされていることを注意することもせず

されるがままになっていた。桃香が甘味処『琴子』の前でとまった。

 

「早く行って帰ろ…此処は!」

 

「ご主人様知っているの?」

 

「ここは俺がいろいろ企画したお店だからね」

 

フランチェスカ時代に一刀は剣道だけではなく茶道もしていたので和菓子が大好きなのだった。

 

なのでどうしても食べたいと思ってみんなには内緒でお店を作ってしまったのだ。

 

「それじゃあここのお勧めとかあるの〜」

 

「俺のお勧めは今の時期だったら西王母かな」

 

「へ〜そうなんだ。私はそれがいいな」

 

「分かったよ。すいませ〜ん!抹茶と西王母を2人前御願いします」

 

初めの不機嫌は何処へやら・・・。和菓子が食べれるので一刀は上機嫌になった。

 

一刀はお気に入りの場所を桃香に教えた。

 

そこは小さな庭がある見晴らしのいい室外の席だった。

 

「ここからの景色がいいんだよね」

 

「ご主人様本当に庭とか好きだよね〜」

 

「気持ちが落ち着くからね」

 

「おまたせしました〜抹茶と西王母です〜」

 

「わ〜。桃の形してる」

 

「そうだね。この店のお菓子は味だけじゃなく見た目でも楽しむ物だからね」

 

「へ〜」

 

「この緑のは?」

 

「これは抹茶っていう飲み物だよ。飲んでみて。おいしいから」

 

「わかった〜。ゴク…!」

 

一刀はちょっとした悪戯として抹茶を先に飲ませた。

 

桃香は一口飲んで顔をしかめた。

 

「ご主人様〜苦いよ〜」

 

「ククク…」(笑いを堪えている)

 

「笑うなんてひど〜い!!」

 

「ごめんごめん本当はこのお菓子を食べた後に飲むんだよ」

 

「そ〜たんだ・・ってどうして最初に言ってくれなかったの」

 

「どんな反応するか見たかったから…ククク・・・」

 

「も〜!!」

 

「ごめんごめん改めて食べよう!」

 

傍から見てたら本当の恋人同士見えてしまうぐらい仲良さげに楽しんでいた。

 

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「本当においしいな…」

 

「本当だね…ってこんな所に餡子つけて〜(パク)」

 

「恥ずかしいな…。あ、セキトどうした恋と一緒なのか?」

 

「ワンワン…ク〜ン」

 

一刀の頬についた餡子を桃香は指ですくって食べた。

 

その行為が恥ずかしく一刀は顔を赤くしてうつむくとセキトがいた。

 

それを見た瞬間愛紗は不敵の笑みを浮かべながら一刀に近づいた。

 

「一刀様楽シソウデスネ」

 

「ア、愛…」

 

「本当ニ仲良サソウニ恋人同士ミタイニ」

 

「これは…」

 

「ナゼ声ヲカケテクレナカッタノデスカ」

 

「それは・・・」

 

「愛紗ちゃんおち・・・」

 

「黙ッテテモラオウカ劉備殿」

 

「!!」

 

「!!」

 

普段は桃香と呼んで仲の良い義姉妹だが今は敵として認識している為真名では呼ばなかった。

 

「ココデハ落チ着ツイテ話セナイノデ部屋ニ行キマショウカ」

 

「ハイ」

 

「・・・」

 

「ソレト劉備様明日ハ一刀様ト私ハ休暇ヲ頂キマスノデ・・・宜シイデスヨネ」

 

「ハ…ハイ」

 

「ソレデハ」

 

愛紗は不気味な笑顔でそれをいうと一刀の首根っこを捕まえて城へと向かうのだった

 

「愛紗ちゃん・・・怖い」

 

桃香はセキトに舐められるまで放心状態だった。

 

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愛紗の部屋に連れて来られた一刀はベットに手足を縛られていた。

 

「愛紗・・・なんでこんな事になってるの?」

 

一刀は部屋に連れて来られる途中に気絶してしまったからだ。

 

「申シ訳アリマセン。デモコウシナイト一刀様ガ逃ゲテシマウト思ッタノデ」

 

「逃げないよ」

 

「嘘デス。逃ゲナイナラナゼ今日イナカッタノデスカ」

 

「それは・・・」

 

「デモイイデス。明日ノ晩マデズット一緒デスカラ」

 

「分かった。今日はごめん。明日まで一緒だよ」

 

「はい」

 

そういうと愛紗の黒い闇は消えいつもの愛紗に戻った。

 

それと同時に手足も解かれ、愛紗に抱きつかれた。

 

「もう一刀様は・・・ちゃんと他の人と遊ぶときはちゃんと一声かけて下さいね」

 

「わかってるよ」

 

「もう今日は遅いし何か作りますね・・・一刀様は何が食べたいですか?」

 

「炒飯かな〜」

 

「分かりました。すぐ作りますね」

 

そういうと愛紗は一刀を抱きしめたまま調理場に向かった。

 

愛紗は抱きしめたまま周りを威嚇していた。

 

(一刀様は私のものだから絶対にちょっかい出すなよ!!)

 

そうしているうちに調理場に到着し愛紗は名残惜しそうに一刀から離れた。

 

「すぐ出来ますから少々お待ち下さい」

 

「分かった」

 

そういうと愛紗は一刀を席につかせ調理を始めた。

 

「一刀様今日行っていたお店明日一緒に行きましょうね」

 

「本当は最初に愛紗と行きたかったんだけどね桃香に引っ張られて行ったんだ。ごめんね」

 

「もういいですよ。そのお言葉が聞けただけでも十分です」

 

その後会話はなかったが一刀は幸せそうに愛紗の料理姿を眺めていた。

 

「出来ました〜!」

 

「やっぱり早いね」

 

愛紗は一刀と付き合うようになってから料理を覚えていった。

 

初めはお世辞にもおいしいとはいえなかったが最近は上達し本当においしく出来るようになった。

 

「今日は炒飯と餃子で〜す」

 

「おいしそう。いただきます」

 

一刀は早速食べようと蓮華を持とうとすると愛紗に止められた。

 

「一刀様!駄目です。食べさせたいので駄目です」

 

「恥ずかしいよ」

 

「恥ずかしくても駄目です。はいあ〜ん」

 

「あ〜ん」

 

恥ずかしそうに食べる一刀を見てうれしくなる愛紗であった。

 

「ご馳走様でした」

 

「お粗末さまでした」

 

「それじゃあ食器片付けよう」

 

「うん」

 

そういうと二人は仲良くイチャイチャと食器を片付け始めた。

 

まるで今まで会えなかった分・怒っていた分を取り戻すように二人は休暇中仲良く過ごした。

 

 

説明
初投稿です。初めて書きましたので多々読みにくかったり誤字脱字があると思います。温かい目で見てやってください。
キャラ設定は原作と若干変更しています。
キャラ設定
北郷一刀
天の使いで性格は一途愛紗とは恋人同士
愛紗(関羽)
武神と名高い勇将で性格は基本的には真面目だが一刀のことになると甘々になる。
しかし少しでも構ってあげないと病んでします。
一刀とは恋人同士
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コメント
いや?あの愛紗さん?恋を怯えさせる程の何かを出すってどんだけ?^^;セキトも鈍いんだか強いんだかw(深緑)
今度は病紗か・・・www(btbam)
ヤンデレ化 無印要素 恋人・・・面白い・・・昼ドラみたいな感じでw;(スターダスト)
いいですね〜(よしお)
これはなんとも・・・(スバル)
えっとこれは、いい話なのかな、パッピーエンド?(ヒトヤ)
タグ
真・恋姫無双 愛紗 一刀 

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