無真・恋姫無双 二話~忘れていたこと~
[全10ページ]
-1ページ-

<WARNING>

 

 

本作品、無真・恋姫無双の作者は外国の人です。主に韓国人だったりします。

 

 

故、文章が下手だったり、その以前の問題として文法的に間違っている可能性もあり、しかもそれを作者本人では見切れないという深刻な状況を生み出すことがあります。

 

 

尚、本作品には北郷一刀は出演しないか、助演級に出されることを予想しております。

 

 

オリ主の作品が拒まれる方は「戻る」を押してください。またはマウスを右ボタンをクリックしたまま左へドラッグしてください。

 

 

作者は三国志演義及び正史についてあまり知識をお持ちしておりません。

 

オリ設定の中で歴史的な過ちを侵す可能性があります。

 

 

かなり危なっかしい作品ですが、それでもあなた様が「>」をクリックなさるのなら、私に止める術はないでしょう。

 

 

どうぞ、新しい外史の扉、お開きください。

 

-2ページ-

 

??「ほれ、お前たち、何をしておる!」

 

桃香「や、宿主さん!」

 

宿主……?

 

宿主「む?そこにいる男は…」

 

愛紗「あ、いやー、この人は……」

 

宿主「…まあ、ええわ。そんなことより、今日はちゃんと払ってもらうぞ?宿代」

 

愛紗「うっ」

 

……まさかとは思うが、家賃を払ってないのか?

 

宿主「今日までにお代を払わないと、体で働いてもらう約束だったからな…約束は守ってもらうぞよ」

 

桃香「ああ、ちょっと待ってください。実は……」

 

宿主「問答無用じゃ」

 

……それにしても、

 

少々耳障りだな。あの爺の声は。

 

後ろに見たら何だか血気な男たちもいるようだし……ふむ。

 

何か不穏な空気を感じるな。

 

 

 

-3ページ-

 

 

 

さっ!!

 

さっ!!

 

 

タタッ!

 

宿主「ひいっ!」

 

狙った双短剣は、背中の傷のせいなのか少し外れた壁に当たってしまったが、もういいだろ。

 

愛紗「!お前何を……」

 

影子「そいつらを宿代の代わりに持っていけ」

 

宿主「な、なんじゃと?」

 

影子「名剣…とは言えんが、かなりの入魂の一品だ。物を見る目があるやつに売れば相当の金額になるだろう。先ずはそれを持っていくといい」

 

三姉妹「「「!!」」」

 

宿主「この剣は…なかなかいい模様をしておるな」

 

影子「いい主の手に振ればいい武器となり、いい匠に会えば…また新しい何かになってくれるだろう。大金持ちの奴らに売るのだけは勘弁してくれ」

 

私の剣があの豚どもの家の飾りになるのは見たくないからな。

 

愛紗「待て!お前、あれはお前の武器なのだろ?」

 

影子「それが何だ?」

 

愛紗「自分の武器を売るやつがどこにいる!それに、これはお前とは関係ないことだ」

 

影子「そうか?どうやらお前たちにお金がないことに、私も少しは関係があるようだが」

 

愛紗「うぅぅ……」

 

胸にある包帯をさしながら言えば、関羽も黙り込む。

 

これに薬とかも買ったら相当の金額だっただろう。

 

宿主「…良い、これで宿代は払ったことにしよう」

 

影子「感謝する」

 

そして、宿主は部屋を出た。

 

 

-4ページ-

 

 

影子「……さて、先の話の続きだが……うん?」

 

愛紗「……」

 

鈴々「にゃ……」

 

桃香「……」

 

…やれやれ、これは、とんでもない失礼をしてしまったな。

 

影子「命を救ってくれた恩に比べれば、易い御用なはずだ」

 

桃香「……」

 

うーむ、流石にやりすぎたかも知れん。

 

どうするか。とりあえず謝罪して

 

影子「す、」

 

桃香「ごめんなさい!」

 

…は?

 

桃香「剣のことは、たsたちが必ず取り戻します!」

 

影子「あ、いや…だから、これは、命拾いの恩返しに……」

 

愛紗「何を言うか!自分と戦場を共にした武器なんだぞ?そんなものを家賃代わりにするなんて…」

 

影子「命よりは軽い。何より、私はあんなおじいさんと話してるより、お前たちの話にもっと興味があるのでな。できるだけ早く済ませたかっただけだ」

 

愛紗「……」

 

影子「私は初見の人のために獲物を売り、お前らは自分たちを脅威した男を生かし、自分の金を払ってまで治療した。変人はどっちだ?」

 

鈴々「両方変なのだ」

 

愛紗「鈴々!」

 

影子「くっ!違いない」

 

私もこの英雄たちも、冷血漢にはなれないことだ。

 

 

-5ページ-

 

部屋のテーブルに丸く座った私たち。

 

桃香「あの…本当に武器のことは…」

 

影子「気にしなくていい。縁が深いやつだ。匠に渡されて溶かされなければ、またいつか会えるだろう」

 

桃香「あ……」

 

影子「そんなことより……何故私があのようなところにいたのか、誰か知っている人はいないか?」

 

愛紗「……心当たりはあるが……」

 

影子「何だ?」

 

愛紗「……」

 

どうやらあまり言いたくないようだな。

 

鈴々「あのね、お兄ちゃん?」

 

影子「何だ?」

 

鈴々「お兄ちゃんが天の御使いなのだ?」

 

 

 

……この三人は人を変な方面で驚かせることがうまいな。

 

影子「はい?」

 

桃香「あのですね。こういう噂を知ってますか?」

 

影子「どういう?」

 

桃香「流れ星と共に落ちてくる天の御使いが、乱世を沈め平和を取り戻してくれるという管輅ちゃんという占い師の占いです」

 

影子「いや、知らんな……それで、あれか?真昼間に流星が落ちて、落ちたところに言ってみたら、そこに私がいた、と」

 

桃香「はい」

 

影子「それで私が天の御使いだと」

 

鈴々「なのだ」

 

影子「……こんな黒い男が天の御使いでたまるか?」

 

愛紗「否」

 

桃・鈴「愛紗(ちゃん)!!」

 

そして、この人はまたばっさりと言うな。

 

 

-6ページ-

 

 

愛紗「しかしだな。こんな輩が天の御使いなわけがなかろ」

 

影子「確かに、人の見た目は大事だな。何より、初見であれだったし、天の御使いという名前はおろか、好感を持つことすら厳しい話だ」

 

桃香「でもでも、影子さんは実はいい人ですよね?私たちのために剣まで売りつけてくれましたし」

 

鈴々「戦ってた時も、本気で鈴々たちを傷つけようとしたわけじゃないのだ」

 

影子「まぁ、異議はないが」

 

それにしてもそんな胡散臭いものを本気で信じているのか?

 

しかし、天の御使いだのイエス・キリストだの、信じる人がいなければ意味はない。町のこじきも自分が天から来たとは言える。

 

要は、時は人にそれを可能にするか否かによって効能が異なる、そして、天の御使いと名乗るべきものは、それほどの人徳と慈愛心を持たなければならない。

 

……私には分に過ぎる話だ。

 

桃香「じゃあ、影子さんがやっぱり天の御使いさんなんですよね?」

 

影子「仮に私が天の御使いだとして、劉備玄徳、あなたは何がしたい」

 

愛紗「桃香さまと私たちがやりたいことはただ一つ。それは、」

 

影子「それは?」

 

桃香「力無き人たちを守り、平和な世の中を作ることです。私たちは、弱い人たちが苦しむことを無念で見ていることが我慢できなくて、こうして立ち上がったんです」

 

影子「…!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

影子「力の無い人たちの矛となり盾になろう。それが、残された私たち、能のある私たちが成すべき仕事だ」

 

 

 

影子「皆を平和にできる力を持ちながら、それを自分の欲望を満たすために使う者たちよ!我らに怯えるが良い!」

 

 

 

影子「私たちが生き残ったことには訳があるはずだ。その訳を探すまで私は前だけを見る。そして、二度と私たちのように泣き苦しむ人たちがいないようにする」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

影子「………弱き者たちを助け、平和な世界を作る…」

 

桃香「はい」

 

…どこかの馬鹿を思い出させる言葉だな。

 

及ばん力を振り絞り、人たちを助けようとする。

 

そして、その先の道はあまりにも遠くて険しい。

 

その道は人の純粋さを失せ、その人が最初に持っていた願望を歪ませる。

 

結局、三国志の劉備もそうだった。

 

ただ良き心がけを持つことだけでは、できないことだ。今の劉備が、そして昔の私がやったことは。

 

が、

 

………

 

影子「そうだな。それはとても良い目指しだ」

 

桃香「でも、私たち三人だけじゃどうすることもできない。何から始めればいいのかも解らない。だから、管輅さんの占い通り、天の御使いという人を探していて、そして、こうして影子さんに出会ったんです」

 

影子「……私は、天の御使いなどではない。残念ながらな」

 

桃香「………」

 

影子「だが、その志が気に入った」

 

弱き人たちをこの手ですくう。

 

そんな馬鹿なことが実行できる者が、この世に何人あるだろう。

 

こんな馬鹿は百年、否、千年に一度出てくるか出まいかの大馬鹿者だ。

 

影子「一度死んだこの体。助けてもらった恩をただ金いくらで払ったつもりはない」

 

桃香「ふえっ?!えっ、ちょっと待ってください」

 

椅子から立って劉備の手前で片膝折って頭を下げた。

 

影子「この体、全部あなたに捧げよう。天の御使いでも戦場の囮にでも何にでも好きに使うといい」

 

桃香「ああっ!起きて下さい!私たちはそんなことを望んだわけじゃなくて……」

 

鈴々「お兄ちゃん、鈴々たちの仲間になってほしいのだ」

 

影子「仲間か?…そうか…やっぱりそういう人類はどこにあっても同じのようだ」

 

愛紗「??」

 

桃香「力無きたちを守って、力があるからって、人たちを苦しめて自分勝手にする悪いやつらをこらしめるために、私たちに力を貸してください!」

 

いい瞳だ。

 

何事にも恐れず、自分の意志を貫こうとする真っ直ぐな目。

 

昔のことを思い出させる。

 

影子「未熟なものだが、この私で良ければ力に及ぶ限り、いや、たとえ及ばんとしても力を貸そう」

 

桃香「やったー!!」

 

鈴々「やったのだー!!」

 

愛紗「…はぁ……」

 

関羽は私のことをまだ疑っているようだが、そんなことは良い。

 

久しぶりに心が清くなるようだ。

 

ただただ戦場を乗り越え、汚れていた私の志とは比べ物にならない、清く正しく行こうとする者の瞳がここにある。

 

この人のためなら、どんなこともやろう。

 

この瞳を、意志を守れるのならどんなに険しい道でも盾になろう。

 

 

 

-7ページ-

 

 

 

桃香「あのですね、影子さん」

 

影子「さんはいい。そんな風に呼ばれるほどでもないし、呼ばれたくもない」

 

桃香「あ、はい、えっと…これから仲間になることですから、私たちの真名を譲りあいたいのですけど」

 

影子「真名?」

 

ああ、先言っていた愛紗とか劉備を桃香と読んでいるあれか。

 

影子「その、真名と言うのは、どうやって得るものなんだ?」

 

桃香「普段は成人になる時ご両親や、親しき大人たちが付けてくれます。影子さんは……」

 

影子「…確か真名とは、その人の本来なる性質を示す、本当の名前と言ったな」

 

鈴々「そうなのだ」

 

影子「……そうか、それでは私の名前はそのまま影子でいい。影の子と書いて、影子だ」

 

桃香「えっ!?」

 

愛紗「ちょっと待て。それでは、私たちは今までお前の許しもなく真名を呼んでいたことになるではないか!」

 

鈴々「り、鈴々は呼んでないのだ」

 

桃香「ああ、鈴々ちゃんだけずるーい!」

 

影子「私の世界では真名という風習はない。あくまで話がそういうことになるというまでだ。別に名前を呼ばれたことだけで怒ったりはしない」

 

桃香「そ、そうですか……」

 

といいながらも、とても申し訳なさそうにする劉備であった。

 

それほど大事なものなのか?真名とは……

 

まぁ、名前は確かにその人の存在を表す大事なものだ。

 

……エイス…

 

桃香「私の真名は桃香っていうんです。これからは桃香って呼んで下さい」

 

鈴々「鈴々は鈴々なのだ」

 

影子「お前はそんな大事な真名を一人称でよんで大丈夫なのか?」

 

鈴々「言って減るもんじゃないのだ」

 

影子「……」

 

何かむちゃくちゃだな。

 

愛紗「私の真名は愛紗だ」

 

影子「いいのか?私のことをまだ疑っているように見受けられたが」

 

愛紗「人の真名を呼んでおいて自分の真名を許さないことはできない。これからは愛紗と呼べ」

 

影子「…ならこれからその真名を許した行為が惜しくないような行動を見せてあげよう、愛紗」

 

愛紗「………」

 

こうして、真名を教えてもらったわけだが……こんな形式的なことはおいといて、これから何をどうすればいいのか。

 

 

-8ページ-

 

 

影子「桃香」

 

桃香「あ、はい、何ですか?」

 

影子「………」

 

何気に上げてるな。

 

影子「…今までは三人でどんなことをしていた?」

 

愛紗「山賊に襲われた村を救ったり、賞金首を討ち取ったり、局部的なことぐらいだ」

 

桃香「はい、でも、もうそんなことだけじゃ限界が来ています」

 

影子「どういうことだ?」

 

桃香「今の世の中は、私たちだけでできることにもう限界が来ているんです。こっちの村を助けたら、あっちの村の人たちが泣いている。そんなことが続いたら、私たちの力だけじゃもうダメなんだって気がついたんです」

 

影子「それで、今から必要なものはなんだ?」

 

愛紗「名声、知名度…そういった人を惹くことができる力だな」

 

桃香「元なら、そういうものたちも私たちが実績をあげて積み上げねばならないのですが…」

 

時間がない、か……

 

影子「なら、今直ぐに知名度を上げるために必要なのは何だ?私が天の御使いを名乗るとしても、何か機会がなければどうしようもない」

 

何せこんな黒い天の御使いだ。最初から人を惹くようなことは相当無茶だな。

 

桃香「うーん、そうですね……何かないのかな」

 

影子「先ずはそれがないとどうしようもないからな。特に、ここから決まった行き先はあるのか?」

 

鈴々「特に、ないのだ」

 

ダメじゃん……

 

影子「なら、先ずはそういう情報を集めることからしよう。ここの宿代はもう払ったつもりだから、どこかいくところが決まったら直ぐに行くことにして、先ずはどこか私たちの力が必要なところがないのか、ここで探してみるとしよう」

 

桃香「はい、解りました」

 

鈴々「了解なのだ」

 

影子「よし、そう決まったら」

 

愛紗「何を立っている?お前はここに残れ」

 

……は?

 

影子「何故だ?」

 

桃香「だって、怪我人でしょ?それに、ここにも不慣れですから、情報集めとかは……」

 

鈴々「鈴々たちに任せて、お兄ちゃんは休んでおくのだ」

 

影子「いや、力を貸すといったばかりでそうするわけには…」

 

それに、こういう仕事は寧ろ専門分野なんだが……

 

桃香「大丈夫ですよ。病人は大人しくしていてください。それとも、愛紗ちゃんが四肢を寝台に縛っちゃうって言ってますよ?」

 

愛紗「なっ!?桃香様、私はそんなことは一言も……」

 

……愉快な人たちだ。まったくも。

 

 

 

-9ページ-

 

 

 

そうやって情報集めに三人が行ってしばらくたったと思ったら……驚くことに、一番最初に来たのは一番小さい張飛、鈴々であった。

 

鈴々「むっ、何か驚いた顔してるのだ」

 

影子「な、何のことだ?」

 

以外と鋭いな、この子。猪みたいな子だろうと思ったのに。

 

鈴々「……まいいや。実は、この街をおさめている公孫賛っていう人が、義勇軍を集めて盗賊をこらしめに出撃したみたいなのだ」

 

おお、しかも中々いいものを持ってきたな。

 

影子「それだ。よくやったな、鈴々」

 

思わずに鈴々の頭をなでた。

 

あ、嫌がるだろうか。

 

鈴々「<<なでなで>>にゃはー、褒められたのだ」

 

問題ないか。やっぱ子供なのだろうか。

 

 

 

・・・

 

・・

 

 

 

 

鈴々の後、しばらく二人は来なかったので、鈴々とゆっくりお茶を飲んでいたら

 

桃香「ご主人様!」

 

影子「ぷーーっ!」

 

鈴々「うにゃっ!汚いのだ!何するのだ!」

 

影子「けほ!けほ……!!」

 

何を言う!!

 

 

桃香「ご主人様、この街って実はね、うぶっ!」

 

影子「そ…その口……からもう一度ご主人様という言葉を吐いたら私はお前の仲間をやめる。解った?」

 

先からさりげなく言い方が私より下だと思ったら何主従関係逆にしようとしている。

 

桃香「う〜っ、うーん!!(こく、こく)」

 

頷く桃香の口から手を離した。

 

桃香「はぁ…はぁ……びっくりした」

 

私の台詞だよ。

 

桃香「で、影子さん」

 

さんもいい……

 

桃香「この街って、私と一緒に勉強していた、公孫賛って言う子が赴任していて、その子が義勇兵を集めて盗賊を討伐しにいったって」

 

鈴々「お姉ちゃん、それはもう鈴々が言ったのだ」

 

桃香「あれ?ほんと?」

 

影子「しかも、知ってる人がここの太守だったのに、知らなかったのか?桃香」

 

桃香「え?あ、あはは…うっかりしてた」

 

うわぁ…この子何か不安だな。

 

影子「となると、愛紗が来る次第に、そっちへ行く方法を考えるとするか?」

 

桃香「えっ?行く方法って?そのまま行けばいいんじゃないの?」

 

影子「そういうわけには行かないだろ?だって、公孫賛は今は一軍を動かす大将だ。そんなところに、名もない私たちがドンと体だけに現れたって、公孫賛が私たちを見てくれるはずがないだろ??」

 

桃香「うぅぅ…そうかな」

 

影子「そうだよ」

 

鈴々「お姉ちゃん、何にも考えてないのだな」

 

桃香「ガーン!鈴々ちゃんひどーい!!」

 

影子「ふっ、まぁ、そういう抜けたところがあった方が、きっちりとしているよりは助け甲斐がある」

 

桃香「うぅ……全然助け舟になってないよ」

 

影子「したつもりでもないがな」

 

桃香「ふええーん、愛紗ちゃーん!!二人が私をいじめるぅ」

 

子供は寧ろこっちだな。

 

がらり

 

愛紗「桃香さま、はしたないですよ。話は大体聞きました」

 

ああ、外に居たのか。説明する暇が減ったな。

 

影子「まぁ、そういうことだ、愛紗。何か公孫賛のところまで行く方法はないだろうか」

 

愛紗「…軍の大将に会うためには、先ずは少なくとも、私たちなりの兵を持っていないとダメだろう」

 

なるほど。私たちで義勇兵を集めて、その後その軍の代表として行けば、公孫賛とも会えるだろうな

 

愛紗「しかし、ここはもう公孫賛殿によって義勇兵を集まれたところ。私たちが更に義勇兵を集めるのは難しいだろう」

 

影子「そうだな。…でも、兵を持っていくという考えだけはいい。何か他の方法を探すというと……」

 

用兵を雇う……しかし、そうするには金が必要だ。

 

それも相当なお金が、

 

影子「当然のことながら、今の私たちは無一文だな」

 

鈴々「なのだー♪」

 

爽やかだな、鈴々。

 

愛紗「金で兵を雇うというのか?」

 

影子「だが、そうする金がない。………手持ちに金になるようなものは……」

 

先剣も渡してしまって、もっているものはそれほど良いものでもない手裏剣や他の道具だけだ。

 

一つは残しておくべきだったか。

 

否、あの双短剣は二つして一つだ。バラバラにするわけにはいかん。

 

さて、どうすべきか…

 

 

-10ページ-

 

がたん!!

 

宿主「こ、こら、若者!!」

 

影子「宿主?」

 

悩んでいたところ、突然宿主が部屋に入ってきた。

 

影子「どうした?もしかして詐欺でもされて、剣をとんでもない低い価格で売ってしまったとかだったら私には責任は……」

 

宿主「その逆や!!ほれ、持っていけ!」

 

そして宿主は私に何かの袋投げた。

 

私はそれをもらって中身を確認した。

 

金が入っている。

 

影子「愛紗、これは……?」

 

愛紗「?……こ、これは…宿主!」

 

中身を確認した愛紗は驚いた顔で宿主を見た。

 

宿主「通り過ぎの収集狂に見せたら、こんなとんでもない金を出したわ。こんなにたくさんの金、わしはもらえん!」

 

汗までかいている爺の姿を見ると、尋常じゃないようだな。

 

影子「愛紗、どれぐらいの金額なんだ?」

 

愛紗「これほどなら、先言っていた兵を雇うという話。可能だ。百ぐらいは雇っても余るぐらいだ」

 

影子「宿主、私はこれを塾代として出した。もらっていいのか?」

 

宿主「わしはそれほどの金に目がくらんだ俗物ではない。持って行け」

 

影子「感謝する」

 

そして宿主は、何か汚いものにでも触れたように手を振り払いながら、門を閉じた。

 

 

 

影子「さて、金の問題は解決したな」

 

 

これが最初の一歩になるだろう。

 

公孫賛、すまんが私たちの足場になってもらおう。

 

 

 

説明
お年は、桃香とそんなに違わないように考えてください。

本作品は、作者の趣向が大幅含まれる可能性を持っているため、これよりお気に入り限定としてお送りします。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
3438 2846 8
コメント
誤字報告:4p、「たsたち」→「私達」(O-kawa)
ヒトヤ犬さん&gt;&gt;まあ、不意の事故だったってことで……影子も元の世界で民間人ではなく戦場を乗り越えた猛者なのでそこんとこはあまりうらんだりもしませんし(TAPEt)
まぁマフラー勝手に取って勝手に勘違いして怪我させたんだから、影子が払う義理も無いがW(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
タグ
真・恋姫無双 恋姫 影子 桃香 愛紗 鈴々 金に欲のない宿主さんに敬礼 イジメはよくありません 韓国人 

TAPEtさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com