真・恋姫無双 魏end 凪の伝 外伝その1
[全2ページ]
-1ページ-

 

高校までを台湾で過ごした私は、大学を日本の大学にすることにした。

 

母の生まれた国だったし、道場の支部を日本に作るというお爺様の計画に乗った形だったが、

 

一度日本という国で過ごしてみたかったからだ。

 

新しい支部の近くの大学をいくつか見た私は、最後に支部から一番近いごく普通の大学を見に来た。

 

護衛という名目で付いて来た筈の真桜と沙和は、日本についた途端飛び出した。

 

真桜は最新家電を見る為、沙和は服を・・・という感じだ。

 

はぁ〜・・・まったくあいつらときたら・・・。

 

私は大学のパンフレットを片手に、武道場と書いてある場所を目指して足を進める。

 

ごく普通の大学なのに武道場はかなり大きく、そこが気になった。

 

「ここ・・・か」

 

見ればかなり立派な建物だ。

 

見学させてもらおうと人を探すが、見当たらない。

 

「うーん・・・どうしようか・・・」

 

私が建物に近づいた時、誰かが中で修練している気配がした。

 

悪いと思いつつ気になった私は、建物に近づいて扉を少し開けて────

 

・・・目を奪われた。

 

中では一人の青年が袴姿で一心不乱に木刀を振っている。

 

流れるような剣術は剣道とは違い実戦向きともいえ、荒さは残るがその強さは間違いない。

 

畳の上を滑るように走る走法は、対峙すれば見かけ異常の速度だろう。

 

どのくらい────見惚れていただろうか。

 

彼が残心終わりに一息をつくと、そこに女の人が駆け寄った。

 

その姿を見た彼がまるで暖かい日差しのような笑顔を女の人に向ける。

 

────────ズキリ。

 

何故か胸が痛い。

 

「一刀君はやっぱりこの大学に進むの?」

 

「はい。アパートからも近いし、この武道場は気に入りましたからねー。

 

先輩について来て正解でしたよ」

 

彼がタオルを取り出して汗を拭いていると、女の人がすっと近づく。

 

「ねぇ・・・私と付き合う話・・・考えてくれた?」

 

可愛いその女の人がどこか甘えたような声を出すのに、私は胸が張り裂けそうになった。

 

私とは違う・・・可愛い女の人。

 

私は物心ついた頃から武術をやっていた。

 

大好きなお爺様と一緒に出来るのが楽しくて、夢中になった。

 

いつしか道場で私に勝てる人はいなくなり、私は一人で修練する事が多くなった。

 

男の子はそんな私に近づく事も無く、恋なんて夢のまた夢だった。

 

何より、誰かが私を待ってくれているような気がしていた。

 

二人は・・・付き合うんだろうか・・・。

 

そう思うと息苦しさを感じた私が扉から離れようとした時────

 

「────ごめんなさい」

 

その声が聞こえた。

 

「よくは説明できないけど、オレを待ってくれている子がいるような気がするんだ」

 

「はぁー・・・やっぱりかー・・・一刀君は昔からそれだったもんねー」

 

申し訳なさそうに謝る彼に、女の人が大きく溜息をつく。

 

そこまでしか見れなかった。

 

私はその場を離れ、逃げるように駆け出した。

 

顔がものすごく熱く感じて、真っ赤になっているのが分かる。

 

ドキドキする心臓が口から飛び出しそうだ。

 

しばらく走った先に、黒いスーツを着た真桜と沙和が見える。

 

「あ!凪ちゃんなの〜」

 

「凪ー?どないしたんやー?」

 

その二人に飛び込むように抱きつく。

 

「「ぐえ!」なの〜」

 

二人の呻き声を聞きながら私は

 

「大学はここにする!」

 

そう叫んでいた。

 

 

────その後、入学式で私を一目見た彼は走ってきて一言、

 

「付き合ってください!」

 

私は迷うことなく、

 

「はい!」

 

と答えた────

 

 

-2ページ-

 

というわけで外伝です。

 

本編の整理をしてたら、あれ?まだまだ凪出てこれないんじゃね?

 

と思ったので追加エピソードです。

 

外伝はただただ大学4年間のラブラブイチャイチャを書こうと思いますので

 

よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

説明
※この作品は真・恋姫無双 魏end 凪の伝の外伝になります。

時期的には一刀が聖フランチェスカ学園を卒業する少し前くらいです。

凪成分が足りぬ!!という事で書きました。

ただただ凪と一刀がイチャイチャするだけの短いSSになりますのでご注意ください。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
4842 4197 25
コメント
わくわくしますわ(ミクボン)
凄い行動力と即決断だw(深緑)
まーくん様、元の世界だったら、むしろ一途なんじゃないかなと思って書きました。(北山秋三)
中原様、これからもお楽しみを!(北山秋三)
悠なるかな様、本編では活躍の場が少ないのでこっちでうさばらしです。(北山秋三)
ポセン様、さあー。どうでしょうー。(北山秋三)
ちょwはやっwww一刀くんなら寄って来る女の子全てばっちこ〜いな気がするんだが元の世界だと常識があるから大人しいのか?(まーくん)
イィヤッフーーー!!!!(中原)
凪とのイチャイチャ?バッチこいです!!!(悠なるかな)
真桜や沙和も居るのか、ということは他のキャラらも居るんですかね?(ポセン)
タグ
真・恋姫†無双 北郷一刀   

北山秋三さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com