彼の魅力
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 学年一の……いや、学校一のバカである吉井君。

 顔はまぁ……悪くはないけど、なんでバカなのに彼の周りには多くの人が集まるのだろうか?

 バカなんて救いようの無い存在なのに。

「あれ? 秀吉こんな所でどうしたの?」

 しかも、アタシと秀吉を間違えてるし。

「あのね、吉井君。アタシは秀吉じゃなくて、姉の優子よ」

「えっ!? ご、ごめんっ」

「いいわよ。よく間違えられるし」

 ほんと、嫌になるくらい間違えられるのよね。

「そ、それで、木下さんはこんな所で何をしているの?」

「別に吉井君に言う必要は無いでしょ」

 特にたいした理由もないし、説明する意味もないしね。

「そっか。そうだよね」

 あ。吉井君が少しだけ悲しそうな顔をしてる。

 何? 今のアタシの言葉でショックを受けたっていうの? 少し軟弱なんじゃないの?

「よ、吉井君は、こんな所で何をしてたの?」

 あーもうっ! 何でアタシが気を遣わないといけないのよ。

「僕は夕飯の材料の買い物をしてたんだよ」

「へぇー吉井君って、料理とか出来るんだ」

「まあ……ね」

 ふーん。それはちょっと意外ね。

 料理とか出来なさそうな感じなんだけど……人は見かけによらないのね。

 うん。少しだけ吉井君の料理に興味が湧いてきたわ。

 

「ちょっと食べてみたいわね」

「……え?」

「あ、いや、今のは違――っ!」

 あ、アタシは何バカな事を言ってるのよ!?

 確かに吉井君の手料理には興味あるけど、それを口に出すなんて――

「いいよ」

「ふぇ……?」

「木下さんの好みに合うかは分からないけど、料理作るよ」

「……ま、まぁ、吉井君がどうしてもって言うのなら、食べてあげないこともないわよ」

 うぅ……アタシ何言ってるんだろ……

 自分で食べたいなんて言っておきながら、仕方なく食べてあげるみたいな言い方をして。

 ほんっと、アタシ何言ってるんだろ。こんなんじゃ、人の事バカなんて言えないわよ。

「ははっ。じゃあ、どうしても木下さんに食べて欲しいかな」

「そ、そう。じゃあ食べてあげるわ」

「ありがと」

「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」

 もーっ! 何なのよ。何で吉井君は怒らないのよ?

 自分で言うのも嫌だけど、普通あんな感じで言われたら怒るでしょ。

 アタシなら間違いなく怒るわ。てか、へし折るわ。

 それなのに、それなのに――

「じゃあ、今度の休みの時でいいかな?」

「あ、うん。いいわよ……」

 吉井君は優しすぎなのよ。

 

 ああ。だから吉井君の周りには常に人が集まるのか。

 バカだけど、彼の優しい所に惹かれて――

 アタシもきっと、そんな彼に……

 

 って、ないない。そんな事はあり得ないわよ。

 アタシが吉井君の事を気にするなんて……ないわよね?

 

説明
バカテスで優子メインの小説を書かれているnaoさん(勝手に名前を書いてよかったのかな?)に触発されて自分も明久×優子ネタを書いてみました。
そんな感じです。
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コメント
好意を持ち始めた頃の優子の反応が良い! 読んでてニヤニヤがとまりませんでした。この後どうなっていくのか気になるところです。(nao)
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バカとテストと召喚獣 二次創作 吉井明久 木下優子 

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