無真・恋姫無双 ワイワイキャーキャー1 |
<<拠点1ー愛紗の真な気持ち>>
コンコン
??「あ、はい」
朝にちょっと用事があって愛紗を部屋を尋ねた。
がらりー
影子「よっ」
愛紗「え…ご主人さま?どうなさいました?」
影子「あぁ…ちょっと失礼な事を頼むに来たのだが……」
愛紗「何でしょう」
影子「…これ」
そう言って、私は手に持っていた物を愛紗に渡した。
愛紗「…これは…薬、ですか?」
影子「ああ、実はこの前の傷はちょっと痛みが長いから医員に診てもらったんだが…」
愛紗「あ」
この前の傷というのは、ほらあれだ。
最初に会った時、愛紗が私に与えた背中の傷だ。
白蓮ー公孫賛の真名をもらったーと一緒に戦っていた時には武者震いのせいかよく解らなかったけど、ちょっと傷が開いてしまったらしい。
愛紗「…もうしわけありません」
影子「あの時の件は私の方の責任が多いはずだ。ああ、それより…」
愛紗「はい」
影子「……それ、塗る薬だって」
沈黙…
愛紗「……はい?」
影子「だから…背中の傷に塗り薬もらっても自分に塗れないという話」
愛紗「はぁ……」
沈黙…
お前、わざとだろ。
影子「だから、その…ちょっと塗ってくれ」
愛紗「……」
3
2
1
愛紗「ええええええぇええー!!?」
影子「そこまで驚かなくても…」
愛紗「いや、それはその……いくらなんでも」
いや、乙女にこんなことを頼むというのもあれだと言うことはわかっている。だけど、
影子「私だって知らない人間に肌を見せてもいいほど変態じゃないんだぞ。それに、鈴々や桃香にお願いするのも私的にはちょっと不安でな」
愛紗「はぁ……」
影子「そういえば、あの時私の服を脱がして包帯巻いたのは愛紗じゃないのか?」
愛紗「あれは、その…来てくれた医員さんが…」
影子「あぁ……」
てっきり愛紗がやったんだと思ってたんだけどな。
三人の中で一番しっかりものみたいだし。
愛紗「と、とにかく、事情は解りました。では…あの、服を脱いでください////」
影子「あ、ああ…」
いざって脱ぐ時になったら、少し恥かしいな。
・・・
・・
・
上着を脱いで、さらに中に巻かれていた包帯を剥がしたら、背中の大きく斜線を描いてできた傷が姿を現した。
愛紗「っ…」
それを見た愛紗は眉をひそめた。
そうだ。これは愛紗が与えた傷だ。だからできれば愛紗にはやらせたくない。元から言うと、愛紗にこんなこと頼んだこと自体無礼なことだと言える。
だけど、あれだ。
これのせいでこれからも愛紗が私に距離を保つことになったら困る。
どちらにせよ、私はここでこの子たちと居ると決めた。
となれば、せめて「昔の兄弟たち」ほどじゃなくとも、私に壁を作っている状態にすることだけは避けたかった。
影子「大丈夫か」
愛紗「え?あ、はい」
愛紗が少し止まっていたので声をかけてみた。
影子「それじゃあ、よろしく頼む」
そして、私は椅子に座って愛紗に背中を向けた。
愛紗「あの、その首に巻いているものを外してもらえないでしょうか。塗るに少し邪魔なのですが…」
愛紗が言っているのは、私の服の中で唯一白い、首もマフラーのことだった。
影子「ああ、すまん。これは少し…事情があって外したくない」
これだけは……
この恥部だけは…
影子「わるい。その辺は適当に見逃してくれ」
愛紗「いえ、大丈夫です。ただ、ちょっと薬が付いちゃうかも知れませんので…」
影子「できるだけ気をつけてやってくれ」
愛紗「はい」
そして、背中に塗り薬の冷たい感触が伝わってきた。
影子「っ」
愛紗「痛いのですか!?」
私が少し声を出したら愛紗は直ぐ手を止めた。
影子「いや、大丈夫。ちょっと冷たくて……続けてくれ」
愛紗「はい」
そして愛紗の手がまた動き始まった。
愛紗「終わりました」
影子「あぁ、ありがとう」
暫くしたら、愛紗は手を止めた。
影子「すまない。こんなこと頼んでしまって」
愛紗「いいえ、元から言うと、私のせいでできた傷ですから…それに、ご主人さまのお考えもわかっているつもりです」
影子「私の考え?」
愛紗「はい、私がそのことでご主人さまのことを疎く思ってしまうことを心配なさったのでしょう」
影子「…気付いていたのか」
愛紗「はい、ご心配をおかけしてもうしわけございません」
影子「いや、私こそ……そういえば愛紗」
ふと思いついた。
愛紗「はい」
影子「あの盗賊と戦った後、何で急に私のことをご主人さまに呼ぶと言ったんだ?」
愛紗「え?」
影子「ほら、そのついさっきまでは認めるまでは呼ばないと言ってたのに、何でそうあっさりと…」
愛紗「あっ、そ、それはあの……あの時、ご主人さまが私のことを庇ってあげようとなさったから」
影子「え、それだけで?」
愛紗「はい、それだけだというのは何ですが…ご主人さまがお優しい方だと気付きまして……」
影子「…は?」
愛紗「最初にご主人さまが私たちのために剣を売ってくださったときには、驚いただけで特に確信はなかったのですが、あの時一緒に敵に突っ込んだことで桃香さまに怒られている時、ご主人さまが私のことをかばってくれようとするのを見て、確信したのです。この人なら付いていけると」
影子「………」
優しいか…
ふーむ……
影子「私が優しいと思ったって」
愛紗「はい」
……いや、
……そんなこと言われたことないし。
ありえないし。
愛紗「ご主人さま」
今まで生意気だの人に触れる遣り方が全然なってないという言葉は聴いたことあるけど、逆にこんなこと聞かれたら……
私はそんな優しくなんてないぞ。
いや、けどせっかくそんなイメージもってくれたのに破るのもあれじゃないか。
愛紗「どうなさいました、顔が赤いですが…」
はっ!
影子「うん?!あ、な、何でもない」
愛紗「もしかして、気に障ってしまったでしょうか」
影子「いや、ううん、全然そんなことないよ。寧ろちょっと嬉しかったりするんだけど」
愛紗「はい?」
影子「ああ、薬塗ってくれてありがとう!人の部屋でいつまで立っていても迷惑だからそれじゃ私はこれで……」
愛紗「あ」
私は逃げるように愛紗の部屋を出て行った。
拠点2−巣で親に食べ物を促している小鳥のようなアレ
影子「何なんだよ、今のは……」
中庭まで逃げてきて気が完全に抜けて椅子に座っている私の姿に気付いたのはそれからそれほどの時間も経っていないときだった。
影子「優しいとか…聞いたこと……」
……いや、なくもなかったかな。
影子「ありゃ人をからかおうとしただけだろ」
でも今回は…人の前でそんなこというのか、普通。
影子「はぁ……」
鈴々「お兄ちゃーん!」
どすん
影子「へぶしっ!」
ニーキックが腹に綺麗に入った。
バタン
と共に私は座っていた椅子こと後ろへと倒れた。
影子「お、お前……殺す気か……」
頭!腹!おまけに胸の上に座っている鈴々まで。
どこから痛みを叫べばいいんだ?
鈴々「鈴々と遊ぶのだ!」
影子「…と、とりあえず離れろ」
鈴々「ふにゃん」
私は鈴々を私の上から降ろして息を直した。
影子「はぁ…はぁ…」
鈴々「大丈夫なのだ?」
影子「……いいか、鈴々。とりあえずそこに直れ」
鈴々「うっ、何か愛紗みたいなのだ」
鈴々は素直にそのまま床に跪いた。
影子「人の腹を膝で直撃するとな。最悪の場合、中身の内腸が崩れて死ぬ。腹の中で血を一杯流しながら死ぬ。私の言いたいことが解るか?」
鈴々「うん……つまり、次からは腹じゃなければ大丈夫なのだ?」
影子「うん、わかってないね。正直に言おう。人を膝で叩くな。というか膝を前にして突っ込んでくるな。愛情表現というほどで終わる話じゃないからね(笑)」
鈴々「あぁ…ちょっと怖いのだ。解ったのだ」
うん、いい子だ。多分。
影子「それで、私には何の用でしょうか、鈴々ちゃん」
鈴々「あ、そうだったのだ」
パッと思い出したのように鈴々は立ち上がった。
鈴々「お兄ちゃん、鈴々と遊ぶのだ」
影子「遊ぶとは?特にしたいことがあるのか?」
鈴々「お昼御飯食べにいくのだ!」
影子「……お前またお小遣い全部使い切ったな」
鈴々「にゃにゃっ!何で解ったの<<コン>>でぃやふっ!」
影子「あんだけ良く考えて使いなさいと愛紗が言ってもお前はそう易々と……」
鈴々「いったいのだ〜」
影子「私の痛みよりはずっとマシだ。それより、金の使い方がなってない」
鈴々「鈴々の分の小遣いは少なすぎるのだ」
影子「お前のお菓子の食べっぷりが見事すぎるだけだ。昨日も街で肉まんを二つの封筒で一杯入るほど買ったのを私が見たがな?」
しかもそれを半刻も経たずに食べた。その上にまた昼を食べた。この子の腹はどんな四次元と繋がってるんだ?
鈴々「うぅぅ……鈴々は育ち盛りだから、たくさん食べるのだ」
影子「……はぁ、仕方ない。付いて来い」
鈴々「にゃ?」
鈴々を連れてきた場所は厨房だった。
鈴々「この時間じゃあここでは御飯食べられないのだ」
確かに厨房で仕事をしている者たちはもういない。
それだからここに来たのだ。
影子「そこに座って待ってろ」
鈴々「にゃ?まさか、お兄ちゃん、料理できるのだ?」
影子「…鈴々、私はな。小さい頃にあまりいい環境で生きていられなくてな。主に食については乏しくて、中華の脂っこい食べ物は食べられないんだ」
鈴々「にゃ?どうしてなのだ?」
影子「……食べてもお腹壊すだけだ。胃が油を消化できなくて」
鈴々「じゃあ、お兄ちゃん今まで街で御飯食べたことないのだ?」
影子「ラーメンみたいに油があまり入ってないなら大丈夫だけど、中華には大体油がたっぷり入ってるからな。あまり街に出て食べたことはない」
一度使った後だから、食材があまり残ったものがないな。
トントントントン
鈴々「何作るのだ?」
影子「出るの黙って食え」
シュチイイィイィィィー
影子「……これ、切ったら怒られるだろうか……」
いっそのこと全部使ってしまったらばれないだろうか。
いや、南瓜…一つ全部煮たら食べ切れな……
鈴々「……にゃ?」
影子「そうでもないか」
ドン!
影子「ほら、出来た」
鈴々「おー、何なのだ?」
影子「南瓜バンバグ」
鈴々「バンバグ?」
バンバグというのは韓国語で無茶苦茶に混ぜるという意味がある。
といっても材料全部入れて煮るだけだから、お汁粉みたいなものだ。
南瓜がメインで、お豆、さつま芋入れて煮て、途中でもちごめ入れて、味付けて最後に味付けになつめとか入れる。
影子「まぁ、食べてみろ。今更何だが、料理が上手いというわけではない」
兄弟のうちで料理ができるものがなかっただけだ……。
鈴々「頂きますなのだー」
桃香「頂まーす」
………あれ?
影子「劉備玄徳殿、いつからそこに?」
鈴々「先からいたのだ」
桃香「居ました!」
影子「……」
ちょっと考えてみよう。
桃香「でも、ご主人さまってすごいね。料理もできちゃうんだ。私なんて料理なんてこれぽっちもできないのに」
影子「お前、それ女の子として平然と言っていいこととは思えないがな」
桃香「うん、何カ自分デ言ッテヘコンデキタ」
って本当に落ち込むなよ。
鈴々「お姉ちゃん、(もぐもぐ)元気だすのだ」
影子「鈴々、この状況を無視して一人で食べ始めてるお前のその姿に果てしなく怒りを感じるのだが大丈夫か?」
鈴々「すっごくおいしいのだ」
影子「うん、大丈夫だ、問題ない^^」
桃香「弱い!ご主人さま、鈴々ちゃんに弱い!」
・・・
・・
・
影子「で、桃香は何でこの時間にここにいるのだ?」
桃香「たまたま通り過ぎていたら、甘い匂いがしたから来ちゃった」
影子「食べるのは別に構わんが、材料的に結構太る要素が多いとだけは言ってあげよう」
桃香「へっ、そうなの?」
南瓜も入ったし、芋も結構入れたし。まぁ、普段ならおやつぐらいに食べるものだからそれほどではないが…」
鈴々「おかわりなのだ」
この子はもう鍋ことあげちゃっても美味しく食べちゃいそうだね。
桃香「うぅ……じゃあ一杯だけ」
影子「まぁ、食べてみろ」
そうやって他の皿にバンバグを入れて出した。
桃香「……(もぐもぐ)あはぁっ、おいしいー☆」
影子「よかったな」
お前らはもうちょっと表で発散しない方向で驚いたらダメなのか?
鈴々「おかわり」
桃香「私も!」
影子「はい、はい」
私の分は余りそうにないな。
がらっ
愛紗「桃香さま!」
桃香「うはっ!愛紗ちゃん?」
影子「うん?愛紗、ちょうどいいや。後ちょっと残ったんだが食べるか?」
愛紗「え?あ、いいえ、私は……」
鈴々「食べてみるのだ。食べないと損するのだ」
愛紗「いや、私は…それより桃香さま!」
桃香「あうぅ……」
桃香の様子が…どうやら後ろめたいことをしたようだな。
影子「桃香がどうかしたか?」
愛紗「今日昼から、街の警邏に出ると公孫賛殿に言っておいたのです。なのにこんなところで何をなさっているのですか」
桃香「あははは…ちょっと、忘れちゃった」
影子「桃香お前……」
桃香「ご、ご主人さまが悪いんだからね。こんなにおいしいもの作ってるからつい…」
愛紗「ご主人さまのせいにしないでください。まったく桃香さまはいつもそうやって……」
影子「愛紗」
愛紗「何ですか?今ちょっと急がしいのですが」
影子「まぁ、とりあえず座れ」
愛紗「はい?」
・・・
・・
・
愛紗「おかわりおねがいします!」
影子「……愛紗」
愛紗「なんでしょう」
影子「君がここに来た理由は?」
愛紗「ご主人さまの手料理を食べるために」
違う。
鈴々「鈴々もおかわりなのだ」
桃香「私も」
二つの説がある。
この三人が今まで食べてたものがとても乏しくて、私が昔食べていたこういうものでも美味しく食べれるという説。
また一つは、私の腕が、この世界に来て飛躍的に上がっているという説。
……
どの道、これはまた作るしかないようだ。
南瓜バンバグ
こういう食べ物です。
自分はあまり南瓜の甘さがすきではありませんので食べてみたことはないですが、おいしいらしいです。
食べてみたいです。
お母さんは南瓜を使う料理は得意じゃありませんので…
前に南瓜の粥を作られた時は…なんでそこに砂糖を入れるのですか。南瓜が既に甘ったるいのに…
ああ、甘いもの食べたい(試験のせいで脳が痛いさっちゃんです)
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あれ?何か拠点も何もなってない気がする…まいっか。 | ||
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おいしそうですかねぇ…自分としては良く解りません。(TAPEt) 影子エルシャダイ自己完結乙www(FALANDIA) いただきます!!(中原) 上手そうじゃん↑(btbam) |
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