そんな2人が我が子と3人で並んで街を並んで歩いていた。

｢祭さんが出産したことにみんなすごい驚いてるみたいだね。そんなに驚くことなのかな〜出産のときの祭さんはとっても…ごぶぁ!!!｣

いきなり隣を歩いていた一刀を祭は吹っ飛ばした。それはもう漫画の様に綺麗に…。

｢その先を言っていたら、儂は帰っていたぞ。｣

3人が街が来た理由は子供のための買い物のほかに、街の子供たちと遊んで黄丙の友達を増やそうと思っていた。

当初は子供が少し苦手だった祭は一刀とともに子供たちと遊んでいるうちに今ではすっかり馴染んでおり、これがきっかけとなって子供が欲しくなったらしい。

｢祭さんがここまで子供たちと仲良くなることが出来て良かったよ。最初の頃なんて…ごぶぁ｣

よほど蒸し返してほしくないのか、再び漫画の様に綺麗に一刀を吹っ飛ばした。

｢あ〜御遣い様と祭様だ〜また一緒に遊びに来てくれたの?｣

｢そのつもりだけどその前に今日はもう1人いるんだ…この子なんだけど、名前は黄丙って言って俺と祭さんの子供なんだよ。もし良かったら、黄丙と一緒に遊んでやってほしいんだけどいいかな?｣

｢良いよ〜じゃあ!あっちでみんなと遊ぼう!!!｣

そう言って子供達は黄丙を連れてみんなの居る所へと戻って行った。最近子供たちの間ではやっている遊びは一刀が教えたドッジボールで、これを城でやると明らかに一刀が不利なうえ子供は容赦がないので、街の子供たちに教えるにはちょうど良いと思ったらしく、教えてすぐに子供たちの間で広がっていった。

｢黄丙はみんなとうまくやっていけそうだね。祭さんにそっくりな所為か城に居る時はガキ大将っていう感じがとっても出てるからたまにはこういうのもいいかもね。それに手加減ってことをここで覚えてくれればいいけど…。｣

｢なんじゃそれは〜まるで儂の所為みたいではないか、お主が他の子供にばっかり構っておるから、あ奴が拗ねてるだけじゃろうが儂の所為にするな。｣

事実…一刀はそれを薄々感じていた。他の子とは違ってここぞいう時に母である祭の様にド〜ンとこないことに違和感を感じていた。

実際のところ黄丙は城で一刀やみんなと遊ぶ時は一刀に対しては全力でやっていたが、一刀以外にはきちんと手加減をして遊んでいた。

その理由は2人きりで遊びたくても必ず誰かと一緒で2人きりで遊んだことは一度もなかっただけでなく、蓮華などのほかの子供達は一刀と街に行ったり、城の中で遊んだりとしていたのだが、黄丙の場合は性格上や体を動かす遊びが主なために他の子たちの様に甘えるといった行動がイマイチうまくできなかった。

｢確かに心当たりがあるって言ったらあるけどね。よしじゃあ今日は黄丙と一緒に寝ようかな。あ!!!祭さんも一緒にどう?｣

最後に冗談交じりで｢黄丙も一緒だから祭さんも甘えていいよ?｣と尋ねると…

｢ほ〜早くも2人目が欲しいのか〜それにまだ年端もいかぬ我が子との〜さすがに儂でも軽蔑するぞ…。それならば…儂と2人だけでよいではないか…。｣

最後の方はらしくなく、細々と聞こえるかどうかといった声で祭は答えていた。

｢ち、違うよ!!!たまにはどうかなと思って…まぁそりゃもう1人くらいは欲しいなと思うけど…。ああ〜もう!!!ほら黄丙帰るよ!!!｣

｢はっはっはっは!!!楽しみにしておるぞ。それまではイチャイチャさせてもらうとするかの〜。｣

親子3人が並んで歩く姿は周りにとってはとても幸せそうに見えたことは言うまでもない。