真・恋姫†無双―秘密を秘めし御遣い―第五話前編 |
王朝への不満、憎しみ、怒り、希望に縋る思い。さまざまな思いが入り混じり大地を埋めるのは黄色い布を身に纏った集団、その名は黄巾党。彼らは来るべき官軍との最終決戦に向け全ての戦力を一か所に集めようとしていた。彼らは集まるごとに不満と怒りが増していき、それと同時に彼らを束ねる希望の少女達への熱い気持ちも強まっていく
???「・・・・・これが黄巾党ですか・・・・なんというか異様な熱気に包まれていますね」
???「まるでコミケの行列だな。」
さまざまな思いが渦巻く中、二人の黄巾党兵士は周りを見渡しながら驚きの声を上げる。二人はそれぞれ頭に黄色い布深く巻き顔を見えにくくしながらコソコソと小声で話していた。
???「しかし、隊長本当に私たちだけで大丈夫なのでしょうか?」
???「正直言ってわからん。とりあえず、今することはこいつらを束ねていると言う張三姉妹を調べる事が先決だろう」
???「そうですね。今わかっているのは、黄巾党を束ねているのは張三姉妹という姉妹で歌を歌って黄巾党を束ねていることぐらいですから・・・・・・それにしても」
???「ん?」
???「真桜と沙和はどこに行ってしまったのでしょうね?」
そう言って二人は此処に来る途中で逸れた連れの二人の姿を探す。しかし、周りは自分達と同じような恰好をした黄巾党ばかり、この中からどうやって探せばいいのか途方に暮れていると
真桜「おぉ!いたいた・・・お〜い凪〜隊長〜」
凪・一刀「「!?」」
二人は呼ばれた方を振り返るとそこには黄色い布を胸に巻いてユサユサと揺らし二人の名前を呼びながら傍まで歩いてくる真桜の姿があった。
真桜「みたって〜なコレ♪天和ちゃんふぃぎあ?って言うらしんやけど、コレがまたすごいんや!この辺の削り具合なんかゴハッ!!」
真桜は興奮し持っていた小さな人形を指でさしながら力説していると二人から強烈な拳骨を頭に貰い、痛みで涙目になりながら拳骨で出来たたんこぶを擦る。
真桜「いった〜〜〜!!なにすんねん二人とも?」
一刀「馬鹿かお前は?今俺たちは敵の中に侵入しているんだぞ!それなのに大声で名前を呼ぶ奴がいるか!」
凪「それになんだその人形は!こんな物!!」
ポイッ!!
真桜「にゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
凪は真桜から人形を取り上げるとポイッと投げ捨ててしまう。すると。近くにいた黄巾党がその人形を巡り乱闘が起きる。人形の姿は一瞬にして黄巾党が絡み合う中へと消えてしまった。
真桜「あぁ〜、せっかく長い行列並んで手に入れたのに〜」
一刀「まったく・・・・はぁ〜、後は沙和だけだが・・・・」
沙和「やっほ〜!凪ちゃ〜ん、真桜ちゃ〜ん、たいちょ〜う!やっと見つけたの!」
凪・一刀「「!?」
真桜が悲しみのあまり地面に手をついて愕然としているのを溜息を吐きながら見ていると。またしても、自分たちの名前を叫ぶ声がして来たのでそちらを向くと、今度は黄色い布を蝶ネクタイのように首に巻いている沙和がいた。
沙和「もぉ!折角私が沢山の行列に並んで手に入れた張三姉妹舞台衣装(仮)があっても真桜ちゃんと凪ちゃんがいないんじゃ意味がないの!ほらほら二人とも早くこの服に着替えふぇてぇぇぇぇぇ!!」
沙和は持っていた服を掲げ二人に着替えるように勧めようとするが、一刀と凪に両頬を引っ張られ涙目になりながら手をバタバタと振りながら痛みを訴える。
沙和「いふぁい!いふぁい!いふぁいほぉ〜」
凪「さ〜わ〜、貴様も何を考えているのかな〜?」
一刀と凪はこれ以上無いっと言うぐらいに頬を引っ張ると同時に手を話しペチッと頬が赤く腫れながら縮む。その時、振っていた沙和の手から持っていた服が飛んでいってしまい、人形同様人ごみの中へときえていってしまった。
沙和「うわ〜、折角買ったのに〜うぅ」
一刀「自業自得だ!まったく・・・二人とも華琳からなんて命令が出たか覚えているのか?」
沙和・真桜「「え、え〜と確か〜・・・・・」」
二人は一刀に言われ数日前に言い渡された命令を思い出す
回想
数日前
華琳「他の諸侯が動き出したそうよ」
華琳は軍議を行う部屋でそう言うと集まった武官と文官を見渡した。その場にはもちろん一刀達の姿もあった。一刀は先日話を聞いていたのである程度予測はついていた。
一刀「んで、俺たちはどうするんだ?」
華琳「もちろん私たちも出陣するわよ・・・・でもね、ただ戦に勝つだけでは面白くないとは思わない?」
一刀「っと言うと?」
華琳「あれ程の軍を束ねている張角・・・・・欲しいと思うでしょ?」
秋蘭「はぁ〜、また悪い癖ですか」
春蘭・桂花「「うぅ、華琳さま〜〜」」
またしても華琳の悪い癖が出たかと秋蘭はこめかみを押さえ、春蘭と桂花は嫉妬のあまり歯をギシギシ鳴らしながらハンカチを噛み締めていた。
華琳「だけど張角と言う人物がどのような者か誰も知らないのよね。・・・・・桂花」
桂花「は、はい!」
桂花は噛んでいたハンカチを離し一枚の紙を中央のテーブルへと広げる。そこには身長三メートルを越すヒゲモジャの大男が描かれていた。しかも、腕やら角やら尻尾などが沢山生えていた。何処の悪魔超人かよ!とツッコミを入れそうになる一刀。
桂花「捕まえた黄巾党の証言から描いたものなのだけれど、はっきり言って詳細が不明って言った方が早いわ」
華琳「というわけで一刀・・・・お願いね♪」
一刀「・・・・・・・・・・・・はい?」
いきなりの話しの振りに何の話かわからなくなる一刀。
華琳「だ・か・ら、貴方達北郷隊には黄巾党に潜入して張角および黄巾党内部の調査をしてきなさいって言ってるのよ」
華琳はもう一度、今度ははっきりとした命令口調で話した。一刀と後ろに控えていた凪達は言葉の意味を理解するのに一呼吸置くと。
一刀・三羽烏「「「「ええぇぇぇっぇえぇぇぇぇぇぇっぇ!!!!」」」」
回想終了
一刀「・・・・・・っというのが今回の俺たちに与えられた任務だっだはずだろ?」
凪「それなのにお前たちは・・・・」
今彼らが居るのは黄巾党の内部の中心近くにある休憩所らしき天幕が張り巡らかされた地点で自分たちに与えられた任務の再確認を行っていた。凪は二人のマイペースな行動を思い出し拳を握りワナワナと振わせていた。ちなみに今回の任務は極めて危険なため軍師の美里は本隊で待機となりミミをシュンとさせていた。
真桜「ちょっ!ま、待ちぃ凪!う、ウチらもただ遊んでたわけとちゃうで!」
沙和「そ、そうなの!ちゃ〜んと情報も集めて来たの」
二人はまた殴られるのではないのかビクビクしながら自分たちが得た情報を一刀達に伝える。
陣形としては周りに鎧などを黄色に染めた正規の黄巾党たちが取り囲みその内側にはこの戦乱に便乗した山賊や盗賊が配置され中央には黄巾党の中でも精鋭がそろった部隊が主将である張三姉妹を守護していた。
一刀「つまり、一度中に入ったら逃げられないっというわけか」
真桜「そのとおりや、来る者は拒まず去る者には袋叩きっちゅうことで奴らの兵力は日増しに増えていっとるで」
凪「しかしそんな事をすれば暴動や反旗を翻す者が出てきそうなものだが・・・」
凪は周りを見渡すと黄巾党の陣営の中はこれから戦を始めようとする雰囲気ではなく、まるでお祭りのような状態だった。辺りには小さな露店が開かれ売られている少女達に関連する品が次々に新しく入ってきた盗賊達の手にわたる。
沙和「それがそうでもないの。新しく入ってきた人たちはすぐに黄巾党の中央にある舞台に案内されて彼女たちの歌を聞かされるの。そしたらいつのまにか彼女たちのことが好きになって黄巾党を出ようとも思わなくなるらしいの」
凪「歌で・・・・どうゆうことなのでしょうね隊長?」
一刀「・・・・・・・・・・・おかしい」
凪「隊長?」
凪は隣に座っていた一刀がやたら周りを気にしているのに気付きどうしたのか尋ねてみる。
一刀「凪、周りをみてどう思う?」
凪「どう?と言いますと活気溢れていて、物の流通が激しく・・・・あっ!」
一刀「気付いたか、そういうことだ」
沙和「え?なになに」
真桜「どういうこっちゃ?」
一刀「俺たちは黄巾党の物資の運搬拠点を潰して奴らの供給を止めたはず・・・・なのに周りのこの活気と物資の流通はなんだ?」
真桜・沙和「あ!?」
一刀「考えられる事は一つ誰かが黄巾党に援助しているんだ。しかも、これだけの大軍に物資を与えられるほどの力を持った奴がな」
黄巾党中央
陣営の中央に設置された移動式の舞台の隣に黄巾党を束ねる張三姉妹が使っている天幕がある。中はさまざまな衣装や装飾品、兵が貢いだ食料などが置いてあった。そして、天幕の中では張三姉妹が眼鏡を掛けた白道士・干吉と会話していた。
人和「・・・・・援助の方、ありがとうございました。」
干吉「いえいえ、貴方達のお力になれたことだけで私は満足してしるので、お気づかいなく」
干吉は笑顔を絶やさないまま眼鏡をクイッと掛け直す。彼と話しをしているのは姉妹の中でも頭の良い末っ子人和だ。彼女は目を細め彼を見定める。
人和(・・・・・彼が私たちの前に現れたのはこれで二度目。一度目は私たちがまだ売れない旅芸人だった時、突然暗闇の中から現れて『私たちの力になれば』っと言って、太平要術の書を渡して消えた。そして、次に現れたのは補給を止められ軍が維持できなくなりそうになった時、・・・・・この人いったい私たちに何をさせようとしているの)
天和「眼鏡のお兄さ〜ん、一ついいですか〜」
人和が真剣に考えていると先ほどまでお菓子を食べていた長女天和が気の抜けた声を出しながら二人の傍まで歩いてくる。
干吉「なんですか?」
干吉は変わらず笑みを絶やさず答える。天和は人差し指を頬に当て上目づかいで干吉を見つめる。
天和「お兄さんには〜色々とお世話になっていて感謝してるのだけど、お兄さんはいったい私たちに何をさせようとしているのいか、気になって〜」
人和「ね、姉さん!?」
ストレートすぎる質問に隣にいた人和が驚く中、質問を受けた干吉は変わらず営業スマイルのお手本のような笑顔を二人に向けていた。しかし、ほんの微かにだが口元が上がり本当に笑ったかのような仕草が見られた。
干吉「そうですね。あえて言えば人を集めてほしいだけですかね」
天和「人を?」
干吉「えぇ、それさえしてくだされば後は好きにしていただいてくださって結構。彼らに歌を聞かせるのも良し、大陸を支配するのも自由です。今後も変わらず好きに行動していてください」
人和「・・・・本当に私たちの好きにしていいんですか?」
干吉「はい、もちろん」
三人はしばらく見つめ合い互いに沈黙が続く。そして、腕を組んで考えをまとめていた人和が口を開く。
人和「・・・・・・わかりました。私たちはこれからも『好きに』行動させていただくわ」
干吉「えぇ、結構ですとも・・・・では、私は他に用事がありますのでこの辺で失礼させていただきます。」
干吉は深く頭を下げ天幕の入り口から外に出ようとするのだが、出る手前で足を止める。
干吉「そうそう、一つ忠告がありました。遂に王朝から『黄巾党を討伐せよ』と書状が各地の諸侯に届けられ、周辺諸侯たちが動き出したことは・・・・・ご存じですか?」
人和「えぇ、報告が聞いてるわ。それが?」
干吉「その中でも、曹操という人物が不穏な動きをしていると聞きましてね。あそこは依然に貴方達の補給拠点を潰した所なのでくれぐれも用心するように・・・」
人和「ご忠告ありがとうございます」
干吉「いえいえ、では私はこれで・・・」
そう言って干吉は止めていた足を動かし外に出る。外には屈強な男たちが天和達が居る天幕を囲み警護していた。しかし、出て来た干吉に対し眉ひとつ動かさずただ立っているだけだった。男たちの目には干吉の姿は目に映っていない。
干吉「ふぅ、三女は私の事を初めから疑っていましたが、まさか長女も怪しんでいたとは、少し彼女たちをみくびっていたようですね。・・・・まぁ、先手は打ってありますから大丈夫でしょう。」
干吉は独り言を言いながら男たちの間を歩んでいく。そして、陣の外に出るとふと何かを思い出したかのように立ち止まる。
干吉「おっと!そう言えば彼らの術を解くのを忘れていましたね。・・・・・・・解!」
干吉が印を結ぶと先ほどまで全く動いていなかった男たちが何事も無かったかのように動き始めた。
干吉「やれやれ、私にもこんな人を縛る術ではなく、彼女たちのように人を惹きつける力があればこの様な周りクドイやり方はしなくてよいのですがね・・・・それに左慈の気も楽に惹けるというものです。まぁ、苦労してこそ真の愛というものが芽生えると言えるでしょう。」
干吉はそう言うとその場からふわりと消え去った。
天幕から干吉が去った後、しばらく二人はその場から動こうと思わなかった。相手の動きに敏感になっていた人和はもちろんだが普段おっとりとしている天和も彼の前では緊張していたらしい。二人は止めていた息を吐き出し肩の力を抜く。
天和「どうやら行ったみたいね人和ちゃん」
人和「えぇ、姉さん・・・だけど、あまりヒヤヒヤさせないでちょうだい」
天和「え〜何のことかな〜」
人和「質問のことよ!まったく、もし彼に気付かれたらどうするつもり!」
人和は頭を押さえながら姉を叱るも当の本人は腰をひねりのほほんとした声で『わかな〜い♪』と反省の色はまったくない態度をとり、人和は先ほどとは違う溜息をつく。
天和「でも、あれで彼の目的の一部はわかったわけだし〜『ケツがよろしければスベがいい』だよ♪」
人和「それを言うなら『結果よければ全て良し』よ、姉さん」
天和「あれ?そうだっけ?」
人和「はぁ、でもこれで補給不足による混乱は避けられたわ」
天和「お腹すいてちゃ機嫌も悪くなるもんね♪」
姉の天然ボケに今日何度目かわからない溜息を吐く人和はそのまま天幕に置かれた椅子に座ろうと椅子の取っ手に手を掛けようとするのだが。
ムニュ?
天和「きゃっ!な、なに?どうしたの?人和ちゃん?」
人和「あ、あれ?取っ手を掴んだつもりだったのだけれど・・・これって姉さん胸?」
ムニュ?ムニュ?
天和「いやん!ちがうよ〜、そっちは私のオシリだよ。もう!」
天和は頬を膨らませながらも人和の手を引き椅子に座らせると自分も向かいにある椅子に腰をかける。
人和「ありがとう姉さん」
天和「どういたしまして。ところでさっきから気になってたんだけど、なんで眼鏡してないの?」
と言い自分の目を指しながら指摘する天和。普段の人和は眼鏡を常時つけているのだが干吉がやってくる少し前から無くなっていた。人和はこめかみを擦りながら疲れた目を閉じる。
人和「ちー姉さんが変装するから貸してって無理やり取っていったのよ。お陰で視界がボヤけてしょうがないわ」
天和「そういえばちーちゃんどこに行ってるんだろうね?」
人和「『ちぃは絶対反対だからね!』って言って出て行ったきり戻ってきてないわ。まったくこんな大事な時に・・・」
天和「まぁまぁ、要術書を使えるのはちーちゃんだけだし、それに今の生活を一番気に行ってるのもあの子だし」
人和「・・・・・それはわかってる。・・・・だけど、このままじゃいけないってこともちー姉さんは知ってるはずよ」
天和「うん、だからね、待ってあげよ。ちーちゃんが帰ってくるのを・・・ね?」
人和「・・・・はぁ、わかったわ。それじゃちー姉さんが帰ってくる前に準備を終わらせておきましょ」
天和「ふふ、は〜い♪」
一刀「それじゃ、今後についてだが・・・・意見のある奴はいるか」
黄巾党本陣の中にある食事場に今後の方針について話し合う北郷隊の姿があった。一刀が三人に意見を求めると凪が小さく手を挙げた。
一刀「ハイ!凪」
凪「えっと、私はやはり首領である張角を捕まえることが大事だと思います」
一刀「それは駄目だ、今張角がいなくなれば残った黄巾党は混乱し暴走する恐れがある」
真桜「ほなら張角を脅すちゅうのはどうないやろ?」
一刀「さらっと怖い事言うなお前は・・・脅すとしてもどうするんだよ?」
真桜「そんなん三姉妹の内のだれか一人を攫って「却下!」じょ、冗談ですわ」
一刀「俺たちは賊じゃないんだ、そんな姑息な真似をしてみろ!華琳に首を跳ね飛ばされてしまう!」
一刀は手で首筋を切る真似をする。
沙和「だったら、お願いしてみるの。もう戦いは止めてってお願いするの」
三人は沙和のお気楽な提案に溜息を吐く。沙和は三人の行動にアタフタと戸惑ってしまう。
凪「・・・沙和、それでこの問題が解決すれば苦労はしない」
沙和「うぅ、そ、それくらい沙和も理解してるもん」
真桜「んで?隊長はどうするつもりなん?」
真桜の質問で三人の視線が一刀に集まる。一刀は腕を組んで唸りながら考える。
一刀「う〜ん・・・・・俺はだな「ちょっとなにすんのよ!」・・・なんだ!?」
一刀が口を開こうといた時、近くから騒がしい声が聞こえてきだした。彼女たちがそちらを向くと眼鏡を掛けた水色髪の少女が黄巾党の男に腕を掴まれていた。
少女「ちょっと離しなさいよ!ちぃを誰だと思って・・・・」
黄巾党「そんなに騒ぐなよ譲ちゃん。張三姉妹ほどじゃないがなかなか俺好みじゃないか、ちょっと茶でも飲もうぜ?」
少女「はぁ?誰がアンタなんかと!アンタみたいな奴がいるから黄巾党がこんな風になってしまったのよ!いい加減離せ!離しない!」
少女が男に蹴りを当てるも男はビクともしない。男は少女の抗う姿をみて楽しんでいた。
一刀はその光景を黙って見過ごせるはずもなく少女を助けるため立とうとするのだが、腕を凪に掴まれてしまう。
凪「隊長、今騒ぎを起こすのは危険です。」
一刀「だったら見過ごせって言うのか?・・・・なに安心しろ、少し手を加えるだけだから」
凪「あ!隊長!」
一刀は凪の手を振りほどき、いまだに弄ばれている少女のもとに向かう。
男はある程度楽しむと少女の手を離し地面に突き飛ばす。
少女「いった〜い!何すんのよ!」
黄巾党「聞き分けのない譲ちゃんには少しお仕置きが必要かな?」
男はバキゴキと手を鳴らしながら少女に近づく、少女は強気な態度を取ってはいるモノの目には涙が溜まり今にも零れ落ちそうになっていた。
男は少女の服を引きはがそうと手を伸ばす少女は身を屈め体を小さくする。
少女(だ、誰でもいいから・・・・だれか助けてよ)
少女は心の中で助けを求めるが周りの黄巾党はだれも助けようとはしない。それもそのはず、彼らにとって今の光景は普通なのだ自分たちが崇拝している少女達以外にはこれ以上の事をやってきている。だから、別に助ける義理はない彼らはそう思い。彼女が襲われるのを楽しんだり、見て見ぬフリをするのだ。
少女(これが・・・・これが私たちの黄巾党なの?・・・・こんな野蛮な連中に私たちの歌を・・・・)
黄巾党「それじゃ先ずはその小さな胸を「ちょっと失礼、通りますよ」あぁ?」
男が少女に手を掛けようとした時少女との間に一人の黄巾党が横切る。男は伸ばしていた手を戻し邪魔に入った黄巾党にガンを飛ばすがその黄巾党は男の方には見向きもしなかった。
男は邪魔をした黄巾党を睨みながらも引っ込めた手を一気に伸ばし掴む。手にはムニムニと柔らかい感触があった。男はその感触を感じながら恥ずかしがる少女の顔を見ようと視線を前にするのだが・・・
黄巾党(大)「あぁ?なんだテメェ?人のケツ触って?」
黄巾党「・・・・・・・・・・・・・・へ?」
男が触っていたのは巨漢の黄巾党の尻で、男は慌てて周りを見渡す。すると、先ほどまで目の前にいた少女が自分の後ろにいた。少女も目を丸くして驚いている様子だった。なんでこんな事になっているのか男はもう一度周りを見渡した。
そして気付いた少女がいる場所は変わっていない変わったのは自分の向き。男は気付かないうちに少女とは真逆の方角を向いていたのだ。
黄巾党(大)「人のケツ触って唯で済むとは思ってねぇよなぁ?」
黄巾党「いや、ちゃっとまっグホバラァ!!!」
男は巨漢の黄巾党に殴り飛ばされ他の黄巾党を巻き込みながら倒れた。そして、それがきっかけとなりその場は乱闘状態に陥った
黄巾党「オラやんのかテメェ?」
黄巾党「オウ!上等だ!!」
ドガッ!バコッ!バキッ!ドゴッ!
少女「ちょ!これっていったいどうなってるわけ?」
少女は突然の場の変化について行けず呆然と座ったままだった。しかし、その少女の手を掻動のなか握る手があった。
黄巾党「逃げるぞ!」
少女「え?あ、アンタはさっきの通りすがり」
手を握ったのはさきほど少女と男の間に割って入った通りすがりの黄巾党だった。黄巾党は少女の手を引きその場から離れる。
安全な場所まで来ると黄巾党は手を離しその場に立ち止まる。
黄巾党「はぁはぁ、此処までくればもういいだろう」
少女「はぁはぁ、い、いったいなんなのよ!」
凪「お見事でしたね隊長」
少女「え?だ、誰よアンタ達」
少女が後ろを振り返ると凪達の姿があった。そう、今少女の手を引いてきた黄巾党は北郷一刀である。正体がばれない様に通りすがりを装いながら男の向きを逆向きに受け流し方向を変えて少女を助けたのである。
一刀「大丈夫、俺の仲間だから」
少女「仲間?貴方達も黄巾党なの?」
凪「え?えぇ、まぁ・・・・」
あまり嘘が下手な凪は言葉が詰まってしまうが、横から沙和と真桜が割り込み「私たち黄巾党!」と言いながらそれぞれ自分たちの付けている黄色の布を主張する。少女もそれをみて納得したみたいだ。
少女「ふぅ〜ん、アンタ達も黄巾党だったのね。他の奴らと違うみたいだったから違うのかと思った。」
一刀「まぁ、俺たちは最近入ったばかりだからなそう見られても仕方がないのかもしれない」
少女「・・・・そう・・・なんだ。・・・・・・やっぱり、アンタ達も人を襲うのが目的なの?」
四人「え?」
少女の問い掛けに唖然となる四人。少女は四人に構わず離し続ける。
少女「黄巾党ってさ初めは悪いことをする集団じゃなかったんだよ。・・・でも、ある時てん…張角様が冗談半分で『大陸で一番になる』って言ってしまったのそれからかな…黄巾党が殺しの集団になったのって・・・」
四人「・・・・・・・・・・」
一刀達は少女が物哀しそうに語る姿をみて先ほどの威勢の良い姿が嘘かのように思えた。
少女「でも、ちぃは別にどうでもよかった。ちぃが痛いわけでも苦しいわけでもないそう思ってたから・・・だけど、姉さん達はちがってた。・・・・姉さんたちはもうこんな事は止めようって言ったの、だけどちぃは反対だった。だって、止めてしまったら今の生活が無くなってしまう。自分たちの好きなことが出来なくなってしまう。・・・そう思ったの・・・」
少女「・・・・だけどね、ちぃもう黄巾党を辞めようと思うの!」
少女は涙ぐんでいた目を拭い顔を上げる。そこには何かを決意した晴れやかな笑顔があった。
少女「さっき襲われそうになった時、正直言うと凄く怖かった。でも、それ以上にあんな奴らが黄巾党なんだっていう事がもっと嫌だった。だから、もうこれ以上あんな奴らに黄巾党を好き勝手させたくないの!」
少女は空に向かって高らかに宣言する。しかし、少女は突然何を思ったのか顔がみるみる赤くなり膝を抱えて丸くなってしまった。
少女(うわぁ〜なにいきなり言っちゃってんのよ!襲われた恐怖でどこか可笑しくなっちゃんたのかしら!初対面の人たちにこんな事話して!あぁ〜もう!ちぃのバカバカバカバカーーーー////// ///////)
心の中で自己嫌悪していると少女の頭に上に温かい感触が伝わる。少女は視線を上げると一刀が少女の頭を撫でていた。
一刀「いろいろ考えてたんだな。・・・・優しいな」
少女「ちょっ!?子供扱いしないでくれる////// /////ちぃが言いたいのはようするにあんな連中になってほしくないって言ってんのよ!」
一刀「うん、やっぱり優しい優しいやさシィ〜〜〜〜♪」
少女「だ・か・ら!子供扱いするなぁぁぁぁぁぁ!!!///// //////」
少女は子供扱いされ怒りながらも一刀の手を払おうとせずそのままの状態を続けていた。その傍では羨ましそうに一刀のナデナデを三羽烏が見つめていた。
一刀「いや〜ごめんごめん。あまりに可愛かったからつい」
少女「まったく、・・・で?アンタ達はこれからどうするつもり?」
一刀「そうだなぁ、とりあえず張角に一度会ってみたいんだけど・・・・」
少女「え?ねえさ・・・張角様に会いたいの?」
一刀「あぁ、話したい事があるんだ。どうやって会えばいいかわかる?」
一刀は少女に尋ねると少女は少し黙って何やら考え出した。そして、うんと頷くと
少女「いいよ、ちぃが張角様の所まで案内してあげる」
一刀「本当か?」
少女「もちろん!さっき助けてくれた御礼もしたいしね」
少女はそう言うとこっちだよっと手招きしながら走り出す。一刀達もその後に続いて歩き出す。すると、歩きながら凪が一刀に耳打ちで喋りかける。
凪「隊長、本当にあの少女に付いて行ってよろしいのですか?」
一刀「凪もあの子の話を聞いただろ?あの子は優しい子だ信用できる。」
凪「し、しかし」
真桜「大丈夫やって凪、なんかあったらうち等で隊長を守ればいいんやし」
沙和「沙和もあの子は大丈夫だと思うの」
凪「皆が・・・そういうのなら・・・」
少女「ほらソコ!なにコソコソ喋ってんの?置いて行くわよ」
少女は彼女たちを急かしながらも押しを止めて彼女たちが来るのを待っていた。凪もその姿を見て少し疑う気持ちが薄れた。
少女「此処よ、此処にねえさ・・・張角様達がいるわ」
少女に案内されてきたのは黄巾党本陣の中心地だった。そこには屈強な体をした親衛隊が立ち並び警護をしていた。
真桜「うひゃ〜、ゴッツイのがぎょうさんおるなぁ」
沙和「うえぇ、なんだかむさ苦しいの」
凪「しかし、こんな警備のなかどうやって張角に会いに行くのだ」
少女「簡単よ。正面から行けばいいのよ」
一刀「え?正面って、お、おい?」
一刀が聞き直そうとする間もなく少女は警護していた親衛隊の前に出る。少女は指をクイクイっと曲げ付いてくるように指示を出す。一刀たちは少し不安になったが、少女を信じ付いて行く。
そして、少女は中心地入り口を警護していた親衛隊の前まで近づく。親衛隊は持っていた槍を構え少女に切っ先を向ける。
親衛隊「止まれ!此処から先は関係者以外立ち入り禁止だ」
少女「分かってるわよそれぐらい。この顔見ても分からないの?」
少女は掛けていた眼鏡をはずす。すると、親衛隊は顔を青ざめながら背すぎを伸ばし敬礼のポーズをとった
親衛隊「し、失礼しました!お帰りなさいませ張宝様!」
少女「見張り御苦労さま、後ろの人たちはちぃの友人だから通して上げて」
親衛隊「はっ!」
一刀「ちょ、ちょっと待て、今キミ張宝って・・・え?」
一刀は聞き間違いではないのかと思った。しかし、少女は後ろを振り返ると悪戯が成功した時に見せる子供と同じ笑顔を向け掛けていた眼鏡をクルクル回し自己紹介をした。
少女「改めて名乗るわね。ちぃの名前は張宝、黄巾党首領の張角は私の姉よ。四人には助けてもらったし悩みも聞いてもらったから真名の地和で呼んでもいいわよ。舞台以外で呼ばせる事って滅多に無いんだからありがたく思いなさい」
四人「・・・・・・・・・・・・」
四人はあまりの驚きに言葉を失う。少女はそんな彼女たちを自分たちの天幕へと案内する。天幕の入り口で少し待つようにいうと地和は中に入る。中では天和と人和が舞台で使う衣装に着替えていた。
天和・人和「「地和ちゃん!(ちー姉さん!)」」
地和「えへへ、た、ただいま」
天和「もう!どこいってたの?お姉ちゃん心配したんだから!」
地和「ちょっ!姉さん苦しうぶっ!?」
天和はまだちゃんと着ていなかった衣装のまま帰ってきた地和を抱きしめる。地和は姉の大きな胸で顔を埋め息ができなく、じたばたしていた。その後、見るに見かねた人和が天和を宥めたお陰で、地和は姉の胸で窒息死することは免れた。
地和「もう、危うく打ち上げられた魚みたいにピクピクするところだったじゃない!」
天和「ごめんごめん・・・・でも、なんだかちーちゃん元気になったみたいでお姉ちゃん嬉しくって」
地和「え?」
人和「ちー姉さん最近元気なかったみたいだから、要術書は使うと体力を消耗するから心配してたのだけど、でも使えるのは姉さんだけだから色々甘えてたわ。ごめんなさい。」
地和「人和・・・ううん、そんなことないわよ。二人にはちぃの出来ない事をしてもらってたんだし、おわいこよ。あ!あと、これありがとね。」
そう言いながら借りていた眼鏡を人和に返す。人和は返してもらった眼鏡を掛け指をクイッと持ち上げる。
天和「それで?本当にいいの?」
地和「うん、ちぃ決めた今の黄巾党はちぃたちが望んだ人たちじゃない。だから、また一からやり直して今度は誰も苦しまなくて楽しめれるようにしたいの。だから・・・」
人和「・・・・覚悟は決まったようね」
三姉妹は天幕の中央に集まり手を重ね合いながらお互いを見つめ合う。その目は決意を堅くした強い眼をしていた。
張三姉妹「「「私たちで・・・黄巾党を止めましょう!!!」」」
地和「あ!そうだった。姉さんに会いたいって言う人たちがいるの会ってくれる?」
天和「私に?うん、いいよ」
地和「ありがとう姉さん。皆入ってきてもいいよ」
人和「ちょ!?姉さん待っ!?」
三姉妹は決意を新たに決めると、地和は人和の制止をする間もなく一刀達を天幕の中に招いた。・・・・のだが、入ってきた彼女たちは唖然とした。なぜなら、三姉妹の中で一番の巨乳の天和の衣装はまだちゃんと切られていなく胸が丸見えだったからだ。
凪「・・・・す、すごく」
沙和「お、大きいの」
真桜「そうか?あれならうちも負けていないと思うんやけど」
凪と沙和は天和の胸を羨ましそうに見ていたが真桜の発言に目をカッと見開き睨みつける。そして、女である一刀は動揺した様子も無く天和に平然と話しかける
一刀「貴方が張角さんですか?」
天和「え、えっと貴方は?」
一刀「話す前に服をちゃんと着てくれませんか?目のやり場に困りますから」
一刀の指摘にやっと自分の状態を認識した天和は一刀達に背を向けイソイソと胸を衣装の中に入れる。しかし、地和は何故か怒っていた。
地和「ちょっとアンタ!なんでそんな平然としてんのよ!ちょっとは動揺しなさいよ!ほらこんな大きな果実滅多に無いはずよ!この揺れ具合グッとくるでしょ!!」
天和「ちょっとちーちゃん!?折角入れたのにそんなに揺らしたら零れちゃうよ〜」
地和は平然とする一刀に見せつけるように天和の胸を下から上に押し上げる。そのさい天和の胸の上は震度7強の揺れを記録した。それでも尚一刀は平然としながらボソッと呟いた。
一刀「いや、俺女だし、それに自分のでも見慣れてるからどうてことは・・・・・」
凪「ん?なにか言いましたか隊長?」
一刀「いや別に!?そ、それよりも、話を始めてもいいか?」
一刀が話を切り変えようとする。地和はまだ不服なのか頬を膨らませながらソッポを向く。天和まだ衣服からはみ出した胸を押しこむのに悪戦苦闘していたので、代わりに人和が話を聞くことにした。
人和「話なら私が聞くわ。それで話というのは?」
一刀「単刀直入に言う。黄巾党を解散してもらえないか?」
人和「・・・・・・それはどういうことですか?」
一刀「正確に言うとキミたちを保護したいっと言うことだ」
人和「保護と言うと貴方達は黄巾党では無いってことですか?」
一刀「・・・・・・・そのとおりだ」
地和「え?それどうゆことよ!」
先ほどまでソッポ向いていた地和だったが一刀たちが黄巾党では無いっと聞くと驚いた表情で一刀達の顔をみる一刀達はバツが悪そうな表情をしながら視線をそらす。
凪「すみません。騙すつもりはなかったのですが」
地和「じゃぁ、ちぃを助けたのも姉さんに近づくために・・・」
沙和「それはちがうの!!」
真桜「そや!アンタを助けたのは隊長の独断や!隊長はただ目の前にいる困ってるアンタをほっとけなかっただけや!」
地和は三人の言葉を聞き一刀に視線を向ける。一刀は地和の目を正面から見れなかった。理由はどうあれ地和を騙していたのだから、弁解する余地もなかった。
一刀「・・・・それでも俺は地和をだまし「な〜んだ、それじゃこれでお相子だね」・・・・な!?」
しかし、地和は一刀を責めるわけでも罵倒するわけでもなく笑顔で軽く許したのだ。
地和「だってちぃだって皆に正体を明かさなかったんだからこれでお相子、帳消し、しゅうりょ〜う」
一刀「い、いいのか本当に?」
地和「だって、アンタ達はちぃを助けてくれてちぃの悩みも聞いてくれた。それだけでアンタ達が良い奴だってわかったんだもん」
一刀「いや、しかしだな」
地和「だったら・・・アンタ達の名前ぐらい教えなさいよ。いつまでもアンタじゃ失礼でしょ」
一刀たちはキョトンとした表情になる。しかし、これがこの少女地和の良いところなのだと知り、頬笑みながら自己紹介をする。
一刀「では改めて、ゴホン!陳留太守曹操が配下北郷隊隊長、北郷一刀。俺のことは好きに呼んで構わない」
凪「同じく北郷隊副隊長楽進、真名は凪。先ほどの非礼お詫びします」
真桜「同じく北郷隊副隊長李典、真名は真桜や」
沙和「同じく北郷隊副隊長の干禁なの、真名は沙和って言うの仲良くしようなの」
一通り自己紹介が終わる。この時三人がなぜ真名を名乗ったかと言うと先に地和から真名を預かっていたので自分達も預けないと失礼だと反出したからだ。彼女たちの自己紹介を聞くと人和は眼鏡を上げ一刀を睨みつける。
人和「曹操・・・というと、私たちの補給運搬拠点を潰した所よね。そんな人たちがなぜ私たちを保護しようと言うの?」
一刀「それはかり・・・曹操がキミたちの力に興味があるからだ」
天和「私たちの力?」
一刀「人を惹き付ける力、それが歌だったのは正直ビックリしたけど、その力を俺たちのために貸してくれ「お断りします」・・・な、なに?」
人和はキリッと目を細め強く一刀達を睨みつける。その目には殺気が籠っていた。
人和「私たちはもうこれ以上戦いに巻き込まれたくないんです。」
一刀「いや、でもこのままじゃ「ご心配なく!」!?」
人和「貴方達の申し出でが無くとも私たちは黄巾党は私たちの力だけで止めますから」
一刀「止めるってどうやって?」
人和「それを貴方達に言う必要はありません。もし貴方達が私たちの邪魔をするようなら・・・」
人和が手を挙げ親指と中指をくっつけるパチンと音が鳴る形をとる。もし此処で指がなれば周りにいる親衛隊たちが瞬く間に彼女たちに刃を向けその首を切り落とすであろう。しかし、彼女達と人和の間に地和が割って入り両手を広げ立ちふさがる。
地和「こいつ等に乱暴するのはちぃが許さないわよ!人和!」
人和「ちー姉さん!?・・・・どうして?」
地和「こいつ等は私の恩人なの!それにこの人たちなら大丈夫!姉のちぃが言ってるんだから言う事と聞きなさい!」
地和が人和に対して睨みつけると人和は溜息を吐きながら上げていた手を降ろし背中を向ける。
人和「ちー姉さんの恩人なのなら仕方ないわ。ただし私たちの邪魔をするようなら容赦しないから・・・・」
天和「え?ちょ、人和ちゃ〜ん」
人和はそのまま天幕を出て行ってしまった。天和もその後に続き天幕の外に出て行く。残された地和は大きく息を吐き肩の力を抜く。
地和「ごめんね。人和自分の考えていた計画を邪魔されたことにまだ怨んでたみたいで。あ!でも安心してよね黄巾党は絶対私たちで止めて見せるんだから、アンタ達は大人しくちぃ達の活躍を見てなさいよ!」
地和もそれだけ言うと天幕を出て行ってしまった。取り残された彼女たちはどうするか迷い、凪は一刀に聞いた。
凪「これからどうしますか隊長?」
一刀「とりあえず彼女達が何をするか様子見だな」
真桜「そんじゃま、あいつ等がなにをするかじっくりと見させてもらいましょうかね」
沙和「さんせ〜い♪」
彼女たちは天和達の様子を見るべく天幕を後にする。しかし、この時一刀は胸がザワザワと胸騒ぎがしていた。彼女はこの胸騒ぎが気の所為であってほしいと願いながら天和達が向かったと思われる舞台へと足を向けた。
後編に続く
説明 | ||
皆さまお久しぶりです。今回は小説を長く書きすぎたため投稿が拒否されました。ですので苦渋の決断として二部に分けることにしました。誠に申し訳ございません。ですが、皆さまが楽しめれるように書きましたのでなにとぞ前編・後編共にそれぞれコメントを書き込んでもらえれば感激です |
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コメント | ||
物資の供給ってのはまあ分かるけど、沙和が気に入るほどの服や真桜が熱弁する人形って・・・干吉さん?貴方はどんだけ手広く供給したんだ?^^;(深緑) ほわちゃーなマリア 様ありがとうございます。たぶん干吉は自分の思いを抑えながら左慈を応援するのではないでしょうか(転換者) 抹茶様ありがとうございます。サラシの技術では霧にも引けは取らないでしょう(転換者) FALANDIA 様ありがとうございます。ここではそこそこあるとしか答えられません(転換者) そして、干吉も一刀の正体を知ったとき、左慈の気苦労と言うものがわかるのでしょうね。そして、天和フィギア・・・いったいどんなポーズをしているのやら・・・(ほわちゃーなマリア) そしてそれを隠せる謎のサラシっと(抹茶) つまり、天和の胸に見劣りしない程度に一刀の胸はデカい、と。(FALANDIA) |
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