なつようむ
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1.残暑見舞い

 

 

 塀に沿って植えられた桜たちは、深い緑の葉を茂らせている。

 冥界では蝉の鳴き声も聞こえない。熱と静寂だけが白玉楼を包んでいた。

 魂魄妖夢は縁側に腰を掛けて、足をブラブラさせていた。

 ぼんやりと庭を眺める。掃除、洗濯は午前のうちに済ませてしまったし、夕食の支度にはまだ早い。

 

 頭上を見上げると、梁に風鈴がぶら下がっていた。

 数日前、博麗霊夢に無理やり連れ出された夏祭り。そこの出店で購入したものだ。

 先刻から全く音を立てる気配がない。

 それも当然のことで、冥界ではほとんど風が吹くことがないのだ。

 そんな当り前のことも忘れて、無駄な金を使った妖夢が愚かなのだろう。

 けれども、もう一度あの日と同じようにこの風鈴を見かけたのならば、きっとまた買ってしまうに違いないとも思う。

 

 風鈴と妖夢の間に割って入るものがあった。

 

「よ〜うむ」

 

 西園寺幽々子は口元に笑みを浮かべて妖夢を見ていた。

 

「どうされたんですか?」

 

 いつも能天気な笑顔を振りまいている幽々子だったが、今は特に上機嫌に見えた。

 

「ほら」

 

 幽々子は手にした長方形のものをひらひらさせて妖夢に見せる。

 

「手紙、妖忌からの!」

 

 妖夢は二通あるうちの薄い方を受け取る。

 飾り気のない白地の封筒。宛名は「魂魄妖夢様」、差出人はたしかに魂魄妖忌であった。

 

「師匠から……ですか」

 

 妖夢は、はやる気持ちを幽々子に悟られまいと平然を装った。

 幽々子が部屋に引き返すのを見届けてから、足を組み変えて正座をする。

 一呼吸おいてから、封筒の糊づけ部分に手をかけた。破かないように丁寧に剥がして中身を取り出す。

 きれいに折りたたまれていた一枚の和紙を開いた。

 

 

『拝啓、三伏の候。

 まだまだ暑い日々が続いているが鍛錬を怠らず、西行寺家に仕える者の務めを果たすこと。

 幽々子様の鋭き剣となれ。決して主を悲しませてはならぬ』

 

 

 いつもと同じ短い文面だった。こうして年に二三回は妖忌から手紙がくるのだが、近況は一切書かれていない。

 書かれているのは幽々子を案じる言葉と、妖夢に対する厳しい教示だけ。

 

「師匠のばか」

 

 呟きは冥界の濁った空へと消える。妖忌はいつになったら帰ってくるのだろう。

 

 

 ――おじいちゃんに話したいこと、たくさんあるんだよ。

 

 

 

2.夏祭り

 

 

 夕と夜の境目に提灯の淡い光が浮かんでいる。

 道の両側には遥か先の方まで出店が連なり、その間を絶えず人々が行き交っていた。

 妖夢はこれほど大勢の人間を見るのは初めてだった。

 思わずゴクリと唾を飲み込んで、半霊を背中の後ろで縮こまらせる。

 

「この道をずっと行くと博麗神社の石段に出るのよ」

 

 そう説明をする博麗霊夢の声には張りがあった。

 

 

 霊夢が白玉楼にやってきたは、ほんの一時間前のことだ。突然のことに戸惑う妖夢の手を引いて、

 

「お祭りの日よ」

 

 それだけ言った。妖夢がますます困惑していると、ふらりと幽々子が現れて、

 

「お祭りなら仕方ないわね」

 

 こちらも当然のように言う。

 

 幽々子に送り出された以上、行かないわけにもいかず、こうして霊夢に連れられて人間の里を訪れることになったのだ。

 

 

 珍しく機嫌の良さそうな霊夢を見て、妖夢にもこの強制連行の理由が分かりかけてきた。

 夏祭りのコースは博麗神社に続いていて、自然と参拝客が増える。参拝客が増えればお賽銭も増える。

 あとは、祭りを理由に知り合いに声を掛けて、少しでも賽銭箱に小銭が投げ入れられる機会を増やそうというわけか。

 

 紅白の巫女のさもしい魂胆はともかく、初めての夏祭りに妖夢も少なからず興奮していた。

 霊夢の後を歩きながら、キョロキョロを辺りを見渡す。

 わたがし、射的、金魚すくい……。出店の看板には見慣れない言葉も多い。

 前を行く霊夢は出店に脇目も振らず、足早に歩いていく。巫女装束の袖が霊夢の動きに合わせてはためいていた。

 歩幅の小さい妖夢はついていくだけで精一杯だ。

 

「あっ、かき氷」

 

 日が落ちたとはいえ、すぐに気温が下がるわけではない。山のように盛りつけられたかき氷はとても魅力的だった。

 妖夢の呟きが聞こえたのか霊夢が足を止めて振り返った。

 

「だめよ。値段は高いし、氷なんて食べても何の栄養もないんだから」

 

 ぴしゃりと言う。あまりに真剣な口ぶりに反論できない。

 仕方なく、かき氷は諦めて霊夢に付いていく。

 

 お面屋の前で、女の子が母親の浴衣の袖を引いてねだっている。

 ぴったりと寄り添い、互いに笑いかけながら若い男女が歩いている。

 ゆっくりと歩く老人を、男の子が急かして手を引いた。屋台の男が道行く人々に向かって野太い声を張り上げる。

 冥界では考えられないほど雑多で騒がしい。道を歩く人々は様々だった。皆にぎやかで楽しそうだった。

 

 人込みを避けて進んでいると聴き慣れない音が耳に入った。思わず足を止める。

 音に引き寄せられるようにして一軒の屋台へ辿り着く。

 すでに霊夢はどこかへ行ってしまっていた。

 並んでいるのは無色の球体。淡い灯りに照らされて、表面に描かれた模様が影を作っている。

 透き通るような音色は雑踏の中でも清らかな響きがあった。

 三歩下がって屋台の看板を見上げると「ふうりん」と書かれていた。

 そうか、これが風鈴か。存在は知っていたし、どこかで見たことがあったかもしれないが、こうして目を奪われるのは初めてだった。

 値段が張り出されている。他の屋台の商品と比べると高価だが、持ち合わせがないこともない。

 かと言って、衝動買いが許される額でもなかった。妖夢が動けずにいると、背後から声を掛けられた。

 

「発見。何やってるのよ」

 

 霊夢が呆れたような表情でこちらを見ていた。妖夢がいないことに気付いて引き返してきたのだろう。

 

「ちょっと見てただけ」

 

 妖夢の言葉に対して主張するかのように風鈴が鳴った。ふわふわと揺れる風鈴に再び目が離せなくなる。

 

「ほしいの?」

 

 隣で霊夢ががま口を開きながら言った。

 まさか買ってくれるとでも言うのだろうか。

 霊夢は額に汗を浮かべていた。がま口をのぞき込む顔が引きつっている。

 

「いや、いい。ほしくない」

 

 妖夢は慌てて否定する。

 

「本当に?」

 

 がま口の中身を人差し指で探りながら霊夢が言う。

 諦めようと思ったのにそんなことを言われては困る。逡巡の末、妖夢は言い放った。

 

「や、やっぱりほしい! でも自分で買う。幽々子様からお駄賃をもらってるから」

 

「そう……」

 

 霊夢はホッとした様子でがま口をしまう。

 

「なら私の出番はないか」

 

 しかし、ぽつりと付け足した一言にはなぜか残念そうな響きがあった。

 

 

 * * *

 

 

 風鈴を選ぶのにも時間が掛ってしまった。

 右手に提げた風鈴の包みを気にしながら、博麗神社の石段を上がっていく。

 

「はやく、はやく」

 

 理由はわからないが霊夢は焦っている。慌てなくてもお賽銭なら用意しているのに。

 さきほど散財してしまったので、金額は絞らざるを得ないけれど。

 石段を上がりきると、境内を突っ切って家屋へと向う。

 裏庭に回ると縁側があった。霊夢がいつも生活している場所だ。

 家に入るのかと思ったが、そうではなかった。霊夢はふわりと浮きあがり屋根へと降り立った。

 

「こっちよ」

 

 屋根の上に腰かけると手招きをした。妖夢も浮き上がり、霊夢の隣に座った。

 

「あれ、お賽銭は?」

「何? そんなことより始まるわよ」

 

 霊夢が夜空を指差した。妖夢はつられて視線を上げる。

 何もないじゃないかと抗議をしようとした時、一筋の光が天へと伸びていくのが見えた。

 光が弾けた。色とりどりの火の粉が、闇を背景に花を咲かせる。

 

「きれい」

 

 妖夢は息を飲んだ。次から次へと光が昇っていく。夜も星も退けて火花が瞬く。爆発音が腹に心地良い。

 きっとこの瞬間、幻想郷中で誰もが夜空を見上げているに違いない。

 そして、今自分のいる場所が観賞に最高の場所だと気付く。

 

 ――霊夢は私にこれを見せたかったんだ。

 

 隣を見ると、霊夢の顔が光に照らされて次々に色を変えていた。

 妖夢はこの人間の考えていることがわからない。

 どうして自分を誘ったのか、自分のことをどう思っているのか。何もわからない。

 悔しいけれど半人前の妖夢には難しすぎる問題だ。

 

 

 霊夢は視線に気づいて妖夢に笑いかける。妖夢も笑い返す。

 難しいことは後回しでよかった。夜空が静けさを取り戻すまでにはまだ時間があった。

 

 

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3.武士の一分、彼女の取り分

 

 

 早々に夕飯の片付けを済ませ、妖夢は裏庭の井戸へとやってきた。

 日は今にも沈もうとしている。暑さが和らぎ、心地よい時間帯だった。

 井戸には、食事の前にスイカを沈めてあった。これだけ時間を置けば、程良く冷えている頃だろう。

 

 妖夢は滑車に掛けられた綱を握り、おもむろに引いた。

 わずかな違和感。妙に重たい。しっかりと実の詰まったスイカだからかもしれない。

 無理のある推察であったが、それでも上げられないほど重いわけではないので手は止めなかった。少しずつ綱を手繰り寄せていく。

 そして、いよいよスイカが姿を現した。ホッと息を吐こうとした妖夢の顔が引きつる。

 スイカの入った桶の中には、女の子がひとり、ちょこんと収まっていたからである。

 

「うわっ、うわあぁ!」

 

 悲鳴は上げたが、綱は離さずにすんだ。

 

「なに? だれ?」

 

 声が上擦る。女の子は照れたような笑顔でこちらを見ているが、質問に答えようとはしない。

 妖夢は少なくとも害はなさそうだと判断した。

 

「それ、わたしのだから」

 

 宣言しておいてから、囲いに綱を結ぶ。両手でスイカを抱えると井戸に背を向けた。

 後ろで綱が軋む音が聞こえる。振り返ると、女の子が今にも泣き出しそうな顔で桶を揺らしていた。目が合ってしまう。

 

「食べたいの?」

 

 妖夢が訊くと、女の子は二つ結いを揺らしながら無言で何度も頷いた。

 

 

 * * *

 

 

 西行寺家のスイカの切り方は決まっている。

 まず、丸いスイカにざくりと包丁を入れて半分にする。次に、その切り口と十字になるように刃を通す。

 さらに、罰点を書くように二断ち。

 こうして、等分したスイカの一切れを妖夢が取り、残りは幽々子のものとなる。

 意地悪をされているわけではない。

 妖夢は八分の一を食べればお腹いっぱいだったし、幽々子は八分の七を食べれば満足できた。

 それだけのことである。

 

 

 庭に面した一室。

 お膳に並べたスイカを、幽々子が勢いよく食べていく。

 その表情は無邪気な子供のように純粋な喜びに満ちていて、見ている妖夢も幸せな気持ちになった。

 そんな幽々子がふと我に返ったように首を傾げて、

 

「ところでその子は誰?」

 

 当然の疑問を口にした。

 先ほどの女の子は桶に入ったまま縁側に陣取り、一切れのスイカを頬張っている。

 

「たぶん……友達です」

「良かったわね。可愛い友達ができて」

 

 幽々子は何も訊いてはこなかった。妖夢が幽々子を尊敬するのはこういう時だ。

 話を聞いていたのか、女の子は振り返るとこちらに笑いかけた。相変わらず言葉を発することはない。

 三人のスイカをかじる音が重なる。それだけのことで、今夜は賑やかだと思える。

 突然、幽々子の手が止まった。

 

「おかしいわ」

 

 ついにきたか。妖夢が硬直する。

 やはり物足りなかったらしい。

 

「大丈夫ですよ。もう一玉冷やしてありますから」

 

 妖夢は溜息をついて立ち上がる。

 スイカを切っている最中に嫌な予感がした妖夢は、井戸に二つ目のスイカを冷やしに行っておいたのだ。

 

「そうなの」

 

 胸をなでおろす幽々子。

 

「良かったわねぇ。それだけじゃ足りないでしょう」

 

 そして、女の子に向かって言う。

 どうやら、追加を要求しているのは自分のためではなく女の子のためということにしたいらしい。

 女の子はそんな幽々子の策略に気付く様子もなく、スイカの果汁を口の周りに付けたまま笑顔を返している。

 

「今年のスイカ、結構高いんですからね」

 

 妖夢はあきれた二人を残して部屋を出るのだった。

 

 

* * *

 

 

 スイカを持って帰ってくると女の子の姿はどこにもなかった。

 きれいな食べ跡の皮だけが縁側にぽつりと残されていた。

 幽々子も彼女がいなくなる瞬間を見ていないらしい。

 

「お化けだったのかしら」

 

 幽々子はそう言って肩を震わせた。

 

 

 結局、あの子が何者だったのか未だにわかっていない。無理に知りたいとも思わない。

 それでも、井戸で水を汲む時に、何かを期待するようになった自分がいる。

 

 

 

4.九月二十七日

 

 

 白玉楼の庭を掃いていたら背後に何かが降ってきた。思わず半霊の尾が逆立つ。

 落下物の正体を確認し、驚きは怒りへと変わった。

 霊夢が現れるのはいつも突然だ。着衣の乱れを直してから、

 

「そうめん食べたい」

 

 前振りもなく要件に入る。そして、図々しい。

 

「ふざけるな」

「お昼、まだなのよ」

 

 時刻は正午をとっくに過ぎていた。

 

「私には関係ない」

 

 びしっと言ってやる。

 

「ひどい……」

 

 霊夢は袖に顔を埋めてすすり泣く。いや、泣いてなどいないはずだ。

 どうやって追い返そうか。

 

「まあまあ、妖夢。いいじゃない、そうめんくらい。食べさせてあげなさい」

 

 いつの間にか幽々子がいた。隣で優雅に微笑んでいる。

 妖夢の主人にも突然現れる癖があった。

 

 「びえーん」とか「ぐっすん」とかうるさかった霊夢の泣き真似がぴたりと止まる。

 

「幽々子様、待ってください!」

「お邪魔しまーす」

 

 妖夢が反論しようとした時にはすでに、霊夢は縁先で靴を脱いでいるところだった。

 

 

* * *

 

 

「あー、食った食った」

 

 霊夢は畳の上で仰向けになっている。結局、妖夢はそうめんを四人前も茹でることになった。

 

「食べすぎ」

 

 妖夢が刺を含んだ口調で言うと、霊夢は腹を擦りながら、

 

「でも、あんたの主人の方がたくさん食べてたわよ」

「う……」

 

 反論できない。二人前半くらいを幽々子が食べていたのは事実だ。

 そもそも幽々子はすでに昼食もおえていたのだが。

 幽々子はそうめんを平らげて、すぐに出かけていった。

 八雲紫のお茶会に呼ばれていたのを忘れていたのだとか。

 妖夢にはお茶会の菓子を次々と口へ運ぶ幽々子の姿が想像できた。

 

「あれはもうビョーキね」

 

 霊夢が憐れみを込めた視線を送ってくる。

 

「幽々子様を侮辱するな! たしかに、そんなに栄養とっても使い道ないだろ、とは思ったりするけども」

「そ、そんなこと思ったりするんだ……」

「いや、でも幽々子様は本当に素敵な女性で――」

 

 妖夢は慌てて取り繕う。

 

「はいはい、わかったわかった」

 

 霊夢は面倒くさそうに遮った。そのまま目を閉じてしまう。

 沈黙が流れる。冥界では蝉は鳴かない。風鈴も滅多にならない。

 妖夢が身じろぎすると、衣擦れの音が妙に大きく聞こえた。

 

 妖夢は半霊を縁側へ飛ばすと、風鈴を取ってこさせた。

 霊夢の耳元にそっと移動させて鳴らしてやる。すぐに霊夢は目を開けた。

 

「あ、これって」

「そう、お祭りの日に買ったやつ。ここじゃ鳴らないからあげる」

 

 無意識で口にしていた。

 

「いいの?」

 

 霊夢にしては珍しく声が上擦っている。

 

「博麗神社に吊るして。そしたら聴きに行く」

 

 これも言うつもりじゃなかった。何だか顔が熱い。

 

「ふうん」

 

 霊夢はごろんと半回転してうつ伏せになる。妖夢からは霊夢の表情が見えない。

 

「じゃあ、帰ったらすぐ吊るすわ」

 

 小さな声で言ってから霊夢は立ち上がった。足早に庭へと歩いていって靴を履く。

 

「またね」

 

 妖夢が引き止める間もなく霊夢は飛びあがった。

 

 

 妖夢は小さくなっていく霊夢の姿を見ていた。

 風鈴は夏しか吊るさないのだと幽々子が教えてくれた。

 博麗神社に風鈴を聴きにいけるのは夏の間だけということだ。

 

 ずっと夏が終わらなければいいのに。

 初めて思った。

 

 どこからか涼しげな音色が聴こえたような気がした。

 

 

 

 

 エピローグ

 

 

 妖夢に手紙を渡した幽々子はそそくさと自室へ引き返した。

 幽々子は分厚い封筒の口を指でなぞる。糊は力を失ってぱらりと封が開く。

 三つ折りされた数枚に及ぶ和紙。幽々子は座ることも忘れて、文章に目を走らせた。

 

 やがて読みおえると小さな溜息を吐く。期待はしていなかったが、内容はいつもと大体同じ。差出人の近況は一切書かれていない。

 書いてあるのは、妖夢は夏風邪を引いていないか、妖夢は背が伸びたか、妖夢に友達はできたか。延々と孫の話題が続くのだ。

 

 たしかに、幽々子は夏風邪は引かないし、背も伸びることはない。

 それにしたってあんまりじゃないかしら。

 言っておくけど、あなたがいなくても妖夢は毎日楽しくやってるわよ。

 

「妖忌のばか」

 

 それでも彼の武骨な文字に触れていたくて、何度も読み返してしまうのだ。

 

 

 

 

 

 

 

説明
幼き剣士 魂魄妖夢の夏休み。
平凡だけれどかけがえのない少女の思い出。
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東方 東方シリーズ 魂魄妖夢 西行寺幽々子 博麗霊夢 キスメ 夏の思い出 

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