デペイズマン・シード 3rd season;E |
「くちゅっ、くしゅんっ」
大事なお友達共に勝手にテロリスト扱いされた、未来のテロリストたちには「白き鮮血の魔王」とかって非殺傷でやってるはずなのに呼ばれることになる少女が可愛らしいクシャミをした。2度続けて。
二度って悪い噂だっけかなぁ?と少女は首をかしげながら、真っ当な翠屋の看板娘としてお客様に水を運ぶ。
と、本編こっそり初登場ながら全く話に関わらず、物語は再び、知る者少なき親しき隣人の世界へ。
デスペイズマン・シード 3rd season 3−E
威風堂々。
突然出現した、巨大な…だがおそらくは原生生物に対し、誰もがその言葉を強く抱いた。
そして同じくらい感じてしまう。
自分たちこそ、この世界に不釣合いな存在であることを。
もとよりこの任務は奇妙な点が多かった。
無人世界は、つまり管理外世界だ。
日田楽言えば、管理局の面倒が見切れない無法の地。
そこにいって、何匹か狩って来い(正しくはサンプリングとなるのだろうが、内容はつまりそういうことだ)という命令。
事前に渡されたデータは先発隊による調査のものだったが、だったらそいつらがもってくりゃぁいいじゃんか、とその命を受けたメンバーの心が一つになったのが随分遠い記憶のような。
もっとも彼らにしてもさて任務だというところで、敵が来たとなれば話は変わる。
抵抗してきた最初の存在は、蒼い獣だった。
いや、通常の進化論で行けば二足で踏み切り、魔力光にも似た力の塊でこちらの攻撃を弾いたとなれば、それを獣とよんでいいものか。
しかもその蒼い獣の傍らに人……どうみても人型知的生命体のしかも少年が仁王立ち、「てめーらかんりきょくってとこのれんちゅーだろ!しょーこりもなくおそってきやがってー」と絶叫されては立つ瀬もない。
当然、彼らは上に指示を仰いだが、対する回答は、ある意味当人たちが聞いたら指を刺して笑いそうなものだった。
どんなに間違っていることをわかっていても。
自らのパートナーと選んだ相手にただ黙ってついていき、そのパートナーが自分の力で自分を取り戻すことを信じることを存在意義とする彼らなのに。
「そこの生物は他世界の人間をかどわかし、洗脳を以って従わせている。彼らも被害者なのだ」と。
正直なところ、微妙に嘘がないのがポイントだ。
選ばれた彼らは半ば強制的に二つの世界の存続と命運を任される。
押しつぶされそうになった子どもも、いないわけじゃない。
それでも。
「賢。今のは聞かなかったことにした方がいいよな」
虚空に現れた2D画面からの「説明」。
戸惑う彼ら(敵)になげられたトンでも理論は、蒼い獣の傍らに立つ少年に珍しく押し殺した声を零させるという快挙を成し遂げた。
普段の猪突猛進だの突撃班班長だの感情をストレートすぎるくらいストレートに示す彼らしくない、だがやっぱりどこか失敗してる、誰かの存在を意識させるに充分な一言。
未だ誰かいるのか。
上からの言葉と目の前の矛盾から目をそらすように、彼らは周囲に気を配る。
周囲は木々に囲まれ、言うまでもなく隠れる場所はいくらでもある。
もう、折角隠れていたのに、と文句を言いながらその一角から出てきたのは、少年と同じ頃と思われる若干大人しそうなこどもだった。
その脇には、でっかくてつぶらな瞳の……いもむし(しかもでかい)。
「そうだね。手加減できないものね。ワームモン」
「うん、賢ちゃん」
いもむししゃべったー?!とか気にする間もない。
その傍ら、蒼い二足歩行の獣も臨戦態勢を取る。
「ブイモン」
「おぅ」
撃てという、安全圏からの上司の命令に従ったのは、多分「魔力も感じさせない」子どもに気圧された自分から、彼ら自身が逃げたかったからなのだろう。
攻撃されないことにも気づかず、彼らはありったけの魔力を(非殺傷だからという言い訳も込めて)まるで癇癪を起こした子どものように彼らに振りかざしていた。
ソコに来て巨大な「存在」の登場である。
あのちまいのですらその防衛を突破できずいたのに、それ以上のもの相手にどないせぇと?
パニックにパニックが重なる。
恐慌の果てにあるのは、否定だ。
「うわぁああああああああ!!」
白い神の如き存在の、ほんの一部に、ささいな爆発が起こる。
それを何人かが何度か放ってから、その足元の方から何故か拡声器越し独特の、年若い男の声。
「あー、テステス。えー、そちらの侵略者の人たちにつげまーす」
いささか気の抜ける皮肉が、彼らから動きすら奪う。
声の主らしき存在ともう一人が、白い巨体が屈み、再び立ち上がったところの両肩に立っていた。
先ほどの少年たちよりもまだ年は上だが、未成年と見られる二人。
もっとも、ミッドチルダのいう未成年てどーなんだか微妙に曖昧な気もするが。
「はい、貴方たちの無抵抗、無反撃の知的生命体に対する攻撃は、あなたたちの所属する組織側になる、次元航行部隊L級艦船第八番艦アースラによってリアルタイム録画してもらっています。
これ以上なにかやらかそーかした場合、自己防衛手段としてこちらから正式に宣戦布告を大々的にした上で全力を持って叩きのめしてお帰り願う次第でーす」
ざわ。
いささか冗談めいた忠告でしかなかったはずだが、拡声器(どこに持っていたかとか今更)の男……太一たちの知らないところでアースラの名は絶大な効力を持って機能した。
まるで水を打った様に、攻撃的だったパニックが収まる。
理性が言葉を理屈を紡ぐ。多少、妙な方向に。
「アースラって……あの?ハラオウン独立国家?!」
「空(うみ)飛ぶ魔界、死神の実家!!」
「白い悪魔の寝床、堕天使の玉座ッ」
「魔女の庭園(サバト)、クーデタートトカルチョ三年連続ダントツ1位のッ?!」
<一体うちの艦(ふね)は管理局でどんなあつかいなんだー!!>
とうとうたまりかねたツッコミが空に2Dスクリーンをもうひとつ生み出した。
今更遅いというのに、先にあった1枚が通信を切る。
本来ならここで警告を投げるところであるのは言うまでもないのだが、そういう空気は既にそこにはない。
「よぅ、人気者みてぇじゃねぇかクロノ」
果たして嬉しくない挨拶とかもらったり。
っていうか何時の間にこんなフレンドリーになったんだろう。
<濡れ衣だ。主に義妹とかその友人とか、太一、君のいとことか>
<でもなのはちゃんたちと関わってまだ1年ちょっとですよねー>
<3年連続の道理にはならないわね>
クルーどころか艦長までそこで盛大な墓穴掘らないで下さい。
<とーもーかく!アースラ所属の執務官、クロノ・ハラオウンだ。
今更名乗るまででもないだろうが、君たちの所属と上司、この本来干渉すべきではない管理外世界における目的を明確に話してもらう!>
どーん。執務官権限全力での彼の宣言だが、いささか勢いが弱い。
見物人と化した、そういえばまともに挨拶もしてない少年二人がぽつりと呟きあう。
「かっこついてないなー」
「でもあれが味方してくれた人ってことだよ、大輔。そんなこと言っちゃ」
「けどさあ、逆に心配になるんだぜ?どーよ。実際」
そして冷静になったある意味職質されてる状態の彼らもまた、少々的外れなことを言い合っていた。
「おいおいマジアースラだぜ」
「"魔女の左手"初めてみた」
「っつーかこれまであれの味方になっちゃったらマジクーデターおきんべ?」
「うっわ、俺今の内に退職しちゃおうかな」
聞いたことの二つ名とか考えたことも無いはずの未来予見とか自分勝手な将来設計とか。
どう考えても「魔女の左手」とかって不審なネーミング、自分のことだよなとクロノの顔が歪む。
魔女ってこの場合、艦長、いや母のことなのか。
っていうか左手って一体どういう。
「なぁクロノ」
<言わないでくれ、ヤマト。僕は今猛烈に反省しているんだ。
そうか、ぼくらもなのはと変わらなかったのか>
世の中はこんなはずじゃなかったことばかりで、それでも前に進むことを覚悟して、突き進んできたはずの少年の科白としては、どれほどの重さを伴った呟きかは押してしるべし。
数日後。
管理外97世界、ハラオウン家。
突然押しかけた、はやて、太一、ヤマト、そして光子郎を彼らは迎えていた。
フェイトはアルフと共に翠屋に「なのはのお手伝い」にいってる。
店の、じゃないんかい、とはつっこんではいけない。
もっとも、この件に関して詳しい事情を知らない彼女を立ち合わせるのを避けるのも自然なことだった。
ともかくお邪魔しますと顔を出した内の最後の一人は面識がなかったが、「先日不法侵入したものです」と名乗られて彼らの仲間ということ以上に無視できるはずが無い。
エイミィがスイッチはいって、アースラへの強制アクセス進入経路を根掘り葉掘り聞こうとする。
むしろ勧誘する勢いだが、馬鹿丁寧な口ぶりの割に光子郎は、のらりくらりそれを拒絶するし手の内を語らない。
逆に色々「上手」に聞き出すくらいだったが、空気としては比較的和やかだった。
が。
いわば日直的に残っていたアースラのメンバーから、先日のデジタルワールド……これは正式な呼称を「現地の知的生命体から聞き出した」という形を取っている……についての聞き捨てなら無い処分が報告されたのである。
「どういうことだ?!」
「どういうこともこういうことも。トカゲの尻尾きりね。
新発見世界についての命令は全て消去されているわ。はやてちゃんに下った命も含めて。
アースラは偶然、未だ非干渉の無人世界で現住生物狩りをしていた局員を逮捕、拘束って」
エイミィの改めた説明に、組織に対しては何か思う事があるのか、まぁそんな感じだろうなぁと太一たちはその話に妙な納得をして見せた。
これまで断続的に「調査」に来た連中は、それぞれの情報を殆ど持っておらず、横のつながりを感じさせなかったため、捨て駒の印象を既に持っていたという。
そうなると所属している方がぶっちゃけ気分が悪い。
所属っていうより、雇用って方が心理的に正しいかも。
「……本当にクーデター起こしてやろうかあの連中」
期待されているんだし、というどこか後ろ暗い前向きな検討に、魔女と暗に呼ばれた母が苦く笑う。
「やめておきなさい、クロノ。
無駄な労力でしかないわ。それに、まだ狙いが絞れていない」
「わざわざデジタルワールドに執着した、意図ですか」
光子郎の言葉は皮肉に満ちていた。
知識という好奇心を原動力にする彼だが、あんな稚拙なやりかたを自分のそれと並べられたくないと示唆しているようでもあった。
もっともその辺りを悟れるのは仲間内くらいな話で、リンディ辺りは素直に受け取っていた。
「えぇ。杞憂なら……単なる偶然で、あの世界が利用されようとしただけならいいのだけれど」
「どの道、あの世界ではもうミッドとベルカの魔法は"使えません"。
事実上干渉は無くなったと思いますけど」
エイミィの提案ももっともだ。
というか僅か数日で「世界全体」に「魔法無効化」のプログラム結界を走らせることが出来るとかどういうことだといいたいところなのだが、やれちゃったんだから仕方がない。
クロノが自然、何処の世界でもあまり変わらない空を窓越しに仰ぐ。
「・・・・・・・・神さまなんて信じていないけれど。
祈るしかないだろうな」
「まぁ大丈夫や。いざとなったら、きっちりお話すりゃえぇねん」
「うん、その理論が間違いなく、アースラに不名誉な二つ名をつけられた原因の一つなんだろうけどな」
はやての声がすごく、凹むが、この場合認めざるを得ないだろう。というか。
「一つ、なんや」
「遺憾ながら」
なんとなく、人間不信にはなっちゃいけない職についてる人の科白ではないのだが。
・・・・・・・・・そこも、また、「異界」の一つかもしれない。
微か響く水音の中、それらが共鳴するように「会話」する。
(おわりなきしんか)
(えらばれしみにこそふさわしく)
(ゆえにわれらがえるべきちから)
(だがせかいはていこうする)
(ほんらいのしゅごしゃをしらぬから)
(ただのこどものかんしゃくにすぎなく)
(いまはまだじかんはある)
(そのうちしんにほっするところをしるだろう)
(ほんらいひざまづくべきものをむかえるだろう)
(われらというあるじを)
(われらというおうを)
(われらというかみを)
(そのうち)
(そのうち)
(そのうち)
・・・・・・・・・・
B脳(隠してねぇ)連中がなんとなくどっかで見た感じに
あっるぇ?こんなんやったっけ?(みなおせ)
まぁこの手の連中のお約束ってことで
それにしても展開の割に軽くなったなぁ
主にアースラのせいだけど(書いたお前が先ず反省しろ
というわけで次回は再び舞台を第97管理外世界
というか長くなったせいで本気でみょんな話になっちゃったなぁ
やっと、やっと「クロスオーバー」らしい話に、なる、かな?
4でとにかく軌道修正しないと。
5がもっと変な方向になりかねない(滝汗
あと「魔女の左手」というクロノの綽名?ですが、左手=黒魔術っていう部分を使ってます。っつーかリンディさんも昔やんちゃやってたみたいです。えぇ。
クロノは比較的年上か同じくらいになる世代となるデジ組と仲良くしてもらいたいところです。ほら、普段年下に振り回されてるから。役得ともいうが。
説明 | ||
リリカルなのはA's後×デジモンアドベンチャー(02ED展開無視)八神つながり 真面目に連載第3話やっとかラスト。 戦闘がなかった。いや、どう考えて組んでもデジモン無双なんだもん あと酷いレベルでアースラの扱いが変わっています。おかしいなぁ? っていうかいつの間にかメインがはやてからアースラ(てかクロノ)に摩り替わっています。どうしてこうなった。 |
||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
2919 | 2772 | 4 |
コメント | ||
さすがにデジ組を次元犯罪者には(笑 むしろアースラ(というかクロノが)が管理局どばーとかどぎゃーとかしそうな空気が(待て 次回にはやっとテロリストsを出せます。えぇ。(ほうとう。) クロノきゅん・・・どんまいw テロリストの方は表向きの姿で登場ですか・・・あとテロリストの恋人さんもw できればこうオメガモンとかインペリアルドラモンで管理局どばーとかどぎゃーとか見れるかと思ってたんですが、ね?w(よーぜふ) |
||
タグ | ||
デジモン なのは クロスオーバー 八神つながり 連載 | ||
ほうとう。さんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |