D.C.U 〜Another conclusion drawn in the remaining time low〜 第1話
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「久しぶりだな。」

 

目的地が、ようやく船から目視できるようになった。

 

一年中枯れない桜があって、その桜はどんな願いでも叶えてくれる。

 

そんな桜が咲いているのは、我が故郷

 

ー初音島ー

 

幼いころに島をある理由で出てから、まさかこんな理由で帰ってこようとは。

 

『余命一年』

 

それは、幼いころから心臓病を患っていた自分への残された時間。

 

一時はなぜか病状は安定し、見違えるほどに元気になったのだが、

 

ここ数カ月で再発し、余命宣告を受けた。

 

そこで、自分が出した結論が初音島への帰還。

 

残りの一年を今まで離れていた家族と過ごそうと思ったのだ。

 

大人だけど子供みたいな母さん 芳乃 さくら

 

口癖が「かったるい」の弟 桜内 義之

 

いつも必要以上にお姉ちゃんぶる義姉 朝倉 音姫

 

そして、最も愛する義妹 朝倉 由夢

 

あいつらはげんきかなぁ。

 

と思いをはせながら船は故郷へ到着する。

 

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『初音島に俺は帰ってきた!!』

 

某ロボットアニメのア○ベルガ○ーよろしく、お決まりのセリフを言ってみる。

 

まあ、一人でこんなことをしてても、周りからは冷たい視線しか感じないのだが・・・

 

一先ず、いつまでも船着き場に居る訳にもいかないので、移動することにした。

 

目的地はやっぱり、枯れない桜。

 

あれを近くで見ないと、帰ってきた気がしない。

 

季節は冬。建物の外に出るときは上着が欠かせないこの時期。

 

初音島は潮風が多いため余計に寒い。

 

しかし、そんな気配全く感じさせないような桜色。

 

「しっかし、ここはかわんねえなぁ。」

 

幼いころ、島を出ていく直前に『とある願い事』をしにきて以来の光景。

 

古い記憶にあるとおり、季節外れの色に身を染めた命たちが、初音島特有の潮風

 

に身を任せ漂っている。

 

「無駄かもしんねぇけど、もう一回願っとくか。」

 

この島一番大きな桜の前に立ち、『数年前と同じ願い』を、もう一度願ってみる。

 

まあ、叶わないかもしれないけれど、消えかけの灯火が少しでもしぶとく存在できる

 

なら、願わないよりましだ。

 

ザァァァァーーーー

 

桜に手をつき願った瞬間、一陣の風が通りぬけ桜がざわめいた。

 

「この願いが叶ったか否か・・・まあ深く考えてもしゃあねぇ。さてと、久しぶりの我が家に帰る

としますか!」

 

体を反転させ、家族が待っている芳乃家へと向う。

 

数年ぶりの対面が待ち遠しく、少しずつ速足になるのだった。

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ーSIDEさくらー

 

今日は早めの帰宅。

 

学園の仕事が早く終わったから、僕は家でまったりすることにした。

 

今義之君が夕ご飯の支度中。

 

夕ご飯ができるまで、こたつでぬくぬくしているつもりだったけど、

 

ーピンポーンー

 

不意に来訪者を告げる音色が聞こえた。

 

この時間帯、音姫ちゃんや由夢ちゃんだったら、そのまま上がってくるはずなのに、この音が聞こ

 

えるなんて珍しい。

 

「さくらさん。すいませんけど、でてくれますか?」

 

手の離せない義之君の声が台所から聞こえた。

 

「うにゃー、しょうがないなー。」

 

まだ、冬の風物詩で暖まっていたかったが、生憎義之君の手がふさがっているため、自分が行くし

 

かないようだ。

 

ーピンポーンー

 

再びあの音色が聞こえる。

 

「はいはいーいまいきますよー。」

 

もしかして宅配便かな?と思いながら玄関を開ける。

 

そこには、島の外に居るはずの最愛の息子がいた。

 

ーSIDE OUTー

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ーピンポーンー

 

自分の家に帰ってきたのに、呼び鈴を鳴らすのは、なんか複雑な気分。

 

しかし、誰にも告げずにやってきたため、不法侵入になりかねない。

 

明かりがついてるし、誰かいるだろうと思いつつ、もう一度スイッチを押す。

 

ーピンポーンー

 

もう一度、スイッチを押してみる。

 

そして、

 

「ちわー、三○屋でーす!」

 

なんて、サ○エさんネタをひっぱりだしてみる。

 

「はいはいーいまいきますよー。」

 

と、中からかわいらしい声が聞こえてきた。

 

ガラッと横引きの扉が元気よく開けられた。

 

そこには、今も変わらずおさな・・・ゲフンゲフン

 

若い母、芳乃さくらが居た。

 

「ただいま。母さん。」

 

さくらに微笑みながらそう告げた。

 

「お帰りなさい、六斗くん!」

 

ドン、という衝撃とともに、母さんが飛び込んできた。

 

「どうして、急に帰ってきたの?」

 

受け止めた俺の腕の中から、母さんが問いかける。

 

「まあ、いろいろとね・・・・こんなとこで立ち話もなんだし、中に入ろうぜ。」

 

「そだね。ちょうど夕ご飯の準備を義之君がしてるから、一緒に食べよう。」

 

母さんと一緒に家に入る。数年ぶりの自分の家は、まるで他人の家みたいだった。

 

ほとんど、病院で臥せっていたため、時間感覚がどうしても狂ってしまう。

 

本当に長い間、故郷を離れていたんだなと実感した。

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「ところで、さっき失礼なこと考えなかった?」

 

意地悪な笑みをこちらに向ける。

 

「ハハ、ナンノコトヤラ・・・」

 

内心冷や汗をかきながら、目をそらす。

 

妙な所に鋭いんだから・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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どもっFESです!

 

第一話書いちゃいましたのでうpします。

 

文章を書くスピードが遅いので、ちまちま書いてます(笑)

 

てか、ほぼ毎日最近仕事終わるんが夜九時まわるとかないわー

 

執筆時間プリーズ・・・

説明
桜内義之と朝倉姉妹のもう一人の幼馴染。

久しぶりの帰郷の理由とは・・・

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