ハッピー☆ハロウィン |
おいしいものは大好きだ。とくに甘いもの。
だから食べてる時は幸せだけど、食べ終わった途端に感じる少しの物足りなさと淋しさ。
「あーあ、無くなっちまった……」
ハロウィンという事で俺とシュンそれぞれに母親達からもらったお菓子の詰め合わせの最後のひとつを口に放り込みながらため息をつく。
「そりゃ、食べてしまえば無くなるな」
食べ終わったお菓子の袋を名残惜しそうに見つめていたら、無常なシュンの一言。
わかっちゃいるけど、目の前にある美味しそうなものを我慢なんて出来るはずもなく。
そう思いながらシュンの方をうらめしそうにじいっと見る。
「これは俺のだぞ」
シュンの手元にはまだひとつだけ菓子の包みが残っていた。
「ちえっ、わかってるよ」
別に欲しいと言ったわけでもないのに、考えを読まれたように先手を打たれたのが少し腹立たしい。
確かにお菓子は欲しかったけど……
そんな事をぶつぶつ考えていると、フとひとつの企みが頭に浮かんだ。
そうだ、今日はハロウィンじゃないか。
「シューンっ」
自分の考えを読まれないように、にこっと笑いながらシュンの正面に向き合う。
実際は読まれているのかもしれないけど、別に気づかれたってこの際いいや、関係ないしな。
怪訝そうな顔をするシュンに
「トリックオアトリート?」
そう言いながら手をさしだした。
シュンは少し考えて、呆れたように小さくため息をついた。
「なるほど、こういう事には頭が働くな……」
「へへー。どうする?くれなきゃいたずらだぜ」
実際そこまでお菓子が欲しかったわけでもないけど、シュンの考えの上をいけたことへの優越感の方が大きかった。
シュンは手に取ったお菓子の袋をしばらく見つめると、俺に……ではなくそのまま封を開けて自分の口に放り込んだ。
「……へ?」
その行動の意図がわからず俺が少し惚けてる間に、シュンはお菓子を食べ終わってしまった。
そして口に付いたお菓子の粉を舌で舐め取ると、こちらに向き直って含みのある笑みを見せる。
「さて、渡せるお菓子が何もないな……どうするか」
くそーっ、そうきたか。
「じゃあ、いたずらしてもらおうか」
その後、俺もシュンのトリックオアトリートにあったのは言うまでもなく。
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爆丸、シュンダンでハロウィンネタ。 | ||
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