真・恋姫無双 〜美麗縦横、新説演義〜 第三章 蒼天崩落   第七話 晋
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阿鼻叫喚は我に捧げられた讃美歌。

 

 

「ククク……アハハ!」

 

 

群れ転がる屍は我に捧げられた供物。

 

 

「アハハハハ!ハハハハハハ!!」

 

 

血を美酒とし、鮮やかに彩る色として。

 

 

「フフフ……フハハハハ!!」

 

 

狂気の王として。

比類なき『悪』として。

 

 

「―――天に二日なし」

 

 

私は今、此処に君臨する。

 

 

「古き日を崇め奉る輩――― 一人残らず、殺せ」

 

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鍾?は目の前の惨状が何事なのか、理解が及ばなかった。

 

突如として現れた司馬懿。

その司馬懿によって殺された帝。

彼の言葉を合図に殺戮を始めた『晋』の旗を掲げる兵。

 

彼らに歯向かおうとする者。

命を乞うて、或いは逃げようとする者。

 

 

全てがただの肉塊へと変じ、銅雀台の階段を血色に染め上げていく。

 

 

「なっ……!?」

 

 

分からない。

何が起きているのか。何をしているのか。

 

だが、彼女の『生き物』としての本能が告げていた。

 

――――――此処に居れば、やがて殺される。

 

 

「―――母様」

 

 

カツン、と後ろで足音がした。

 

死を運ぶその音は、その声音の主は。

 

彼女にとっては酷く聞き慣れた声で、

 

 

「―――紅爛」

 

 

彼女にとっては酷く見慣れた姿をしていた。

 

 

 

 

 

『紅爛』

 

この地に至る前、仲達様にお声を掛けられた。

 

たったそれだけで、私の鼓動は早鐘の如く鳴り響く。

 

 

『はっ、はいっ……』

『今回、もし貴様の母が歯向かう様なら……』

 

 

そこで一度言葉を区切られて、

 

 

『―――せめて貴様の手で終わらせろ』

 

 

母の命と、あの方の言葉。

いずれも、私にとっては大切なモノ。

 

どちらかを選べ、と言われても選べるはずもない。

 

だが、それでも選ぶ事を迫られるというのなら――――――

 

 

 

「―――母様、私達に降って下さい」

 

 

例えこれが傲慢なのだとしても。

私個人の我儘なのだとしても。

 

私は、その両方を守りたい。

 

 

『―――紅爛』

『はい』

『貴様の『願い』は何だ?』

 

 

これは、私の『願い』

あの方の問いに対する、私なりの『答え』

 

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「…………紅爛、大きくなりましたね」

 

 

鍾?は、久方ぶりに浮かべた『母』としての笑みと、一人の『臣』としての決意が入り混じった声音でそう呟いた。

 

 

「最期にちゃんと貴女を見たのは、曹操殿の元に出仕する前……でしたか?」

「……母様もお変わりなく、息災の御様子で何よりです」

 

 

それに対し、紅爛はあえて『子』として返した。

 

 

「紅爛」

「はい」

「私は、鍾元常は、漢王朝の一文官として、此処に参りました」

「はい……」

「そして同時に……聊かではありましたが、貴女の『母』としても、貴女と会えるのを心待ちにしていた事も事実です」

 

 

周囲の喧騒は、二人の鼓膜には遠い。

 

俄かに曇り始めた空さえも、天より二人に降り注ぐ光を遮る事は叶わない。

 

 

 

やがて静かに、鍾?は剣を抜いた。

 

 

「―――そこを退きなさい。『鍾会』」

 

 

その瞳に映るのは、愛娘ではなく一人の『敵』

漢王朝に仇名す、許されざる『敵』

 

 

「私は、漢王朝の臣として司馬懿を―――『漢』に背く逆臣を討ち果たします」

「母様……!」

「退きなさい『鍾会』!!手向かう者は誰一人とて容赦致しません!!」

「母様!!」

 

 

目尻に涙を浮かべながら、紅爛は叫んだ。

 

愛しき母の名を。

守りたい命の名を。

 

 

「お願いです!!歯向かわなければ―――手向かわなければ、命の保証はなさるとあの方は仰いました!!」

「ならば何故、帝はその命を無抵抗なままに奪われたのです!?主君を殺されておきながら、仇を討たずに生き永らえよとでも申すのですか!?」

「帝は―――漢王朝は、此処で終わらせなければならなかったのです!!」

 

 

鍾?の往こうとする道を両手を開いて遮り、紅爛は続けた。

 

 

「そうしなければ……そうしなければ何一つ、先へは進まないから!だから!!」

「だから殺したと!?それが許されるとでも思っているのですか!?」

 

 

剣の切っ先を『鍾会』に向けて、鍾?は怒りの混じった声音を張り上げた。

 

 

「皇帝に弓曳くだけでも重罪だというのに、ましてやその御命を奪う事は!死を以て贖ってしても許されざる業罪!!せめてこの手で、彼の命を地獄に送らねば!!」

「もう滅ぶ以外に道のない漢室に、何故そこまで報いようとなさるのですか!?」

「それが『臣下』としての務めだからに決まっておろう!!!」

 

 

鍾?の怒声に、僅か、紅爛がたじろいだ。

 

 

「主に報い、国に報いるが臣下としての務め!!それを成そうとして何が悪い!?」

「むざむざ死に赴く事に、どうして意味を付け加えようとなさるのですか!?どうして……どうしてそこまで!!」

 

 

両の手を広げ泣き叫ぶ紅爛は、

 

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「――――――貴女を、愛しているから」

 

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身を覆う様に包まれた温もりに、目を見開いた。

 

 

「母、様……!?」

「…………幼い頃から、貴女には寂しい思いをさせてばかりでしたね」

 

 

その頭を撫でて、鍾?は静かに微笑んだ。

 

 

「『母親』として貴女にしてあげられた事は……もしかしたら、何一つなかったかもしれない」

 

 

慈愛に満ちた声音で、鍾?は呟く。

 

 

「……けど」

 

 

紅爛の頭の後ろをグッと抱き寄せて、鍾?は囁いた。

 

 

「―――だからこそせめて、貴女が胸を張れるような『母親』でありたい。貴女が胸を張って『私の母は漢王朝の臣、鍾元常である』と云える様な、そんな『臣』でありたいの」

「はは、うぇ……!」

「……紅爛、本当に大きくなった」

 

 

一言一言を噛み締める様にして、鍾?は静かに云った。

 

泣き腫らした紅爛の顔を抱き寄せ、その頬を擦り合わせる様にして鍾?は笑んだ。

 

 

「―――貴女は、私の自慢の娘よ。誰が何と言おうと、貴女は貴女の望んだ道を、信じた道を進みなさい」

 

 

その言葉に、一縷の悲しみさえも感じさせず、

 

 

「――――――さようなら」

 

 

鍾?は、その階段を駆け上がった。

 

 

 

 

 

「―――逆賊司馬懿!!覚悟ォ!!!」

 

 

つくづく、見誤っていた様だ。

鍾?という人と、その成りを。

 

胸中でそんな事を浮かべながら、しかし司馬懿は憶面にもそんな様子を感じさせず、ただ不敵な笑みを浮かべた。

 

 

「天命は既に我が身に在り。鍾元常、未だ天意に背くつもりか?」

「黙れ!!貴様のその行いの何処に天命がある!?」

 

 

刃を突き立てる事は叶わないかもしれない。

もしかしたら、瞬く間に殺されるかもしれない。

 

己が武に通じていない事など、彼女自身が誰よりも知っているだろう。

 

だが、それでも鍾?は剣を取った。

 

 

「―――フッ」

 

 

面白い、と司馬懿は笑んだ。

 

ならば精々『悪』らしく、『逆臣』らしく振る舞ってやろうか。

それが死に往く『勇者』への、せめてもの手向けなら。

 

―――つくづく、酔狂なモノだ。

 

 

「フフフ……クッ、アハハハハハ!!!」

「司馬懿ィッ!!!」

 

 

彼の主を葬った刃と。

彼の主に捧げる刃が。

 

雷鳴轟く暗雲の下に、交わった。

 

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「ッ、ア、ァ……アァ……ッ!」

 

 

天上より降り注ぐ雷雨が、銅雀台を血水で染め上げる。

鮮やか白と、金色で彩られたその世界に落ちる朱は、その全てが汚らわしき異物だと思っていて、疑う事はなかった。

 

 

「……鍾?、元常」

 

 

だが、この女だけは違った。

 

この女の血は、他の俗物とはかけ離れた、紅。

雨に流されても、他の血と入り混じっても、尚その彩りを失わない、鮮やかな色。

 

 

彼女よりも位を極めた文官より。

彼女が主と謳った劉協より。

 

 

その血は、何者よりも高潔で、純粋で。

 

 

「……歯向かう者、抗う者は皆殺せ」

 

 

そこには、一匙程の躊躇いもなかった。

なかった、筈だった。

 

 

「――――――何故、歯向かった?」

 

 

理解出来ない。

分からない。

 

 

どうして『娘』よりも『帝』を取ったのか。

 

 

家族など、血の繋がりなど下らない。

だがそれ以上に、帝などという偶像は余計に下らない。

 

たった一人残して。

己が死ねば悲しむ者が居ると知っていて、尚。

 

 

「何故、死を選んだ……どうして、どうして!?」

 

 

腹立たしい。

この女の満ち足りた顔が。

 

『死』という選択に、まるで後悔を感じていないかの様な、その笑んだ最期の面が――――――!!

 

 

 

 

 

「―――仲達様」

 

 

聞き慣れた紅爛の声が、私を呼んだ。

 

その頬を、涙の筋と血の痕で僅かに汚して。しかしそこに『汚らわしい』という感情はまるで浮かばない姿で。

 

 

「……こ、う……爛」

「仲達様…………」

 

 

何かを躊躇う様にして、しかし次の瞬間には紅爛は頭を垂れ、

 

 

「…………帝位への即位、祝着至極に存じます」

 

 

継いだ言の葉は『怨み』でも『怒り』でもない。

 

あるのは、ただ『祝福』

 

 

「……紅爛」

 

 

声を掛けようとして、しかし何と言うのだと自問した。

 

彼女の母を殺したのは紛れもなくこの『私』で。

紅爛にしてみれば、私はただの『仇』でしかない。

 

だというのに、何故――――――

 

 

「何故……そんな顔が出来る?」

 

 

何故眼前の紅爛は、静かにただ笑んでいる?

 

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「私は……貴様の母を殺した。ただ一人の『繋がり』を壊したのだぞ?なのに…………」

 

 

分からない。

分からない。

 

目の前に在るこの少女が、まるで見た事もない様な人物に見える。

 

私一人が異なる大地に弾き飛ばされ、見知らぬ国に一人迷い込んだ様な錯覚を覚えた。

 

 

「何故……そんな面が出来る?」

 

 

雨粒が髪から滴る。

衣服を濡らし、肌に纏わりつく。

 

遥か遠くに鳴り響く雷鳴は酷く遠く、目の前でただ静かに『笑む』少女が酷く異に見えてならない。

 

 

「答えろ」

 

 

吐いたその言葉に、しかし少女はただ静かに頭を垂れるのみ。

 

 

「答えろ」

 

 

もう一度吐く。

だがやはり、少女は顔を見せようとはしない。

 

その行為が――――――酷く腹立たしい。

 

 

 

「―――答えろ!!」

 

 

意識せず、声を荒げた。

 

 

「怨んでいるのだろう!?憎んでいるのだろう!?貴様の性情くらい十二分に熟知している!!母親を愛していた事も、慕っていた事も!!」

 

 

怒りに塗れた自分は、酷く浅はかで、愚かで。

 

 

「いっそ怨んでいると言え!!私を殺したい程に憎んでいると!!そう叫べばいいだろう!?」

 

 

それを知りながら、しかしこの口は止まる事無く叫び続けた。

 

 

「何故笑っていられる!?母親を―――繋がりを絶たれて、尚!!」

 

 

いっそそう言ってくれれば、どれ程楽か。

 

怒りと憎しみで呪い殺そうとしてくれれば、どれ程分かり易いか。

 

 

「同情しているとでもぬかすつもりか!?ならばそんな思考は切り捨てろ!!目障りだ!!!」

 

 

言い続ければ続ける程、自分が馬鹿で、愚かにしか思えなくなっていく。

 

まるで駄々を捏ねた餓鬼が八つ当たりをしている様な、その程度のものでしかないと自認しながら、それでも。

 

 

「―――紅爛!!!」

 

 

それでも、この感情の矛は何処にも収まらない。

 

血を吸って、怒りを浴びて、憎しみを受けて、尚収まる事はない。

 

 

「どうして……どうしてっ!?」

 

 

力なく、膝が地についた。

血水の池に落ちた腕から、雨によるとは思えない程の冷たさが私の感覚を刺激する。

 

そこに映る私の姿は、酷く無力で、情けなくて。

 

―――嘗て、私自身が嫌った『私』が其処に居た。

 

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雨が地を打つ音が響く。

天雷は遥か遠く、暗雲の中に光り、消える。

 

大地を覆うのは、雨と血水。

 

頬を伝うこれは、ただ雨が滴っているだけなのだと結論付けた。

 

そう、雨が滴っているだけ――――――

 

 

「…………ぜ」

 

 

だというのに、何故。

 

 

「……何故、なんだ?」

 

 

視界が霞む。

表情が歪む。

 

あり得ないと断じていたそれが、今はただ当たり前の様に私の奥底から込み上がってくる。

 

 

感じる事など、あってはならない。

そんな事を想う資格は、私にはないのだから。

 

 

「――――――ッ、ウッ……!!」

 

 

だというのに、止まる事はない。

止まる事無く、奥底に眠っていたそれが再び顔を覗かせる。

 

 

「……アッ、ァ……クッ……ゥ……!」

 

 

止めろ。

出るな。

 

私に――――――『悲しみ』を覚える資格など、ある筈がない。

あっては、ならないんだ。

 

 

 

 

 

「―――泣いて下さい」

 

 

何かが、私の頭部に降り注いでいた雨を遮った。

しかしそれは完全ではなく、僅かではあるが後頭部に滴る雨を感じられる。

 

視界に映ったのは、酷い面を浮かべる私。

そして衣服を血水に濡らした―――紅爛だった。

 

 

「な、ぜ……!?」

「怨んでいないといえば嘘になります。憎んでいないといえば嘘になります」

「なら……!!」

「―――でも」

 

 

冷たく、凍てついた世界の中でその声は酷く優しく、温かで、

 

 

「でも、それが貴方の選んだ道だというのなら、私はその選択に従います」

「な、にを……ッ!?」

「―――いつか、貴方は私に問うて下さりました。『私の願いは何だ?』と」

 

 

まるで全てを包み込むかの様に、穏やかな音を奏でた。

 

 

「私の願いは『曇りなき蒼天』。貴方様が描かれる、新たなる『次代』をこの眼で見る事」

「………………」

「天秤は、常に一方に傾きます。それを切り捨てる事がどれ程重いのか、私はまだ分かっていないのかもしれません」

 

 

「でも」と、紅爛は酷く慈愛に満ちた声音で言の葉を紡いだ。

 

 

「その重さは、私達も共に背負います。共に背負って、苦しんで、分かち合って……私は、私達は、そういう風になれる事を望んでいます」

 

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「だから」と紅爛は私の頭を撫でた。

まるで母が子をあやす様な、優しい手で、声音で。

 

 

「私の代わりに泣いて下さい。

私の代わりに苦しんで下さい。

私の代わりに悼んで下さい。

 

私が流せなくなってしまった涙を代わりに流して、私が継げなくなった言葉を代わりに継ぐんで、私が感じられなくなった悲しみを抱いて下さい。

 

私は貴方に全てを捧げます。

 

だから貴方は、私の代わりに私の全てを背負って、感じて下さい」

 

 

酷く温かなそれは、頭部に感じた雨ではない何かと共に私に届く。

 

そこに縋る事を許す様に。

そこに逃げる事を認める様に。

 

 

「私の怨みも、憎しみも、怒りも、全て貴方様のモノ。だから……」

 

 

心のままに泣いて下さい。

 

そう告げた紅爛が、脳裏の奥底に葬った筈の父母を、師を、友を、そして朱里を。

嘗て抱いた繋がりを思い起こさせた。

 

 

「…………ッ、ァ……!」

 

 

崩落するそれを止める術などなく。

ただ崩れ落ちるままにそれを受け入れるより他になく。

 

だが、それを忌避しようとは考えもせず。

 

 

 

「―――うあああああああぁぁぁ!!!」

 

 

 

零れ出た感情の全てを吐き出す様に。

この一度で全てを終わらせる様に。

 

二度と泣かぬ事を誓い。

二度と甘えぬ事を誓い。

 

天雷鳴り響く空の下、私は生涯最後の嘆きを轟かせた。

 

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「――――――全軍に告げる」

 

 

空を覆う暗雲が去り、雨の雫が日の光を浴びて輝き始めた頃。

遥か最上段に立つ司馬懿の姿に、整然と整列していた兵達は静かにどよめいた。

 

 

「これより我らは修羅の道を進む。その道に転がる同朋の屍は、決して少なくはすまないだろう。或いは、今この地に立つ者全てが死する事もありえない話ではない。

 

 

―――だが、それでも尚我らは歩み続けなければならない。

 

屍の道を、骸の藪を、髑髏の林を抜け。

 

私は新たなる次代を創生する。

 

 

神ならざる身にて。

覇者ならざる器にて。

 

 

私はただ『私』として諸君らの上に立ち、その命を預からねばならない。

 

 

 

故に全将兵に告げる!!

 

我にその命を捧げよ!

我にその存在を貢げ!

 

我が命に生き、我が命に死ね!!

 

 

この身と命、そして力と僅かな才が及ぶ限り、私はその全てを諸君らの為に捧げる事を誓おう!!

 

戦なき天下!争いなき次代の為に!!

 

今を生きる命を守り、未来に在る命を健やかなるモノにする為に!!

 

 

我が授かるは天命に非ず。

我が賜るは玉座に非ず。

 

 

私は諸君と同じ地に立ち、同じ目線で見る。

思いは違えど、願いは異なろうと、志す先は同じである事を祈る。

 

 

無意味なる争いで傷つく者が無き世。

生まれや思想による諍いが無き世。

 

それを導くモノとして――――――」

 

 

この日、天下に激震が走る事となる。

 

漢王朝の滅亡による、新たなる時代の到来。

 

そして後の世に語られる事となる闘いの幕開け。

 

 

その時代の名。

そして王家の名は―――

 

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「『我ら』は此処に『晋』の建国を宣言する!!!」

 

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後記

とりあえず、第三部の中盤はこれで終わりです。

また少々間が空きますが…………ところで間が空くって言葉は、やっぱり週一ペースを守れないと使う言葉なんでしょうか?それとも月間レベルで更新が滞る事を云うんでしょうか?

 

まぁ瑣末な疑問ですが。

 

そしてそろそろこのお話も佳境に入る訳ですが、どうも年内の終了は難しい様子……

下手したら年度末になっても終わらないかも、等と相当なグダグダ感ですが。

 

とりあえず最後まで書きぬくつもりですので。

それでは、また。

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