真・恋姫無双呉ルート(無印関羽エンド後)第三十二話 |
???side
「あは、あは、あはははははははははははははは!!!つまんないつまんないつまんないいいいい!!!!」
その少女は、真っ赤な山の上で狂ったように笑っていた。
その少女の体型はまだ幼げで、目鼻立ちが整った顔をしている以外は、どこにでも居そうな少女に見えた。
・・・しかし、その服装は、異様としか言い様が無かった。
少女がきているゴスロリ服は、真っ赤な鮮血に染まり、もともと白かった服は今は毒々しい血の色に染まっている。その両手は鉄製の手袋で覆われており、その手袋の指先から、長さ40センチはあるであろう鋭利な鉄製の爪がそれぞれ5本伸びている。
足に履いている靴も鉄製で、爪先と踵は鉄製で、爪先にも鋭い鍵爪が3本生えており、まさに両手両足が凶器となっていた。
そして彼女の立っている赤い山は、かつて人間であったであろう、血に染まった死体の山であった。その死体は両手両足?ぎ取られ、首も斬りおとされ、なかには腹を裂かれて内臓を引きずりだされた者、体を両断された者まであり、まさにこの世の地獄としか言い様が無い惨状を生み出していた。
少女はその地獄の中で、両手の爪に付いた血を舐めとり、まるで極上の甘露を啜るかのごとく飲み込んだ。
「あははははは、やっぱりおいしいいい・・・。でもまだ物足りないなああああ・・・・。
こいつら全然弱いし、すぐに泣いて逃げちゃうし・・・、全然面白くないよねえ・・・。
もっと楽しませてよ・・・、ねえもっと楽しませてってばあああ!!!」
そう叫んで少女は足元に転がっている生首を蹴り飛ばした・・・瞬間、生首は一瞬で粉々に砕け散った。
「あ、壊れちゃった・・・。でもまあいっか!どうせもう壊れちゃってるから!!あはははははははははははははは!!!!!」
少女は再び哄笑をあげ始めた、と、いつの間にか死骸の山から離れた場所に、一人の男が立っていた。
「けっ、ったく随分と派手にやったな、おい」
「・・・あれ、いつの間にいたんだ〜。うん、すごいでしょ〜、ぜ〜んぶ私が壊したんだ〜!すぐ終わっちゃって全然面白くなかったけど、あはははははははははははははは!!!!!」
男は少女の哄笑を顔を顰めながら聞いていたが、しばらくすると口を開いた。
「・・・一仕事終わったところで悪いんだがよ、もう一つ仕事を頼めねえか?」
「あはははは・・・お仕事?」
笑いをおさめると少女は可愛らしく首を傾げた。血塗れな少女のその姿に苦笑ながら、男は言葉を続けた。
「ああ、袁術の城から玉璽を取ってくるって仕事だ」
「ええ〜・・・つまんなそ〜・・・」
「ついでに袁術と張勲を始末しろ、とのことだ」
最初つまらなそうな顔をしていた少女は、男の次の言葉を聞いた瞬間、にこりと笑みを浮かべた。通常なら見惚れるであろうその笑みも、血に塗れた今では酷く不気味に映った。
「あは、それ面白そう!!ねえ、ついでに城にいる連中みんな壊しちゃってもいいかな!!ねえいいかなあ!!!」
「・・・好きにしろよ」
「あははははは!!やった〜!今度は楽しいかな〜?気持ちよくなれるかな〜?あはははははははははははははは!!!!!」
そして再び、地獄に哄笑が響き渡り、男は、ただ黙ってそれを聞いていた。
一刀side
「いよいよね・・・」
隣から雪蓮の嬉しげな声が聞こえる。
それも当然だ。待ちに待った孫呉独立の日が来たんだから。
目の前には袁術の居城がある。もう俺達が攻めてきたことはばれているだろうけど、もうここまできたら、ばれていようと居まいと関係ない。
「ようやくここまで来たな、雪蓮」
「ええ、これもあなたと関平のおかげよ」
雪蓮はそう言って俺と愛紗に笑みを向けてくる。
「そんな・・・、俺達はなにもしてないよ」
「そんなことはないわ。一刀と関平が頑張ってくれたおかげで、ここまでこれたわ。
本当にありがとう」
そう言って雪蓮は俺達に頭を下げてくる。俺と愛紗は、恐縮することは無かったけど、とりあえず雪蓮をやんわりと押しとどめた。
「雪蓮、ありがとう。でもお礼は袁術を倒してからでいいよ」
「そうです。袁術を倒して、初めて独立を成し遂げられるんですから」
「!・・・ふふっ、そうね!」
俺と愛紗の言葉を聞いた雪蓮は頭を上げてにっこりと微笑んだ。
「それじゃあ一刀達へのお礼は、袁術倒してからってことで・・・」
「おいおいもう勝った気になっているのかよ。あんまり油断するとしっぺ返しをくらうぜ?」
「ご主人様のおっしゃるとおりです。用心されるべきですよ、雪蓮」
「ん〜、それは分かってるんだけどね〜。袁術相手だと負ける気がしないって言うか、むしろどうやったら負けるのか悩むって言うか・・・」
・・・なんか完全になめられてるな・・・、袁術。
幾らなんでもこれはなめられすぎじゃあないんだろうか。
まあ確かに演義や正史ではかなり袁術の評価は低いけどさ、それでも一勢力築いていたんだからそれなりに評価されてもいいと思うんだが・・・。
「雪蓮、準備が完了した。あとはお前の号令だけだ」
「ん?分かったわ冥琳」
冥琳の言葉を聞いた雪蓮は、自分の軍に顔を向け、号令を発した。
「我が孫呉の兵たちよ!ついにこの時が来た!!
我等が袁術の束縛から解放されるときが!!
皆はどれだけ此の時を心待ちにしたであろう!!
今こそ、帝を騙る逆賊を討ち果たし、我が孫呉の始祖、孫栄と孫堅の宿願を果たすの
だ!!!
今の我等には天帝の化身たる天の御使いと、武を司る天将が傍におられる!!
天運は我等に有る!!今の我等に敗北は無い!!
呉の兵達よ!!我が朋達よ!!
今こそ逆賊征伐の時!!
今まで味わった屈辱を、憎むべき逆賊に思い知らせるのだ!!!」
おおおおおおおおおおおおおお!!!!!
号令が終わると同時に軍から鬨の声が響き渡った。
「う〜ん、いつ聞いても雪蓮の号令はすごいな・・・」
「はい、さすがは小覇王というべきでしょうか・・・。王としての器は蓮華よりも上、へたをすれば華琳以上ですね・・・」
俺は雪蓮の号令に圧倒されていた。
なんか俺が前の世界でやっていた号令が幼稚に聞こえてくるな・・・。まじで。
「・・・っと、感心している場合じゃないな。俺達も出撃の準備をしないと」
「はっ!ご主人様、先鋒は私と恋にお任せください。ご主人様のための露払いをすませておきますので」
「ああ、頼めるかな、恋」
「・・・・(コクっ)」
恋は返答代わりに黙ってうなずいた。まあこの二人なら大丈夫だな。そう簡単に討たれることも無いだろう。
「でも念の為に副将として霞と華雄も一緒に行ってもらえないかな?」
「ん?まあご主人様が言うんならええけど、なんか出番無くなりそうやなあ・・・」
「私も特に異論は無いが・・・。確かに霞の言うとおり、我らの出番無しに終わりそうだ・・・」
まあ確かに二人の強さは圧倒的だからね。でももしも戦闘不能になった時とかのことも考えてさ・・・。
「咲耶と亞莎は俺の護衛を頼めるかな?」
「お任せください!!」
「あ、あの、頑張ります!!」
俺の言葉を聞いた咲耶と亞莎は緊張気味に頷いた。
「咲耶、ご主人様を頼んだぞ!・・・亞莎、ご主人様にはかすり傷一つつけさせるなよ・・・」
愛紗は咲耶に対しては、いつも通りだったが、亞莎に話しかけるときにはまるで親の仇に話しかけるような口調になっていた。
「・・・もしも傷一つでもつけてみろ・・・・オルァクサマヲムッコロス!!!!」
「は、はいいいいいい!!!わ、分かりましたあああああ!!!」
「・・・分かればいい」
あ〜あ、亞莎完全に怯えちゃってるよ。愛紗まだ亞莎と仲良くできないみたいだな・・・。
まあこれでも前よりかは良いほうなんだけど・・・。
つうか愛紗、ムッコロスは止めて、ムッコロスは。
愛紗にムッコロフェイス似合わないから、マジで。
「それではご主人様、行ってまいります」
「あ、ああ気をつけてね、愛紗」
俺の言葉を聞いた愛紗は、俺に一礼したあと、恋、霞、華雄と一緒に前線に出て行った。
さて、この戦、どうなっていくことやら・・・。
そして袁術軍との戦が始まったんだけど、
愛紗と恋が袁術軍に突撃、そして軍勢を撹乱した上に主だった将(確か紀霊とか言ってたような・・・)を討ち取った後、間髪入れずに孫策軍が突撃を行った為、袁術軍は総崩れとなり、軍勢は城に逃げ込んでしまった。
結局総大将の張勲とか言う人物は逃がしたらしいが、これで袁術軍はかなりの打撃を受けたはずだ。かなり兵の数も減らせたはずだし。
「はあ〜本当にすごいわね〜、関平も呂布も」
戦場から戻ってきた雪蓮はため息を吐きながらそう呟いた。
「お疲れ様雪蓮。無事でなによりだよ」
「無事で当然よ。私なんて一度も敵と戦ってないんだし」
ん?敵と戦ってない?
「あれ?確か雪蓮の部隊総崩れになった袁術軍に突入したんじゃなかったっけ?」
「確かに突入はしたけど、そのときにはもう大半の袁術軍は城に逃げ帰っていて、のこっているのは私達に降伏する兵だけだったの。だから私達の軍はほとんど戦ってないわ。
戦ったのは関平と恋の部隊だけだったのよ。んも〜!!つまんな〜い!!」
雪蓮は膨れっ面をして不満そうにしていた。
おいおい、戦場で死ななかったんだから喜べよ・・・。まあ雪蓮はバトルマニアだから仕方ないといえば仕方ないけど。
「だがお陰で雪蓮が無謀な突撃をせずにすんだ。おかげで私の胃痛の元が無くなったことには関平達に感謝したいな」
「ちょっと〜、冥琳どういうこと〜?」
「お前が突撃を繰り返すせいで私は胃痛に悩んでいるといっているのだ」
冥琳の言葉を聞いてますます雪蓮は不満げな顔をする。一方の冥琳は見て見ぬふりをしていた。
「え〜ん、一刀〜、冥琳がいじめる〜」
すると、突然雪蓮が俺に抱きついてきた。
ちょっ、やばい!!雪蓮何やってるの!?む、胸があたって・・・。
「ゴジュジンザアバ!!ナニシテルンディス!!」
って愛紗!?い、いつの間に!!
「あ、関平、ちょっと一刀借りてるから♪」
「そ、そんなことは認めません!!ご主人様は私のものです!!」
「え〜、私も一刀と何度もシた仲なのよ〜?別に良いじゃない〜」
そして愛紗と雪蓮の口論が始まった。ていうか俺の意思は無視かよ!!まるで意味が分からんぞ!!
その後愛紗と雪蓮の口喧嘩は、再び袁術軍が攻めてきたという知らせで中止された。
このときほど、袁術に感謝したことは無かったぜ・・・。いやまじで。
さてと、んで再び攻めてきた袁術軍との戦いだったんだが、これも愛紗達の活躍であっという間に終わってしまったから特に言うことは無いな。
最終的に残った袁術軍の兵も次々と俺達に投降してきたから、あとは城に逃げた袁術と張勲を探し出すだけとなった。
「やれやれ、随分とあっけなかったな」
俺は隣に居る愛紗に話しかける。
「はい、まったくといって良いほど手ごたえがありませんね。これでは、前の世界の袁紹軍の方がまだ手ごたえがありました」
「・・・そこまで弱いか」
「実際我が軍の死者はそこまで多くありませんので」
なるほど、確かに愛紗の部隊の兵は怪我をしている人は結構居るけど、全員揃ってる。
少なくとも死者は居ないみたいだ。
「まあ無事でよかったよ、愛紗」
「ありがとうございます、ご主人様。それで・・・つきましては・・・帰ったら・・・その・・・」
と、愛紗は俺に対してぼそぼそと小さな声でなにか言っている。
「?どうしたの、愛紗?」
「あの・・・その・・・城に帰ったら・・・夜に・・・私と・・・」
「え?あ、あ〜・・・なるほど」
愛紗の言いたいことが理解できた俺は突然恥ずかしくなってきた。
そしてお互い沈黙したまま時間が過ぎていく。
「・・・ど〜ん!!」
「うわっ!?しゃ、小蓮!?」
いきなり腹に衝撃を感じたため、下を向くと、小蓮が俺に抱きついていた。
「ちょっ、何やってるの!?小蓮!!」
「えへへ〜♪シャオは一刀の正妻なんだからこれくらい別に良いでしょ〜?」
ちょっ!?な、何爆弾発言を・・・。
「だ、誰が正妻だ!!私はそんなこと認めん!!認めんぞ!!!」
「ふ〜ん!!別にあんたの許可なんか必要ないもんね〜!!一刀がシャオが正妻だって言ってくれればそれでいいも〜ん!!」
「な、なんだと〜〜!!!」
・・・ああ、俺の戦場は、まだ終わってないんだな・・・。
俺は二人の言い争いを聞きながらそんなことを思った。
蓮華side
一刀の隣で、関平と小蓮が言い争いをしているのが見える・・・。
その姿を見ていると、また胸の奥が痛くなってきた。
・・・まただ。もう何度目だろう・・・。
あの黄巾党征伐以来、一刀の隣に他の女の子が居るのを見ると、胸が痛くなってくる。
そして一刀が私に話しかけてくると、私の胸の中が暖かくなるのを感じる・・・。
今では、もう気が付いたら一刀の事ばかりを考えていて・・・。
あなたに振り向いて欲しいって考えるようになって・・・。
この気持ちは何なの?
ねえ、教えて、一刀・・・・。
???side
「あはははははははははは!!!!最高最高最高うううううう!!!!もう3回もイッちゃったよおおおおお!!!!」
袁術の城の中で、少女は血で真っ赤に染まった廊下を歩きながら、狂ったように笑っていた。
「やっぱりいいよねええええ!!!お城にいる人壊すのって!!!もうあの叫び声たまらないよ!!病み付きになっちゃうよおおおお!!!!」
そう叫びながら歩いてくる少女の異様な姿に、槍を構えた兵士達はがたがたと震えていた。
一見すると可憐な、そしていかにもか弱そうに見えるこの少女に、仲間は殺されたのだから。それも欠片も抵抗できずに。まるで少女に玩具にされるかのように無残に殺されたのだ。
「う、うわああああああああ!!!」
兵士5人は槍を少女に向けて一気に突き出す。少女の爪より槍のほうが間合いが長い。
普通ならこれで終わっているはずだった。
だが
「あはは♪残念でした〜♪」
いつの間にやら兵士達の懐に入り込んだ少女は、兵士たち五人の足を一撃で切断していた。
「ぎゃああああああ!!!!」「あがああああああ!!!!」「い、痛い!!痛いよおおお!!!」「あああああああ!!!!」「いぎゃあああああああ!!!!」
辺りに足を切断されて、もがき苦しむ兵士達の絶叫がこだまする。
それを聞きながら少女は狂ったような笑みを浮かべた。
「あははははははははははははは!!!!いいよ、いいよおおおお!!!!
もっと、もっと泣いてよおお!!!その声聞いているだけで、ああ、濡れてきちゃうよおおおお・・・・」
少女の恍惚に満ちた叫びと兵士の絶叫が混ざり合い、あっという間に廊下は阿鼻叫喚の地獄と化した。
「あははははは、でもまだ終わらないよ。これからたっぷり遊ぼうね♪オジサン達♪」
「「「「「ひ、ひいいいいいいいい!!!!」」」」」
そして、それから何度か絶叫が響き渡り、20分後、辺りは静かになった。
「あはははははは、あ〜あ、楽しかった♪さてと、それじゃあお仕事に戻ろうっと♪」
そして彼女が去った後には、原型を留めないまでに刻まれ、弄ばれた、兵士達の亡骸が残っていた。
あとがき
今回は早めの投稿となりましたが、三十二話、投稿しました。
ようやく袁術との戦闘が始まったんですが、少々あっけなさすぎましたね・・・。
私自身、戦闘シーンを書くのはあまり得意ではないので、こうなってしまいましたが・・・。
これからはもう少しうまくなりたいです・・・。
セリフの元ネタ
オルァクサマヲムッコロス(仮面ライダー剣、相川始)
まるで意味が分からんぞ(遊戯王5d,s 、ハラルドの上司)
説明 | ||
皆さん、今回は若干早めの投稿になりました。 今回ようやく袁術との本格的な戦闘になります。 ・・・まあ戦闘シーンはあまり期待しないでください。 |
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コメント | ||
やたらとイってしまってますな・・・美羽と七乃は大丈夫か?; 冥琳の苦労といったら・・・もう少し労わられてもいいと思う・・・そのうちマジで倒れるぞ; 愛紗はもう少し落ち着こうね^^;(深緑) Sとかそういうもんだいじゃないだろこれ(VVV計画の被験者) 袁術死んだんじゃね?(poyy) 安心してください。俺なんかもっと戦闘描写書くの下手ですよ。鬼武者の奴なんかそれがもろに分かります。しかし最初に出てきたあの物騒な少女は一体・・・。そして愛紗、お前は本当にジョーカーにでもなる気か?(笑)(BLACK) 亞莎を認めてあげてください。 オンドゥル愛紗へ(アラトリ) 紀霊、憐れ・・・。(U_1) なんというカオスな状況・・・両方な意味でw 一刀は美羽たちを助けることができるの、か!?(よーぜふ) ムッコロスwww(みっちー) なにかを思い出しそうになるなあ。 袁術がどうなるか心配ですね。(ZERO&ファルサ) |
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