ラブレターをリクエスト
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「ラブレターが欲しい」

家に帰ったら同棲してる彼女に唐突にいわれた。

友達と電話してて貰った事があるとかないとかそんな話をしたらしい。

メールで色々それっぽいこと送ってるじゃんと言ったら、ちゃんとしたのが欲しいそうだ。

でも作文とか苦手だし全然思いつかない。

ちゃんとした手紙じゃなくてメールでいいと言ったので、ネットで検索したのをコピーして送ったら、例文の中の名前を変え忘れて即バレた。

用事があるといって逃げて、今、彼女が好きって言ってたケーキ屋まで高速使って向かっている。

 

ケーキ買って帰宅した。

彼女は「ケーキじゃなくてラブレターもってこい」と言いながらケーキ食ってる。

俺はケーキ食ってる彼女の前で便箋を書かされてる。正座で。

書き上げるまで晩飯お預け。まぁ取り付く島があるだけマシか。

 

何も思いつかない。初めて料理つくってくれた時を思い出して「クリームシチューが美味しかった」と書いたけどそこから進まない。

午前1時前くらいに、深夜番組見終わった彼女は「それでいい」と言ってその一文だけ書いた便箋を綺麗に折って引き出しにしまった。

次の日の晩飯はクリームシチューだった。

彼女の誕生日までに、必ずちゃんとしたラブレターを書いて送ろうと思う。

 

説明
2冊目の同人誌の中の話のひとつ。
ラブコメ
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タグ
短編 掌編 小説 ラブコメ オリジナル 創作 日常 恋愛 

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