メイド・シスター戦争 |
「第5班全滅!第7班損傷が激しいため撤退しました!!」
ここに50年続くメイドとシスターによる戦争があった。
それはお互いの意地とプライドをかけた戦争である。
死者の出る事なき戦争はとどまる事を知らずついにはヨーロッパ全土を巻き込んでの
大戦争へと発展していった。
西ヨーロッパメイド協会 VS 東ヨーロッパシスター教会
「わかりました。では第10班7班に変わって配置につき迎撃しなさい。」
「「はい!」」
MS戦線に配属されてまだ間もないソーラではあるが彼女はメイド学校を上位で卒業した
将来有望なものを中心として作る部隊の10班所属している。
しかし本格的な戦闘に出るのは今回が初めてである。
通称メイド学校正式名称ヨーロッパメイド専門仕官学校は10年間の時間をかけて
「メイドのメイドによるご主人様のためのお仕事」
をもっとうに数々の料理や作法を学ぶところである。
ソーラはそこで10年間の教育を受けつい半年前に卒業したばかりである。
ソーラはそこで爆破物を主に扱う兵種としての戦闘の過程をこなしてきた。
今までの仕事は前線で傷をおった者の手当てなどが主な仕事だったため
見せ場という見せ場がなかったがここからはソーラの見せ場である。
「ソーラ!6班が苦戦しているのくらい分かるだろ!?急げ!!」
「はい!!」
無理でしょ!!とはいえないので心にしまっておく。ロケットランチャーを背負ったまま
走っているのだから限界がある。
しかし、メイドの心得14 「主の命令には絶対服従」
のもと返事は はい と かしこまりました の2択である。
そんなソーラの横を颯爽と抜き去っていくのは前衛のミラ。
ミラは双剣を使い敵を翻弄しつつ戦うのが基本である。
そんなミラの双剣は前に持たしてもらったこともあったがとても軽かった。
・・・何で私こんな重いの担いでるんだろう?と思ったりもしながら丘を越える。
越えれば6班がいる西戦闘地区に辿り着く。
しかし敵との攻防が激しいため中に入れずいた。
「ソーラ、貴方のそれで敵の足を止めなさい!」
それとはもちろん背中に担いでいるRPGである。
ソーラが構え始めるのと同時に前方で戦っていたミラ達や6班が引き始めた。
それにタイミングを見計らいRPGを発射させる。
それはピタリ敵軍の中央部へと吸い込まれて爆破し、
桃色の液体があたりに飛び散って敵に付着した。
この戦争では敵も味方も体の頭・胸にペイント段が付着もしくは、
ペイント弾で体が染まったら死亡の扱いになる。
もしこれを破るとメイドもシスターもその仕事では働くことは出来なくなってしまう。
「良くやったわソーラ。10班6班ともにたたみ掛けなさい!!」
ソーラはメイド学校で訓練を受けたとき一度に多くの敵を一気に倒せる武器がいいと思い、
RPGを選んだのだが
「・・・失敗だったかなぁ。」
RPGは派手だが今戦時に使用すると味方を巻き込むため使いどころが難しい。
休みたいけどそんな暇ではないのだ。
敵が撤退を始めれば退路に一発打ち込み牽制をしなければならない。
「休むとしたらその後かな。」
などと考えているうちに敵は撤退の予兆が見え始める。
ソーラは急いで準備にかかり味方に合図を出す。
一瞬味方の足が止まったそのときを逃さずRPGを打ち込む。
そしてそれに一瞬タイミングをずらして味方が敵にダメ押しを食らわせる。
「これでとりあえずここの敵は居なくなったわ、各自すぐ動けるように休憩を取りなさい。」
その一言に今までの疲労感が一気に襲ってきたかのようにしてソーラの足が崩れ落ちた。
初めての戦場での戦闘に緊張したのか疲労感は訓練とは比べ物にならなかった。
もうだめ━武器なんて始めてみるせいで変にハイテンションになってた部分もあったからこそ、
私は力結構あるほうだし動けるから大丈夫!とか思ったりして、
なんか大きくってカッコよさそうなのを選んだりしてわぁーなんて喜んでたけど・・・。
背が高い人にはわかんないんだよ!!だってなんか大きいのって憧れるんだもん!
なんて回路が働いたのか武器の重さやそういった事を一切確認せずに考えなしに選んでしまった。
無謀にもほどがありますね、はい。
「ソーラ、おつかれさま。」
お礼を言う余裕も無くとりあえず頷いて水を受け取る。
それを一気に飲み干すと手に取っただけでもわかるひんやりとした冷たさが体中に染み渡る。
息が整ったところでミラにお礼を言った。
訓練はこなしたといってもまだ戦闘経験も少ないソーラである。
この戦場の緊張感にはまだ慣れる事は出来ずにいた。
そためか訓練と時よりも2倍も3倍もの疲れを感じてしまう。
ミラはソーラより早く戦場に赴いていたからか余裕がある感じだ。
そもそもなぜソーラやミラのように卒業して間もない者が戦場に出るようになったのか
それはこの戦争に少しでも早く終止符を打たなくてはならなくなったからである。
海を挟んだ隣の大陸である団体の活動が活発化してきたためである。
「ソーラ初仕事お疲れ様。」
次に声をかけてきたのはこの隊を指揮するリーダーのウィンネ。
ウィンネはソーラよりも2年年上で生徒会長を務め、
学校を首席で卒業した皆の憧れのその人である。
「今耳にした話だけど…もしかしたらもうすぐこの戦争は終わるかもしれないわ。」
ウィンネはこう続けた。
今上層部ではこの戦争を和解といった形で終わらせるように動いているようだ。
理由はソーラたちが駆り出される事になった隣の大陸がついに戦争まではいかなかったにしろ、
こちらの大陸に侵略の意思があると見える行動に出てきた。
そのためこんな所で内輪もめのような事をしていられる状態ではなくなってしまったとか。
50年間も続けられた戦争がそんなあっさり終わるものなのか?
などと思ったが何でもこの50年で両方とも疲弊し始めているらしく、
双方の妥協によって結構あっさり決まるらしい…。
「ソーラこれは私の憶測に過ぎないけれど、もしこの戦争がこういった形で終わったとしたら
おそらく貴女達はシスター側の学校に親善大使といった感じで行く事になるわよ。」
まぁあくまでこれはカンだけどね。
と最後にウィンネは言った。
それは大方ウィンネさんの予想通りになり私たちメイド協会とシスター教会は結託し、
隣の大陸に出来たバニー連盟とメイド・シスター連合による海を挟んだ決戦となったのだった。
まさかあの時はこんなことになるなんてこれっぽっちも思ってなかったけど、
本当にウィンネさんの言っていたような状況になるなんてね・・・。
まぁミラやウィンネさんが一緒だからまだ気が楽だけど。
説明 | ||
メイドとシスターなどなどの生き残り(仕事としての)を賭けた戦争の一端です。 続きは・・・受けがよければ書こうかなぁ・・・と。 |
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