妹と共に 41 |
華琳「全軍!抜刀!突撃!」
『わぁあああああああああああああああああああ』
一刀「前にでる!」
凪「いくぞ!」
真桜「いてこますでぇ!」
沙和「いくの〜!」
『おうっ!』
華琳の大号令から数刻
華琳「くっ・・・このままだと・・・」
魏軍3万に対して劉備軍10万
三倍以上の数に苦戦を強いられていた
華琳「まだよ・・・まだ・・・負けじゃないわ」
自分を奮い立たせるように声を上げ、愛刀、絶を振るう
劉備軍兵「ぐぁぁぁぁ!」
一人・・・また一人と絶命していくが・・・明らかに分が悪い
関羽「そこまでだ!曹操!その頚私がもらいうける!」
華琳「くっ・・・関羽・・・」
疲労困憊の華琳の目の前には武神、関羽が立ちはだかった
関羽「桃香様の理想のため・・・覚悟!」
華琳「舐めんじゃ・・・ないわよ!」
必死に抵抗をしてみるも関羽に敵うわけもなし・・・・簡単に交わされ、あしらわれているのが自分でもわかる
華琳「私が・・・・負けるというの!?あんな理想だけの小娘に!?」
関羽「覚悟!」
華琳「チッ!」
舌打ちをしようが必殺の間合いで避けることも絶で防ぐことももはや遅かった
華琳「(ここで死ぬのかしら・・・・かずと・・・)」
目をつぶり、彼のことを思った・・・
自分のことをただの女のこと見てくれる・・・かずとがその気なら王座だって譲ってもいい
誰よりも一番そばにいてほしかった・・・そして今でも一緒にいたい・・・
一刀「華琳!」
『キーーーーン!・・・ギリギリギリギリ』
華琳「え?」
一刀「華琳!?無事か!?」
華琳「かず・・・と?」
関羽「ええい!きさま!邪魔をするな!」
頚を取られると思った・・・・自分はここで死ぬんだと思った・・・
けど・・・目の前にかずとが居る・・・あの関羽の攻撃を・・・・受け止めて
一刀「華琳!前線は崩壊寸前だ!俺がしんがりを勤める・・・城に退け!」
華琳「なっ!?何言ってるのよ!まだ大丈夫よ!」
私は強がりを言った・・・けど、どの兵も今にも倒れそうだった
一刀「全軍退け!凪!真桜!華琳を頼む」
凪「はい!」
真桜「了解や」
華琳「待ちなさい!まだ私は戦えるわ!」
王である私の言葉よりも凪と真桜は一刀の言葉を選んだ・・・
城門には既に沙和が待機していて・・・・負傷兵を集めていた
沙和「こっちなの〜!凪ちゃん、真桜ちゃん早く!」
風「ではでは。しめるのですよ〜」
華琳(まって!外には一刀がいるのよ!?なんで彼は・・・・こないの!?)
風「華琳様・・・・お兄さんは殿として将や兵に危害が加えられないように戦っているのです・・・それをわかってほしいのですよ」
華琳「風!?」
華琳(わかっていたはずだ・・・・判っていたはずなのに・・・・今になって自分が仕掛けた策を恨めしく思う。隙を大きくすればきっと劉備か孫策が挑んでくると・・・そしてその攻撃を少量で打ち払うことで更なる名声が得られると・・・・判っていた・・・・わかってはいたが・・・)
風「華琳様」
華琳「風?どうかしたのかしら?」
風「・・・・(クルッ)」
華琳「(え!?)」
風は私を呼んだ・・・・けど何も言わず着た道を戻っていった
あの時の風の顔は・・・・今でも忘れられないほど・・・・悲しそうだった
それからすこしたった・・・・彼が戻ってきた
華琳「かず「お兄さん、ご飯の用意ができてるのですよ」「わかった」と」
一瞬だけど見えた目は虚ろ、体は血で真っ赤に染まり、髪も肌も赤かった
彼は無言で出された食事を平らげ・・・・ただひと言だけ
『行って来る』と告げ
城門より外へ・・・・出て行ってしまった
次の日
城外では斬撃と罵倒、悲鳴しか聞こえてこない
その次の日もその次の日も
彼はすこし戻ってきてはまた外に出ることを繰り返した
劉備軍がせめてきて5日目
兵や将が安心しきって熟睡している夜
火矢が降り注いだ
華琳「急いで消しなさい!そこなにやってるの!?」
風「そこも燃えてますよ〜」
桂花「そこ!燃え広がる前に・・・」
兵に指示を飛ばして火は炎になる前に消したけど・・・・次の日水門をふさがれた
華琳「打つ手なしかしら・・・」
桂花「華琳様・・・」
風「まだあきらめるのは早いですよ〜」
華琳「え!?」
風の言葉の真意を問いただす前に劉備軍はるか後方から・・・・赤い煙が立ち始めた
風「おや・・・アチラも終わったようですねぇ〜」
華琳「何をいって・・・」
風「凪ちゃん、真桜ちゃん、沙和ちゃん。兵の準備を」
『はっ!』
風「門を開いてください!お兄さんを助けにいきますよ〜」
風の一声で城門が開く・・・・目の前にはかずとが・・・無数の武器に囲まれるように立っていた
風「お兄さん!」
一刀「・・・・」
風「何も言わなくてもわかるのです・・・・今までご苦労様なのです」
風「華琳様、お兄さんを・・・・お願いします」
華琳「え・・・ええ」
風「お兄さんが作ってくれた好機・・・逃がしたらダメですよ!」
『おおおおおおおおおおおおおおお』
風「凪ちゃん、真桜ちゃん、沙和ちゃん!お願いするのです」
『御意!』
私はそっと彼を抱きとめる・・・赤く染まった彼は何かを言いたそうにしきりに口を開け閉めしている
華琳「かずと・・・何を言いたいの?」
一刀「・・・ま・・・・を・・・・う・・・・て・・・・」
華琳「え?聞こえないわ・・・」
一刀「え・・・・・く・・・そ・・・・に・・・・」
彼が無意識に動かしてるのはわかった・・・・なら、彼のためにその伝えたいことを読み取る
『え・・・ん・・・ま・・・く・・・を・・・そ・・・ら・・・に・・・う・・・て・・・・』
華琳「煙幕!?そんな物どこに!?」
一刀「こ・・・こ・・・に・・・」
彼がすこしだけ意識を戻したときに渡してくれた十としるしがついてる煙幕球
華琳「これを・・・空に撃てばいいのね!?」
彼は何も言わない・・・・かわいい寝息だけを立てて私の膝で寝ている
私は近くの兵に煙幕を頼み・・・彼を見つめていた
兵が撃った煙幕はある程度の高さに達したとき・・・・ボワッと空一面に広がった・・・・
大きな『十』の文字を形作って・・・・
誰かが走ってくる・・・・息を切らしながら・・・
桂花「華琳さま!」
華琳「桂花?」
桂花「ただいま報告がありました・・・・春蘭たちが戻ってきます!」
華琳「春蘭たちが戻って・・・くる?」
桂花「はい!」
一瞬桂花の言ってることがわからなかった・・・・春蘭たちは賊討伐に出ているはず・・・
すこし間をおいてようやく理解した
魏国に賊などは居ない・・・賊討伐など他国が進入しやすくするための自分が行った策であると
華琳「本当なのね!?桂花」
桂花「はい!」
魏の主力が戻ってくる・・・そうなれば劉備軍がいかに兵数を持っていようと関係が無くなる
そうこうしているうちに劉備軍後方から騎馬が駆ける音が聞こえてくる
劉備軍があわただしく動揺しているのがわかる・・・・?
おかしい、春蘭たちが着たとわかっていると思うが・・・・動揺が酷すぎる
あれではまるで・・・・そう、まるで・・・・黄巾党が食料を燃やされたときと同じではないの・・・
同じ?・・・・どうゆうこと・・・?
風はなんて言った・・・?
『風「おや、あちらも終わったみたいですね〜」』
何が終わったというの?
『風「お兄さんが作ってくれた好機、逃してはだめですよ〜」』
かずとが何を作ったというの・・・・劉備軍後方から上がる赤い煙
もし・・・仮に・・・あの煙が煙幕ではなく・・・・炎の色だったとすれば・・・・
前にかずとが話してくれた水を与えると燃える粉の話・・・・
そう考えると今の劉備軍の行動に合点がいく
敵は兵糧子と援軍で混乱しているんだ
そして風はその混乱に乗じて、かずとを助け出すつもりだった
そして、あの煙幕は策がうまく行ったと春蘭たちに知らせるための合図
すべてはかずとの手の上で踊っていた・・・劉備も私も・・・・
私は逃げ帰る劉備軍を見つめてる
あと少しで勝てると思っていたときに逆転されることが二度も立て続けに起きて混乱している兵を
落ちつかせようとしている将もいれば、兵と一緒に笑うことしかできない将もいる
錯乱して味方に切りかかるものや、自害するもの
我先に逃げるもの
見ていてあまりいいものじゃないものが目の前で起きてる
劉備は義妹に護衛されながらいち早く逃げたと見える
華琳「これで・・・終わるのね」
一人この戦に終止符をつけようと思っていた矢先
春蘭「関羽!おとなしく投降しろ!」
春蘭の声で現実に引き戻される
何事かと声のするほうをみると・・・・春蘭や秋蘭、霞に恋に周りを囲まれてる関羽がいたわ
関羽「誰が投降など!桃香様の義妹、この関雲長を舐めるなぁ!」
春蘭「くっ!なんて気迫だ・・・」
関羽は既に捨て身になって目を光らせていたわ・・・・
一刀「華琳・・・・」
華琳「かずと?」
一刀「気持ちよかったよ」
華琳「ばか」
彼は私の膝からゆっくりと起き上がるとおぼつかない足で関羽に向かう
春蘭「かずと・・・」
秋蘭「一刀」
関羽「どうした!?掛かってこないならこちらから・・・」
一刀「悪いようにはしないよ、投降してくれないか?」
関羽「くっ!申し訳ありません・・・桃香様。・・・投降します」
言い訳
あれ?劉備と二回戦ってるような・・・・まぁいいか
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劉備いじめ | ||
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良いなあ。(readman ) おおぉ〜(七夜) 七夜が風化した・・・起きろ!(護衛) おぉ?・・・・・生きてた・・・ぐぅ(七夜) 9pの一刀は殺気全開なので抵抗したら死ぬと悟ったのでは?(護衛) 愛紗が簡単に投降しましたね。堕ちたらおもしろい展開(VVV計画の被験者) 9p目 愛紗がえらいあっさりと投降したのがw一刀の殺人スマイル(女性限定)で落ちたか?(村主7) |
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