蒼天に翻りし『誠』の旗の下に   真恋姫†無双   歳三演戯
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蒼天に翻りし【誠】の旗の下に・・・・

 

 

序幕    我の真実、彼の真実

 

 

 

『これが、これが狂わずにいられましょうか・・・貴方は私の予想を遙かに超えるとんでもない存在です。良いでしょう全てを貴方に・・・土方歳三殿にお話し、全てを託しましょう。』

【管理者】がそう言った途端に今迄の灰色の景色が暗転し歳三は果てしない闇の奥底へと落下していった。

 

歳三の意識が覚醒した時、歳三は見慣れた部屋の一室でいた。

「ここは・・・・五稜郭の俺の部屋じゃぁねえかよ。」

『こちらの方が貴方としても話しやすいでしょうから、このように再現させていただきましたよ。』目前にはこれも見慣れた青年の顔があった・・・・

「北郷・・・・一刀・・・また化けてやがるのか?」訝しげな視線を向け歳三は青年に問いかける。

『これが現世に出現する時の私の真の姿ですよ・・・尤も貴方の従者であった彼は私の傀儡ではありましたがね・・・・』

「さっきとは言ってる事が違う様な気がすんだがな・・・・」若干語気を荒める歳三。

『些細なことでしょう。』悪びれもせずに応える青年。

「で、ご大層に場所まで作って真実を話してくれるそうだが、いってぇどういう風の吹きまわしだ??」

『私は今迄貴方の力を見誤っていました。精神力はかなり強い人間というのは分かっていましたが貴方の意識下に眠るもう一人の貴方について先程迄感知する事が出来ませんでした。』

「もう一人の俺だとっ・・・・?」何の事を言っているのか見当がつかぬ歳三。

『貴方にとって分かり易く言えば、貴方は我々と同じ様な者だと言う事ですよ。』さりげなく驚愕の事実を伝える青年。

「なっ・・・・・・・・・」これで何度めの絶句になるのか、しかし今回の絶句は今迄の絶句とは多少異なり心底言葉が出ないものだった。

そのような歳三の目前で青年はさらに続ける。

『貴方はおそらく我々と同様若しくはそれ以上の存在がなんらかの理由で【人】となりその能力全てを意識下に隠しこの【正史】の中で輪廻の輪に入り転生したものです。』

固まった様な歳三を前に青年は猶も言葉を紡ぐ・・・

『私がそれをはっきりと感じ取ったのは先程貴方が私の考えを看破した際に貴方の思考を読む事が全く出来なくなった時です・・・』

「ど、ど、どう言う事だっ・・・・」やっとの思いで消え入るような声をだす歳三。

『貴方は無意識の内に私の【管理者】たる権限を須く跳ねのけた代わりに貴方の権限でもって私を強制的に上書きしようとした。上書きされる寸前で私のプロテクトが自動的に強固になった為になんとか私にとっての最悪の事態は回避出来ましたがね。』最初の頃の様な抑揚の無い無感情な声で訥々と青年は喋る・・・

「テメエ何言ってやがんだっ!!」堪りかねて歳三がそう叫ぼうとした時・・・瞬時に青年が目前に来て歳三の眉間に己が掌を当て呪文の様な何事かを呟く・・・・・・

と、同時に一気に歳三の脳裏に膨大な記憶の塊が渦を巻く様に押し寄せて来る・・・・

「うがっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」膨大な記憶の渦を処理しきれない脳内が、軋んだような激痛を絶えず発し絶叫と共に歳三は部屋中をのた打ち回る。

『貴方が貴方自身に掛けたと思われる記憶の封鎖を私の出来る範囲で解除させていただきました。押し寄せる膨大な情報を無事に貴方が処理出来れば貴方自身を自我を持ったまま取り戻せる事が出来るでしょう・・・・しかし処理出来ない場合は貴方は自我崩壊を起こし貴方とは全く違う何かが目を覚ます筈です。その何かがどういうモノなのかは残念ながら私にも想像がつきません・・・・』のた打ち回る歳三を見下ろすように若干緊張気味に言葉を発する青年。

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」絶えず脳内に起こるフラッシュバック、一つの記憶が終了する度に起こる死と新生と・・その度に激しく痙攣する己の体・・・

「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁっ!!」新たな生を得る度に出現する歳三とは似ても似つかぬ青年・・・青年は必死の形相で奔る・・・・己が護らなくてはいけない何かの為に

・・・混濁する意識の中で歳三は思い出す・・・

「・・・・・ると誓った・・・んだ。・・・・を必ず護ると・・・・・」絶えずフラッシュバックを繰り返す膨大な記憶の中に何かに祷るような姿勢のまま泣いている少女の姿が映し出される。

「・・・・・して、泣いてんだよ。・・・は俺が・・・・・するっていったじゃぁねぇか・・・・・」もう何千・・いや何万回生きて死んだであろうか。歳三の記憶の中の青年はその度に祈りを捧ぐ少女の為に奔っている・・・・

『ふむそろそろ、自我も限界のようですね・・・・次に来る大きな記憶のヤマに果たして耐えきれるかどうか・・・・・・』のた打ち回る歳三を見下ろすようにしていた青年は興味津津といった眼差しで其の様を見つめている。

と、同時に歳三の脳内には今迄見た事の無い様な景色が拡がる・・・・そこには今とは違った古めかしい服装だが確かに歳三がいた・・・・燃え盛る紅蓮の炎、火矢が飛び交う戦場で多くの兵士の屍の中に金髪の少女を小脇に抱え大剣を振り翳す修羅が立っていた・・・・・そして彼は見えない筈の歳三に向い何事かを話した・・・・

「うわっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」体中を稲妻が走り抜けた様な衝撃が襲い再び意識が混濁しだした時・・歳三は全てを理解した・・・・・

 

 

 

説明
調子にのって連続投稿してはいますが実際自分のストックってこの序章だけなんですよ・・・・全く後先考えない自分って駄目ですよねぇ
元々素質も閃きも皆無なもんで今はここの場の雰囲気に馴れる為の投稿と思っていただければ幸いかと・・・
さてさて後二話程ですので後少しほんの少しお目汚しの程を・・
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