真・恋姫?無双 仙人で御遣い 42話 |
〜幽州 『白虎』豪臣の天幕〜
豪臣と朔夜、鈴花、そして雪(せつ)が豪臣の天幕に集まっていた。
「で?どうだった?」
豪臣がそう口を開くと
「はい。まず黄巾の動きですが、荀攸様の予測の通り冀州に集結しつつあります」
白い忍装束に身を包んだ雪がそう答える。
「あらあら、ありがとうございます。それで、諸侯の動きは?ま・さ・か〜、分かってないなんて言いませんよね?」
ニッコリと、微妙にプレッシャーを掛けながら言う。
言われた雪は
「ピィッ!?そ、そんな訳がありません!はい!」
震えながら答える。
(・・・凄むなよ)
豪臣は、呆れながら内心でツッコム。
「そ、それでは、報告を続けさせて頂きます」
雪は、まだ若干震えながら続ける。
「官軍。そして袁紹、曹操、孫堅などの諸侯。義勇軍では劉備が黄巾本拠へ向けて行軍を開始しております」
「あらあら?孫堅さんだけ?袁術さんは、どうしたのかしら?」
「はい。どうやら、荊州の小規模な黄巾賊討伐へ向かいました」
「で、青蓮に押し付けたのかよ・・・」
「まぁ、青蓮にしては名声を上げるチャンスですから良いのでは?というか、袁術は莫迦ですね」
豪臣と朔夜は溜息を吐く。
「あらあら。それで、どうしますか豪臣君?」
「ん?」
鈴花の問いに、豪臣が首を傾げる。
「張角さんのことですよ」
「ああ。そのことか」
そう言うと、豪臣は真面目な顔になる。
張角、張梁、張宝の三名は、歌を歌いたい、ただそれだけのために旅巡業をしていた。巡業をしていると、ファンのようなものが出来た。そのファンの数が段々と増えてゆき、ファンクラブのようなもの、つまり黄巾党が誕生した。
その黄巾党の大規模化に伴い、ある弊害が出てきた。
それが、今現在暴れまわっている黄巾賊である。黄巾賊は、元々が賊。黄巾党を隠れ蓑に、汚名を被せて賊行為を行っていったのだった。これは、張角たちの発言をファンが勘違いして、黄巾党が天下泰平をなす、みたいな噂が流れた所為でもあるが。
張角たちと黄巾党は、急に官軍や諸侯に襲われた。張角たちは、ファンであり支援者である黄巾党を率いるしか選択肢がなくなってしまった。そして、いつしか張角たちは、黄巾賊の大頭領とその兄弟として祭り上げられることになっていた。
何故、張角たちが男と思われているかというと、豪臣が、張角たちを不幸に思い、暗部に命じて張角たちが男であること、その風貌は鬼の様であるという風聞を大陸中に流したのだった。
ここに居る面々は、張角たちの事情を理解し、この件に対し『白虎』がどう動くべきかも考えてきた。
豪臣は、今までのこと、これからのことを考え、口を開く。
「そうだな。助けようと思う」
豪臣がそう言うと
「そう」
「あらあら」
「豪臣様が考えて出された答えならば」
三人がニヤッと、ニコニコと、恭しく返事を返す。
それから、鈴花は一応のため、確認のため訊く。
「では、豪臣君。その三名を迎え入れたとして、その後の情報処理はどうするつもりですか?あの“三人”に気付かれる訳にはいかないでしょう?」
鈴花の言う三人とは、星、昴、燈のことである。
未来のことを話してある鈴花には、三人がどの陣営で活躍していたのかも伝えてある。
もし、このまま『白虎』を解散させず、どこかの太守などになって天下を目指すならば、すでに孫堅軍に属している昴にだけ気を配れば良い。しかし、解散を前提に考えれば、おそらく、劉備の元へ身を寄せるであろう星、曹操の下へ行くであろう燈(豪臣にベタ惚れしているため、行くかは微妙)にも注意が必要となってくる。
「そうだな。だから、今回の救出には、暗部主導で行う。そして、元爺(衛慈)の店で匿ってもらうつもりだ。どの道、今回の討滅戦が終われば『白虎』は解散させる。その後であれば、隠す必要もないだろ?だって、ウチの兵士たちですら、張角たちは男だと思ってるんだから」
豪臣は、苦笑しながら答える。
「そうですか。では、そのつもりでおきましょう。では、今夜はこのくらいで?」
「ああ。解散しよう」
豪臣がそう言うと、皆、天幕を去っていった。
〜冀州〜
幽州での黄巾賊討伐が一段落した豪臣たち『白虎』は、幽州を後にして、黄巾賊が集結している冀州へと入った。冀州は、袁紹軍軍師の郭図に煮え湯を飲まされた地ではあるが、黄巾賊の討滅のためには仕方ない、と割り切って行軍を続けた。
そして、諸侯たちと合流し、今現在黄巾党の本拠となっている城に程近い場所に陣を構えた。
「中々に壮観な光景だな。なぁ、朔夜?」
豪臣は、肩に乗る“子虎”の朔夜に言う。
「そうですね。本来ならこの先、歴史上に名を刻む面々が揃っています」
二人の眼の前には、諸侯の陣が展開している。
その中には、孫堅や劉備、曹操と言った面々の旗も見える。
「この戦いから、でしょうか」
朔夜が、そう問いかける。
「たぶん、な」
二人が言っているのは“試練”のことである。
貂蝉の言った十ヶ月後。それは、おそらくこの戦を示している。
二人は、この戦い。そして、これからの戦いを思う。
「これから、いったいどうなることやら」
苦笑する豪臣。
そんな豪臣に朔夜は
「全くです。全てが終わったら、あの貂蝉とか言う怪人と陳(ちん)を思いっきりブッ飛ばしましょう」
溜息を吐き、そう提案する。
「ああ、それは、最高のストレス発散法だ」
豪臣はそう返し
「さて、そろそろ天幕に戻ろう。鈴花に怒られる」
天幕へ向かって歩き出した。
豪臣と朔夜がこの世界に来て、約一年が過ぎようとしていた。
あとがき
どうも、虎子です。
突然ですが、作品のお気に入り限定を解除します。
お気に入りが四ケタの大台に乗りましたのでwww
では、作品の話です・・・
黄巾党と黄巾賊を完全に別けてみて、三人娘が、被害者である面を大きくしてみました。
今回から、義勇軍編の最後、黄巾賊討伐編開始です。
まぁ、この編は、黄巾と言うよりも、華琳との邂逅と、青蓮たちとの再会の方が強くなってしまうかもしれません。
次回から、再会やら邂逅やら救出やらが始まって行きます。
次回投稿なのですが、未定です。期間が開くかもしれませんが、どうぞご容赦をば
作品への要望・指摘・質問と共に、誤字脱字等ありましたら、どんどんコメント下さい。
最後に、ご支援、コメントを下さった皆様。お気に入りにご登録して下さった皆様。
本当にありがとうございました。
ではでは、虎子でした。
説明 | ||
今回は、かなり短いですよ〜 休みが欲しいなぁ・・・ |
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コメント | ||
あの貂蝉が相手じゃなぁww 間違っても返り討ちにあって掘られないようにww(韻) アワ((゚゚дд゚゚ ))ワワ!! 短い!(thule) |
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