そーさくしんわ Nido del Dragon そのいち
説明
神が一つの点から宇宙を創造して幾許もないころ、神の爪より1体の竜が作られた。
竜の使命は、神が作りし箱庭・・・宇宙の監視だった。
星々の動きを司り、宇宙の成長速度を変え、箱庭を形作っていく。
そうして長い時が過ぎた。宇宙は安定を迎え、竜の使命は果たされた。

竜はすることがなくなった。
監視以外に、神から与えられた使命もなかったし、神のご意志を知るすべも、竜にはなかったからだ。

竜は、仄暗い海を彷徨った。
使命があった時は何も思わなかったが、目的も無く彷徨うには、この広い暗闇はあまりに孤独だった。

神のために作った輝く星々も、銀河も、それらの営みも、竜に語りかけてくれることはなかった。

孤独は、竜を苦しめ続けた。

その苦しみは、心臓を引き裂くようだった。孤独を感じる度、目の奥はチリチリと熱くなり、全身の筋肉は硬直した。

竜は、苦しみから逃れるように飛び続けた。

宇宙の果てまでいけば、いつか孤独も置き去りにできると思ったからだった。
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