恋姫†無双 『蒼天已死 黄天當立』 壱拾四
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一刀は張遼の許へと歩いていく。

 

「怪我はない?」

 

一刀は倒れている張遼に手を差し伸べる。

 

張遼は一刀の手を取り立ち上がる。

 

「霞や」

 

「ん?」

 

「ウチの真名や。絽望のお陰でウチも目が覚めた。そのお礼の意味も込めてあんたにウチの真名を預ける」

 

張遼――霞は真剣な表情で一刀と向かい合っていた。

 

「ありがたく受け取らせてもらおう。俺の真名は一刀。改めてよろしく」

 

「ちゃんと受け取らせてもらうで」

 

一刀と霞はどちらからともなく笑いあった。

 

そこに控えていた人和がやってくる。

 

「張遼さん。私は必ず多くの人を笑顔にしてみせます。絶対に挫けたりしません。その証明としてどうか私の真名を受け取って下さい」

 

「分かった。ウチの真名も預けるで、人和」

 

霞は人和に優しく微笑んだ。

 

人和はとても嬉しそうな表情になる。

 

「それと霞、お願いがあるだけどいい?」

 

「何や?ウチに出来ることならやるけど」

 

「董卓殿にこちらはいつでもいい、と伝えて欲しい」

 

一刀は人和が落ち着き、霞との関係が良好になったので董卓に再び会おうと考えていた。

 

「分かった。ウチが責任持って伝えたる」

 

「よろしく」

 

「そうや、今までに何があったか聞かせてもらえんか?一刀や人和たちのことなんも知らんままやし」

 

霞が思いついたことを言う。

 

そのことに一刀と人和は快く了解し今までの経緯を話し始めた。

 

その後、3人は日が暮れるまで話し込んでいた。

 

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       一刀`s 視点

 

 

 

 

『―――郷 一刀。ここで死―――』

 

ノイズが入り上手く聞き取れない。

 

まるで古びたカセットテープのような感じだ。

 

『―――ファクター――危険―――』

 

『――させない―――ご主―――』

 

所々に聞こえる単語。

 

意味は繋がっていない。

 

『―――助ける―――外史――』

 

『――人様の為に―――』

 

『――――助けること――出来ない――』

 

どうやらこれは3人の声のようだ。

 

それ以外に分かることはない。

 

でも、最後に聞こえた単語だけは頭に深く響いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『――絶望――』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「っ!」

 

一刀は寝台から勢いよく起き上がった。

 

まだ、陽も昇っていない早朝。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

息が乱れ、すごい汗をかいていた。

 

「ん、か・・・ず・・・とさん?」

 

その様子に隣で寝ていた人和は目を覚ます。

 

人和は眠そうに目をこすりながら、寝台の隣にある棚においている眼鏡をかける。

 

眼鏡をかけると人和は一刀の方を向いた。

 

そして、言葉を失う。

 

一刀は汗をかいているし、呼吸も乱れているのに全くの無表情。

 

ただ、荒い呼吸をするだけだった。

 

「一刀・・・さん?」

 

人和は恐る恐る声を掛ける。

 

その声に反応して一刀はゆっくりと人和の方を向く。

 

「きゃっ」

 

急に一刀は人和に抱きついてくる。

 

突然のことに人和も困惑する。

 

「一刀さん!?」

 

人和は一刀に放すように言おうとするが、一刀の顔を見て驚きの声を上げた。

 

一刀は涙を流していたのだ。

 

(よく分からないけど、こんな一刀さんを放ってはおけない)

 

人和は一刀の頭を撫で始める。

 

それでも一刀は涙を流し続け、陽が昇るまで人和は一刀の頭を撫で続けた。

 

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「あの、一刀さん」

 

人和は遠慮がちに一刀に声をかける。

 

一刀達は今、飯屋に来ていた。

 

一刀が泣き止んだ後に董卓軍の兵士がやってきて今日、謁見が出来るとの旨を伝えてきた。

 

一刀と人和は朝食を食べてから董卓の許へ向かおうと決め、飯屋に来たのだ。

 

「ん?どうした?」

 

「朝、起きたことは・・・」

 

「ああ、たまに起きるみたい。その間の記憶は朧気でほとんど覚えてないんだ。何回か父さん達に聞いてみたらはぐらかすし。あ、何か悪いことでもした?」

 

一刀は思い当たるフシがあり人和に尋ねる。

 

「え、あ、大丈夫です」

 

「そっか、よかった。蘭花に聞いたら顔を真っ赤にして怒るから、何か悪いことをしたのかって気になってたんだ」

 

一刀は点心を食べながら安心した表情をする。

 

人和は思考に耽る。

 

(あれは病気?いや、だとしたら攅刀さんや蘭花さんが何もしていないのはおかしい。この前の医者の人も健康だと言っていた。じゃあ、あれは一体・・・)

 

「人和?おーい」

 

一刀が人和の前で手を振るが気づく素振りはない。

 

何度か繰り返すが人和は反応しない。

 

一刀は諦めて自分の食事を終わらせる。

 

「ごちそうさまでした」

 

一刀は手を合わせて食事の終了をする。

 

その時も、人和は思考に耽っていた。

 

その後、人和の意識が戻り人和は急いで食事をした。

 

そして、2人は董卓の城へと向う。

 

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「ようこそ、いらっしゃいました」

 

董卓は人の良い笑みを浮べながら一刀と人和を歓迎した。

 

玉座には董卓、賈駆、陳宮、恋、霞、一刀、人和ともう1人、一刀達が会ったことのない女性がいた。

 

「再び、お会いできることを光栄に思います」

 

人和が頭を下げてあいさつを行う。

 

その間、賈駆と陳宮は鋭い視線を一刀と人和の2人に向けていた。

 

「今回は、前回のお話の続きですか?」

 

「はい、その通りでございます。私たちは、やはり歌を歌いたいと思っています。私たちの目的の為に」

 

「目的?」

 

董卓が首を傾げ分からないという表情をする。

 

賈駆と陳宮は人和の言葉に少しだけ眉を顰める。

 

「私たちは多くの人を笑顔にしたいんです」

 

人和が董卓の眼を見据える。

 

人和の瞳には覚悟の炎が宿っていた。

 

「黄巾党の指導者である私たちが言うのはおかしな言葉かもしれません。矛盾しているかもしれません。それでも、叶えたい・・・いえ、叶えるんです」

 

賈駆、陳宮はすぐに危険だと判断した。

 

しかし、董卓は軍師の考えに気づけずに純粋にうれしく思っていた。

 

人和の考えを聞き、覚悟を感じて董卓は人和のやりたいようにやらせたいと考えた。

 

董卓は許可を出そうとするが、そこで踏みとどまった。

 

この前の失敗が董卓の頭を過ぎったのだ。

 

(また、みんなに迷惑はかけれないよね)

 

董卓はチラリと賈駆の方を向く。

 

すると、賈駆は董卓に頷く。

 

それだけで2人の間では意思疎通が出来ていた。

 

「ちょっといい?」

 

董卓軍における、最高の軍師が声を上げた。

 

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『懺悔室』

 

どうしよう…次の舌戦が難しすぎる。

 

という訳です。(どういう訳だ)

 

う〜ん、最初の構成とどんどんずれていく…

 

やっぱり、『あ、こういうのいいんじゃね?』というノリでストーリーを変えるのは良くないですね…

 

 

さて、張遼に真名を許してもらい仲良くなった一刀と人和。

 

一刀の夢は何なのか。

 

そして、董卓に再び謁見した一刀たち。

 

董卓には信頼を得たが軍師様の反応はいまいち。

 

次回はどうなっていくのか。

 

作者が一番、知りたいです。

 

 

それでは、ここまで見て下さった皆様に多大なる感謝を!!

 

説明
無意識のうちにここに変なこと書いていたので訂正します…

今回は一刀のことが少しだけ出てきます。

では、どぞ↓   ※違和感を発見、訂正しました。
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コメント
>>傀儡人形さん 一生懸命に考えてますが、どうも納得がいくものが出来ません…orz 頑張りますので温かい心で待ってやってください。(イタズラ小僧)
弁舌は難しいですよね。頑張ってください(傀儡人形)
>>hokuhinさん そろそろ、出しとかないといけないかなぁと思いまして。舌戦は……がんばります!!(イタズラ小僧)
そういえばこの一刀は飛ばされてきたのか、生まれ変わりか判らなかったな・・・次回の詠対人和の舌戦が楽しみです。(hokuhin)
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恋姫†無双 黄巾党 蒼天已死 一刀    人和 音々音 

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