それがあなたの望むことならば~雛から凰まで~二十歩
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愛紗side

 

昨日、一成殿が無事に逃げるのを確認して、官軍に降伏して捕まったことまでは予想のうちだったが、

 

この人は一体何をいっているのだ?

 

「断る。私は、既に主君が居る身。それに、人を「もの」扱いするように人間に仕えるつもりはない」

 

「何だと!」

 

昨日戦った夏侯惇将軍が直ぐに反応を見せる。

 

自分の主を冒涜したと思い、私に剣を向ける。

 

「控えなさい、春蘭」

 

でも、曹操がそれをやめさせた。

 

「ですが華琳さま、こいつが華琳さまに無礼な真似を……」

 

「無礼なら、会ったばかりの者にこんなことを言った私が先にしているわ」

 

「それを知っている上に、そんなことを言ったというのか?」

 

呆れるな。

 

「ええ、有能な人材を集めるには目がないのでね。それに…その美しさと、主君を想う心。益々欲しくなるわ」

 

こ、こいつは…!

 

私の本能が叫んでいる。この人、曹操は危険だ。

 

「もう一度聞くけど、関羽?私のものになりないかしら」

 

「返答は同じだ。お主などの将にはならん」

 

「華琳さま、このような者がいなくても華琳さまには私が…」

 

「あら、春蘭。妬いてるの?」

 

「なっ!や、妬いてなんて……」

 

曹操の言葉に夏侯惇は顔を赤くした。

 

「華琳さま、もうそれほどになさってください。姉者も、そんなに警戒することはない」

 

その時、黙っていた水色の髪の女は口をあけた。

 

「む?どういうことだ?」

 

「…華琳さまがこの者を部下に入れるというのは真ではない」

 

「あら、私は本気よ。ただ、関羽の主君がもし器がなっていない者だったら……と思っただけよ」

 

「どういうことだ?」

 

私が聞けば、

 

「あなたのことについては既に調べている。関雲長殿。河北でかなり名声をあげているらしいな」

 

「知っていたのか?私のことを…」

 

「河北の三人の女神と言ったらここでも有名だからね。何故この陳留にいるのかはわからないけど、そういう名声を持っている者が、たとえ理があることだとしても、私が治める地で騒ぎを起こしたのだから、その罰は受けてもらうわよ。

 

あなたの主人にね」

 

「!!」

 

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一成side

 

うへぇ…何か豪奢なところだ。

 

「キャハー、一成ちゃん驚いたみたいだねー」

 

「うん、何か…はじめてみたから。内城はこうなってるんだね」

 

外の街のにぎやかさから離れたこの場所は、とても静かで、とても綺麗で……

 

「キャハー、まぁ、奏の家の庭には敵えないけどね」

 

…奏お姉ちゃんの家の庭ね。

 

「…庭って、あの茸生えてるところのこと?」

 

「いいじゃない?茸?」

 

そういう問題じゃないし。しかも全部毒キノコだったし。

 

育てるんじゃなくて生えるのそのままおいておいたんでしょう?何でそんなの家においておくの?

 

手当てしてないってほどの問題じゃないよ?ただでも鬼でてきそうな家なのに。

 

 

 

「キャハー、ここだね」

 

城の真ん中の一番大きいお殿。

 

つまり、会議場があるはずの建物の前で奏お姉ちゃんは言った。

 

「本当に大丈夫なの?何かこう…受付とかは?」

 

「キャハ?受付?何それ?入ったらいいよ」

 

え?

 

「ちょっと通りますねー」

 

奏お姉ちゃん!?

 

「……」

 

警備の兵士さん?仕事して!?

 

 

 

 

 

 

 

「曹操さーん?奏きましたよー?」

 

 

 

 

「あら、来たの?待っていたわよ」

 

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「一成殿!」

 

中にいたのは、縛られている愛紗さん。

 

そして、高いところでこっちを見ている人が、多分曹操。

 

本当、金髪でクルクルだ。

 

……

 

…ところであの髪型って、どこかで見覚えあるんだけど。

 

 

 

「キャハハー、ちょっと寝坊をしちゃいましてねー」

 

「…相変わらずね、あなたは」

 

そして、奏お姉ちゃんは、何だか長くしったようないい振りで曹操さんと話合っています。

 

「そういう曹操さんも、まぁ相変わらずお偉いさんみたいなお顔で…」

 

「!!貴様!」

 

そういいながら大剣を差し向けたのは、昨日街で私を捕まえようとした人。

 

「キャハー、夏侯惇さんも相変わらずですね」

 

「貴様、私ならともかく、華琳さまを愚弄する真似は許さんぞ!!」

 

「脳筋」

 

「何ぃ!!!」

 

うわぁ、奏お姉ちゃんやめて、怖いから。あの人私、すごく怖いの。

 

「で?ここまで来た用件は?」

 

「か、華琳さま……」

 

無視されたことに文句有りげな顔をする、夏侯惇さん。

 

そっかあの人が夏侯惇なんだ。両目ちゃんといるんだね。

 

「姉者、気持ちはわかるが今は少し黙っていてくれ」

 

「秋蘭まで……」

 

夏侯惇さんを姉者と呼ぶあの水色の髪の人はさては夏侯淵さんですね。

 

主君にだけでなく、妹にまで無視された夏侯惇さんは完全にへこんじゃってますが、ここは私も無視することにしたほうがいいですね。

 

目を逸らして愛紗さんを見ます。

 

愛紗さんもこっちを向いてます。

 

「……」

 

少し待ってください、愛紗さん。

 

直ぐ助けてあげます。

 

「キャハー、知ってるくせに…実はそこのお姉ちゃん、奏の友たちの知り合いなんで、実は昨日この子が、」

 

私を前に出しながら、奏お姉ちゃんは話を続けました。

 

「私をいかさま賭博をしてる人から庇ってあげようとしたのを、夏侯惇さんが微妙なところで入り込んできて……」

 

「うっ……」

 

「そしてそこにいる子を助けようと、関羽が春蘭と戦い始めた」

 

「キャハー、そういうことになりますね…」

 

うっ!目が私に移った。

 

「お、おはつっ!」

 

!?

 

「うん?」

 

「…お、お初にお目にっ!」

 

!?

 

「??」

 

……ブルブル

 

「あわわ……」

 

舌が、舌が……

 

落ち込んで俯いてお嬢様ガード。

 

「何なの、あの子は」

 

呆れたような言い草でため息をつく曹操さん。

 

「えーと……この子北郷一成ちゃんと言います」

 

「大丈夫なのか?」

 

「大丈夫ですよー、ちょっと、緊張してるだけで」

 

最近噛んでないから油断してたぁー。雛里お姉ちゃんや知り合いの人ばかり会ってたから最近噛んだことなんて……

 

噛んだことなんて……

 

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華琳side

 

何だか俯いて震えてるけど、大丈夫かしら。

 

北郷一成といったかしら。何とも不思議な名前ね。

 

と、相手の心配をしている場合ではなかったわね。

 

はぁ……元直、あの子と話をしていると心の余裕がなくなるわ。

 

最初に出会った時は、有能な人材と思ったけど、中々手強い子よ。

 

何より、もの事をいつも先の何手まで計る能力。

 

欲しいと思う一方で、恐ろしいと思ってしまう。

 

私がまだあの子を欲しいと思っているのは、きっと欲しいからじゃなくて、敵に回したくないという気持ちが強いんでしょうね。

 

「キャハー、まぁ、それはそうとしてですね。最近奏の家に人呼ばないようになりましたね」

 

隣の子の肩を叩いて立たせながら、元直は話を続けた。

 

「ええ、こっちもいつまでも、嫌という人を捕まえようとしてる暇はなくてね」

 

あなたの家に私の部下を出したら、皆半狂人になって帰ってくるもの。できるわけないでしょ?

 

それに、

 

「キャハー、代わりに見つけた猫耳の子が随分と気に入ってるみたいですねー」

 

ええ、桂花…軍師になって日は浅いけれど、

 

「さぁー、取り扱えない野良猫よりはマシでしょうよ」

 

「キャハー、野良猫一匹もちゃんと手のひら中で遊ばせられなくては、今後の曹操軍のことが心配ですねー

 

「!!」

 

「何せ、次善策でしかないですけどねー。何故桂花のことを知っているの?

 

私も見つけて何日経ってないというのに…!

 

「キャハー、何で解ったの?って顔?いいですよ、すごくいいのですよー。奏曹操さんのそんな顔すごくいいのですよー」

 

「っ」

 

「貴様!」

 

春蘭、また無意識に剣を出したわね。

 

「春蘭」

 

「うっ!ですが華琳さま……」

 

「はぁ……春蘭、下がってもいいわよ」

 

「は……はい」

 

春蘭はしゅんとなって後ろに下がった。

 

ごめんなさい、春蘭。後で閨で慰めてあげるわ。

 

しかし、あの子も随分と人を馬鹿にしてくれr…うん?

 

ぎゅっ

 

元直…あの子の袖を掴んでいるわね……

 

 

 

………なるほどね…

 

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一成side

 

奏お姉ちゃんになお立たされて、正面を見ていたら、前を見ながら笑っている奏お姉ちゃんの右手が私の袖をぎゅっと掴んでいました。

 

「……」

 

奏お姉ちゃん

 

 

 

 

「…ええ、あなたの言うとおりね。で?それがどうしたの?」

 

「別に何とも?…ところで、曹操さん。そんないい軍師さんは見つけたし…後は見せ場ですけど、そろそろ黄巾党の本拠地は見つけたところですよね?」

 

なんともないように話を続ける奏お姉ちゃん…って、黄巾党の本拠地?

 

「……いえ、まだよ」

 

「えええ??」

 

黄巾党の本拠地?そういうところがあるの?

 

「ダメじゃないですかー、曹操さん。そろそろ見つかってるところじゃないと…」

 

「そういうあなたは知っているよういい振りね……そう、それがあなたの切り札なのね」

 

「キャハー、曹操さんは話が早くていいですよー」

 

曹操さんの顔が硬くなります。

 

 

 

 

「その程度で私をどうとかできると思ったのかしら」

 

 

 

!!

 

場の、空気が変わった?

 

「キャハー、曹操さんこわーい」

 

何ともないように放し続ける奏お姉ちゃん。

 

そして、私の袖を掴んだ手に力が入ります。

 

「奏がせっかく情報提供しちゃうのに、あんまりですね」

 

「黄巾党の本拠地なんて、私たちももう直ぐでわかるわ。桂花も調べているしね」

 

「キャハー、その猫耳子がですね?いくら経つでしょうかねー。一週?二週?その間に誰かに持っていかれますよ?」

 

「……」

 

「例えば…誰かとっても頭のいい誰かさんが河北の袁紹さんとかに教えてあげちゃったら、どうなるんでしょうかねー?」

 

「……!」

 

場の空気が更に重くなっていきます。

 

「それに本拠地と言ってもですねー。神出鬼没な黄巾党ですから、また他のところに移っちゃうかもしれませんしねー。今のうちにやっちゃったら、曹操さんにもいいでしょう?」

 

「で?それを教えるから関羽を放しなさいって?冗談じゃないわよ、元直。しかも、あなたは関羽と何の関係もないはずだわ」

 

何の関係のない人と取引きをする気はない。そういうことですか。

 

私が何とかしないと、愛紗さんは…

 

「キャハ?友たちの友たちの関係ですねー」

 

「なら、その「友たち」の方の人に聴いて見ましょうか」

 

あわっ?いつの間に話の矢先が私に?

 

「あなた、……そう、そういえば妙な名前だったわね。秋蘭?」

 

「解りません、調べてみたところでは、何も…」

 

「そんな無名の人間なのに、関羽が命を賭けて助けようとした。これはどういうことかしらね…?」

 

うっ…あの人……

 

私が桃香お姉さんたちと行動をしたのはせいぜい一ヶ月ほど。曹操さんが私を知らないことも無理はありません。

 

でも、ここで私が正体を明かさないと愛紗さんは……

 

「言って御覧なさい。あなたは誰?もし隠すつもりなら、関羽の件はなかったことで…」

 

「!一成殿!」

 

愛紗さんがダメといいたそうに叫びました。

 

……

 

でも仕方ありません。

 

「そ、曹操さん。私は…」

 

 

 

「華琳さま!!」

 

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華琳side

 

北郷という子が正体を明かす際に、桂花は入ってきた。

 

「どうしたの、桂花?随分慌てているようね」

 

「斥候に放った者たちが戻りました。黄巾党の本城を見つけたそうです!」

 

「! それは本当なの?」

 

「キャハー、思ったより早かったですね。猫耳の軍師さん」

 

桂花を見て元直はいつもの笑いをしながら言った。

 

「?あ、あなたはこの前の…!」

 

「キャハー、あの時は楽しかったですよー」

 

「桂花、元直を知っていたの?」

 

「いえ、その…別に良く知っているわけでは……」

 

「キャハー、あの兵糧の件の時は楽しかったですよー」

 

「なっ!」

 

兵糧の件?それなら確か、桂花を見つけた時のあの……

 

「桂花、元直と面識があったの?」

 

「い、いえ、特にそういうわけでは……」

 

「キャハー、それで、軍師さん、その黄巾党の本城というのは、一体どこにあるんでしょうかねー?」

 

「あなたに教える義理なんて「濮陽」!?何でそれを…!」

 

「キャハー、当たったー!」

 

元直が隣の北郷を見ながらはしゃぐ

 

「桂花?」

 

「…はい、濮陽のある城に、黄巾党の輸送部隊が集まっているとのことです。間違いありません」

 

「そう…」

 

元直、本当に知っていたようね。だけど、もうそれは取引きの条件でもなんでもなくなったわ。どうするつもりかしら?

 

「…で?」

 

と思ったら、直ぐに顔を真剣にして桂花を見る元直。

 

「でって何よ」

 

「どう攻めるかは考えているんでしょうね?」

 

「そ、そんなこと、あなたに聞かれて話すはずないでしょ?」

 

「キャハー……どうせ、知った途端に曹操さんに褒美をもらえようと突っ走ってきたくせに」

 

「なっ!?」

 

桂花………

 

「そ、そんなこと…!」

 

「桂花」

 

私に呼ばれた桂花は慌てながら、

 

「た、確かに策はまだありません。まだ情報が全て整ったわけではないですから…けど、もう少し時間があれば」

 

「その時間、ないんですけどねー」

 

「!」

 

「どういうことかしら、元直」

 

「キャハー、今頃なら、濮陽にいる兵の数は約十万ってところですねー」

 

十万?けど、それほどの兵が一つの城で篭っていれば……

 

「確かに曹操さんの思い通りに、それほどの兵が一つの城にいることはやや危険ですね。普段なら」

 

「どういうこと?」

 

「この前、河北の袁紹さんが、黄巾党に穀倉地を一つ乗っ取られちゃいましてね…」

 

!?

 

「多分、そこから補給されたら、もう濮陽に兵が十万いるか二十万いるか関係ないんですよねー」

 

「何ですって?どうしてあなたがそんなことを知っているの?」

 

「キャハー、奏は嘘は口にしませんよぉ?」

 

確かに、あの子は口は悪いけど、的確でないことを言うことはないわ。

 

麗羽のところの話は本当だと思ってもいいでしょう。

 

あの麗羽がね……黄巾党が既にそれほどの力をまとめたというの?

 

「まぁ、十万と言っても、また補給は不完全ですから、実際戦力はせいぜい3万といったところでしょうねー」

 

「あなたはどうしてそこまで知ってるのよ」

 

「キャハー?」

 

……いつもそう。この子は、このような情報をどこから集めてくるのかしら。

 

「キャハー、まぁ奏の言いたいことは、攻めるなら今のうちってことですよー。今この時期を逃したら、後は攻められて城落とされるだけ?って感じですね」

 

濮陽と陳留の距離はそれほど遠くはない。相手の狙いがこっちだとは思わないけれど、徐州には父上がいる。どっちにしろ今直ぐに動くことにしないと……

 

「桂花、今から動ける兵は?」

 

「は、はい、明日の昼まで一万、明後日まで二万五千、といったところです。

 

足りないわね……

 

兵の数は何とかなるとしても…

 

「キャハ?」

 

うっ……

 

元直がこっちを見ている。

 

……そう、これがあなたの狙いだったのね。

 

「あ、あの!」

 

うん?

 

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一成side

 

やるなら今しかない。

 

3万……

 

陳留で動ける兵の数は、大きさと街の状況から見ると最大3万強。

 

ところが奏お姉ちゃんの言うとおり、時間を争う状況なら、兵の数とすばやさを考えて一番効率的な兵の数は二万と少し。

 

相手がたとえ城の中にいるとしても、その兵たちの質が疲弊しています。

 

ならここで必要になるのは、敵を混乱に落とす策。

 

後は、優秀な将の存在。

 

的確な判断で部隊を動かし、しかも存在だけでも兵たちの士気を高揚させるほどの良将が必要。

 

曹操さんの全力は今どれほどでしょうか。

 

どの道やってみるしかありません。

 

「私、私たちも、黄巾党の本拠地攻撃に参加させてください!」

 

「あなたたち、というのは?」

 

「そこにいる愛紗さんを含めた河北の三女神劉備さん、張飛さんに、私とまた一緒に勉強した鳳士元さんです!」

 

「一成殿?」

 

愛紗さんが驚いている様子だけど、今はこれしかありません。

 

ある切り札を全部曝け出してダメだとしたら、何をしてもだめだというもの。

 

「あなたに何ができるというの?どうして私があなたたちを使わなければないのかしら」

 

「先ずは、今の状況、黄巾党を素早く壊滅させるには、兵の数で勝つよりも良将の力で押し切ることが必要です」

 

「…確かにそうだよね。けど、あなたたちには自分たちの軍もないわ。兵を貸せというのなら断るわよ」

 

「キャハー、どうせ二万五千も動かせる将のないくせに」

 

「っ!?」

 

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華琳side

 

元直……

 

「許緒でしたっけ?あの子はまだ一人で部隊を動かすには経験不足ですよねー。後、最近新しくいれた楽進のような人たちも、イマイチ主将として出せるには不安要素があります」

 

確かに、季衣は強いけど今回みたいな舞台で一人で動かせるのは少し戸惑ってしまうわね。

 

少しでも失敗したらこちらもただでは済まない大きな戦争となるだろうから。

 

凪たちなら頼んでもいいかもしれないけど、それでも支える策士が足りないわね…

 

ああ、やっぱりあの子には、私たちのことを知られすぎているわ。早くなんとかしないと……

 

「そうね…けど、関羽や張飛はそうだとしても、北郷、あなたに何が出来るのかしら」

 

「私と鳳統お姉ちゃんは、盧植先生のところで、軍略家としての勉強をしていました」

 

「盧植から……確か、盧植は何年前、病気で塾をやめたと聞いたけど」

 

「はい、その二年間、私たちは盧植先生と一緒にいながら軍師としての勉強をしました。曹操さんが心配している人手不足の問題を、解決することができるはずです!」

 

……

 

 

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奏side

 

キャハー、後一押しが足りませんね……

 

ちょっと…嫌だけど、一成ちゃんがここまでしてくれたわけだし……

 

キャハ、もうちょっとだけ助けてあげてもいいかなです。

 

「はいはい、奏、今回手伝ってくれたらここに仕えちゃいまーす」

 

「!!」

 

「奏お姉ちゃん!?」

 

まぁ、そんなにびっくりしなくても?

 

「これでどうですかー、曹操さん?欲しいでしょ?奏のこと」

 

「………」

 

キャハー、断れませんよ。だって、ここで奏を敵に回すことなんて、曹操さんにできないですもの。

 

「……秋蘭、関羽の捕縛を」

 

「御意」

 

乗った!

 

「二人の条件を引き受けましょう。元直、あなたの話、桂花に話して二人で詳しい策を話し合って今日のうちに私に報告なさい」

 

「華琳さま?」

 

「キャハー、りょーかいでーす」

 

猫耳さんと一緒にですか。キャハー面白そうですね。

 

「そして北郷」

 

「はい」

 

「あなたには後で話があるわ。元直の家から劉備たちを連れてくる間、部屋を準備させるからそこで待ってなさい」

 

「…はい」

 

キャハ、曹操さん、まだ一成ちゃんのことを疑ってますね……

 

まぁ、奏はこれで恩は余るほど返しましたしー、もうただでは手伝ってあげませんけどね。

 

 

 

 

……はぁ…疲れたよぉ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
華琳さんはやっぱり苦手です。

色々と……苦手です。
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タグ
真・恋姫無双 恋姫 一成  華琳 愛紗 春蘭 桂花 韓国人 

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