幻想?無双 第1章 新たなる出会い(カスミver.)
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「痛〜い。レイさん大丈…??」

「!!」

カスミが振り向くとレイがいなかったのだ。

代わりに黄色い布を頭に巻いた男三人組がカスミの前に立っていたのだ。

「かなりいい女だな」

「珍しい衣装です」

「いい金になりそうだな」

三人組はヤラシイ視線でカスミを見ていた。

しかしカスミ本人は恋人のレイがいないことで軽いパニックを起こしていた。

「レイさんどこにいるんですか?隠れてないで出て来て下さい。そんな意地悪しないで…?」

周りを見て違和感を感じた。

「???ここどこ?」

レイがいないことで周りが見えてなったので気付かなかったが騒いで冷静になるにつれてここが赤月帝国や隣国のデュナン地方

と違うのに気付いたのだ。

そして初めて三人組に気付き訊ねた。

「申し訳ありません。こちらがどこか教えていただけませんか?」

「そんなの気にするな。今から俺たちの物になるからな」

そういうと三人組はいきなり捕縛しようとしてきた。

しかしそこはカスミ。解放軍きっての忍びなので三人組の攻撃をひらりとかわした。

「いきなり何をするのですか?」

「捕まえるんだよ」

三人組は捕縛しようと何度も試みるがカスミに軽くかわされた。

三人組はとうとう怒り出して剣をふりだした。

「女だから俺たちのものにしようと思ったが予定変更だ!衣装だけでも貰って売捌くぞ!分かってると思うが服には血を付けるなよ」

「「おう」」

「あの〜教えてください」

カスミは攻撃をかわしながらどうすれば話を聞いてくれるか考えていた。

「せっかく上玉だからいろいろ使ってやろうと思っていたのによう」

この一言でカスミは切れてしまった

「私の身も心もレイさんの物です。貴方達に指一本触れさせん」

そういうとカスミは武器[葉桜]を持ち三人に向け投げつけた。

葉桜は円を描くように三人組を傷付けカスミのもとに戻ってきた。

「これでもまだやりますか?」

カスミは微笑みながら三人組に言った。

「すすすいませんでした〜〜〜」

三人組の一人はそういうとすぐに逃げ出した。

「アニキ待って下さい〜」「待ってくれ〜」

残る二人も後を追うようにして逃げて行った。

「さてとどうしましょう?」

カスミは三人組の背中を見ながらこれからどうするか考えていた。

こうなった原因はすぐに分かった。

ビッキーのテレポートが失敗したからだ。失敗自体はたまにあるのでいいのだが、問題はここが何所かという事だ。

いつもの失敗はロッカクの里に行くための抜け道に行ったり、遠くてもファレナ女王国首都のソルファレナぐらいで最悪またたきの手鏡を使えばすぐに帰れるのでよかったのだが、今回は全くおかしかったのだ。

場所が何所かわからないし、町も見当たらない。それよりレイがいないという事だ。

いくら失敗したといっても今までは仲間が離れ離れになることはなかったのだ。

そんなことを考えていると又違う三人組に遭遇した。

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今度は女の三人組であった。

一人はピンク髪で胸の大きい女性。

一人は黒髪のきれいな髪をした女性。

一人は赤毛でトラの髪飾りを付けた小さな女の子。

「あの〜」

ピンク髪の女性に声をかけられた。

カスミはちょっとびっくりしながら答えた。

「何でしょうか?」

「さっき黄巾党の方と戦ってましたけど大丈夫ですか?」

「問題ないですよ」

「そうですかよかったです」

「ところで申し訳ないのですがここは何処でしょうか?教えてくれませんでしょうか?」

「へ?」

「ちょっと仲間にテレポートを頼んだのですけど失敗してしまって気付くと此方に来てしまったので」

「?てれぽーと?」

「あと私以外にもう一人赤い服を着て緑の布で頭を縛った棍を持った男の方見ませんでしたか?」

「そのような方は見ていませんけどそれよりてれぽーとって?」

「そうですかって…?」

「…?」

カスミは何か違和感を感じた。

テレポートを知らないって。確かに実際にする場合特殊な紋章が必要なのだがしかしそれを知らないことはまずないはず。

「申し訳ありません。とりあえずここが何所か教えていただきたいのですが」

「ここは幽州啄郡。五台山の麓だ」

ピンク髪の女性の代わりに黒髪の女性が答えた。

「ゆうしゅうたくぐんですか?」

そんな名前聞いたことがなかった。

「そうですか。それであなた方はどうして此方の方に?見た限り山しかないですし」

「お姉ちゃん、なんか変なかっこなのだ」

赤毛の女の子が脈絡もなくそんなことを言った。

「ホントだねー。あまり見慣れない格好だね」

物珍しそうに私の服を見る赤毛の女の子とピンク髪の女性。

「これはロッカクの里の忍び服です。確かに珍しいと思いますけど知らないことはないと思うのですが」

「忍び服ってなに?」

「え!?」

「それに、なんだかさっきから、私の知らない言葉ばかり。……お姉さん、いったい何者なのかな?」

「何者って…まあいいです。私の名はカスミです。赤月帝国から国民を解放する為立ち上がった解放軍の将です」

自己紹介なんてことをしながら彼女の方を見ると不思議そうな顔をしていた。

「それであなたたちは?」

「私は劉備。字は玄徳!」

「鈴々は張飛なのだ!」

「関雲長とは私のことだ」

三人組は順に自己紹介をしてくれた。

ピンク髪の女性が劉備・黒髪の女性が関雲長・赤毛の女の子が張飛と名乗った。

「…………はい?」

確かレイさんと話した時に「三国志」という物語があると聞いたことがありレイさんの師匠のカイさんに本を見せてもらった

ことがあった。

その中の登場人物に劉備・関羽・張飛の名前があった。

もしかして、その物語のファンなのかしら?だからその登場人物になりきっているだけなのかしら。

「申し訳ありません。本当の名前を教えてほしいのですけど。あとこの場所についても」

「分からない人だ。先ほどからこの場所は幽州啄郡だと教えているではないか」

「お姉ちゃんってバカなのかー?」

「はい?」

張飛さんにバカと言われて、言い返そうとしたがよく見ると三人とも冗談を言っている雰囲気がなかった。

「あの〜……本当にそういう名前なのですね?」

「そういう名前なのだ!」

「うんうん。ウソなんてついてないよねー。…ホント、お姉さんって何者なの?」

「劉備さん、でしたね。ちょっと聞いて良いですか?」

「どうぞ♪」

「此処って…もちろんトラン地方ですよね?」

「とらん?とらんって何?」

「……」

まあいつものことと言えばいつものことですね。この反応は。

「では、今ってもちろん、太陽暦457年ですよね」

「たいようれき?」

やっぱりおかしい。最悪場所はいつも間違えるのでいいが太陽暦も知らないって…

「うーーーん…」

「それじゃあ私から質問していいですか?」

「はい」

「お姉さんはどこの出身ですか?」

「トラン地方のロッカクの里ですけど」

「やっぱり・・・。私たちの知らない言葉、服装・・・愛紗ちゃん!鈴々ちゃん!この人で間違いないよ」

「そうなのか〜!よかったのだ〜!」

「そうですね。確かにあの武はすごかったですし」

「あの〜」

「あ、ごめんね。実は私たち管輅ちゃんの占いでここまで来たの」

「占いですか・・・」

「そう。流星の落ちたところにこの世を平定する天の御遣いが現れるって。今黄巾党が各地を荒らしているの」

「そして、官軍は動こうとしない。このままでは民が痛い目をあうばかり」

「だから私たちは義勇軍を立ち上げて黄巾党と戦って民を守ろうと思ったの」

「そして天の御遣いにも助けていただこうと思った次第なのです」

「そうですか・・・。でも私は天の御遣いという物ではないですよ」

「そんな〜」

「でもその話私がいた世界と共通する部分も多いです。もし私のリーダーだったら直ぐにでも助けに行くと思い

ます。なので私が天の御遣いとなって役に立つなら使ってくれませんか?」

「でも〜」

「そんなことをして貴女は何の得があるのです」

「私はこの世界についてよく分かりません。なのでどうすればいいのかも分からない。なので皆さんに教えて欲

しいと思っています。それとこれは一個人の感情ですが私も将としていろんな戦いをしてきました。その力で皆

さんの世界が平和になるなら使いたいと思ったからです。」

「やっぱり・・・。天の御遣い様だね」

「そうですね」

「いや、しかし・・・」

「ううん。私がそう思ったの。」

「今の言葉を聞いて我ら姉妹心より思ったことです」

「あらためて、天の御遣い様。私たちと一緒になってこの世を平定していただけませんか?」

「分かりました。でも皆さん私のことはカスミと呼んでください」

「はい。カスミ様!改めて自己紹介しますね。私は劉備、字は玄徳。真名は桃香」

「我が名は関羽、字は雲長。真名は愛紗」

「鈴々は鈴々なのだ!」

「これから御願いします。ところで真名って何ですか?」

「真名とは本人が心を許した証として呼ぶことを許した名前で、本人の許可無く“真名”で呼びかけると、問答無

用で斬られても文句は言えないほどの失礼に当たるのです。」

「そんなすごいことなんですね。でもどうしてそのように大切な名前を?」

「それは説明した通り、カスミ様を信用したからです。なので私を愛紗、姉上を桃香、妹を鈴々と呼んでください」

「分かりました。改めてよろしくお願いします。愛紗さん、桃香さん、鈴々さん」

「はい」

「御意」

「分かったのだ〜」

「ところでお連れさんはどうします?」

「とりあえず周辺を探してみます。もしいなければ近くの町で聞いてみます」

「それじゃあ私も探すの手伝うよ」

「私も」

「鈴々も〜」

「ありがとうございます」

その後周辺を探したり町に行って聞き込みをしたが情報を得ることが出来なかった。

カスミの旅はまだこれからである。

 

つづく

説明
第1章カスミバージョンです。
こっちのあらすじはある3人組に保護される話です。
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コメント
レイは呉ですか、ところで他の水滸伝はいれるんですか?(4やら5やら)(sink6)
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