本・恋姫無双第三十話 |
袁術討伐から帰還した一刀が初めにした事、それは…
土下座だった。
謝罪の内容に、感情こそ穏やかではない睡蓮だが、真っ先に謝罪したことと、
『寝てる間に事が終わってた』事で、一刀が抗いようが無い事も理解できたため、拳骨一発で許した。
……殴りはするんだ……そう、頭の中でつぶやいて、一刀はK.O.した。合掌……
勿論、許したのは一刀だけで、冥琳に対して怒り心頭な睡蓮は、一刀を伸した後、冥琳の部屋に向かった。
---長沙・冥琳の執務室---
冥琳「そろそろ来る頃だと思ってました。」
睡蓮「じゃあ、私が怒ってる理由もわかってるわね。」
冥琳「私が、貴女に対して謀反を起こした事、真に申し訳ございませんでした。」
睡蓮「………は?………へ?」
急に前の外史の事を言われ、睡蓮は虚を突かれた。
睡蓮「ちょっと待って………あの世界の冥琳は、あの世界の建業で焼け死んだはず…」
冥琳「私も、周りが炎に囲まれた所までは覚えています。そして、気付いたらこの世界にいた。それも少し若返って…」
睡蓮「………」
一刀を喰った事を怒ろうと、此処に来たはずなのに、すっかり睡蓮の頭から、その件は抜け落ちていた。
冥琳「雪蓮がいましたので、てっきりあの世と思ってたのですが、にしては、文台様も、公覆様も若い…」
その場に二人がいたら、ボコられそうな事を、さらっと言う冥琳。
冥琳「年号を確認したら…最初は性質(たち)の悪い冗談かと…でも、私たちの外史で雪蓮や文台様、公覆様が亡くなった事件…正確には、その事件の前兆を見つけて、事前に防ぐ事が出来た。ようやく、過去に転生でもしたのかな…と、考える事が出来るようになりました。」
睡蓮「………」
じっと聞き入る睡蓮…
冥琳「そんな中、貴女が、一刀と子供を連れて、やってきた。性質の悪い冗談にも、程があると思いましたが…今回の遠征中に、一刀にさりげなく聞いたら、私の知っている外史ではありませんか。そして、此処にいるのは、かつての主君だったと。」
睡蓮「………」
冥琳「この世界で生きて、雪蓮や文台様が、『実は、天下を狙って無い』事を知った。『目に見える民たちを守るために、覇王の仮面を被ってた』事も知った。でなければ、私が密かに進言した『火薬や火器』の技術を退ける必要は無い。むしろ、飛び付くはず…」
睡蓮「ちょっと待って!?そんな資料あったの?」
冥琳「勿論、全てが載ってる訳では有りません…が、再現は可能だと思います。」
睡蓮「一刀が聞いたら、小躍りしそうね…」
ちなみに、ガレオン船が出来た当初、大砲が無くて、一刀は少ししょげていた…
冥琳「そして、私が『過去』…『前の外史』で起こした謀反が間違っていた…その事に気付けた。一刀にも話したはずですが…」
睡蓮「………へ?………一刀からは聞いて無い………!」
冥琳「どうかしましたか?」
睡蓮「『謀反の件』は水に流します。ただ、一刀を喰ったのは何故?」
今になって此処に来た理由を思い出したが、怒りのボルテージは、駄々下がりである。
冥琳「…その…雪蓮の懐妊に対する焼きもちと、この『資料』の実証を兼ねました。」
と言って、一冊の写しを睡蓮に渡した。
睡蓮「……『オギノ式』?」
冥琳「本来は、避妊を目的としたものですが、裏を返せば『子を宿しやすい日』を知ることが出来ますので…余談ですが、雪蓮の例の病気は、『子を宿しやすい日』の前後に多かったものですから…」
睡蓮「ならば、相手は誰でも良かったのよねぇ?」
冥琳「一刀に関しては『前の外史』から目を付けてましたので………少し失礼」
そう言って、部屋を出る冥琳。
睡蓮「…まさか!!…」
その後、華陀に診てもらった所、冥琳の懐妊が確認された。
その日の夜に、ささやかな宴が催された。その席で、
祭「わしも、夜襲をかけてみるかのう」
と軽口をたたいたが、睡蓮が、龍すら逃げ出しそうなオーラを出していたため、
一同「冗談です…」と口をそろえたとか…
---洛陽・曹操の執務室---
荀ケ「華琳様が間違いを容易く犯す方とは思いませんが『此れ』は封印してください!」
郭嘉「私も桂花殿に賛成です。たかが『本』かもしれませんが危険すぎます。」
程c「ぐぅー」
荀ケ「こんな時に寝るなー!!」
曹操「むきになるのも判るわ。けどね『道具に善悪は存在しないわ。善悪を決めるのは、その使い手なのよ。』」
その瞬間、本が光った。そして…
??「レベルコード確認。((貴女|あなた))を『マスター』と認める。我が名は『太平妖術』なり。我を使いこなしてみせよ。」
あとがき
どうも、nakatakです。
ロッテ、天晴!!
これを、書いてる横でロッテが日本一になりました。
誰が言ったか「史上最大の下剋上」…面白い事になりました。
それより、冥琳はやっぱり、「黒い」ですね。
密かに『火器』について調べていたのですから…
一刀を喰った事を悪いと思って無かった節も…
それでは、また。
説明 | ||
どうも遅くなりました。 対袁術から帰ってきたときの話です。 それではどうぞ。 |
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コメント | ||
クラスターさん、『冥琳が転生者』…故に、人生を楽しんでる感が、所々有りますね…反董卓の時の、暴走具合もその影響…ww(nakatak) むぅ…、実は冥琳が転生者だったとは!爆弾と言う程の物じゃないけど、妊娠の件も含め、中々やってくれますな。一方、太平妖術が起動と言うか、覚醒と言うか…。『リリカルなのは』に出てきても、何ら違和感が無さそうだ。(クラスター・ジャドウ) hokuhinさん、320iさん、その辺を、そろそろ書かないと、まずいのは判ってるんですが…鋭意検討中です。ww(nakatak) sakamakiさんコメントありがとうございます。hokuhinさん、『堅ママ・蓮華・小蓮はどう動く』…動かす度胸は無いですね…ww(nakatak) 中原さん、コメントありがとうございます。『太平妖術』は『太平要術』から派生したもので、コードだけ一緒だった…という事です。ww(nakatak) よーぜふさん、『完全に華琳さんが使いこなせたら…』妖術以外も使いこなすでしょう。基本『太平要術』から派生した本ですから…(nakatak) 太平要術ってAKUMAで本ですよね?!(中原) 冥琳も幸せになってほしいね^^、堅ママ・蓮華・小蓮はどう動くw(sakamaki) 冥琳まで・・・おめでとうございますw小雪は異母妹ができるのにどう考えているのか描写が欲しいかな。(hokuhin) 冥琳、さん? 黒いよ?でもちょっと受けましたw 完全に華琳さんが使いこなせたら偉いことになるような・・・ さて、と・・・千葉!ロッテ!!マーリーンズッ!! ところどころ稚拙なプレイがありましたが非常に熱いシリーズでしたなぁ(よーぜふ) FALANDIAさん、『今まで起こって来た事件は全部使った馬鹿の暴走』…身も蓋も有りませんが、そういうことですww。まあ、馬鹿にも種類がありますしww。勉強できる馬鹿から、一芸馬鹿、完璧な馬鹿まで…ww(nakatak) 紫電さん…冥琳の計算ですww。流石に、龍すら逃げそうなオーラを、正面から受ける気は無かったようですww。(nakatak) 道具に善悪が無いことが認証・・・だと。なら今まで起こって来た事件は全部使った馬鹿の暴走だったというのか・・・。(FALANDIA) |
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