鬼ヶ島の鬼〜血染めの刃〜 第六話
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         ――――――――――悪魔を受け入れる覚悟はおありですか――――――――――

 

 

 

彼の姿に静まり返る玉座の間。異民族と悪魔の象徴である刺青と左右違う色の瞳。突きつけられたその姿に一同は動くこともしゃべることもできなかった。ただ一人を除いて。

 

 

 

「……………………」

 

 

 

恋である。一度戦場で背中を預けているため、受け入れるのも早いのだろう。とてとてと近づいた彼女は背中に回り抱きついて頬ずりしてからまた元の場所に戻っていく。

 

 

 

よくよく見てみれば彼女の軍師である音々音も言葉を発してこそいないが笑みを浮かべている。彼女もまた彼を受け入れているのだろう。軍師である以上それだけとは思えないが……

 

 

 

「恋さんがそんなに懐いているなら人格的な問題はないってことですか?」

 

 

 

「……(コクッ)徐晃、ちょっと不器用で口下手なだけ。悪い人じゃない」

 

 

 

「いや、それは呂布が言えたことではないと思うんだが……」

 

 

 

「ままま、そこは流しとき華雄」

 

 

 

呂布の後ろで華雄と呼ばれた女性と霞は小声で会話している。徐晃には聞こえていないが聞こえていたなら激しく同意していたに違いない。

 

 

 

「そうですね。恋さんが問題ないというのなら間違いはないでしょうし……」

 

 

 

「ちょ、ちょっと月!本当に受け入れるつもり!?そんなことしたらどんな汚名を「でも詠ちゃん、恋さんが問題ないって言ってるんだよ?」そ、それはそうだけど……し、霞達はどうなのよ!」

 

 

 

君主のことを何よりも優先するらしい詠は汚名を着せまいと霞たちに話をふる。しかし、

 

 

 

「うちはかめへんで。月のいうとおり恋の野生の勘が問題ないっちゅうてるんならその通りやろし、個人的にも興味あるしな」

 

 

 

「私もかまわない。主が決めたのならそれに従うまでさ」

 

 

 

「それに詠殿、彼を幕下に加えれば『董卓はその徳によって異民族の鬼を従えた』という風評を得ることができるです。汚名を着る前に噂を広げることができれば……」

 

 

 

「うううう…………」

 

 

 

しかし一縷の望みもあっさり突き崩され、さらに利点までも言われてしまえば反論するすべはない。

 

 

 

「詠ちゃん、ダメ?」

 

 

 

「ああ、もう!わかったわよ。降参降参。そのかわりねね!風評を広めるのはあんたがやんなさい!いい!?」

 

 

 

「ハイですぞ!」

 

 

 

そこに主の拝み倒しだ。損よりも得が大きく、主より頼まれては彼女の性格上断れなかった。せめてもの意趣返しと陳宮に難題を押し付ける。快諾されてしまったが。

 

 

 

「では、返答をお願いします」

 

 

 

荀ケのその一言に月は笑みを浮かべ、

 

 

 

「徐晃さん、荀ケさん。あなたたちの力を私たちに貸してください」

 

 

 

そう告げた。

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「では改めて。私の性は董、名は卓、字を仲穎、真名を月といいます。よろしくお願いしますね」

 

 

 

「……ボクは賈?文和。真名は詠」

 

 

 

「ウチは張遼文遠。真名は霞や。よろしゅうな!」

 

 

 

「華雄だ。真名は時雨という。できれば華雄と呼んでくれ」

 

 

 

「呂布奉先。真名は恋」

 

 

 

「ねねは陳宮公台!真名は音々音ですぞ!」

 

 

 

次々と自己紹介を済ませていく董卓軍の面々。

 

 

 

「荀ケ文若。真名を桂花と申します」

 

 

 

「徐晃公明。真名を緋雲と申します」

 

 

 

それに続くように二人も真名を預けた。

 

 

 

「お二人とも、そんな風にかしこまらなくてかまいませんよ。普段通りにしてかまいません」

 

 

 

二人のへりくだった態度が気になったのかそう告げる月。

 

 

 

「ですが私たちはあなた様の部下「それでも、です」……」

 

 

 

徐晃がそう反論しようとするもあっさりつぶされる。絶句する徐晃。

 

 

 

「あきらめてぇな緋雲。これがうちらの主なんよ」

 

 

 

「まぁ、あきらめろ」

 

 

 

「主の命令よ?従わない気?」

 

 

 

「ふぅ。仕方がないか。これでいいのか、月」

 

 

 

「こんな王は見たことないわ。ま、鬼を従えるならこれぐらいの度量はなきゃダメか」

 

 

 

詠の一言に陥落した二人。苦笑いを浮かべている。

 

 

 

「はい♪」

 

 

 

「月のお願いには誰もかなわへんなぁ。うちらもやけど」

 

 

 

返答を聞いた緋雲と桂花は再び膝まづく。

 

 

 

「?どうしたんですか」

 

 

 

戸惑う月。そんな彼女に、

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『我らここに誓う!今この時より我ら二人は己がすべての武をもってあなた様をお守りし、すべての知謀をもってあなた様の願いを実現し、あなた様を決して裏切らぬことを!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、誓いの言葉を口にした。

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えー、長らくお待たせしてしまいまして申し訳ございません。約一月。その間実家に帰っていたのですが帰った次の日から雨が続いていまして、雷が鳴るほどでした。

 

まあ落ちはしないだろうとたかをくくって更新作業を続けていたのですが、

 

 

 

 

 

             落ちました\(^o^)/

 

当然家は停電。パソコンも電源が落ちました。ブレーカーをあげて再起動したら

 

 

 

 

 

           パソコンがイカれてました(T_T)

 

修理に出して先日ようやく戻ってきたパソコン。ようやく更新ができました。どんな理由だろうとお待たせしてしまったことは事実。この場を持ってしてお詫び申し上げます。

 

 

 

 

          本当に申し訳ございませんでした!!!

説明
約一か月ぶりの更新……
お待たせして(待ってる人がいてくれればいいなぁ)申し訳ありません!

実家に帰っていたのですが落雷でパソコンがイカれました……(T_T)
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コメント
kiramoko様、全力でやらせていただく所存です!(紫炎)
更新頑張ってください!(KiramoKo)
とんぷ―様、イカレなくてよかったですね。徐晃はこれから黄巾、反董卓連合と立て続けに困難にぶつかります。いかに潜り抜けるか、楽しみにしていてください。(紫炎)
お帰りなさいです。自分もつい昨日、パソコンが落ちました…(涙 幸い熱で落ちただけなので、イカレはしなかったですけど心中お察しします。鬼がこれからどうなって行くのか、楽しみに待たせてもらいます。(とんぷー)
砂のお城様、察していただけますか。うれしいです。徐晃の真名ですがそれだけでなく、月は太陽がなくては輝けません。なので董卓=月とおいてそれを輝かせる太陽=日。加えて時として月をおおい休ませ、時に雨を降らせる雲。そこに砂のお城様のおっしゃる意味を踏まえ、日を緋と転じ、緋雲としました。かっこいいと思っていただけたら幸いです。(紫炎)
nigekati様、また更新できて、そして暖かいコメントをいただけただけであきらめなくてよかったと思えます。まさに感無量……(紫炎)
その気持ちわかります。私もデータが吹っ飛んで、やる気がなくなったことがありますから・・・。紫炎様はその様なことにならない事を願っています。(nigekati)
よーぜふ様、あの時はマジ泣きしましたよ……九割出来上がってましたからねぇ(紫炎)
おまちしておりました。 どんまいです・・・(よーぜふ)
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