美波、瑞希と秀吉と恐怖体験 |
「島田に姫路……お主らは何故、そんな形相でワシを睨んでいるのじゃ?」
「木下が悪いのよ」
「そうです。全部、木下君が悪いんですっ」
「わ、ワシが何をしたというんじゃ?」
二人の逆鱗に触れるような事をした覚えはないんじゃがな。
むしろ普通に明久達と話をしておっただけなのに。
「そ、それは……アキに……」
明久がどうしたというんじゃ?
「木下君が明久君に色目を使うから……」
「なっ!?」
い、何時、ワシが明久に色目を使ったというんじゃ!?
いや、そもそもワシは色目なんぞ使っておらぬわ!
「じゃあ、何でアキは木下を女の子として扱ってるのよ!?」
「そんなのワシが聞きたいくらいじゃ」
ワシは男だと常々言っておるのに、それなのに――
『秀吉は何を言ってるの? 秀吉は男じゃなくて、秀吉っていう性別なんだよ』
などと言いおってからに。
「アキは大バカだから仕方ないけど、そのバカさを逆手に取ってアキを誘惑するのはズルイわよ」
「そ、そうですよ。木下君はその容姿を武器として使い過ぎなんですっ!」
「…………」
この二人は何を言っておるのじゃ?
ワシは明久を誘惑した覚えはないし、何より自分の容姿を武器として使ってもおらぬわ。
「とにかく一つハッキリとさせないといけない事があるわ」
「そうです」
「な、なんじゃ……?」
「木下はアキのこと好きなの?」
「木下君は明久君を愛しているんですか?」
本当にこの二人は何を言っておるのだろうか?
ワシと明久はただの友達だというのに。
「もし好きなら少し考えないといけないわ……」
島田……どうしてお主は指の骨を鳴らしておるのじゃ?
「そうですね。もし木下君が明久君を愛しているのなら、対策を考えないといけませんね……」
姫路……お主の笑ってない笑顔は怖すぎるのじゃが。
「どうなの木下!」
「どうなんですか木下君!」
「わ、ワシは――」
「あれ? 秀吉どうしたの? 随分疲れ切った顔をしてるけど」
「いや、少しだけ命の危険に晒されておっただけじゃ」
「そ、そうなんだ……」
「ああ……」
まったく、島田も姫路も素直に自分の気持ちを明久に伝えればよいのに。
ワシに八つ当たりをするのはどうかと思うぞ。
それにしても、明久も罪づくりな男じゃな。
説明 | ||
秀吉を書いてみたかった。それだけなんです。 可愛いから仕方ないよね? |
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