真・恋姫無双 恋姫恋慕〜あの日の君に〜 No. 1
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今日はなんだか落ち着かなかった。

 

大好きなお酒を飲んでても、仕事をしない事を大好きな冥琳に怒られても、おじいちゃんおばあち

ゃんとこに手伝いに行っても、何をしても落ち着かない。

 

そんなものだから夜に祭を誘って、もちろんお酒で誘って、遠乗りに出かけた。

 

今は祭と二人っきりで馬に揺られて近くの川を目指しているとこ。

 

揺られて揺られて、いつもなら、今日あったことや冥琳が今日もうるさかったとか、いろんなこと

を話すのに。

 

私からは何も言わない。何も考えられない。

 

横で祭が何か言ってるようだけど上の空。

 

春なのに肌寒い、だとか、この世が狂ってきている、だとか、袁術の客将としているのももう嫌

だ、とか。

 

言っていることに対してちゃんと返しているでしょうけどどうだっていい。

 

そんなことよりも大事な話があるはずなの・・・。そう・・・それは・・・

 

「そういえば策殿。こんな噂があるのを知っておるか?」

 

「・・・どんな噂よ?」

 

「『黒天を切り裂いて、天より飛来する一筋の流星。その流星は天の御遣いを乗せ、乱世を鎮静

す。』・・・・・・管略という占い師の占いじゃな。」

 

「天の御遣い・・・・・・?」

 

「実に胡散臭いじゃろ?だがこういった胡散臭い占いを信じてしまうぐらい、世の中が乱れとると

いうことだろうな。」

 

「天の御遣い・・・・・・。」

 

「妖言風説の類じゃからな。じゃが仕方なかろうて。明日がどうなるか。明後日がどうなるか。と

んと見えん時代じゃからな・・・・・・ん、どうしたんじゃ策殿?」

 

「いえ・・・・・・何でもないわ。そうね、ホント、世も末だこと。」

 

怪訝そうな顔で私の顔を覗き込んでくる祭。なんでもないわ、と言わんばかりに馬を早める。

 

天の御遣い・・・・・・。聞いたことのない話ではなかった。が、何故か今日は心に引っかかっ

た。

 

これも私の「勘」なのだろう・・・・・・。自分で言うのもなんだが、私の「勘」はなかなかに鋭

く、大概のことは当たるものなの。

 

天の御遣いが何のことなのかはさっぱりだけど、これだけは「解った」。

 

「それ」が我等が孫呉の復活と、発展に必要なものであるということが・・・・・・。

 

そのことが解った途端、今日の落ち着かなかった気持ちが吹き飛び、いつもと変わらない「私」に

なる。

 

いや、それよりもいつも以上に「興奮」してきたかもしれない。

 

この高まる気持ちを抑えるために、もっと速く、もっともっと速く、馬を走らせる。

 

「急にどうしたんじゃ!?策殿!」

 

「祭〜〜。早く来ないと持ってきたお酒全部飲んじゃうわよ〜〜!!」

 

「な、なんじゃと!え〜い!急がんか、お前!」

 

「あははははは♪早く早く〜〜♪」

 

今日は綺麗な満月・・・・・・。

 

もっと速く。そう、もっと速く走る。そうすれば「彼」に会える気がして・・・・・・。

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「おかしいわねー・・・」

 

お風呂につかりながらひとりでに出てくる言葉。

 

結局、天の御遣いとやら、には会うことが出来なかった。

 

おかしい・・・・・・私の「勘」が外れるなんてことはないはずなのに・・・・・・。

 

どうして現れなかったのか。もしかしたら管略の戯言だったのか。

 

様々なことが頭の中を駆け巡る。駆け巡って、駆け巡って・・・・・・。駆け巡った後、私の頭の

中にポンッ、と出てくる答えがあった。

 

それは、「彼」は孫呉に必ず降りてくる、というものだった。

 

これは絶対に外れない。絶対に。

 

「勘」でもあるが、それ以上に私の「何か」が内側から訴えかけてくる。

 

言葉に出来ないそれを吐き出すために、鼻までお湯に浸かってブクブク、と息を吐き出す。

 

息が続かなくなるまでそれをやってプハァッ、と顔を上げた。

 

見上げた先には丸い、本当に丸い月が見えた。

 

・・・月は不思議。だって手に取れないから。

 

昔の風流人なら池か水溜り、今の状態ならお風呂かな、に映った月をすくい上げ、「ほれ、月を捕

まえたぞ」と言うんでしょうけど・・・・・・。

 

私はそんな性格じゃないしね・・・・・・。

 

私はそう・・・・・・何とかして月を「天」から引きずり落とすでしょうね。

 

・・・・・・変な私。こんなことを考えるなんてどうかしてるわ。冥琳じゃあるまいしね。

 

と、そこまで考えて私は、かなり長い間お風呂に入っていることに気が付いた。

 

水を沸かす、しかもお風呂として入れるぐらい沸かすのは、簡単には出来ないことだ。

 

人手だって、お金だって、材料だって多くかかるのだから。

 

みんなが待っているわね、と思ってグイッ、っと体を伸ばしたとき。

 

「いつまで入っている気だ、雪蓮。」

 

断金の仲の私の頼れる相棒、周喩こと冥琳がいつの間にか、お風呂場に入ってきてい

た。・・・・・・って!

 

「うわ!・・・・・・びっくりした〜〜・・・。おどかさないでよね、冥琳。」

 

「やれやれ・・・風呂なんぞめったに入れんものなのだから、みんな待っているぞ。」

 

眼鏡の曇り具合が気になるのか、指で曇りを落としながら私の横に入ってくる冥琳。

 

まったく困ったものだ、といわんばかりの様子でこちらを見てくる。

 

「・・・それで、今日はどうしたんだ?こんなに長い間風呂に入るとはなかなか珍しい。・・・ま

さか何か悩みでもあるのか?お前に。」

 

くつくつ、と目を細めて私の方を見ながら笑う冥琳。

 

「あーー!ひどいんだー。私にも、ちゃ〜んとした悩みぐらいあるんですからねぇー!!」

 

「そうかそうか、それはすまなかった、雪蓮。・・・それでどんな悩みなんだ?言ってみたらどう

だ。」

 

笑いを収めてまたこちらを向く冥琳。悩み・・・というよりも・・・・・・。

 

「ねぇ冥琳・・・天の御遣いの話、知ってる?」

 

「ふむ・・・あの流星に乗ってやってくるという、管略という占い師が民に流している噂だな?一

応知っているが・・・それがどうした?」

 

う〜ん、と猫のように伸びをして一拍置く私。

 

「私の「勘」がね、その天の御遣いはこの孫呉に堕ちてくる、って言ってるのよ。」

 

「・・・ほぅ。なかなかに愉快なことを言うじゃないか。それで、いつぐらいに堕ちてくるとお前

の「勘」は言っているんだ?」

 

「それがさぁー、今日会えると思って祭と遠乗りに出かけたのに、結局会えなかったのよね

〜・・・。「勘」、鈍っちゃってるのかなぁ〜〜・・・?」

 

あはは・・・と後に引く笑いで冥琳に答える。

 

結局諦めたのか、眼鏡をお風呂の縁において、ふむ、と考えるそぶりを見せる冥琳。

 

「まぁ、この頃は文台様がご生存なさっていた頃よりも戦などが少ないからな・・・。鈍ってしま

うのも仕方あるまい。」

 

「でもね〜・・・。そんなこと無いと思うんだけどなぁ〜〜。」

 

「ほう?えらく自信があるようだな。」

 

「そりゃそうでしょ。なんたって私なんだから。」

 

「そうか、お前だったのか。」

 

くつくつ、とまた私を見て笑う冥琳。

 

「それよりも、もう出たらどうだ?そんなに長く湯に浸かっているとのぼせてしまうぞ。」

 

「ああ〜〜!なぁに冥琳?私のことを追い出そうとしてるの〜〜?」

 

「そんなこと無かろうに・・・。ただ私はお前のことを気遣って―――」

 

「解ってる、解ってるわよ。私は冥琳のことがだ〜いすきなんだからね。冥琳も私のこと大好きで

しょ?」

 

「・・・ああ、大好きだよ。愛してるといってもいい・・・。」

 

「あはっ♪・・・・・・冥琳・・・・・・。」

 

「・・・・・・雪蓮・・・・・・。」

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二人の間が徐々に近づいていく。20cm、15cm、10cm、5cm、と二人の間が0cmになろうと

したとき。

 

「・・・んっ?ちょっと待て雪蓮。」

 

と、いいところまで来ていたのに、何かに気づいた冥琳が私の体をそっと押して眼鏡を付けはじめ

た。

 

「・・・・・・なによ〜!いいところなのにどうしたのよ〜〜。」

 

「アレを見ろ、雪蓮。・・・ほら、月の縁あたりだ。」

 

「月?・・・え〜と・・・・・・。」

 

目を凝らして見ると、確かにふちの辺りにゆらゆらと揺れる何かがある。って・・・

 

「眼鏡してなかったのによく見つけたわね?冥琳。」

 

「ああ・・・。あれが何かを訴えかけるようにちかちかと光っていたのでな。今は月のせいで見え

にくいが・・・。」

 

確かに光っている。月の横に少し出ているので、今は月が歪な形になっているが。

 

「・・・ねぇ、冥琳?少し気になってることがあるんだけど・・・。」

 

「・・・ああ、奇遇だな雪蓮。私も気になっていることがあるんだが・・・。」

 

「あの光ってる何か・・・・・・こっちに近づいてるわよね?冥琳。」

 

「おそらくな・・・・・・もしやするとあれは流星なのか?占いにあった天の御遣いが乗っている

という。」

 

「あ〜〜・・・多分そうなんでしょうけど・・・・・・もしかして、ここに落ちたりしないわよ

ね?」

 

「ふむ・・・。」

 

一旦眼鏡をはずして、湯気で曇ってしまったのを、きちんと見えるように手で拭いて掛け直す冥

琳。

 

「ここにぶつかるだろうな。」

 

「って、えぇ〜〜〜〜!!そんな落ち着いて言うことじゃないわよ、冥琳!とりあえずここから逃

げなくちゃ!!」

 

「ふっ・・・もう間に合わんさ。あんなに近くまで来ているのに、避けることなど不可能だ。」

 

「だからなんでそんな冷静なのよ〜〜!早く行くわよ!!」

 

やれやれ、と首を振って、何か悟ったような顔で私を見つめてくる冥琳。

 

「最後がお前と一緒なのがとても嬉しいよ・・・雪蓮。」

 

「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

そんなことをしていたものだから、流星は目の前まで迫ってきていて・・・

 

「伏せて!冥琳!」

 

私はとっさに冥琳を下に引いてしゃがみこんだ。

 

冥琳が何か言っているようだが聞こえない。耳が流星から発せられる、キーンとする音に支配され

る。

 

私は恐怖に目を閉じることなく、流星を凝視する。そしてあることに気が付く。

 

・・・男の子・・・・・・?

 

なんと流星の正体は、見たことの服を纏った男の子だったのだ!

 

そのことがわかった瞬間、その男の子が纏っていた光は、パシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ

ン、という音と共に飛び散ってしまった。

 

そしてその男の子は・・・なんとふわふわと宙に浮いているのだった!

 

「なんだ・・・・・・こいつは・・・・・・?」

 

いつの間にか立っていた私の横で冥琳が呟く。

 

「なにを言ってるのよ・・・・・・「彼」が「天の御遣い」に決まってるじゃない?」

 

「こいつが・・・・・・?」

 

また眼鏡を外して、信じられない、といった顔で目と眼鏡を拭く冥琳。

 

「確かに見たことも無い服を着ているが・・・・・・妖術使いかも知れんぞ?」

 

「いいえ、彼は本当の「天の御遣い」よ。だって私の「勘」が言っているのだから。」

 

「だからといって・・・・・・まあいいだろう。とりあえずあいつを回収しなくてはな。」

 

「そうね・・・・・・。」

 

と言って私は「彼」に近づいていった。

 

「おい!離れるんだ雪蓮!まだ安全だと解ったわけじゃないんだぞ!?」

 

冥琳が何か言ってるみたいだけど上の空。今は「彼」しか見えていないのだから。

 

ふわふわと浮いているままだった「彼」をやさしく抱きしめる。

 

その瞬間に感じられる「彼」の重さと暖かさに、心がざわめく。

 

「いらっしゃい、この世界へ・・・・・・。いらっしゃい、我らが呉へ・・・・・・。」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

目を覚まさない「彼」を抱きしめて耳もとで囁く。

 

それでも彼は目を覚まさなかったが、確かにその顔には笑みが広がった・・・・・・。

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やっとやってきましたね、種馬が・・・(笑)

 

この前、アマゾ○で見つけた恋姫の呉√の漫画

 

確か「孫呉愛史」みたいな名前のやつなんですが・・・

 

解りますかね?

 

これを買ってテンション上げるか!

 

と思ったんですが・・・

 

中身はただのエ○漫画でした(苦笑)

 

まっ、仕方ないですよね・・・原作が原作ですので

 

でも恋姫、愛してますけどね!!

 

これからは三国パートに突入しだすので資料を集めていかないと・・・

 

それではこれからもがんばっていきたいと思いますので

 

ご愛読、よろしくお願いいたします!

 

では、また次回。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やばい、この頃話が短くなってきてる。もっと長めに書かないと・・・。

説明
おひさしびりですね、見てくださっている人。
前回が・・・何と言いますか・・・
まぁ、ちょっと暴走気味だったので
今回は165度ぐらい曲がってまともに書いてみました。
とうとう我らが一刀君が呉へやってきます。
それでは、本文へGO!
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コメント
俺は見た!確かにラOュタはあった!・・・ではなくお風呂場の更には二人の濡れ場に落ちてくるとは・・・やるな一刀!(ぇ(深緑)
320i さん)思春に幸せになってもらいたいですwww(otika)
ブレイド さん)あの本の続きも期待してください(笑)(otika)
中原さん)どうもありがとうございます!(otika)
あの本は確かに、続き期待して待ってます!!(ブレイド)
頑張って下さい!(中原)
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