真・恋姫†無双〜江東の白虎〜第壱章 第14節〜一刀君と思春ちゃん、武器げっと〜 |
この小説は、北郷一刀(と呉の主要キャラほぼ全て)にいろいろな設定を作っていますので、キャラ崩壊必死です。
その点を踏まえて、お読みください。
蒼里と瑞穂が仲間となって一月半--。
二人も冥琳から与えられる仕事に慣れ、街の人々からも親しげに話されるようになった。
そしてそれだけ月日が経てば、女学院通いだった蒼里は勿論のこと、
一刀の魅力に一目惚れに近い状態だった瑞穂が落ちるのは、ほぼ必然と言ってもよかった。
これは、そんなある日の出来事である。
SIDE一刀
おはようございます。
一刀です。
行き成りですが、あなたに質問します。
「す〜……すぅ〜……」
「ん〜……。」
朝目覚めたら、ロリボインな女の子が自分に抱きついて眠っており、
目の前に、男の娘のキスするときのような紅い顔で、
自分に迫ってきて居たら如何しますか?
模範解答は、此方です。
「何してんだお前等あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
「ひゃぁぁぁっ!!」
「ひゃぁぁぁっ!!」
一刀の叫び声で、一刀の窓ガラスに罅が入り、木に止まっていた鳥達は逃げ出し、
馬小屋の馬達は驚いて暴れ、眠っていた重鎮達も何事かと驚いて起きて、一刀の部屋に駆け込んできた。
そして、一応静かになって
「で? 何で蒼里ちゃんは一刀君の寝台の中に入っていたのかな?」
「しょの……多分、夜厠に行った後、寝ぼけて部屋を間違えた物と……。
ううぅ……はじゅかしいでしゅ……」
首まで真っ赤にして、応える蒼里に是は仕方ないだろうと一刀も思う。
普段の彼女はこんな大胆な行動は取らない。
問題なのは、もう一人。
「蒼里はまだ分かる。 少し無防備なのは頂けないが、概ね良し。
だが瑞穂、お前は何しようとしてやがった!」
「え、えと、ろ、羅馬には、接吻で目覚めさせると言う習慣があるそうで、それを真似ようと……」
「要らんことを覚えるな! そして、其処っ! 今度試そうかとか言うな!!」
瑞穂と一刀の会話を聞いて、
そこに居た女性人の好奇心旺盛タイプ&大胆行動タイプがその時のこと思いニヤリと笑い、
純情タイプの娘たちは顔を紅くしていた。
好奇心旺盛タイプのある何人かを例として上げよう。
S蓮さん達の場合
「(ふ〜ん。 なら、今度やってみよ♪)」
M蓮さんの場合
「(夜討ちと朝駆けは戦の基本よね♪ 露馬も結構いい文化を持ってるじゃない♪)」
閑話休題。
話を聞いていた美蓮は、はぁと溜息をつく。
「全く。 何か大事が起こったかと思ったじゃない」
「いや、充分大事でしたよ!? 貴女、自分の息子が衆道になっても良いんですか!?」
のほほんと言い放つその言葉に、一刀は本気で文句を言った。
「あー……でもね……。 この娘を男と認めるのには、なんか悔しいのよ」
雪蓮のその一言に、女性陣が瑞穂のほうを見る。
「ふぇ?」
首を傾げるその仕草は、間違いなく、女の子そのもの。
「だから、いっその事、女と認めてしまえば楽なのではないかと、皆が思ってな」
「俺が楽じゃねぇぇぇぇっ!」
呉は今日も平和です。
思春と一刀は、静かに対峙していた。
「この一月の成果、俺に見せてみろ!」
「御意っ!」
その声と共に思春は、ただの一度も失速することなく一刀に向かってまっすぐに突っ込む。
「はぁぁぁぁっ!!!!」
力も、体力も、体格も一刀には劣る。
だが思春には、一刀に負けない速さが有った。
だから自慢の速さを生かして、小太刀に全体重と速さを乗せて、全力の一撃を一刀に叩きつける。
それに対する一刀も拳でそれに応酬する。
そして―――
「はぁぁっ!!!」
「おおっ!!!」
バッキャァァンッ!!!
「フンッ!」
ドカッ!!!
今朝の一悶着の後、一刀は思春をつれて或る場所に向かっていた。
「一刀様、何故私を?」
「この前、卒業試験して見事に合格したろ? だからその新しい門出をと思ってな」
「一刀様……」
一刀のその言葉に、思春は心から嬉しさがこみ上げてくる。
蒼里と瑞穂が仲間に加わってから、三日後に思春は卒業試験と称して一刀と手合わせをしていた。
そして、思春は己の小太刀と一刀の訓練用の籠手を破壊しそれを囮とし、
見事一刀の右脇腹に本命の蹴りを入れ、卒業する事が出来た。
その時、一刀が思春に言った、
「思春、卒業おめでとう。
これからは、俺の部下としてでは無く、甘寧将軍と言う一人の武将として、孫呉を支えてくれ」
その一言で、本当の意味で孫呉の一員として、
認められたと心から感じることができ、思春は一刀に抱きついて泣いて喜んだ。
その事を話しながら歩いていると、一軒の趣のある鍛冶屋に着いた。
「おやっさぁんっ! 居るかい!」
「ん? おお! 是は一刀坊ちゃん!」
中から出てきたのは、男くさい笑顔を浮かべた、気の良さそうなオヤジ。
「おいおい、坊ちゃんはねえだろ。 俺はいったい幾つだよ?」
「はっはっはっ! あっしにとっちゃぁ何時までも坊ちゃんは坊ちゃんでさぁ」
二人の会話の内容からして、かなり古い付き合いのようだ。
その証拠に、彼の真名をオヤジは呼んでいる。
「あのう……一刀様此方の方は?」
話に入れず、空気同然になっていた思春が声を掛けた。
「俺の武器を作ってくれている、此処のオヤジさ。 腕は確かだぜ」
一刀がそういうと、今度はおっちゃんが思春のほうを見て
「おお! すまねえな、嬢ちゃん。 一刀坊ちゃんの連れだな、ちょっと待ってな」
そう思春に言った後、奥に引っ込みそして直ぐに、布に包まれた物を持ってきた。
それを一刀はオヤジから受け取ると、布を剥がす。
「こ、これは!」
「わーお……こりゃすげぇな」
中から出てきたのは、純白の籠手。
「中々苦労したんだぜ? 坊ちゃんのは強くしねえと、直ぐにお釈迦になっちまうからな」
その籠手は、指先にもその素材が使われて、疑似の爪のようになっている。
だが、握りこんでも痛くないように加工されており、指の動きも素材が阻害する事は無い。
そしてその最大の特徴が、一刀が籠手に氣を籠めることで白銀に変わることだった。
「こいつは、氣を蓄積して増幅させんのか?」
「おうよ。 素材のもともとの特性でさぁ」
「じゃあ、次はこいつだな」
そう言って一刀がまだ布の中に有った物を取り出した。
それは、大きさ三尺程で柄にはサラシが巻いてあり、柄尻には丸い穴の開いた紅い剣と
皮で出来た鞘だった。
「頼まれた通り、三尺三寸の太刀でさぁ。 銘はまだ無えがな」
それを見て、一刀はふっと笑い、
「ああ、是なら思春に合うだろうな」
「え?」
一刀は、そう言うと鞘に剣を収め、思春にそれを渡した。
「思春、俺からの門出の祝いだ。 大事に使ってくれよ?」
「……あ、ありがとう、ござ…ぃます」
思春は余りの嬉しさに、少し震えた声を出す。
「ぐす……一刀様この剣の銘、どうか貴方様に付けていただきたいのですが、宜しいですか?」
「俺がか?」
潤んだ瞳の思春に見つめられて、その願いを断れそうに無い。
目をつぶってその名を考えていると、風が吹き、チリーンと思春の鈴が鳴った。
「! こいつの銘は、『鈴音』ってのはどうだ? 鈴の甘寧から取ったんだが」
「『鈴音』……」
思春は、噛み締めるように剣を抱きしめながら呟く。
そして、思春は片膝をつき、鈴音を鞘から出し、横に寝かせて差し出す。
「ありがとうございます! 一刀様、この甘興覇、孫呉の礎と成れる様、尽力致しますっ!!」
「おう! お前の決意、確り見届けた」
その思春の新たな決意表明に、一刀は笑顔で答えた。
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ちわっす! タンデムです! 今回、超短いです……ごめんなさいっす。 で、でもそれなりに重要な話? にしている予定です! で、では、本編どうぞ! |
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コメント | ||
こちらの思春は涙脆い感激屋さんですね〜・・・良い!w(深緑) 一刀に純白の籠手、まさに白虎ですね!ところで、一刀の籠手の銘は?(韻) |
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