〜魏志恋姫伝〜12 |
北郷警備隊実務報告書
一刀は先週、本格的に稼働し始めた警備隊の報告をする為、華琳の執務室に赴いた。
ドアを軽くノックして声を掛ける。
「警備隊の報告書を持って来たぞ。」
「入りなさい。」
華琳の許可が下りたところで部屋に入る。
書類類整理が一段落して休憩していたのだろう、華琳はお茶を啜っていた。
一つ一つの動作が優雅で一刀は華琳に見とれてしまった。
なんだかんだで重症だなと想いつつ彼女の下に歩み寄った
「ある程度の報告は聞いてるわ。大分、治安も良くなってきてるみたいね。」
「ああ。凪達のおかげだよ。」
「あら、この案を提出したのは貴方でしょ?」
「案は出しても、実行してるのは凪達だよ。それにこの一週間で改善しないといけない事も山ほど出てきたからな。」
「そうね。これからの治安維持、期待してるわ。北郷部隊長さん。」
「期待されたよ、主殿。」
二人はクスリと笑い合う。もう少しここに居たいが、この後には街の警邏と兵の調錬がある。一刀は後ろ髪を引かれる思いで執務室を後にした。
一刀が執務室を退出した後、華琳は報告書に目を通し溜息を吐いた。
楽進隊報告書
隊長が考えた警備隊が本格的に稼働して一週間が経つ。
兵の調錬、街の警邏、その後に隊長に稽古を付けてもらう事が日課になってきた。
主に氣の使い方について教えて貰ってはいるが、隊長の様にはいかない。
調錬用の簡易模擬剣を渡し、これを媒体に的に向かって氣を撃ってみろと言う。
隊長が言うには、私が氣弾を撃つ時に、必要な氣を1とする場合、5、6程度で氣弾を撃っているとの事。
必要な所に必要な分だけ氣を集める事が目的だそうだ。
体の一部に氣を集める事は出来るが、獲物に氣を集めて飛ばす事はした事がなかった。
ただでさえ獲物に氣を集めるのは難しいうえに、氣を一定量に保たなければならない。
これには高い集中力が必要不可欠だ。
もし途中で集中力が切れると、剣に集めた氣が暴発。または的に届かずに四散する。
この繰り返しを続けこの繰り返しを続け、ようやく氣弾をとばすまでになった。
これが出来るようになってから、氣の収束速度、密度が格段に上がった。
その上今までの半分以下の氣量で数倍の威力を持った氣弾が放てるようになった。
隊長からはお褒めの言葉を貰い、頭を撫でて貰った。もう、そんな歳ではないと言うのに。
でも、悪い気はしなかった。
ほのぼのとした時間がいつまでも続く訳もなく、物見の者からの声に打ち消された。
街に隊長格の出動要請を示す赤い煙が上がっていた。
沙和、真桜は不在の為、私達が出動することになった。
街では黄巾党の残党であろう3人組が人質をとって騒いでいた。
人質はまだ幼い女の子であった。子供を人質にするなど屑だ
隊長も表には出していないが、少々お怒りの様だ。
隊長は賊をあっと言う間にのしてしまった。戦闘に素人な一般人から見ても明らかなおーばーきる(隊長から教えてもらった)だった。
隊長は少しこいつらとお話してくると笑顔で言うやいなや、賊を引きずって詰所に戻った。
私は隊長だけは敵に回してはいけないと本能で理解した
李典隊報告書
隊長の直属になって数日が経った。新兵の調錬をする見返りに、天界のからくりについて教えて貰っとる。しかし、新兵の調錬なんてやった事無いしなぁ。
隊長に相談したらかめらちゅうもんを作らされた。
こんな箱が何になるんやろって思っとたんやけど、実際使って見ると紙に同じ絵が描かれて出てきた。これはたまげたなぁ。
調錬は飴と鞭言うとったけど何をする気なんやろ?
その後直ぐに隊長はかめらを持って、何処かに行ったかと思うと春蘭様、秋蘭様、桂花様の写真を撮ってきたんや。
普段からは考えられない猫に触れようと四苦八苦する春蘭様。
絶対に見る事の出来へん、無防備な寝顔をさらした秋蘭様。
はたまた、大将に虐められて喜ぶ桂花様の痴態を写してきた。
三人に気づかれずに写真を撮るなんて一体、隊長は何をしたんや?
隊長は写真を掲げ新兵達に指示を出し、まるで自分の手足のように動かしとる。
その動きは、新兵とは思えん動きやった。
新兵達の動きを満足そうに見ている隊長の後ろに黒い影が見えるのは気のせいなんやろうか?
うち達この人について行って大丈夫なんやろうか?
そういえば、最近街で警邏をしとる時、悪魔が出るなんて良く聞くんやけど・・・。
隊長が思い浮かぶのはなんでやろ?
于禁隊報告書
隊長から新兵の調錬を任されたけど、なかなか上手くいかないの。
凪ちゃんみたいに武が強い訳でもない。真桜ちゃんみたいにからくりで発明できる訳でもない。自分には何が出来るのかが分からないの。
隊長は少し考えて沙和にいろんな事を話してくれたの。
凪ちゃんたちみたいにする必要はない。自分らしくすれば良いって言ってくれた事がうれしかったの。
でも、海軍方式訓練?あれは女の子が言っていい言葉じゃないの。
隊長が手本を見せると言って、新兵達の存在を徹底的に否定してる所をみてなんだか可哀想に思えて来たの。
でも、隊長の言葉とは裏腹に新兵達の動きはよくなっていくの。
最初は抵抗があったけど、やれば出来るもんなの。
新兵達は沙和があんな言葉を吐くとは思って見なかったようで青い顔をしてたの。
教えた隊長も苦笑いしてたの。そんな顔をするくらいなら教えないで欲しいの。
お昼からは隊長と街の警邏にでたの。
大通りを歩いていると人だかりが出来てたから、行ってみるの。
そこには酔っ払いが喧嘩をしていた。まったくウジ虫君達は何をやってるの。
店の人に聞くと、最初はただの口論だったのが殴り合いになったみたいなの。
隊長は喧嘩を止めに行くと言って、人だかりの中に消えて行ったあとに、当事者の悲鳴が聞こえたのはそのすぐ後だったの。
隊長はちょっとお話してくると言って、二人を引きずって詰所に戻って行ったの。
でも、お話するだけなのにあそこまでボコボコにする必要は無いと思うの。
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コメント | ||
黒い、黒すぎるwww(氷屋) OHANASIと書いて精神破壊と読むんですねw・・・・え!ちがうの?(サイト) やっぱりO☆HA☆NA☆SHIは、いつの時代、何処の国でも共通なんですね。w(U_1) 一刀こそ、力の加減が必要だと思う!?(きたさん) 一刀はけっこうひどいな(VVV計画の被験者) |
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